ストックが終わり次第不定期更新となります
2017/5/3
※修正しました。
あのあと各自武器を購入し、フィールドに出てキリハとキリトはモーションの確認、クラインはmobと戦う練習を始めた、のだが…。
「どりゃあ!うぉ!ぐはっ!」
曲刀を振るが外し、イノシシ型のmob、『フレイジーボア』に突進され吹っ飛ばされた。それを見ていた二人の反応はというと
「あははは!クラインさいっこう!」
「大事なのはモーションですよ、クラインさん。あとキリト、笑いすぎです」
キリトは腹を抑えて笑い、キリハはアドバイスを送っていた。
「いててて、モーションっつったって、あいつ動きやがるんだぜ?キリハ。あとキリト、後で覚えてろよ」
そんなことを言ったクラインに対して
「「動くのは当たり前(だろ/でしょう)?
モンスターなんだから」」
二人とも全く同じことを言った。
「まぁとりあえずモーションとってみろって」
「あのなぁ、お前ら二人はβテスターだけどよぉ、俺はニュービーだぜ?んな簡単にできっかよ」
要するにクラインはどうやればいいか分からないらしい。
「んー、なんて言えばいいのかな。上手く伝えられるか分からないけど、構えをとって少し溜めてからドバーンと放つ感じか?」
キリトはそう言いながら足下に落ちてあった石ころを持って投げる構えをとり、少しすると石が右腕ごと青く光り始めた。そのまま投球系ソードスキル《シングルシュート》を放ちフレイジーボアに当てた。
クラインは今のを見て「モーション...溜める」など言いながら構えをとった。するとクラインの武器、曲刀がオレンジに光り始めた。
「どりゃあ!!」
そのままクラインは曲刀のソードスキル《リーパー》をフレイジーボアに当て、少し硬直したかと思うと、爆散し青いポリゴンとなった。
これがこの世界の死。
「いょっしゃー!」
「初撃破おめでとうございます、クラインさん。それでもあのmobは他のゲームで言うスライムクラスですけどね」
初撃破して喜んでいたクラインはその言葉を聞いて驚愕した。
「んな、そうなのか!?俺はてっきり中ボスぐらいなのかと...」
「中ボスがこんな所にうろちょろしてるわけないだろ」
アホなことを言ったクラインにキリトはツッコミを入れた。キリトの言うとおり始まりの街周辺に中ボスクラスのmobがいたら誰もクリア出来ない。クソゲーにも程がある。
しばらく狩りは続き太陽が沈みかけてきた頃。
クラインのレベルが一上がり戦闘もなれてきた頃、キリトとキリハはレベルが三上がっていた。
ここでキリトとキリハの戦闘スタイルを教えておこう。
まずキリトは片手剣を使った剣術と格闘術を合わせて使っている。片手剣で切り裂き、不意を突いてきたmobには回し蹴りがさく裂する。
キリハはクラインと同じ曲刀だが、居合いと同じ要領で使っている(しかもソードスキルをほとんど使わない)。
「どうする?まだ狩り続けるか?」
ある程度mobを葬ってから、キリトはクラインに聞いた。
「おう!まだまだ余裕度だぜ!と、言いてぇところだが、ピザの配達十八時に予約してるんだよな」
クラインは腹を抑えながら言った。
「抜かりありませんね」
キリハは少し苦笑している。
「まぁな、どうする?飯食い終わったあと俺の仲間達紹介するぜ?」
「え?あぁ、どうするか」
キリトは(自称)コミュ障なのでクラインの仲間と会ったときもちゃんと喋れるか不安なのだ。それをクラインが察したのか
「いいって、無理に会わせようとしてるわけじゃねぇからな。このゲームをやってりゃあ、そのうち会えんだろ」
それを聞いたキリトは少しバツが悪そうな顔をして謝る。
「悪いな、また今度紹介してくれよ」
「おうよ!んじゃまたな」
「クラインさん、また今度」
三人は別れの挨拶をし、クラインはログアウトをしようとして──
「なんだ、こりゃあ。ログアウトボタンがねぇぞ」
──できなかった。
「「は(い)?」」
二人は間抜けな声を出した。
「ログアウトボタンが無いわけないだろ。ちゃんと探したのか?」
「探したけどねぇんだよ。お前らも探してみろよ」
