星の在り処   作:KEBIN

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攪乱するグランセル(Ⅶ)

 ブレイサーズの前衛コンビを凌駕するパワーを誇った重装特務兵との対決を制して紋章の間に乗り込んだエステルは、そこで予期せぬ旧友と再会することになる。

「お久しぶりです、エステル君。きっと助けにきてくれると信じていました」

 ルーアンのジェニス王立学園で友情を育んだクローゼである。今の彼は青色のズボンに白を基調とした将帥服を纏い髪形をオールバックに整えており、どこからどう見ても王族のオーラに溢れ返っているのだが。

「おう、クローゼ。王都で見ないと思ったら、お前も捕らえられていたのか。随分と気合入れた格好してるけど、この国の王子様はどこにいるんだ?」

「まっ、そうなるよな」

 クローゼと同じく人質として拘束されていたナイアルが煙草の煙でワッカを蒸かしながら匙を投げる。例の写真の件からして腹黒義姉から秘密主義の除け者にされていたようなので、能筋弟のこの反応は予想の範囲内。

「あ、あのー、エステル君。実は……」

「まあまあ、いつ気づくか待つのも面白いんでないかい」

 困惑しながら正体を告げようとするクローゼにナイアルはニヤニヤしながら待ったをかけ、エステルの後ろにいるジンが「やれやれ」と両肩を竦める。クローゼと面識がないからこそ、先輩遊撃士は真っ先にからくりに気づいた。

「ナイアルの野郎、何かグーパンしたくなるぐれえムカツク面してやがるな。どれどれ王子様はどこに……」

 エステルはグルリと周囲を見回して人員を確認する。この部屋には十人前後の人質が拘引されているが、ほとんどは二十歳過ぎた大人ばかり。少年と呼べるのは目の前のクローゼ一人…………って、まさか。

「クローゼ、もしかして、お前が?」

「ほうっ、そこまで鈍いわけじゃなかったようだな」

「はい、改めて自己紹介します。リベール国王アリシア・フォン・アウスレーゼが直径の孫、クローディアル・フォン・アウスレーゼです。これまで通りクローゼで構いませんよ、エステル君」

 揶揄するナイアルの横で、クローゼは一部の隙もない礼儀作法でお辞儀をしながら自らの出自を告白する。エステルからすればびっくり仰天のサプライズの筈だが、この旅の間に変事に免疫ができたのだろうか。あっさりと親友の正体を受け入れられた。

「なるほど、ヨシュアが算盤抜きで助ける大切な友達って言う訳だな」

「…………友達ですか。本当に光栄です」

 クローゼは複雑そうに微笑む。マブダチ認定されて嬉しくない筈はないが、少年は少女ともう一つ先の関係を無意識化で望んでいたからだ。当然、エステルはそんなクローゼの葛藤に気づきようもなく。

「そうか、そうか。あの馬鹿公爵じゃなくて、クローゼがこの国の国王を引き継ぐわけか。それならリーベルも安泰だな」

「エ、エステル君」

 バンバンと馴れ馴れしく背中を叩くエステルの怪力に、クローゼはむせ返りながらも内心は喜ばしかった。王族と知って尚、エステルの態度に変化はない。やはり、かつてのヨシュアが主張していたように、王太子だろうが貧乏学生だろうとブライト兄弟にとってクローゼの価値は何一つ変わらない。

「リベールの王太子殿下と見受けた。自分はカルバード共和国の正遊撃士ジン・ヴォセックと申す。以後、お見知り置きを」

「俺はリベール通信の記者ナイアルだ。『不動』の二つ名を持つA級遊撃士とか、こりゃ大物を引っ張ってきたもんだな」

「ところで、エステル君、そのヨシュアさんはどこに…………」

 

