歌が力に!?俺の歌を聴けー!!   作:小此木

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Sheeena様誤字報告ありがとうございました。


第6話

 

 

昨日、大規模な戦闘があったらしい。()()は司令からの連絡でそれを知った。デュランダルって完全聖遺物の輸送中に、謎の集団とまた例の少女に襲われたらしい。奇跡的に死人は出てなかったらしい。が、俺は駆けつけたかった!!けど、今は無理だ。でも、響ちゃん一人戦わせるのは俺としちゃあ、黙ってられねえ!!だから!!

 

『今日もご機嫌なサウンドを届けるぜぇー!!ファイヤー!!』

「「ボンバー!!」」

『PLANET DANCE!!』

 

待っててくれ!

 

「早く体を治さなければ、また、立花が...」

「翼、焦るな!バサラが毎日私達に『歌』を歌ってくれてる。それに、」

「それに?」

「私も戦闘以外だったら助けられるからな!!」

「奏...」

 

この二人を連れて、助けに行くからな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

立花響が司令と(常識をポイした)修行している頃、バサラはその『歌』の力を使って重症の天羽奏と風鳴翼を治療していた。その為、響は修行ばかりで二人の見舞いには行けなかった。そして、今日...

 

「あれ?翼さんと奏さんは?」

 

デュランダルを起動しその力で謎の少女を撃退した立花は、二人が入院している病室へ赴いていた。

 

「あら?貴女は...確か、立花響さん?」

「は、はい!!」

 

声を掛けたのは天羽奏を担当している女性看護師。

 

「今日はお見舞い?」

「はい!!」

「それは、申し訳ないわね。もう、奏ちゃん此処には居ないのよ。翼ちゃんもだけど...」

「え!?そ、それは...」

 

看護師は少し顔をしかめそう言った。

 

「ま、まさか...」

「ちょ、ちょっと待って!!・・・あぁ、行っちゃった...」

 

響は走る。走る!走る!!

 

「(嘘、嘘!!ちょっと前まで元気に話をしてたじゃないですか!!)奏さん!翼さん!!」

 

走る!走る!!

 

「うわぁ!?ちょ、危ねぇじゃねえか!!」

「わわ、済みません!!」

 

病院内を走り抜け、外へ続く通路を走っていた響は出口付近で誰かとぶつかりそうになってしまった。

 

「って、響じゃねぇか!どうしたそんなに急いで...オイオイ、なに泣いてんだ?何か悲しい事でもあったか?」

「う゛っ、そ、それが!聞いてください奏さん!!奏さんと翼さんが!!・・・あれ?奏さん?え?えぇ!?」

 

それは、入院しているハズだった天羽奏だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、いたいた。響さ~ん。何か勘違いされてって...もう、大丈夫ね。」

 

響を追って来た看護師はその光景を見て胸を撫で下ろした。

 

「良かったですね!奏さん!!翼さん!!」

「ハッハッハ、私の後輩は元気一杯だな~。今日で私ら二人とも退院だって連絡してねかったな!悪い、悪い!!戦闘はもう無理だけど後方支援と『歌』なら任せてくれよ!!」

「立花だけに任せていたら、今日の様に先走るからな。わ、私が先輩として...ごにょごにょ。」

 

奏は大いに笑い、翼は今まで距離を取って接してきたからか、何かたどたどしい。

ちなみに、看護師が顔をしかめていたのは、『はぁ~。彼、バサラ君がいたら私達看護師や、医師っているのかしら?』と悩んでいたからである。

 

「そう言えば、バサラさんは何処に行ったんですか?」

「ああ。アイツなら、私達を治療(歌を歌って)した後櫻井博士と一緒に出て行ったよ。」

「バサラは連日私達に歌を歌ってくれていたからな。恐らく、櫻井博士が別室に連れて行って休ませているんだろう。」

「そうなんですか...バサラさんとはここ最近会ってなかったんで、お二人を回復させてくださったお礼や色々お話がしたかったんですけど...」

「まぁ、私が言う立場じゃねえけど、今日は休ませてやってくれ。」

「はい!!」

 

長期療養中だった奏を中心に、三人は今まで話せなかった様々な事を話し、笑い、食べ、今までにない楽しい時間を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「で、櫻井博士、用ってなんすか?」

「なに、簡単な事よ。貴方の『歌』、仮に『歌エネルギー』と呼ばせてもらうわ。それを分析する為、この小型マイクを歌う時に付けてくれないかしら?」

「そんなんでいいんすか?勿論大丈夫ですよ。」

「良かったわ。じゃ、頼んだわよ。」

 

