※修正しました。
あれから二週間、およそ千人のプレーヤーがこの世界から退場したが、いまだに第一層にとどまったままだ。
現在二人は女だとばれないようにするためにフードをかぶり(幸いにも二人は口調を変える必要がない)ダンジョン内でmobを狩りながら探索していた。
「そういえばキリト、聞きましたか?ボス部屋が発見されたそうですよ」
「あぁ、聞いたぜ。今日攻略会議をやるらしいな」
二人がそんな会話をしていると、遠くから剣を打ち合う音が聞こえた。会話を止めダッシュで音のする方へ向かう。音の発生源では、一人の青年がゴブリンと戦っていた。二人は唖然とした。何故ならその青年はこの世界に来ているはずのない人物だったからだ。
ゴブリンがポリゴンになり戦闘が終わり次第二人はその青年に向かって走った。
足音が聞こえのか青年はこちらを振り向いた、瞬間キリトはその青年に飛びついた。
「うわっ!」
青年はびっくりしながらも受け止めた。
「え?ちょっ、何?」
青年は混乱しているようだ。それはそうであろう、振り向いた瞬間にフードをかぶった人物が飛びついて来たのだから。だが、その混乱はすぐに収まった。
「明日加...」
「え、佳奈?」
青年─結城明日加─は飛びついて来た人物の声を聞いて自分の恋人兼嫁だと分かった。
「てことは」
明日香はもう一人の人物に顔を向けた。キリハはフードを取る。
「やぁ、久しぶりです、明日加」
「和葉」
予想通り、和葉であった。明日加─アスカ─は知っている人物、というか幼馴染みとの再会に喜んだが
「...んで...」
「ん?なんだって?」
キリトがアスカの胸にうずくまった状態で何かを呟いた。その声を聞こうと顔を近づけ─
「何で、こんな所に居やがるんだーーー!!!」
「ぐはっ!!」
─ようとしたアスカだったが、キリトに殴り飛ばされた。壁にぶち当たり悶絶しているアスカに容赦なく蹴りを入れる。
「てめぇ、俺が誘ったら出来ないとか抜かしてたよな?ならなんで居るんだよ!」
「キリト、落ち着きなさい。それ以上蹴ったら明日香が死んでしまいます」
倒れているアスカに蹴りを入れてるキリトをキリハは止めた。
あえて言わせてもらおう。
なにこれカオス・・・
数分後、アスカが回復したので説明をしていた。
「いやまぁ、佳奈達を驚かせようと思って、SAOを買った兄さんに理由も説明して今日だけ貸してくれって頼んだんだよ。そしたらOKしてくれてさ。さて探そうとしたけど、入ってから気づいたんだよね。俺、佳奈達のアバターの姿知らないって」
「アホ(か/ですか)!?」
まぁ要するにアスカはキリト達を驚かせようとしたらしいが、探せないことに気づいたらしい。なんともアホなことか。
「はぁ、それで?俺たちを探していたら、このデスゲームに巻き込まれたと」
「まぁそんな感じだな。で、どうせ佳奈達のことだから始まりの街にとどまらないで先に向かってるだろうなと思って武器を調達してここまで来たって訳」
「・・・一人でか?」
「いや、途中までは一緒に来た人たちがいたぜ?確か六人パーティーだったかな?街を出ようとしたら、そのパーティーのリーダーの人が街を出るのかって聞いてきたから、もちろんだって答えたら「頼む!俺たちも一緒に行かせてくれ!ある奴らに追いつかなきゃいけねぇんだ!」って言って来たからそれはこっちも願ったり叶ったりだから了承したんだ。で、ついさっきまで一緒だったんだ。今は街に戻ってるんじゃないか?」
これで説明は終わりとアスカは言った。二人はそのパーティーリーダーに心当たりがあった。
「なぁ明日香、そのパーティーリーダーって野武士面だったか?」
「ん?あぁ確かそんな顔だったな。なに、知りあい?」
「まぁな、初日にそいつにちょっとレクチャーしたんだよ。まさか本当に来るなんてな」
キリトは嬉しそうな顔をしていた。アスカはムスッとしている。
「それより明日香、これからどうするんだ?」
アスカは顔を戻して。
「どうするって?」
「今日これから攻略会議を街でやるらしいんだけど、明日香も一緒n「もちろん行くさ!」お、おう、分かった...」
基本的に佳奈が明日香を誘った場合、絶対に外せない用事がなければ着いてくる。
「じゃあ、行きますか」
キリハ達は街に向かいながら自分達のプレーヤーネームを教え合い、まわりに他人が居ない限り本名は呼ばないことにした。(これについてはアスカは抗議したが「「本名をプレーヤーネームにしたアスカが悪い」」と二人に一喝された。)
三人はこの二週間にあったことを話し合いながら街に向かった。
やっと明日加を出せました
ではまた次回