ネタなんてないよ?(白目)
では31話ですどうぞ!
珍しく俺のスマホが鳴り、もう日が結構傾いていることに気がつく。
今年も数えるところあと少しというところまで来ていて只今絶賛年末大掃除の途中だったのだが気付けばベッドに横になり整理していた本棚の本を読んでいた。
読んでいたのがシリーズ物じゃなくてよかったー。シリーズ物だったら全巻読破した挙句、『早く続き書けよ作者!』と言い出すレベル。
多分来年も同じ事を言うんだろうな、と思いつつベッドから起き上がり本を本棚にしまう。
今日のところはこれで終わり!
全く片付いてないけど終わり!
大体人生に汚点がついた時点で全てを綺麗にして新年を迎えるなど無理な話なのである。
そんなことを考えながらリビングのドアを開けるとコタツに入りながらテレビを見ていた小町が振り返った。
「あ、お兄ちゃん!掃除終わったー?」
「お、おう。まぁな」
「お兄ちゃん急激に目が腐ってるよ」
お兄ちゃんは黒歴史とか色々ありすぎてそんな簡単に綺麗にならないんだよ!むしろ目の濁りを取る方が簡単なまである。
妹に冷たい目で見られながらも人をダメにする機械、通称『Kota-tsu』に足を滑り込ませる。
コタツの人をダメにする具合は異常。敵国に送れば一瞬で陥落させられるまである。
そんなことを考えながらコタツでダメになっているとどうやらテレビはお正月の特集をやっているらしく、タレントの人がおせち料理がどうとかと話している。
「そういや小町、来年の初詣はどうする?」
小町ははぁ?と思いっきりバカにした顔で俺を見てくる。
お兄ちゃん流石のマイエンジェル小町ちゃんでもその顔はちょっとむかついちゃうよ?
意味がわかってないと察したのか小町ははぁ〜、とため息をつくと頬杖をつきながら机を爪でトントンと叩く。
「あ・の・ね・お兄ちゃん。来年香奈先輩受験だよね?」
「そうだな」
「受験生だったら合格祈願に行くよね?どういう意味がわかる?」
「……俺も小町と一緒に先輩が合格する様に神様にお願いしろってか?」
「そうだけどそうじゃない!香奈先輩と一緒に初詣に行けってことだよ!」
うがぁぁぁああ!と頭をかきながら小町はなんでこの人こんなにダメなんだろう、などとブツブツ呟いている。
ごめんねダメなお兄ちゃんで。
きっとコタツのせいだな……
そんな現実逃避をしていると小町がコタツから出て俺の前に仁王立をする。
「とにかく!今から香奈先輩を誘ってくること!誘わなかったらご飯なしだからね!ほらほら!ケータイ取ってきて!」
俺の腕をバシバシ叩きながらコタツから引きずり出すとリビングから追い出すように背中をグイグイと押す。
ぼっちは人を誘ったりするのは苦手なのである。相手が女子ならなおさらな。
しかし小町にここまで言われては千葉の兄妹としては断れるはずもなくなんと言って先輩を誘おうかと脳内をフル回転させながら机の上のスマホを見るとなにやらメールがきていた。
そう言えば本読み終わったのは着信音がしたからだと思い出しながらメールを開くとなにやらマイハニー♡さんからメールがきていた。
『い、一緒に初詣に行ってあげてもいいんだからねっ!』
「……なにこの似非ツンデレ?」
× × ×
ピンポーンと間の抜けた機械音が鳴り待つこと数十秒、待っててー!と声がしてからもう10分ほど経つ。
えっと、こんなに待たされるの?
普通すぐ出てくるものなんじゃないんですかね?
あ、でも人の家のチャイムなんて押したこと無いからわかんねぇわ。などと考えながら俺の108つある特技の一つであるぼーっとして待つを使って待っているとガチャっと音がして待っていた人が出てきた。
「や、やぁ、比企谷くん。あけましておめでとう」
「お、おめでとうございます」
思わず振袖姿で出てきた先輩を見つめてしまう。
白を基調とした振袖でよく似合っている。
また、髪を上げているので普段と違う雰囲気があり改めて美人なんだな、と考えてしまう。
「ど、どうかな?」
少し頬を染めつつ聞いてくる先輩に思わず言葉がもれる。
「似合ってますね」
ぁぅ、とより一層頬を染める先輩をみて自分の顔も赤くなっているのがわかる。
自然と言葉がもれるくらいに似合っていた。
ちょっとその胸がきつそうな気もしますがね。
べ、別にいつも胸をみてるわけじゃないんだからねっ!
