後輩の俺と先輩の私   作:大和 天

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こんにちは大和 天です!

少し遅いですが小町誕生日おめでとう!
そして大和天も誕生日おめでとう!
3月3日は僕の誕生日でした!笑

それとなんとか大学に受かりました(。-_-。)
応援してくださった方ありがとうございます!

今回は話が進んだようで進んでないです笑
しかも少し短めです
すみません(>_<)

後書きでちょっとお知らせ的なのあるので読んでいただければ嬉しいです(>_<)

では36話ですどうぞ!


彼と彼女のバレンタイン。 後編

 

なぜ世界はこんなにも輝いているのだろうか。

 

 

俺はそんなことを思いながら、学校へと向かうべく自転車を漕いでいた。

 

え?なんで輝いて見えるかって?

バッカお前、小町にチョコもらったからに決まってるだろうが。

 

 

 

「はいコレ。じゃ、小町学校行くね」

 

 

 

そんな感じで今朝、小町は俺に小さな包みを渡し、家を出て行った。

お兄ちゃん分かってるよ、ただの照れ隠しだよね?嫌ってるとかじゃないよね?

 

こ、今年はきっと忙しかっただけさ。来年はきっと……あ、小町受験じゃん。

 

 

 

あれ……いつの間にかいつもの景色に……。

 

 

 

そう、今日はバレンタインデーなのである。

リア充共がうじゃうじゃと女子に群がり、無駄なアピールを必死にする様はまさに滑稽の一言に尽きる。

だいたい今更アピールしたところでチョコ用意できるわけねーだろ、と、女子もニコニコしながら思っているはずだ。……やだ、女子って怖い!

 

 

自転車置き場に自転車を停め、まだ肌寒い空気に首をすくめながら、足早に下駄箱へと向かう。

 

自分の下駄箱に履いてきた靴を仕舞い、取り出した上履きに履き替えるとそそくさと自分の教室へと向かう。

べ、別に下駄箱の中にチョコが入ってそうだなんて思ってないんだからねっ!

こっちは毎日上靴に画鋲とか入ってないかドキドキしてるんだからっ!

 

……なにそれ自分で言ってて辛い。

 

 

音も無く教室に入り、俺の固有領土である俺の机と椅子へと向かう。

 

廊下側のやや後方に位置する俺の席につくと、どことなく周りを見渡す。

あっちもこっちもチョコレートチョコレート。青春と共にバレンタインを謳歌するリア充共が甘い匂いを発していた。

 

 

そう、今日はバレンタインなのだ。

 

考えないようにしていた事が嫌でもの頭に浮かんでしまう。

もしかしたら今日、この関係は終わってしまうのかもしれない。柄にもなく『願わくばずっとこんな関係が続いて欲しい』などと思っていることも否定できない。

 

やっと持つことのできた人との関係。

 

これからも続くのか、それとも終わってしまうのか……。

 

俺はどうしたらいいのだろうか。

 

 

 

 

”後輩の俺と先輩の彼女”という関係はいつまで続くのか……。

 

 

 

続くも続かないも、もしかしたら俺次第なのかもしれない。

 

 

いらないと思っていた人との関係。それを得てしまった今、もう昔には戻れないんじゃないかと思ってしまう。

 

 

 

俺はそんなことを考えている自分が嫌いだ。

 

 

 

 

俺はちっ、と舌打ちをすると、頭を抱えるように寝たふりを開始した。

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

「さぶっ」

 

 

 

つけていたマフラーに首を埋めると、もう一度スマホを開く。

 

昼休みに先輩から来たメールを開き、もう何回したかもわからない確認をする。

 

 

『放課後いつもの場所に来てね』

 

 

そう書かれたメールの指示に従いベストプレイスに来たわけなのだが、いっこうに先輩が来る気配が無い。

 

大方、女子同士のチョコレート合戦に巻き込まれているのだろう。

廊下で3年生女子達が「MCレートサンゴーマルマル」とか訳のわからないことを言ってたからな。MCってなんだよ……ミラクルチョコか?

あ、でも先輩友達いないとか言ってたような……俺、忘れられてないよね?

 

 

俺はスマホをしまうと、寒さをしのぐべく再びうずくまった。

 

ここに1人でいると入学したての頃を思い出す。

 

誰にも見つからない場所を探して、ここを見つけた。毎日晴れの日はここで1人で時間をつぶしていた。

 

そして先輩と会った。

 

最近は先輩が受験でなかなか来ることはないが、いつもここで2人で昼休みを過ごしていた。

 

半ば連れまわされていろいろなところに行ったが、先輩と過ごした時間の大半はここだった。

 

 

柄にもなくこれから来るのであろう先輩との時間を思い出す。

 

 

 

「……どうしたんだよ、俺」

 

 

 

誰にも聞かれることがない呟きが消えていく。

 

 

すると、トタトタと足跡が聞こえ、後者の角からにゅっとこちらを伺う様に人影が出てきた。

 

もう1ヶ月以上会ってない先輩はいつもと変わらない様子で、でもいつもとは違う顔でにっこりと笑った。

 

 

 

「やぁ、比企谷くん」

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

先輩が俺の隣に座ってから何分たったのだろうか。

その先輩はなんか知らんがモジモジとしながら小刻みに震えている。えっと、寒いんですかね?

先輩は膝の上に置いていた手をグッと握りしめると、座ってから一度も見なかった俺の方へと向き直った。

 

 

 

「あ、あのね、比企谷くん。バレンタインにお菓子作ってきたんだけど、貰ってくれる、かな?」

 

 

 

震えながら少し涙目になっている先輩は、白い息を吐きながらそう言った。

 

思ってもみなかった光景に、思わず挙動不審になりそうになりながらも、なんとか「はい」と返事をした。

 

先輩はゴソゴソとカバンの中を漁り、綺麗に包装された包みを俺に差し出す。

 

 

 

「はい、どうぞ」

 

「あ、ありがとうございます」

 

 

 

そう言って包みを受け取ろうとするが、なぜか先輩は手を離してくれない。

 

そのまま時間だけが過ぎていく。

 

 

 

「せ、先輩?」

 

 

 

顔を隠そうとしているのか、俯いていてその表情はうかがえないが、微かに震えている手は隠せていなかった。

 

 

 

「……好き」

 

「……え?」

 

「好きです。比企谷くんの事が。ずっと、ずっとずっと前から」

 

 

 

頭が真っ白になった。

 

震える唇から発せられたその言葉が、何度も何度も頭の中でリピートした。

 

何か言わなければ、とその焦りが時間とともに積もっていく。のどが渇き、汗が溢れる。

 

その時だった。

 

 

包みから手を離した先輩が、俺の胸に顔を埋め、背中に回した手にギュっと力を入れた。

 

 

今やその大きな瞳から涙は溢れ、その頬を濡らしていた。

 

 

 

 

 

 

 

「でも、でもね、それだけじゃないの」

 

 

 

そう言った彼女の瞳から俺は目を離すことができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから、聞いて欲しい。私の思ってること全てを」

 

 

 




いかがだったでしょうか?

続きもできるだけ早く書きます(>_<)

それでお知らせという名の宣伝なのですが、今カクヨムさんの方でオリジナルを書かせてもらってます。

『だん』という名前で『Dreamer』というSF小説を書いています。
夢の世界で戸塚(容姿)八幡(中身)が戦うお話にする予定です笑笑
よければ読んでみてください!
て、点数とかつけてくれてもいいんだからねっ!(懇願

読んで頂きありがとうございました(*^^*)

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