東方狐答録   作:佐藤秋

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第三十五話 パチュリー・ノーレッジ

 

 あれから、美鈴と久しぶりに手合わせをした。弾幕ごっこではなくガチの戦闘だ。予想以上に美鈴は強くなっていて、ついつい力が入りすぎてしまった。

 白熱してしまった手合わせの最中、俺は美鈴に殴り飛ばされ紅魔館の壁に叩きつけられる。俺へのダメージは最小限に抑えたものの、その結果紅魔館の壁にはひびが入ってしまった。

 あのあと美鈴は咲夜にキツく怒られ、今後手合わせは禁止とのことだ。

 予想外に早く終わってしまいやることがなく、俺は紅魔館の中を探索することにした。

 

 

 

「……やべぇ。ここどこだ」

 

 紅魔館の中は、長い廊下と同じデザインの扉の繰り返し。自分の部屋がどこかも分からず、俺は一人迷っていた。

 

「あそこの扉、他とは違って大きいな。レミリアのところもそうだったっけ」

 

 目の前に、先ほど訪れたレミリアの部屋と思しき扉を見つける。仕方ないからレミリアに聞くか。そう思いノックしてからその部屋に入った。

 

「おーいレミリ……あれ? 違った。図書館かここ?」

 

 ノックしても返事がないため、軽く中を覗いてみると、とても広い図書館に繋がっていた。あまりの広さにそのまま中を見渡してみる。すると部屋の端で忙しそうに歩き回る赤い髪の少女と、何個か倒れている巨大な本棚が目に付いた。

 

「……やべぇ。もしかしてあれ、俺が叩きつけられた衝撃のせいかな」

 

 目の前に広がる光景に、俺はすぐさまその原因を思い付く。この考えが合っているならば、原因となった俺がこのまま知らない顔で部屋を出ていくのはちょいとまずい。俺も手伝うのがしかるべき行動だろう。

 そう思った俺は少女の元へ歩きだした。

 

「えーとこの本はこっちで…… というか、どうやってこの本棚を立てればいいのかな……」

「なぁ」

「きゃっ! だ、誰ですか!?」

 

 忙しそうな少女に声をかけると、少女はビクッとしたあと身構えてきた。別に後ろから話しかけたわけでもないのだが、それほど集中していたのだろう。

 

「えーっと、今日から少しの間この洋館に住むことになった真というんだが……」

「へ? そんな人がここに何用(なによう)ですか?」

「いや……えーと…… 多分この現状は、俺のせいでな。ごめん。俺も片付けるのを手伝うよ」

「いえ、先ほど軽い地震が起きて、そのときの揺れで本棚が倒れたんですが」

「……その地震が、俺がこの建物にぶつかった衝撃で起きたものなんだよ……」

「ええっ!?」

「……ちょっとこあ、うるさいわよ。片付けるならもっと静かにやって頂戴」

 

 少女に説明していると、後ろから別の少女が現れた。ゆったりとした服を着ている紫色の髪をした少女だ。レミリアと同じくらい背が低い。

 

「あ、パチュリー様。この人が、この現状は自分のせいだから片付けるのを手伝うとか言い出して……」

「……そう。それなら手伝って貰えばいいじゃない」

 

 そう言うとパチュリーと呼ばれた少女は、興味も無さそうに戻っていった。俺が何者だとか、そういうことはどうでもいい。ただこの少女に注意しに来ただけのようだ。

 

「ええ……? ええとじゃあ……真さんでしたっけ。この本棚を立てることってできますか?」

「やってみよう」

 

 俺は一番上にある倒れた本棚の前に行き、そのまま持ち上げようとする。

 少し重いが問題ない。そのままの勢いで本棚を立てた。

 

「わっ、すごい…… それでしたらとりあえず倒れている本棚を全部立ててもらっていいですか? 本を棚に戻すのは私がやりますので」

「え? いや、それも手伝うけど」

「本は仕舞う場所が決まってるんですよ。適当に仕舞われても困るので」

「……まぁとりあえず、本棚を立てるよ」

「お願いします」

 