「茶番はそのぐらいにしてもらおうか」

 双方向で自己紹介を交わしていた面々に無粋な声が割って入る。全員が入口を注目すると、黒髪の幼女を抱き抱えて銃を突きつけた緑服の中隊長が入室していた。

「やだー、離してよ、この変態。クローゼお兄ちゃん、助けてー」

「リアンヌちゃん」

 少女の悲鳴にエステルとジンは反射的に棍と拳を構えるが、「動くな!」と中隊長は少女のコメカミに銃を突きつけて武装解除を要求。仕方なしにエステルは棍を投げ捨てて、ジンは両手を頭の後ろに組む。

「そうだ、それで良い。我らが情報部員、理想の為なら人の心を捨て修羅にもなれる。女子供といえど容赦はせん」

「ふん、腐った奴らだな」

「ハッタリじゃねえのは、旅の間中で身に沁みているよ」

 釣公師団の連中も似たような台詞をほざいていたが、あちらがファッション鬼に対して、こちらはモノホンの羅刹。ジンは呆れエステルは吐き捨てるようにそう言い捨てた中、無手のクローゼが二人の前に躍り出て人質交換を持ちかける。

「止めてください。あなた達の第一捕縛対象は僕でしょう? ならば、僕が人質になるのでリアンヌちゃんを離してあげてください」

「おっと、その手には乗りませんぞ。武術の心得のある貴方を私一人で扱うには心許ないし、何よりも流石に我々といえど、王族を手にかける勇気はない。それと較べると、モルガン将軍の孫娘というのは丁度良い」

 お人好しの遊撃士に対しての人質効果はあるし、誤って傷物にしても問題ないと中隊長は嘯き、リアンヌは顔面蒼白になってジタバタと暴れ出す。

「やだやだー、触らないでよ! わたし、クローゼお兄ちゃんのお嫁さんになるまで、綺麗な身体でいるんだもーん。離してよ、このロリコン変態!」

 …………どうやら「キズモノ」の意味を盛大に取り違えているご様子。中々にオマセさんのようだ。

「なあ、クローゼ、お前、あの子に何をしたんだ?」

「何って、親元から引き離されて酷く怯えていたので、寂しくないようにずっと付きっ切りで励ましてあげただけですが」

「アホかー、どう考えたってフラグが建つだろうが!」

 クローゼの天然プレイボーイ振りに一級旗立て職人のエステルが呆れ、「ちっ、リア充か」と武闘家(ウーシュウ)は彼らしくもなくやさぐれた態度で舌打ちする。

 

「こらっ、暴れるな! マジに傷物にするぞ…………!」

「生憎と傷物になるのは、この子の貞操でなく、あなたの息子よ」

 右頬を爪で引っかかれた中隊長が短気を起こしかけた刹那、何者かが気配もなく背後にまわり込んで容赦なく股間を蹴りあげた。

「ぐぼあぁぁ!?」

 言葉にできない壮絶な痛みに中隊長はもんどりうってリアンヌを宙に放り出し、クローゼが慌ててキャッチする。

「ふーん、人の心を捨てた修羅さんも殿方である以上は急所の痛みには耐えられなかったみたいね。久しぶりね、クローゼ」

「ど、どうも、相変わらずですね、ヨシュアさん」

 股座を抑えた情けない格好で失神する中隊長をヨシュアは琥珀色の瞳で冷やかに見下ろす。クローゼは胸の中で泣きじゃくるリアンヌの頭を撫でながら笑みを返すが、少し表情が強張っている。

 蒼の騎士オスカーとしては、もう少しロマンチックな雰囲気で白き花のマドリガルと再会したかったが、中年男性にいきなり金的をかますヒロインではムードもへったくれもない。