これで、直接この子の『歌』の効力を試せるわ。まずは...使えないあの娘に試してみましょう。幾分かはマシになればいいのだけれど・・・

 

 

 

 

■□■□■□■□

 

 

 

 

響は謎の少女の攻撃から同級生小日向未来を助ける為、彼女の目の前で『ガングニール』を装着し守った。そして、その場から何も言わずに謎の少女を追って行ってしまう。

二人の装者は激しい戦いの末、新たな力を手に入れた響が勝ったのである。そして、謎の少女はうっかり自分の名前を言ってしまった。『雪音クリス』と。

 

「だって、私達同じ人間だよ!!」

「...くせい...」

「え?」

「青臭ぇんだよ!!」

 

謎の少女、雪音クリスは装いを変え、『イチイバル』と云う名のシンフォギアを纏い響へ攻撃していく。

 

「歌わせたな...」

「えっ!?」

「私に歌を歌わせたな!教えてやる!!私は歌が大嫌いだ!!」

 

装いを変えたクリスの攻撃は以前より激しく、響を近づかせないよう中遠距離型の兵器の形を次々と出していく。

 

『敵とか味方とか、人間や人外も関係ねぇー!!俺の歌を聴きやがれー!!HEART & SOUL!!』

「大丈夫か立花!!」

 

そこに駆けつけたのは赤城バサラと回復した風鳴翼。翼が自身の剣で作った盾で響を守り、バサラが

 

『_________!!』

 

バックパックを背負い、降下しながら歌っていた。

 

「フッ、死に体でおねんねと聞いていたが、足手まといを庇いに来たか?それも、喧しいヤツを連れて!!」

「その情報は古いぞ!私はもう全快だ!!それに、立花は足手まといではない!今歌っているバサラと同じ私の仲間だ!!」

 

いや~。嬉しい事言ってくれるね翼さん。ま、たまたま近くで収録してた俺が、直接司令から連絡を受けて駆け付けた翼さんにばったり会ったから俺は此処に居るだけだけどな!!

 

翼はクリスをいとも簡単に追い詰めていく。何か憑き物が落ちたかのようだ。

 

あれ?俺ってこの場に要らねぇんじゃねえか?って

 

『危ねぇ!!アァァァァァァァアァァァァァー!!HOLY LONELY LIGHT!!』

 

突如クリスを狙って空を飛ぶノイズが攻撃を仕掛けて来た。間一髪、響がクリスを庇いバサラの歌よって迎撃された。そして、幸か不幸かバサラの歌により響、クリス両者とも回復した。

 

(・・・さっきまでの傷がほとんど治っていやがる!?フィーネの言った通りだ。コイツの『歌』は本当に人体に影響し様々な効力を発揮させてやがる。)

 

オイオイどうなってんだ?情報だとこの爆乳の姉ちゃんがノイズを操ってんじゃねぇのかよ!?俺達と同じように襲われてんじゃねえか!!

 

「命じた事さえ出来ないなんて、貴女は私をどこまで失望させるのかしら...」

「フィーネ!?」

 

チィ、今度は金髪美人の姉ちゃんかよ!!って何かへんな杖持って...成程、あれでノイズ達を操ってんのか...

 

「こんな奴が居なくたって戦争の火種くらいあたし一人で消してやる!!そうすれば、アンタの言うように人は呪いから解放されて『俺の、歌を、聴けー!!』ってテメェは五月蠅いんだよ!!」

 

 

 

 

■□■□■□■□

 

 

 

 

「こんな奴が居なくたって戦争の火種くらいあたし一人で消してやる!!」

 

ん?()()()()()を消すって言ったなこの娘。でも、戦争の火種を消すんなら!!

 

『俺の、歌を、聴けー!!』

 

俺の、『FIRE BOMBER』の歌なら、争いは何だって消えるんだよぉー!!

 

「ふぅ、少し邪魔が入ったけど、もう貴女に用はないわ。」

「え!?」

 

そう言って金髪美人の姉ちゃんはノイズを翼さんと響ちゃんへけしかけ逃げようと後ろへ飛んだ。だが、俺はあの姉ちゃんに言いたいことがある!!

 

『この歌で、()()()()を止めた男を俺は知ってんだー!!逃げないで、俺の歌を聴きやがれー!!』

「ッ!?...それは、興味深いわね。今度会ったら聞かせてもらうわ!!」

『待ちやがれ!!』

 

・・・逃げられちまったな。

 

「フィーネ!!」

 

爆乳の姉ちゃんも行っちまったぜ。クソ!!何で俺の歌を聴かないヤツがどんどん出てくるんだ!!次会った時は二人纏めて、俺の歌を最後まで聴いてもらうからな!!

 


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