後輩の俺と先輩の私   作:大和 天

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こんにちは大和 天です!

シルバーウィークの3日目ですが皆さんいかがお過ごしでしょうか?自分は今日がシルバーウィーク1日目でございます。投稿が遅れたのはそのせいなんだ!許してください!日曜日に学校があるのがいけないんだ!笑

お気に入り900ありがとうございます!

今回はクリスマス編前編になります!

では27話ですどうぞ!




彼は彼女のサンタクロース。 前編

 

 

 

「クシュン」

 

 

 

隣に座りながら食後のコーヒーを飲んでいる女子生徒がかわいいくしゃみをする。

女子のくしゃみってなんであんなにかわいいんですかね?

俺とかがやっても「ハックション!」ってしかならないんだけど……

 

 

うぅ…と言いながら鼻をすすり、コーヒーの入った缶をカイロ代わりに両手であったかそうに持っているのを見ているとこちらを向いたその人と目が合う。

 

 

 

「……寒い」

 

「………今更何を言ってるんですか」

 

 

 

もう12月半ばである今、真冬のど真ん中と言ってもいいほど寒い。

さらに我が総武高校は臨海部に位置しているため海からの風が冷たくハッキリ言ってめちゃくちゃ寒い。

 

そんな中、昼食を外で食べているのだから寒いのはもちろんのこと、くしゃみ1つしてもおかしくはないのである。

 

受験生である彼女に寒い中で俺と一緒に外で昼食を食べて風邪を引かれたりしたら嫌なので前に一度、一緒に昼食を食べるのをやめませんか?と提案したところ先輩が涙目になったので急いで取り消した。

……俺なにも悪いこと言ってないよね?

 

 

ちょんちょんと肩をつつかれ横を見てみると少し離れた場所に居た先輩が今にもくっつきそうな場所に接近していた。

そしていきなり俺の手を引っ掴むと自分の頬に当てる。

 

 

 

「ふぅ〜、あったかい」

 

 

 

すりすりと俺の手を頬に擦り付ける。

なぜかはわからないが小町発案のハロウィンパーティをしてからやけに先輩の距離が近いように思う。

物理的にも精神的にも。

訓練されたぼっちマスターの俺だからなんとか勘違いせずにやっていけているが他の人だったら勘違いしちゃうからそういうのやめましょうね鹿波さん?

 

とは言うものの流石の俺でもこれはすこし恥ずかしい。

緊張のあまり冬なのに手汗をかいて先輩の頬をベタベタにしかねない。

なんだか自分で言ってて悲しくなってきた……

 

 

 

「えっと、恥ずかしいんでやめてくれませんかね?」

 

 

 

手汗かいちゃうからっ!というセリフは心の中だけにしておく。

だてにヒキガエルくんとは呼ばれてないからな。

むしろその後あだ名がカエルだけになったのは忘れてないぞクラスの奴らめ。絶対に忘れない。

 

しかしそんな抵抗も先輩の前では無意味なようで、だれも見てないから大丈夫だよ〜、と一蹴される。

 

 

構わずすりすりと頬に俺の手を擦り付ける先輩から無理やりてを引き抜く。

 

 

 

「あーあ、あったかかったのに」

 

 

 

べ、別にそんなこと言われても動揺したりしないんだからねっ!

ハチマンウソツカナイ。

 

 

 

「恥ずかしいんでやめてくださいよ。ていうか先輩勉強大丈夫なんですか?」

 

 

 

うっ、と唸る先輩を横目にMAXコーヒーの缶を傾ける。

 

正直こんなに俺に優しくしてくれる先輩には是非大学に受かって欲しい。

かといって俺ができることなんてたいしてないところが辛いところなのだが。

 

「や、やってるもん」

 

 

 

不意に声がしたかと思うと少し涙目になった先輩が俺の肩を掴んでいた。

 

 

 

「……なんかすみません。俺にも出来ることがあるなら手伝いますから」

 

「うぅ……すまないねぇ、比企谷くん」

 

