転生して主人公の姉になりました。SAO編   作:フリーメア

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危ない…
和葉「活動報告で今月は投稿出来ますと言っておいて、あと少しで遅れていたじゃないですか」
うん、本当にスマンと思っている
和葉「君、スマホにゲームを入れすぎなんですよ。だから投稿するのが遅れそうになるんです」
うっ…返す言葉もねぇ…

あ、因みにこの下の絵は以前描いて貰った友達とは違う友達に描いて貰った和葉です。良ければ見てください。

【挿絵表示】



それではどうぞ


二刀流VS神聖剣☆

 そんなこんなでデュエル当日、キリハ達三人は第七十五層の主街区『コリニア』のコロシアムの前で唖然としていた。別に現実(リアル)でも見たことがない本物のコロシアムに驚愕しているわけではない。理由は簡単なことだ。

 

「何で人が沢山いるんだよーーー!!!」

 

 今キリトが叫んだ通り、プレイヤーが沢山いるのだ。まるで祭りがあるかのように。聞いてないぞ、とアスカを睨むキリト。アスカは慌てて記憶を探った。

 

「アスカ、この事ヒースクリフさんから聞いてました?」

 

「…いいや聞いてない。というか団長はこんなことしないよ。多分、ダイゼンさんあたりだと思うんだけど…」

 

 と会話をしていると人混みの中からKOBの鎧を着たふくよかな男プレイヤーが現れた。

 

「おおきに~、あんたらがキリハさんとキリトさんかいな。いやぁ写真で見たよりべっぴんさんやなぁ」

 

 関西弁で話しかけてきた目の前の人物が、先程アスカが言ったダイゼンだ。

 

「ダイゼンさん?こいつ俺の嫁なんで口説くのやめてもらえません?」

 

 アスカがキリトの前に出ながらそう言う。その目つきは若干鋭かった。

 

「そう睨まんで下さい副団長。自分は口説いたんやなくて正直な感想を言っただけです」

 

 カラカラと笑いながらダイゼンはそう言った。お堅い人物が多いKOBには珍しく柔らかい態度だ。なんだかこの人物とは良い関係になれそうだ、とキリハは思いつつ自己紹介をする。俺の嫁と言われて恥ずかしくなりアスカをどついたキリトもそれに続いた。

 

「初めまして、キリハです」

 

「キリトだ」

 

「どうも、自分はダイゼン言います。よろしゅうお願いします。ただ、あれですなぁ。今後も一ヶ月に一回はこうやってデュエルしてくれるとありがたいんですけどなぁ」

 

「誰がするか!!!」

 

 スパーンとダイゼンの差しだした手をキリトは叩いた。キリハは正直な人だなと思いながら苦笑、アスカは未だに悶絶、ダイゼンはハッハッハと笑っていた。

 

 

 

 

 所変わってコロシアムの控え室。ここに来る前に風林火山、月夜の黒猫団、シリカ、リズ、エギル、アルゴから応援の言葉を受けた。自分達は友人に恵まれてるなぁと思った。

 現在キリトは精神統一をしている。時間がまだあるからだ。そしてキリハとアスカはキリトの邪魔をしないように部屋の外で会話していた。

 

「明日香、正直どう思います?」

 

「佳奈が団長に勝てるかって話か?技術面で言えば確実に佳奈の方が上だ。でも団長には《神聖剣》がある。あれは堅すぎる。なにせ、誰も団長のHPがイエローまでいってるのを見たことがないんだ」

 

「イエローまでいっているのを見たことがない、ですか?誰も?」

 

 アスカは頷いた。キリハは今までボス戦でのヒースクリフを出来るだけ思い出す。毎回ヒースクリフを見ていたわけではないが思い出す限り、イエローまでいっているのを見たことがなかった。いずれもイエロー一歩手前で止まっていた。異常にも程がある。レッドならともかく、イエローにまでいったことないだと。

 ますます疑いが深くなってきた。もしヒースクリフが()だとしたら問い詰めなければならない。何故この世界を創ったのかを。

 と控え室の扉が開きキリトが出てきた。

 

「準備完了、だ」

 

 ニッと獰猛な笑みを浮かべる。それほどキリトにとって楽しみなのだ、ヒースクリフと闘うことが。

 

