三人は攻略会議をする街の広場に着いた。
そこには三十人ほどの人たちがいた。
「思ったより多いですね」
「?そうなのか?」
「よく考えてみろよ。
このデスゲームはHPが全損すれば現実の自分も死ぬんだぜ?
ここに居る奴らを悪く言うようで悪いが死にに行くようなもんだろ」
キリハの言った言葉にアスカは疑問だったが、キリトが言った言葉でなるほどと思った。
キリハが広場にいるプレーヤーを見回していると野武士面のプレーヤーがいた。
「クライン!」
野武士面のプレーヤー、もといクラインは自分の名前を呼ばれて振り向いた。
「ん?おお!キリハにキリトじゃねえか!
二週間ぶりだな!
アスカはさっきぶりだな!」
クラインは三人の居るところまで歩いて行った。(というかフードをかぶっててよく分かるもんだ。)
「えぇ二週間ぶりですね。
元気そうで何よりです。
そちらの方々が前に言っていた人達ですか?」
キリハはクラインに挨拶したあと後ろに居る人達については聞いた。
「あぁ、こいつらが俺のパーティーメンバーだ」
「リーダー、この二人がもしかして前に言っていた二人っすか?」
「そうだ、こっちがキリハであっちにいるのがキリトだ」
「初めまして、キリハと言います」
「キリトだ。
よろしく」
各自の自己紹介が終わり、クラインが気になっていたことを聞いた。
「ところでよぉ、お前さんらとアスカはどういう関係なんだ?」
「あぁ、アスカは僕らの幼馴染みでキリトの恋b「アスカてめぇ!可愛い恋人居るじゃねぇか!」「俺は一回も恋人がいないなんて言ってないぞ!?」...二人とも静かにしましょう「「ぐふっ!」」」
目の前で(クラインの一方的な)言い合いをし始めた二人をキリハは腹パンで(物理的に)黙らせた。
「はーい、それじゃあ会議を始めさしてもらいまーす。
そこの人達は静かにしてください」
キリハ達は注意されたのでおとなしく座った。
「俺の名前はディアベル。
気持ち的にナイトやってます!」
ディアベルと名のった人物に周りは「SAOにジョブはないだろう!」「本当は勇者って言いたいんじゃないのかー!」などとはやし立てた。
ディアベルは真面目な顔に戻り
「昨日俺達のパーティーがボス部屋を発見した。
俺達は始まりの街に残っている皆のために上に進んで行かなきゃならない!そうだろ!皆!」
これを聞いて口笛を吹くもの、「その通りだ!」と賛同するものなどがいた。
そこに
「ちょっといいでっか!」
声のする方へ向くとサボテンみたいな頭をした男がいた。
その男は階段を飛び降り、ディアベルの前まで行った。
「ワイの名前はキバオウや。
会議始める前にこの中にわび入れとかなきゃならん奴らがおるはずや」
「キバオウさん、その人たちはもしかして元βテスターの人達のことかい?」
「きまっとるやろがい!
βの奴らはニューピーほっぽって情報も公開せず自分らだけどんどん先行きよった。
そいつらの金と装備を置いてもらわなきゃ命を預かれんし預けるきもあらへん」
この言葉を聞いてキリハはキレる寸前だった。
確かに自分もニューピーを置いていったが、βテスターの中にはニューピーを見捨てなかったものもいたらしい。
今は何とか抑えているが次キバオウが何か言ったら抑えられる自信が無い。
現にアスカ達が何か言っているが聞こえない。
すると
「発言いいか」
200センチを超えるスキンヘッドの黒人が立ち上がりキバオウの前まで行った。
「な、なんや、われぇ」
「俺の名前はエギルだ。
キバオウさん、情報がないと先ほどいったが情報はあったと思うぞ」
エギルと名のったプレーヤーは懐から手帳サイズの本を取り出した。
「ガイドブックだ。
あんたももらったろ?」
「もろたで、それがなんや!」
「この本を作ったのはβテスターだと言いたいんだが」
エギルの発言に周囲がざわめき出した。
「いいか、情報はあった。
だが沢山の人が死んだ。
俺はそれが他のゲームと一緒の感覚でやったせいだと思っている。
そいつらの死も無駄にしないための攻略会議だと俺は思うんだがな」
キバオウは何も言い返せず鼻をならし席に戻っていった。
エギルがこっちを見た気がしたが気のせいだろうか?
ディアベルはうなずき、自称コミュ障のキリハとキリトに取ってきついことを言った。
「よーし、それじゃあパーティーを組んでくれ!」
「「え」」
クラインのパーティーに誘われたが、パーティーの上限は七人、全員でパーティーは組めない。
結局キリハ、キリト、アスカの三人で組むことになった
「それじゃあ今日は一旦解散です!
明日は朝十時集合してください!」
今日は解散となり、三人はクラインたちと別れ自分達の宿へ向かった。