 

 

先輩はオヨヨ、と泣き真似をしながら口に手を当てている。

ていうかいつの時代の人だよ。

 

しかしささやかながらも先輩の力になれるのならば嬉しいものである。

まぁ1年の俺が3年生の先輩の力になれる事など全くないと思うのだがな。

 

そんな考えを他所に先輩がツンツンとつついてくる。

見ると少し頬を染めた先輩が俺をみていた。

 

 

 

「じゃあちょっとお願いが……」

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

「はーくしょい!」

 

 

上着の襟元を寄せながら首を縮こませる。

小町チョイスに身を包んだ俺は待ち合わせ場所である時計台に向かっている。

15分前には着きそうだが先輩のことだ。また何分か待たされるのだろう。

 

待ち合わせ場所に着いた俺は近くのベンチに腰を下ろし持ってきた小説を開く。

さーて、何ページ読めるかなー、などと思いながら冷えた手でページをめくっているといきなり目の前が真っ暗になった。

 

なんかモフモフしたものに顔半分を包まれていると、後ろから声がかかる。

 

 

 

「だーれだっ♪」

 

「……はやいですね先輩」

 

「むっ!それはどういう意味かな?」

 

「そのまんまですよ。まともに待ち合わせ時間に来た試しがなかったですからね」

 

「うるさいな!忘れなさいその事は!」

 

 

 

視界を塞がれていた手が退けられ、後ろを見上げるように振り返るとそこには先輩が立っていた。

 

 

 

「やぁ!比企谷くん」

 

「うす」

 

 

 

ピーコートにミニスカート、黒のタイツを履いた先輩をみてドキッとしてしまう。

 

 

「先輩、似合ってますね」

 

 

 

思わず出てしまったその言葉に先輩はキョトンとしていたが次第に顔が赤くなっていく。

ミトンの手袋をした手で顔を抑えること10秒。手をどけた先輩の顔はまだほんのりと赤かったが落ち着きは取り戻したようだ。

 

 

 

「あ、ありがと……」

 

 

 

ぽそりと言ったお礼の言葉になぜか俺まで顔が赤くなるのがわかる。

 

 

「い、いえ、そ、それじゃあどこ行きますかね?家に帰りますか?」

 

「……ブレないね比企谷くん」

 

 

 

先輩に罵られてやっといつもの調子を取り戻す。

べ、別にマゾなわけじゃないんだからねっ!

 

 

 

「それじゃあ行きましょうか。今日は先輩の行きたいところに行きましょう。先輩の勉強の息抜きですからね」

 

 

 

むしろ先輩の行きたいところにしか行ったことないまであるのだがそれでも先輩は喜んでくれた様で嬉しそうな顔をする。

 

 

先輩にお願いされたこととは冬休みに勉強の息抜きに遊んで欲しいとの事だった。

日にちは天皇陛下の誕生日の次の日。

さすがの俺でもその日が何の日かってことぐらいはわかる。

しかしそこで勘違いをするようじゃあプロのボッチとは言えない。

息抜きと言えば息抜きなのである。

それ以上になることはない。

 

ていうかクリスマスイブの表現が独特だなーって思いました。まる。

 

 

 

そんな事を考えている俺を他所に先輩は鼻歌でも歌い出しそうな笑顔で俺の袖を引っ張る。

 

 

 

「ほら、行くよ比企谷くん!」

 

 

 

まぁ今日くらいはなにも考えずにいてもいいのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

「しょうでしゅね、行きましゅか」

 

「……ぶふっ」

 

 




いかがだったでしょうか?

最近ネタを入れられなくなってきてます笑
頑張らねば!

最近ポツポツと投票数が減ったりして少し凹んだりしてます
外されない様な面白いお話をかける様に頑張ります(*^^*)

次の話は明日中に投稿したいと思います!
べ、別に思っただけなんだからねっ!

感想や評価、誤字脱字、ご指摘等お待ちしております!

読んでいただきありがとうございました(*^^*)


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