「うわー、痛そー。自業自得の顛末とはいえ、本当に容赦ねえな、お前」

「あらっ、アガットさんに倣って、ちゃんと強弱を覚えたから睾丸は潰してないわよ。今度エステルとの組み手の時にでも実践してあげましょうか?」

「頼むから止めてくれ」

 エステルは薄ら寒そうに股間を抑える。武器あり、素手のどちらで戦っても勝負にならないのに、その上で男限定の(ことわり)まで持ち出されたら溜まったものではない。

「随分早かったな、ヨシュア。お前さんがここに顔を出したということは?」

「ええっ、ジンさん。ブラッキーさんと睨み合っていた一団は片づけてきたから、これで離宮にいる情報部は全て無力化したことになるわね」

 ボマーの爆弾に気取られている隙を見計らい音もなく忍び寄って、全体に気づかれないように後方にいる連中から一人ずつ意識を刈り取った。まさしく対集団戦闘の権化ともいうべき働きぶりで、「最初からヨシュア一人いれば……」と愚痴りながらメイル達ポップル国の遊撃士が入ってきた。

 

「クローゼ、こちらが救出作戦に力を貸してくれた、ポップル国の……」

「ヨシュア、自己紹介は後でいいから、親衛隊の人を何とかしてくれない」

「貴様ら、国の重要文化財であるエルベ離宮に何をやらかした!?」

 メイルがヨシュアを押し出すように背中に隠れると、凄い剣幕でユリア中尉が乗り込んできた。鹵獲した飛行艇でいの一番で駆けつけると、空の上からエルベ離宮の景観がグチャグチャに破壊されているのを視認。いつぞやのロランス少尉に匹敵するコードレスバンジージャンプで飛び下りてきた。

「地震を起こしたのはタットで、爆発物で建物を壊したのはブラッキーだから、あたしは関係ないわよ」

「ふざけるな。チームでやった責任はリーダーが取るものと相場が……!?」

「ユリアさーん、お久しぶりでーす」

 その声にエルフ耳の少女を締め上げようとしたユリアはピタリと止まる。クローゼは満面の笑みを浮かべると、衆人環視の前で臆面もなくユリアの身体を抱きしめて、親衛隊中隊長の顔が耳まで赤く染まる。

「で、で、殿下ぁ」

「あははっ、最後に別れた時はまだ僕の方が背が低かったけど、今ではほんの少しだけ高くなりましたね」

 クローゼは険のない笑顔ではにかむと、コツンとユリアの額に自分の額をぶつけて、ユリアの瞳がチワワのように潤んだ。愛弟とは実に一年半ぶりの再会なので感動もひとしおだ。

「クローゼ、本当に逞しく成長されて」

「ユリアさん、今は非常の時ですし、彼らを許してあげてくれませんか?」

「殿下がそうおっしゃるのなら」

「ちょっと何なのよ、おばさん。私のクローゼお兄ちゃんから離れて」

 ユリアとクローゼの仲睦まじさに嫉妬したリアンヌが二人を押し退けるように乱入。ユリアは「おばさん」という単語にピクリと眉を動かしたが、対象の年齢を考慮して流石に堪える。

「殿下、この子は?」

「モルガン将軍のお孫さんのリアンヌちゃんです。ハーケン門の部隊を足止めする為に人質として連れてこられたのです」

「なんとモルガン将軍の」

「クローゼお兄ちゃんは私と生涯ずっと一緒にいてくれるとプロポーズしてくれたの。だから近寄らないでよ、泥棒猫」

 リアンヌは「いー」と舌を出し、ユリアの額の怒筋が浮かぶ。マーシア孤児院のオマセな幼女といい近頃のお子様は色気づくのが早いようだ。特にクローゼの何気ない一言を拡大解釈して結婚の約束にまで脳内変換する強かさは瓜二つ。もっとも、マリィの方は今はちょいワルの空賊ボーイに浮気中だが。

 

「何かスゲエことになってるな、ヨシュア」

「そうね、まさかこんな昼メロが見られるとは思わなかったわ。片方の配役が若すぎるけど」

「リア充が、リア充が、リア充が。鮫の旦那みたいに十年後の光源氏計画でも狙っているのか?」

「将軍の孫娘と親衛隊中隊長が王太子を取り合いか。こいつも王室のスキャンダルになるのかな?」

「中隊長殿、頼むから童女と同じ土俵で張り合わないでください」

 争いは同じレベルの者同士でしか発生しない。遅れて部屋に入ってきたルクスとリオンの二人は、幼女相手にバチバチと火花を散らす大人げない上司の姿を見て頭を抱え込む。プチ修羅場ともいうべき事態が収拾して、救出作戦の第二段階に話を進めるのにしばらくの時間を要した。

