後輩の俺と先輩の私   作:大和 天

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こんにちは大和 天です!

あれれぇ〜、おかしいぞぉ〜?ってかんじで中編Part2になってしまいました(笑)

これはあれだ!別に全然騙そうとしたりしてませんからね!

今回は三神さんも登場します!

てな感じで13話ですどうぞ!


彼と彼女はフェスティバる。 中編 2

 

 

 

 

 

ふぁあ、とあくびが出る。

開会式が終わると俺は教室の前に机を置き、頬杖をつきながらボケーっと目の前を歩いて行く生徒たちを眺める。

 

 

今日は文化祭当日である。

我が校の文化祭は2日間に別れており初日は生徒だけで開催され、2日目は一般の方々にも開放される。

 

別に全然楽しみにしていたわけじゃないが少しだけ早く学校に来てみるとなぜだか受付の係りが俺になっており、別に全然楽しみにしていたわけじゃないが他のクラスが全く見れないままもうお昼になってしまった。

大事なので2回言いました。まる。

 

 

 

中からは時折悲鳴が聞こえ、我がクラスの出し物が中々の出来だったことが伺える。

まぁ俺も半ば強制とはいえクラスで最も頑張ったといえるくらい働いたので出来が良かったのなら嬉しい。

まぁ、今は受付だけどね?

 

 

 

そんななかでも微かな救いはあるものでクラスの女子からダベりたいという理由で受付を交代してもらった。

いやまったく救われてないじゃん。

 

 

 

そういう訳で昼飯を食べようと思うのだが1つ問題がある。

昨日靴箱に入っていたこの紙切れだ。

最初三神って人が誰だかさっぱりわからなかったが家に帰ってから先輩と一緒のクラスの人だと思い出した。

はぁ……誰を指名しろって言うんだ……

でも行かなきゃ何されるかわからんからな……

 

 

あぁー!行きたくない!

ハチマンの黒歴史生産レーダーが反応している!行っちゃダメだ!

 

でも逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ、と繰り返しているとメイド喫茶をやっている教室の前に着いた。

 

 

手作り感溢れるメイド喫茶と描かれた看板が置いてあり、男子生徒によるちょっとした人だかりができていた。

人だかりとか八幡ちょっとやだな!

 

 

 

しかし取り敢えず三神先輩に一声はかけておかないと後で酷い目に会うのは確実なので人混みの間をスルスルとぬけて教室に入る。

因みにステルスはオートで24時間体制で働いています。

 

 

教室に入ると三神先輩はすぐにみつかった。

あの人なんだかんだで美人だからな。

さ、一声かけてさっさと帰るか、と声をかけようとすると横から悲鳴に似た声が上がった。

 

 

 

 

「ひょわっ!」

 

 

 

横を見てみるとメイド服の先輩がいた。

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

「せ、先輩?」

 

「や、やぁ!ひ、比企谷くん!」

 

先輩、目がめっちゃ泳いでますよ……

あと怒りを鎮めてください。

そんな顔が真っ赤になるまで怒らなくてもいいじゃないですか。

ここはひとつ小町に教えてもらった事を思い出そう。

 

 

『お兄ちゃん、女の人は取り敢えず褒めとけばいいんだよ!』

 

 

そうかそうか、褒めとけばいいんだったな。

 

「先輩、」

 

「ひゃい⁉︎」

 

なんでさっきからそんなに噛みまくってるのん?

それはまぁ置いとくとして荒ぶる精霊を沈める儀式をしないとね!

 

「その服、似合ってますね」

 

その瞬間、衝撃が俺の左肩に走った。

ぐふっ、と思わず声が出る。

見てみると右手を握り込んだ先輩が真っ赤な顔でキッとこちらを睨んでいる。

ち、ちょっと小町ちゃん?精霊はさらに荒ぶりましたよ?

そしてそこの三神さん?なにスマホで激写してるんですか?

 

先輩はボソッとなにかを呟くと控え室に足早に去って行った。

 

 

 

ていうか俺一応お客さんですよね?

 

すると三神先輩がこっちに寄ってきて話しかけられる。

 

「えーっと、昨日貰ったやつ持ってきた?」

 

も、貰ってないもん!

