「恋を知らぬ小娘共が!大人の女性の色香を魅せてやる!!『私の歌を聴けぇぇぇぇぇ!!』」
『ambivalent world!!』
翼達を追って飛んできたフィーネ。今まで抑え込んできた感情が熱気バサラの歌で爆発し、今まさに炎の様に燃え上っている。
『いい歌だったぜ、あんた!』
「櫻井博士...」
「フィーネ。」
「了子さん。素晴らしい歌でした!!」
熱気バサラ、翼、クリス、響はその歌を称賛し
『ヘッ、漸く吹っ切れたか櫻井博士!』
『やっぱ、熱い思いは歌にして伝えるのが一番だな!!』
奏、赤城バサラは、憑き物が落ちた様に歌うフィーネに何故か安心していた。
「・・・褒められても、月を破壊できず、目的を達成できなかった事には変わりないわ。一つ面白い事を教えてあげましょう。『ノイズ』の正体は太古の昔、『バラルの呪詛』により統一言語を失い、協力よりも互いの殲滅を選んだ先史文明期の人類により作り出された人を殺す為の殺戮兵器よ。『惑星環境を損なわず、他者を殺戮する』事が目的...だから人間しか攻撃しないのよ。」
「う、嘘だろ...」
「そ、そんな同じ人間同士で!?」
「そんなの間違っています!!」
何を思ったかフィーネは自然災害として認知されている『ノイズ』の正体を翼達に教えた。
「・・・そう、間違っているわ。統一言語さえ無くならなければ!バラルの呪詛さえ無ければ!!そんな事は起こりえなかった!!」
『でも、そのおかげで
「バサラ貴様ぁ!!」
赤城バサラが呟いた言葉を聞き過剰に反応したフィーネが鬼気迫る表情で詰め寄った。
『フィー...あ゛ぁ゛もう、
「・・・」
『それに、言葉なんざ分からなくても熱い歌を歌っていれば通じ合える!!』
『その通りダ!!』
赤城バサラの言葉を肯定する熱気バサラとシビル。赤城バサラにその存在を聞き、目の前に存在する宇宙を飛び回るプロトデビルンとその者と『歌』で交流を可能にした存在に言われれば、さすがのフィーネもぐうの音も出ない。
「では、私の今までは何だったのだ!!これからどうすればいいのだ!!」
『アンタの今まではこの事を知るためにあった。これからは...『バラルの呪詛』ってモンを創った存在を見返してやるために、永遠に近い生ってヤツを謳歌してやればいい。幸いシビルさん達プロトデビルンも似た様な存在だから、何かあったら連絡してみればいい。歌を歌いながらな!!』
「歌を歌いながらだと...」
赤城バサラの提案に困惑するフィーネ。
『あぁ!!やっと見つけたー!!バサラ!勝手に行動しないでっていつも言ってるでしょ!!』
『言っても無駄だミレーヌ。今までそうだったろう?ん?この星の人間か...何でこんな上空に集まってんだ?』
そこに現れたのはピンク色と緑色の人型兵器。ピンクの機体名はVF-11MAXL改ミレーヌ専用機。乗っているのは、女性ボーカルのミレーヌ・フレア・ジーナスとグババ。緑色の機体名はVF-17T改ナイトメア。乗っているのは、キーボードのレイ・ラブロックとドラムのビヒーダ・フィーズ。今FIRE BOMBERのメンバーが揃った。
『そんなん決まってらぁ!!歌を歌う為だぁぁぁぁ!!TRY AGAIN!!』
『『『『TRY AGAIN(アニマスピリチア)!!』』』』
突然歌い出しても、赤城バサラと熱気バサラで慣れてしまっている翼、響、クリスは熱気バサラ達につられて歌いだす。
『またいつの間にか仲良くなって!!私も歌うわ!!TRY AGAIN!!』
『お、おいミレーヌ!?仕方ない。やるぞビヒーダ!!』
<ダダダ!!>
ミレーヌ、レイが続きビヒーダはいつもの様にドラムで答える。
『俺達も加わるぜ!!奏!!』
『ああ任せろ!!』
『『TRY AGAIN!!』』
赤城バサラ、奏もそれに続く。
「歌う、か。一度すべてを忘れて歌ってみるか...TRY AGAIN!!」
そして、この場にいる者全てが歌いだした。全世界に中継していた映像だったが、爆発的に増えて行った『歌エネルギー』に耐え切れず全てホワイトアウトし映していた映像端末は全て壊れてしまった。
「お久しぶりです。ゲペルニッチ。」
「久しいなマックス。よく別の銀河まで来てくれた。」
「新たなアニマスピリチアの発見と聞けば、誰だって飛んできますよ。」