 

        ◇        

 

「離宮との連絡はまだつかないのですか?」

 グランセル城で消火活動で負傷した特務兵の手当てを指示しながら、カノーネは周遊池での戦闘の行方を気にかけたが、未だに音信不通のまま。嫌な予感だけが増幅する。

「カノーネ大尉、今からでも無傷の部隊を編成して周遊池に向かわせましょうか?」

「落ち着きなさい、あらから時間も経っているし、流石に戦闘は終わっている筈。とにかく今は少しでも情報が……」

「大尉、周遊池の戦闘に参加した隊員が一人だけ戻ってきました」

 その部下の報告がカノーネには福音に聞こえた。直ぐに執務室に呼び出して、中隊長二人とロランス少尉を集めて事情聴衆を行った。

 

「親衛隊に破れただと!? あの兵力差でか?」

「確かに俄かには信じ難い。シュバルツ中尉がいたとはいえ、あの数の猛者を相手に個の無双にも限界がある筈だが」

「ふふっ、やるな」

 若い特務兵は戦闘経過をつぶさに報告。予期せぬ敗北に仰天する親衛隊幹部の中で、ただ一人ロランスだけが落ち着き払っている。

「親衛隊だけではありません。奴ら、ブレイサーと手を組んだらしく、その中の得体の知れない方術使いに戦況を引っ繰り返られたのです」

「方術? 一部で大軍兵器と称されるA級遊撃士『十絶陣』のクルツ・ナルダンか」

「たった4人の少数精鋭で猟兵団(イェーガー)一つを退けたという噂もあるが、事実だったのか?」

 カノーネは思案する。遊撃士協会(ギルド)が親衛隊と結託したとなると、武術大会に参加していた他の2チームも、この作戦に加わっている筈。ならば、その別動隊にエルベ離宮は落とされて王太子の身柄は奪還されたと見るべきか?

「それよりも緊急通達事項があります。親衛隊の奴らは捕虜にした仲間を全員エルベ離宮に連れ帰りましたが、翌日には纏めて処分すると嘯いてました」

「何ですって!?」

「このままだと誓いを立てた同胞が皆殺されてしまいます。自分が案内役になりますので直ぐに救援を」

 一人おめおめと生き残って忸怩たる思いを抱いていた若い特務兵は、カノーネに取り縋るように哀願する。中隊長の一人は血気逸ってレスキュー隊を組織しようとするが、カノーネは心中に沸き上がる違和感を拭えない。

(さっきからユリアらしからぬ冷酷な采配が続くわね)

 かつての旧友の真っ直ぐさを眩しく思っていたカノーネは少しばかり興が削がれたが、謀叛を起こした側の身命を気づかえとは流石に厚顔な要求だろう。例の火災工作といい手段を選ぶ余裕はないということか。そこまでユリアを追い詰めたのは親衛隊に濡れ衣を着せて窮地に追いやった自分たち情報部なので、身から出た錆ではあるが。

「カノーネ大尉、今すぐに部隊を編成して夜襲を……」

「落ち着きなさい、焦っては敵の思う壺ですわ。今夜中の襲撃は敵も予測しているでしょうから、ミイラ取りがミイラになりかねません」

 カノーネは逸る部下を抑えると、きっちりと体調を整えた上で翌朝までに部隊を編成するように命令する。

「親衛隊にも体面がありますから、本当にジェノサイドを敢行するにしても一般人を人払いしてから行う筈。ならば彼の報告通り明日の正午までは時間の猶予があると見るべきでしょう」