クラインの言うとおり、キリハ達も探してみたが見つからなかった。
「...本当にありませんね」
「だろ?」
しばらく三人で考えていると、大音量で鐘の音が鳴り響いた。
「「「!?」」」
瞬間三人の体は青いひかりに包まれた。
「これは...強制転移!?」
三人が目を開けるとそこは始まりの街の中央広場だった。ここに転移されたのはキリハ達だけでなく全プレーヤーが転移されてるようだ。周りからは「なんだ?」「何かのイベントがはじまるのか?」「くそぅ、いいところだったのに」などの会話が聞こえる。すると上空に『warning』の文字とともに赤いローブが浮かび上がった。
【諸君ようこそ、私の世界へ】
「私の世界?何をいってんだ?あいつは」
そんな声が所々から聞こえたがローブは構わず続ける。
【私の名前は茅場昌彦、この世界の創造者の一人だ】
ローブ─茅場─がそう言った瞬間、ざわめき始めた。
「昌彦!?」
「なにやってんだ、昌の奴は」
「諸君らにはログアウトボタンが無くなったと思うが、それはバグではない。このゲーム本来の仕様だ」
ざわめきが大きくなった。
「この世界でプレーヤーが死んだ場合、現実世界の諸君らも死亡し、ナーブギアを外す、もしくは分解しようとした場合も同様だ」
どこからか悲鳴が上がった。クラインは顔を青ざめながら叫ぶ。
「んなこと出来る分けねぇだろ!!な!?」
「…いえ、可能です」
しかし、キリハが肯定したのは茅場の言葉だった。固まるクラインに、キリトが説明する。
「ナーブギアは強力な電磁パルスを出力させることが出来る。簡単な話、電子レンジになるんだよ。そんなもので脳が焼かれれば、どうなるかぐらい分かるだろ」
キリトの説明にクラインは黙ってしまった。
「君たちのストレージにアイテムをプレゼントした」
「アイテム?」
キリハ達は自分のストレージを見てみると『手鏡』というアイテムがあった。それをストレージから取り出し手にした瞬間、光に包まれた。光が収まり、自分の手鏡を見てみると、そこには現実の自分の姿があった。
周りを見てみると他のプレーヤーの姿も変わっている。皆現実の姿に変わったのであろう。キリハは慌てて自分の左目を確認した。そこには傷も再現されていた。
「脱出方法はただ一つ、この城の最上階のボスを倒すこと。それでは、健闘を祈る」
その言葉を最後に茅場は消えた。しばらくして怒号や悲鳴が辺りからから聞こえ始めた。
「「クライン!ちょっと(来て下さい/来い)!」」
キリハとキリトはクラインの手をつかみ、横道に入っていった。まだ唖然としているクラインに
「クライン、俺達は次の街に行く」
「これはリソースの奪い合いです。僕達は貴方を見殺しにしたくない、着いてきて下さい」
その言葉に対してクラインは苦笑いの様なものを浮かべた。
「二人の誘いは嬉しいけどよぉ、俺のダチは五人いるんだ。そいつらの誰かだけでも置いて行けねぇよ」
キリハとキリトは唇を噛んだ。クラインを入れて三人までなら誰も死なせずに次の街に行ける自信があるが、六人となるとそれは難しい。
「心配すんなって。俺はこれでも他のゲームで五人を引っ張ってったリーダーだぜ?お前らもレクチャーしてくれたし大丈夫だって。それに、女子二人に守られるのも男として情けねぇしな」
クラインは笑顔を浮かべながらそう言った。
「…そうですか。それではここでお別れですね」
「あぁ。お前ら気いつけろよ」
「そう言うクラインも気をつけろよ」
キリハとキリトは街から出ようとした、その時
「キリハ!キリト!お前ら二人とも顔似てて結構可愛いな!好みだぜ!俺は!」
そんなことを言ったクラインに二人は言い返す。
「お前こそ!その野武士面のほうが百倍似合ってるよ!」
「ナンパですか?ですが、ありがとうございます!」
二人はそのまま街を出て行った。いつかまた生きて会えると信じて...。
はい、やっとデスゲームが始まりました
次回はやっとあいつを出します
それではまた次回
7/29
分かりにくい描写があったそうなので修正しました