後輩の俺と先輩の私   作:大和 天

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こんにちは大和 天です!

UA八幡……じゃなかった80000突破しました!
ありがとうございます!

今回はヒッキーと先輩の仲直り編です!
正直グダグダ感がやばいです(。-_-。)

冒頭はリクエストがあった小町が八幡を慰める話?です!
これは慰めなのだろうか?笑

グダグダ感はいずれ修正します!

では23話ですどうぞ!


彼は彼女と仲直りする。

 

 

 

 

風呂から上がった俺は名前も知らない3年生に殴られた傷を小町に見られないように頭からタオルをかぶり、自分の部屋へ向かう。

 

階段の前に差し掛かるとヒョッコリとアホ毛が飛び出している。

見てみると小町が体操座りの様に膝を抱えて階段の一番下の段に座っていた。

俺が近づいてくると同時に立ち上がり、俺に部屋に行かせないかのように進行方向に立ちはだかった。

 

 

「お兄ちゃん、コーヒーいれて」

 

 

そう言った小町の目はいつものふざけた様子は微塵もなく、ひしひしと俺の目を見つめていた。

たぶん小町には俺に何かあったのがわかっているのだろう。

まぁ、妹にお願いされると断れないのが千葉の兄妹なのであるが。

 

 

「……しゃーねぇな」

 

 

そう言うとキッチンに行きケルトに適当に水をぶっ込み、スイッチを入れる。

小町といえばソファーに座ってケータイをポチポチしている。

沸いたお湯をカップに注ぎ適当にミルクと砂糖を入れスプーンでかき混ぜる。

 

 

「ほれ」

 

「ありがと」

 

 

そう言って小町にカップを渡すとまるで包み込むように両手でカップを持ち、ふーふーとコーヒーを冷ましている。

俺も一口飲むと目の前にある机の上にカップを置き小町が口を開くのを待つ。

 

しばらくして小町がカップを机に置いたところでやっと小町が口を開いた。

 

 

「お兄ちゃん香奈先輩となにかあった?」

 

 

控えめな質問ではあるがきっとそれは小町なりに気を使ってのことなのだろう。

ここでなんもねぇ、などと言ってしまえば俺的には楽なのだがたぶん暫くの間小町に無視されるだろう。

そのことはいくらぼっちマスターの俺でも今日唯一の友達と言えるような存在を自らの手で無くしてきた俺にはあまりにも耐えられない。

 

「……いや、ちょっとな」

 

 

やっとの事で出た言葉がそれなのか、と少し自分に悲しくなるが仕方がない。

様子を見ながらこれ以上待っても言葉が出てこないと思ったのか小町がまたもや俺に問いかける。

 

 

「それはお兄ちゃんの頬の傷のことと関係あるの?」

 

 

やっぱり気付いていたか。

昨日は出来るだけ小町に見られないようにしてたんだがな。

 

そうして俺は昨日と今日あったことを小町に話した。

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

「……そういう訳だ」

あらかた説明し終えた俺はおそるおそる小町の方を見る。

 

小町はバカにする訳でもなく、怒っている様子もなく、ただただ悲しそうな顔をしていた。

 

「バカだねぇお兄ちゃんは」

 

 

そう言った小町は俺の手の上に手を重ねてくる。

 

キュッと弱々しく力の入った小町の手はなぜだか俺の心を穏やかにしてくれた。

 

 

 

「お兄ちゃん。お兄ちゃんが傷つけられたのは事実だし小町もお兄ちゃんを傷つけた人は許せないけど理由も説明しないで香奈先輩にそんなこと言ったら香奈先輩も傷つくんだよ?確かにお兄ちゃんは目も腐ってるし友達居ないしで散々なごみいちゃんだけどそんなお兄ちゃんを大切に思ってくれている人もいるんだよ?だから今すぐとは言わないけどちゃんと香奈先輩とは仲直りしてね」

 

 

そう言った小町は俺との間を詰めると俺の左肩に頭を乗せる。

 

 

俺は先輩への周りからの目や噂など、その事ばかり考え、先輩自身の考えや気持ちなど微塵も考えてはいなかった。勝手に俺は邪魔だと考え、俺が先輩から離れれば全てが丸く収まると思っていた。

 

 

しかし小町はそんな事はないと俺に言ってくれた。

こんな俺でも大切に思ってくれる人がいたということを教えてくれたのだ。

さすが俺の妹なだけはある。まじ小町最高!

なんか少しディスられた気もするが。

 

 

 

 

 

「あ、ありがとうな……」

 

 

そう言いながらオートで発動したお兄ちゃんスキルで頭を撫でると小町はううん、と首を振る。

 

 

 

 

「お兄ちゃんは小町のたった1人の大好きなお兄ちゃんだからね。あ、今の小町的にポイント高い!」

 

「あぁ、最後のがなかったらな」

 

 

だいたいいつからポイント制になったの?

 

 

 

 

うるさいよごみいちゃん、と罵られ心に軽く致命傷を負っているとでも、と小町がつづける。

 

 

 

「でも、小町ポイントを貯めたご褒美があってもいいよね〜!」

 

 

 

そう言うと小町は俺の左頬に唇を押し付ける。

俺があまりの衝撃に呆然としていると小町は少しだけ照れ臭そうに言う。

 

 

 

 

「これで傷も治ったでしょ?」

 

 

小悪魔のように笑う小町はあ、いまの小町的にポイント高い!と照れ隠しをしていた。

 

 

 

 

「あぁ、もう元気80000倍ハチパンマンだぜ」

 

 

 

 

 

 

 

 

うげぇとした顔で小町が言った。

 

 

 

「それはないよお兄ちゃん……」

 

 

「………ごめんね小町ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

結局先輩に謝ることができないままズルズルと日にちだけが過ぎて行き体育祭になってしまった。

俺は赤組で先輩は白組なので応援席も違うため先輩と出会う確率も少ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思っていた時期が僕にもありました。

 

 

 

 

 

「お!比企谷くんじゃん!久しぶり〜」

 

 

「あ、えっと、お久しぶりです。えーと、にこにー先輩でしたっけ?」

 

 

「いやいや、三神だから」

 

 

 

そう言いながらもポーズはとっているのはなんでなんですかね?