「佳奈、団長は手強いぞ。勝てるか?」

 

「明日香、分かってて聞いてるだろ。俺にとって勝ち負けは二の次だぜ?」

 

「だろうな」

 

 ふぅとアスカはため息をついた。

 

 

 

 

 そして闘技場、そこにキリトとヒースクリフはいた。

 

「ようヒースクリフ、まさかあんたと闘える機会が来るとはなぁ」

 

「私も君と闘う時が来るとは思わなかったよ」

 

 笑みを浮かべながらそう会話をする二人。

 

「まぁ折角の機会だ。会話はこれぐらいにして─」

 

 キリトは背中から『エリュシデータ』と『ダークリパルサー』を抜く。

 

「─さっさと始めようぜ?」

 

 瞬間、キリトから殺気が溢れ出た(勿論、殺意があるわけではない)。そのことに気づいたのは攻略組の一部の者達のみ。大半は感じることすら出来ていない。

 どうやらヒースクリフは前者のようだ。

 

「そう早まらないでくれたまえ。まだデュエルは始まってないぞ」

 

 ヒースクリフはそう言いながらキリトにデュエルの申込みメッセージを送る。形式は勿論《初撃決着モード》だ。それを承認、カウントダウンが始まる。それを確認したヒースクリフは片手剣を巨大な盾から抜き、構える。

 

(《神聖剣》…攻防一体のユニークスキル…か)

 

 攻防一体、意味はそのままにあの巨大な盾は当然防御に使え、更に攻撃用の武器でもある。ある意味、キリトの《二刀流》と似ているかもしれない。《二刀流》も攻撃、防御どっちもこなせる。二つのスキルの違いは攻撃に特化しているか、防御に特化しているかのみ。キリトは笑みを深めた。

 デュエル開始まで、後三秒。

 

─2─

 

─1─

 

─スタート─

 

 瞬間、キリトは正面からヒースクリフへ疾走、右の剣で斬りかかる。ヒースクリフはそれを盾でガード、弾き返し間髪入れず剣を振るった。が、キリトは弾かれた勢いでその場で回転し、左の剣で叩き落として右足で後ろ回し蹴りを放つ。ヒースクリフは叩き落とされた剣を即座に引き戻しガード。キリトは剣を蹴って一旦離脱、距離を空けた。ここまでの時間、およそ五秒。

 闘技場が静寂に包まれ、次の瞬間には歓声が爆発した。

 

『『『『『『『おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!』』』』』』』

 

「「(やっちまえ/やっちゃえ)キリトーー!!」」

「キリトさん頑張って下さい!!」

「「「「「頑張れキリトーー!」」」」」

「…アルゴ、何やってんだ?」

「賭けだヨ。やっぱり皆ヒースクリフに賭けてるナ。エギルもやるカ?」

「…いや、俺は遠慮する」

 

 しかしキリトには、その歓声も応援の声も聞こえていない(一部、余分なものが聞こえた気がするが)。勝負に関係ない情報を意図的にシャットアウトしているからだ。

 

「おいおい、それホントにただの盾かよ。壁を斬ってるみたいだぞ」

 

「腕利きの鍛冶師に造ってもらった特注品だよ。そこらの盾では《神聖剣》に耐えられないからね」

 

「なるほどなぁ」

 

 その気持ちがキリトには分かった。《二刀流》もそこらの片手剣では耐えられず壊れてしまっていたからだ。だからアスカに腕利きの鍛治氏を紹介してもらった。

 

(にしてもどうするか…)

 

 正面から行ったとはいえ、キリトの速度に危なげなく反応出来るとはたいしたものだ。攻略組でも難しいだろう。よってヒースクリフの動体視力、反射神経は一般人のそれより高い、と推測できる。ならばどうするか。決まっている。

 

(あいつが反応出来ない速度で攻撃すればいいだけだ!!)

 

 キリトは腰を低く落とし先程よりも速く疾走した。ヒースクリフはカウンターを狙い盾を前に構える。が、両者の距離がニメートルを切った所で、ヒースクリフの視界からキリトが消えた。

 

「っ!!」

 

 だがヒースクリフは即座に背後に盾を構えた。そこには目を見開いたキリトが剣を振りかぶっていた。その攻撃は当然、防がれてしまう。キリトが驚愕している内に盾で押し返し、剣を振るった。それをキリトはサイドステップで回避、斬りかかりる。それを剣で防ぎつばぜり合いとなった。そんな中、キリトは思考していた。

 

(こいつ…俺が移動した直後に後ろ向いたな…。何でわかったんだ?)