それを誤魔化すようにコホンと咳をし、それじゃあ行きますか、と歩き始める。
「えーと、それでどこの神社に行くんですかね?亀戸天神ですか?それとも湯島天神?」
一応調べてきた学業の神様を並べてみるが違うよ〜、と先輩に言われてしまい早くもお手上げ状態である。
そんな俺を見て満足したのか先輩はニヤリと笑うと高らかと目的地を口にした。
「それじゃあ我が家から10分、浅間神社へレッツゴー!」
× × ×
「帰りたい」
「今来たとこでしょうが……ブレないねまったく」
そんな会話をしながらも人混みをかき分けてお参りをするべく境内へと向かう。
ていうかこの人本当に年上なのだろうか?
幾度となく出店の方に行こうとするのを引き止めるこっちの身にもなって欲しいものである。
さっきなんて引き止めるようとして思わず手を掴んだら顔を真っ赤にして黙り込んでしまった。
新年早々そんなに怒らなくてもいいじゃないですかー……
やっとのことで境内に辿り着くとそのまま社の方に向かう。
御賽銭箱の前までくると先輩がちょんちょんと俺の肩をつついてきた。
「こういうときって何円入れたらいいのかな?」
「まぁいろいろあるんでしょうけど5円でいいんじゃないですかね?ご縁がありますようにって」
「おー!そっかそっか!あるかな5円玉〜」
財布の中の小銭をチャリチャリと探す先輩を他所に俺は自分の財布から5円玉を2枚取り出す。
案の定なかったようで無かったぁ〜、と新年早々落ち込んでいる先輩の手に5円玉を1枚のせる。
「あ、ありがとう……」
「いえ別に」
少し頬を赤らめながらいう先輩をみていると俺のも赤くなっていないか心配になってしまう。
「でも比企谷くんの5円玉ってご縁あるのかな?」
「あ、返してもらってもいいですか?」
「嘘に決まってるでしょ?ありがとう比企谷くん」
クスリと悪戯っぽく微笑むと先輩はぽいっと5円玉を投げ入れガラガラと鐘を鳴らす。
なにが嬉しくて新年始まってすぐ貶されにゃならんのだ、と毒づきながらも5円玉を投げ入れる。
ニ礼、二拍手、そして静かに目を閉じる。
チラと横目で先輩を見ると眠るような顔をして両手を合わせていて思わず目が惹きつけられる。
本来誓いを立てたりするのが普通なのだろうが特に立てる誓いもないのでお願いをしておくことにする。
『この人の願いが叶いますように』
× × ×
おみくじを引こうという事になり境内にある巫女さんがいるところの近くにあるなんか六角形の棒が入った木の筒をガラガラと振る。
そうして出てきた番号を巫女さんに伝えるとおみくじの紙がもらえるという仕組みになっている。
巫女さんっていいな。今度小町にやってもらおう。
ガラガラとでかい音を立てて出てきた番号を見て覚えると先輩に渡す。
先輩が神妙な顔をしてガラガラと筒を振っていると不意に後ろから声をかけられた。
「彼氏さんの番号は何番でしたかー?」
どこかで聞いたことのある声だと思いつつも彼氏じゃいと否定しようと後ろを振り返ると例のあの人がいた。
……ヴォルデモートなの?
「み、三神先輩?なんでここに?」
「おけおめ比企谷くん。ここはリア充は出入り禁止なんだけど知ってた?」
巫女姿をした三神先輩がヤレヤレといった表情で首をかしげていた。
なんか知らんけどムカつくなそのジェスチャー……
「三神先輩、」
「ん?どーした?」
きっと言わなければならない。
三神先輩がこの先間違いを起こさないように。
「新年早々コスプレはどうかと……」
「………この神社の娘に向かっていい度胸だな!その目の濁りをとってやる!覚悟はいいかぁっ!」
そうしてうぉぉぉおおりゃぁぁあああ!という境内に響き渡る掛け声とともにその慎ましやかな胸元から取り出されたお札が俺の眉間にクリーンヒットした。
こんにちは大和 天です!
書かなければと思いつつ空いてる時間でちまちまと書いていたらいつの間にかどえらい日数がたってました笑
受験生やめたい……
この後の続きを書くべきかそれとも次の話にいっちゃうか悩んでいるところでもあります
どっちが読みたいかどこかに書いていただけると幸いです(>_<)
続きはできるだけ早く書きたいな…
ご感想や評価、誤字脱字やご指摘等お待ちしております!
読んでいただきありがとうございました(*^^*)