先輩はちょうど空いている俺の横の席に座ると足を組み肘を背もたれに乗せはぁ〜、とため息をつく。

なぜかは分からないが三神先輩の残念さを垣間見た気がした。

 

三神先輩はねぇ比企谷くん、と話を続ける。

 

 

「香奈と仲直りしたい?」

 

 

正直なところ適当な話をされると思っていたので急にこのようなことを言われきょどっていると今やっている競技をボーッと見ながら三神先輩はポツリと呟いた。

 

 

「香奈はしたいらしいよ」

 

 

心のどこかで罪悪感を感じてしまっていた俺にはその言葉は救いとも言える一言だった。

そんな感動にも似た気持ちに打ちひしがれていると先輩がニヤニヤと俺を見てくる。

 

 

「これで比企谷くんに貸しが2つもできたね」

 

「え、なんで2つもあるんですか?大体1つある事にも疑問なんですが」

 

「えー、だって比企谷くん殴った奴を粉にして〜、今日比企谷くんと香奈を仲直りさせてあげるから2つでしょ?」

 

 

あの先輩粉になったの?

何この人超怖いんですけど……

そんな恐怖に震えていると先輩が立ち上がりポン、と俺の方に手を置き、口を耳元まで持ってくる。

ちょっと三神先輩?髪めっちゃいい匂いするじゃないですか!

そんなドギマギしている俺に先輩がさらりと言う。

 

 

 

「頑張ってね」

 

 

そう言い残すとばいばーいと俺の元を離れていった。

 

 

 

 

ところで俺何したらいいの?

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

三神先輩の言った意味が解らないままボケーっと競技を見ていると競技の説明が流れ生徒が入場門から入ってくる。

 

どうやら次の競技は借り物競走らしい。

借り物競走とは走って行き置いてある紙に書いてある物を持ってきてゴールまで走るというまぁ誰もが知っているであろう競技だ。

しかしみんなの注目はその後のコスプレースとかいう訳の分からない競技に向けられている。

どうやら美人な先輩が出るらしく男子がどんなコスプレで走るかと無駄に熱い議論を交わしている。

 

 

そんなアホどもを横目で見ながら借り物競走を見ているがはっきり言ってつまらない。

メガネをかけた人やサッカー部の人など在り来たりのものばかりだ。

まぁ俺が考えてもそんなもんだろうが。

 

パン、と音がなり最後の走者がスタートする。

走ってきて置いてある紙を見た生徒達はみんな顔を赤くする。

え?なんて書いてあったの?黒いパンツの女の子とか書いてあったのん?

 

 

すると1人の女生徒がこちらに走ってくる。

まぁこちらというのは間違いだろう。

あくまで俺の近くの人めがけてといった方が正しいかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう思っていた時期が僕にもありました。

 

 

 

走ってきた女子は俺の手を掴むと行くよ!と俺を席から引っ張り上げる。

誰この人?と考えると同時にこんなことするのは1人しかいないと思ってしまう。

 

腕を掴まれたまま一緒にゴールまで走っているのだが周りからの視線がやばい。

ていうかこの人足速すぎ!こけちゃう!こけちゃうから!

 

 

そんなことを考えながら必死に走っているとどうやら1位でゴールしたらしく俺を連れて走ってきた人は観客に手を挙げて歓声に応えている。

 

 

「なにやってるんですか、先輩。大体なんで俺なんですか」

 

そう言うと先輩は俺の方に向き直り頬をぽりぽりとかく。

 

 

 

「いやぁ、紙にゾンビって書いてあったからもうこれは比企谷くんしかないと思ってねぇ〜」

 

「うそつけ!流石にそれはないでしょ!いいからその紙見せてください」

 

 

 

そう言って先輩の手から紙を取り上げようとするが先輩の防御が固すぎて全然取り上げれる気がしない。

 

 

だが先輩は大事なことを忘れている。

俺がなぜメガネをかけている人やサッカー部の人などの紙に書いてある答えが分かったと思っている。

それは競技が終われば放送でみんなに知らされるからである。

 

案の定放送が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

「ただいまの借り物の答えは『大切な人』でした」

 

 

 

 

目の前に顔を真っ赤にしている先輩がいた。

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

「あんなこと言ってすみませんでした」

 

退場した俺は先輩に謝ると意外な答えが帰ってきた。

 

 

「じゃあまた一緒にお弁当食べようね」

 

 

ダメかな?と上目遣いで聞かれたら断れる訳ないじゃないですかー?

小町にもなにかお礼をしないといけないなと考えていると客席から歓声があがる。

 

 

振り向くとそこには……

 

 

 

 

 

 

 

 

ナース服で疾走する三神先輩の姿があった。

 

 

 

忘れようと心に誓った。




いかがだったでしょうか?

明日から学校始まるよぉ(。-_-。)
リアルヒッキーになりたいよぉ〜と言いつつも受験生なので学校行きます!
なので更新頻度が遅くなったりすると思います
ごめんなさい(>_<)

でも完結まで書き続けますので応援してくだされば嬉しいです(*^^*)

こんな話が読んでみたいなどございましたら活動報告などに書いていただけたら嬉しいです!
書けるかわかりませんが(技術的に)

ご感想や評価、誤字脱字やご指摘などお待ちしております!

読んでいただきありがとうございました(*^^*)

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