入ってただけだもん!

 

だがそんな言い訳が通用するわけもないので素直に折りたたまれた紙を渡す。

 

「よしよし、持ってきたね。じゃあ誰を指名する?」

 

「えっと、周りの人指名なんてしてないですよね?」

 

周りを見ればそれくらい分かる。

ただ適当に相手をされているだけにしか見えない。

中にはもろ嫌そうに相手をされている人もいる。

そんな中で俺なんかが選べるはずがない。

 

「まあね〜!でも君は選ばれたのだよ!さぁ選びたまへ!」

 

えっと、それはなにキャラですか?という問いはぐっと飲み込む。

ここはヘタに指名したりするとブラックなヒストリーを作りかねない。

だからここは…

 

 

「じゃあオススメで」

 

ふっ、完璧だ。

これで誰が来ても俺のせいにはならない。

そういう賢い八幡のこと八幡好きだな!

 

 

 

だが現実はいつだってそう甘くはない。

三神先輩はニヤリと笑うと控え室に入っていき何かを引きずって出てきた。

そうして俺の前まで持ってきてこう告げた。

 

「どうぞ、今日は貸切で〜すっ♪」

 

そう言って俺の前の席に座らせられた今日俺の貸切という最悪の事態になったかわいそうな人はため息んついた。

 

「はぁ……」

 

そう先輩しかいない。

 

 

 

 

 

 

 

× × ×

 

 

 

 

 

 

 

コトリ、と俺の目の前にカップが置かれる。

「ど、どうぞ、ご主人様…」

 

そう言って先輩はモジモジとしている。

やばい、なにがやばいってマジでやばい。

さっきから周りからの視線がやばい。

先輩はほんのりと頬を赤らめ、うつむきながらモジモジしている。

やばい、かわいい……っと危ない危ない。

俺じゃなかったら告白してふられてここから追い出され、文化祭2日目に来れないまである。

 

 

そんな先輩と妙な沈黙を守っているとあの人が近ずいてくる。

もちろん三神せんぱいである。

 

 

「ここってメイドさんと一緒に写真が撮れるんですよ〜?一枚いかがですか〜?」

 

 

 

ウソだ!なんでそんなにニヤニヤしながら言うんですか!

 

 

はいはい、もっと寄って〜、といいながら三神先輩は自分のスマホを取り出す。

ちょっと?なんであなたのスマホなの?絶対こんなサービス無いよね?

 

 

文句を言おうと口を開きかけると何かが肩に触れる。

見ると先輩だった。

 

 

 

パシャっ

 

 

 

機械音が鳴り、写真が撮り終えられた事を知らせる。

すると三神先輩は突然先輩の肩を抱き俺から数歩離れる。

 

 

「………500円………」

 

 

かすかにそんな声が聞こえた。

え?ちょっと?先輩そんなに俺と写真とるの嫌だったの?

500円でデータを消す取引するなんて……

せめて俺のいないところでして欲しかったな……

 

 

 

 

俺はコーヒー代を払うと教室を出る。

 

「比企谷くん!」

 

後ろから呼び止められ振り返ると先輩がいた。

 

「あの……なんかごめんね」

 

「いや、まぁたぶんほんの少しくらい微かにちょっとだけ楽しかったですよ」

 

「それってだいぶちょっとじゃん!」

 

 

先輩は笑いながら言う。

そんな笑顔にドキッとしてしまう。

 

 

「明日は比企谷くんのクラスのに行くね!見回りがてら!」

 

「まぁ俺受付ですけどね」

 

だと思った!などと先輩は無邪気に笑う。

 

 

 

 

「それじゃ、また」

 

 

 

 

 

「うん、また明日ね」

 

 

 

 

 

 

そう言って先輩は胸の前で小さく手を振った。

 

 

 




いかがだったでしょうか?

次回は文化祭編終わらせますよ!
きっと終わらせてみせる!
Part3なんかにはさせない!

評価してくださった皆様ありがとうございます(>_<)
好評価ばかりでとっても励みになりました!

いつものごとく感想や評価、誤字脱字、ご指摘などいつでもお待ちしております!

読んでいただきありがとうございました(*^^*)

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