「承知しました。ですが再び援軍を派遣するとなると、城の守りが手薄になりそうですな」

「案外、それこそが真の狙いかもしれませんわね」

 もし、敵が調子に乗ってグランセル城とアリシア女王の奪還まで目論んでいるのなら、兵力を離宮に誘き寄せる為の罠の可能性もある。

 未だにユリアの非情な心変わりを信じたくないカノーネは敵のハッタリ論に縋りたい所だが、大勢の部下の命を預かる彼女が個人間の友誼だけを拠り所に80人もの仲間の命をチップにしてルーレットは回せない。

 救出部隊の派遣と平行して城の警備を固めるように厳命する。特に親衛隊は飛行艇を一機鹵獲している筈なので、対空装備として女王宮に導力砲を配備するように通達。

「首尾よく離宮の兵を救出できたら、80名もの増援を得られる計算になりますが、本当にその間隙を突いて敵が攻め込んできたら、城の防備が少々心許ないですわね」

 カノーネは顎先に手を当てて思案すると何かを思いついたようで、今まで寡黙を貫いてきたロランス少尉に向き直った。

「さて、わたくしは少しの間、場を外しますので、ロランス少尉、グランセル城の警備は任せるわよ」

「ほう、副官殿はどちらに行かれるおつもりで?」

「封印区画に降ります」

 その宣言に中隊長たちは訝しむが、再奥にいるリシャール大佐を追いかけて指示を仰ぐ為ではない。斥候の報告によれば、迷宮には現代の科学水準では製造不可能な人形兵器(オーバーマペット)が多数うろついており、何体かの捕獲に成功したとのこと。

「再プログラミングしてこちらの手駒にするつもりです。上手くいけば今の兵力不足を補う貴重な戦力になり得るでしょう」

「中々に面白いことを考える。ですが、宜しいのですか? 新参者の私に城の全てを託しても?」

 ロランスは冗談めかしたが、カノーネは意外と真摯な表情で軽く首を横に振る。

「どうも、わたくしの考えの裏を取られているような気がするわ。もしかすると、ユリアとは別の人間が知恵を授けているのかもしれません。ならば、戦術理論に縛られた参謀肌のわたくしよりも、猟兵団あがりで実地に長けたあなたの方が敵の思惑を外せるかもしれませんわね」

「了解した」

 表情には出さなかったが、ロランスは内心で密かに感嘆した。この女は頭でっかちに思えて、自分の長所と短所を弁えているようで意外と馬鹿ではない。

「オーバーマペットの調整が済み次第、直ぐに戻るつもりなので、それまでは王城を死守しなさい」

 それだけを告げると、カノーネは宝物庫のエレベーターを起動させ封印区画に下っていく。二人の中隊長は共に救出班と城の防御班の編成に向かったので、後にはロランス一人だけが残された。

 

「ふふっ、カノーネを手玉に取る策士はヨシュアに相違ない。ならば、いよいよ対面の時か」

 リシャール大佐が『門』の第一封印と接触した地点で、彼の『本当の任務』はほぼ終了している。情報部の理想にもリベールの未来にも興味がないレオンハルトは、このままロランスとしての役職を投げ出しても支障はなかったが気が変わった。

 普段はあまり仲が宜しくなかった女狐参謀が珍しく彼を信頼して指揮権を丸投げしたのだ。ならば、その期待ぐらいには応えてもバチは当たるまい。

「流石にいい加減ヨシュアから逃げ続ける訳にもいかないしな」

 ロランスは仮面の留め金を外すと、灰色の金髪(アッシュブロンド)の素顔を外観に曝す。その鋭い眼光で彼の左手に握られた異形の剣を見つめる。

「エステル・ブライト。お前が本当にヨシュアを背負うに値する人間か試させてもらうぞ。我が魔剣『ケルンバイター』でな」

 そこにいたのは、まごうことなき修羅。一部の者から『剣帝』と畏怖されるゼムリア大陸最強の剣士の姿だった。

 


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