 

 反射神経が高いから?関係ない。ならば動体視力?いや、あの動きはこちらの動きを視てから動いたのではなくどちらかと言えば、背後に来る事が()()()()()()ような動きだった。もし分かっていたなら知り合いと言うことになるが…。

 

(つっても見覚えないんだよなぁ)

 

 ということは直感で振り向かれたか。この世界で生き残るためには技量は勿論だが、第六感、つまり直感も必要となるところもある。実際、キリトも直感に助けられたことも多々ある。まぁ、正直な話─

 

「─関係ないことだけどなぁ!!」

 

 叫ぶと同時に思い切り押し返した。ヒースクリフは後ずさり下を向いてしまった顔を上げると、目の前には既に剣を振りかぶっているキリトがいた。盾を構え防いだが、先程より衝撃が重かった。

 

「ぐっ!?」

 

「しっ!」

 

 続けて攻撃を繰り出す。右から左、左から右、上から下、下から上、躍るように不規則な斬撃を繰り出しヒースクリフを崩しにかかる。それにヒースクリフは辛うじて対処出来ている、ように見える。確かに対処は出来ているが、それは長く続かないだろうということはヒースクリフ自身が分かっていた。徐々にキリトのスピードが速くなっているからだ。ヒースクリフの表情に浮かぶのは、焦り。それを負けることに対しての焦りと判断したキリトは続けてソードスキルを放つ。

 

「らぁっ!!」

 

 二刀流十六連撃ソードスキル《スターバースト・ストリーム》。それを何とか防いでいたが十五撃目で盾を弾かれてしまった。唯でさえ、通常攻撃で崩れかけていたのだ。そこにソードスキルを叩き込まれたのだから当然だろう。

 

(貰った!!)

 

 ラスト、十六撃目、左手の盾は弾いた。右手の剣では防ぎきれない。キリトは自身の勝利を確信した。それはアスカもキリハも同じだった。

 そして、最後の一撃がヒースクリフに当たる、瞬間─世界が止まった。

 

(!?)

 

 視界の全てが赤く染まり、歓声が止まり、体の動きが静止した。いや、正確には全てが遅くなっていて、その中で思考だけが正常に動いていた。まるで脳だけが加速しているような感覚だ。そして、その遅くなっている世界で、ヒースクリフの盾を持った左手だけが剣の当たる位置に戻されていく。攻撃を防がれたキリトはスキル硬直してしまう。それを逃すはずもなく、ヒースクリフはシールドバニッシュを放ちキリトを吹き飛ばした。それと同時に空中に【Heathcliff Winner】と表示され、一瞬静寂に包まれるも、次には歓声が鳴り響いた。。

 

(負けた…のか…?)

 

 キリトがヒースクリフを見ると、何故だかバツが悪そうな顔をしていた。まるで、使ってはいけないものを使ってしまったような…。

 そこまで考えたところで肩が掴まれた。掴んだのはアスカだ。近くにキリハもいる。

 

「キリト、大丈夫か?」

 

「ん、あぁ。大丈夫だ」

 

 とりあえず、心配はさせまいとアスカの手を取って立ち上がる。

 

「キリト」

 

 立ち上がった所でキリハが声をかけてきた。

 

「なんだ姉さん」

 

「最後、何が起こりました?」

 

「…よく分からない」

 

「そう…ですか…。わかりました」

 

 キリハは目を細め立ち去っていくヒースクリフを見ていた、いや睨んでいた、と言った方が正しいか。

 

「「?」」

 

 キリトもアスカもヒースクリフへ視線を送るが、キリハが睨んでいる意味は分からなかった。




さぁて!ようやくあの話を書けるぜ!!
和葉「そんなに楽しみですか」
まぁね!フフフ、展開は考えてあるからねぇ…。俺の伝え方が試されるぜぇ…
和葉「気持ち悪い笑みですよ」


誤字脱字、おかしな所がありましたらご報告よろしくお願いします。

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