ここは宇宙。今ゲペルニッチはマクロス7という戦艦の艦長と戦艦の一室で話をしていた。
「私が見つけ出したこの星のアニマスピリチア。この後交渉するが、広い世界を見せてやりたい。彼らに多くの経験を積ませれば、今後の歌手活動にも役立ってくるだろう。お前達と共に行動するのもいいだろうが、我々と様々な銀河を渡ってもらおうと思っている。」
「それで我々は何をすればいいでしょうか?」
「サウンドブースターの付いているバルキリーを何機か譲ってほしい。」
「バ、バルキリーを...今年の軍予算でどうにか...」
二人の話は地球での騒動が収まるまで続いた。
~三か月後~
突如来日した歌姫、マリア・カデンツァヴナ・イヴとの合同ライブ中だった翼の前に、ノイズが出現する。驚愕する翼と観客たちの前で、マリアはシンフォギア『ガングニール』を纏った。
「私は、私達はフィーネ。終わりの名を持つものだ!!」
『あら、奇遇ね。私もフィーネって言うのよ?』
『衝撃美!今のお前はその櫻井了子だた一人ではないのか!?』
『そうよ。どこの誰かは知らないけれど、私の名を騙るなんていい度胸ね。ノイズ達を相手した後、覚悟してもらうわ!!』
そこに現れたのはネフシュタンの鎧を纏った櫻井了子と人型兵器に乗ったガビル。
「う、嘘...し、死んだはずじゃ!?」
『悪いわね。永遠に近い生を持っている私に死などありはしない。でも、今はそんな事どうでもいいのよ。・・・私の新婚旅行中に騒動を起こして弦十郎君とのハネムーンを邪魔した罪、死よりも恐ろしい地獄を魅せてやるわ!!』
今此処に怒れる猛獣が出現した。
「ちょ、了子君それは秘密じゃ『ソッコーでケリを付けるわ!!ガビルさん行くわよ!!』『ま、まて!勝手に行動『喧しい!!』...驚愕美!!』・・・さて、俺も参戦して早めに旅行に戻ろうか。」
櫻井了子、風鳴弦十郎、ガビルの素早い対処でノイズ達はあっけなく塵になって行った。
「て、撤退よ!!」
マリア達は止む無く撤退していった。
■□■□■□■□
「だから、マムの体は...」
「ヘッ、そんなもんバサラの『歌』を聴けばたちまち良くなっていくぜ!!」
「ほ、本当なのデス!?」
「ああ。ちょっと待ってな。今から呼んでみるから。」
ひょんな事で出会った暁切歌と雪音クリス。クリスは切歌達の事情を知り奏と翼の体を癒した治療をナスターシャへ行ってもらう為、赤城バサラの持っている通信端末へ掛けた。余談だが、登録名の最後にハートの絵文字があったのは見なかったことにしよう。
<ガチャ>
「よう!クリスだけど『俺の歌を聴けー!!何だクリス。って危ねぇ!?くそバジュラ達俺の歌を聴けー!!』・・・お取込み中悪いな。ちょっといいか?」
『手短に頼む!!『おい!バサラ!!マクロスのピンポイントバリヤパンチに合わせてアイツ突っ込むつもりだ!!』分かった!!悪い一時間後に掛けなおす!!うぉぉぉぉ!!突撃ラブハート!!』
「「・・・」」
「わ、悪い。何かアイツ戦闘中っぽい。」
「せ、戦闘中って何処にいるのデス!?」
「あ~アイツならゲペルニッチさんと一緒に
「べ、別の銀河!?」
「さぁて、ギターのチューニングOK!!」
「こっちも大丈夫だぜ!!バサラ!!」
赤城バサラと天羽奏は今日も突撃ライブを慣行する。
「機体の整備もマックス艦長直々指名した人だから完璧だぜ!!」
「さぁ!行こうぜバサラ!!」
「あぁ!!突撃ライブの始まりだ!!」
バジュラと呼ばれる生命体と繰り広げられる数々の戦闘。
『クソッ!!早くランカを助け出さないと...』
『オズマ!アルトが!!』
『アルト!!』
マクロスとバルキリーやバジュラの攻撃が飛び交う中、ソイツらは現れた。
『所属不明機がこの宇域へ接近しています!!』
『敵か、味方か!!』
『分かりません!!』
現れたのは、真っ黒いバルキリーとオレンジ色のバルキリー。当然武器は「スピーカー」。乗っているのは、赤城バサラと天羽奏。正式にFIRE BOMBERから活動を認められた地球のファイヤーボンバーチームだ。
『『突撃ライブの始まりだぁぁぁぁぁ!!俺(私)の歌を聴けぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』
今日も何処かの銀河で突撃ライブを行っている。