 宣言通り、倒れた本棚を立て直す。床には元々本棚があった跡が残っていたため、立てる場所に悩むことは無い。

 本棚を立てるというのは単純作業なのですぐに終わった。俺は改めて少女に話しかける。

 

「終わったよ」

「あ、ありがとうございます。でしたらもう……」

「だから本を仕舞うの手伝うって。えーと『この本を仕舞う場所は』……」

「いえ、ですから……」

「ここだ。合ってるだろ?」

 

 俺は『答えを出す程度の能力』を使い、本を仕舞う場所の答えを出す。近くの本棚に差し込みながら、俺は少女に確認してみた。

 

「え……? ま、待って下さいね。えーと…… た、確かに合ってます!」

「だろ? だから手伝うよ。じゃあ俺は向こうに散らばってる本を片付けるから」

「は、はいお願いします……?」

 

 少女は首をかしげながらも、俺が手伝うことに同意した。

 さて、この量の本だとさすがに面倒だな、効率よく作業しよう。本を一冊ずつ確認していたら時間がかかる。これは『この本棚に仕舞う本』といった形で答えを出していこう。

 

「これがここで、これがここ…… 本棚からこぼれただけなんだから、近くに落ちてるのは当然か」

 

 順調に本を本棚に片付けていく。片付ける本は、ほとんどが見たこともない文字が書かれていて、一体どういう基準で場所が決まっているのか見当がつかない。英語とかならアルファベット順といった風に並べるのだが、これは隣り合った本が全く別物の文字な気がする。ジャンル別にでも分けられているのだろうか。

 

「……よし。こっちは全部終わったよ」

「え、早……」

「そっちも片付けるの手伝うよ。『ここに直す本は』……これだな。じゃあ俺が上半分仕舞うから、下半分頼む。下半分に仕舞う本はここら辺に纏めるから」

 

 自分の場所が終わったので、まだ作業している少女のところも手伝いに行く。二人でやれば更に早い。あっという間に片付け終わってしまった。

 

「その本で最後かな?」

「は、はい! ありがとうございました! まさかこんなに早く終わるとは……真さんがいてくれて助かりました!」

「いや、そもそも俺がいなかったら本棚が倒れることも無かったわけで……」

「ねぇこあ、一段落ついたら紅茶を入れてきてほしいのだけど……ってあら? もう片付け終わったの?」

 

 片付け終わって、謎のお礼を言われていると、タイミングよくパチュリーがやってきた。表情が乏しくてよく分からないが、片付け終わっていることに驚いているように見える。

 

「……適当に仕舞ったわけでも無さそうね。随分早いじゃない」

「はい! こちらの方が手伝ってくれたんです!」

「そう…… どちら様かしら」

 

 パチュリーがようやく俺に興味を持ったようだ。聞かれたことをとりあえず答える。

 

「俺の名前は鞍馬真。今日から少しの間、紅魔館に住むことになったんだ」

「……ああ、そういえばレミィが言ってたわ。貴方がその……こほっ、こほっ」

「パチュリー様大丈夫ですか!?」

「む……いかんな。片付けたばかりで少し埃が舞っているのかもしれない。少しここから離れようか」

「そ、そうですね!」

 

 パチュリーと話していると急に咳き込みだした。パチュリーに"こあ"と呼ばれていた少女が、パチュリーの背中をさすりながらこの場を移動する。

 図書館に設置されているソファーのところまでパチュリーを運ぶと、こあはパチュリーをそのままソファーの上に座らせた。

 

「……ゴホッゴホッ!」

「い、いまお薬をお持ちしますね!」

 

 こあが急いで図書館の奥へと走っていく。薬がいるということは持病の喘息でもあるのだろうか。

 こあがいなくなってパチュリーの背中をさする人がいなくなったので、俺が代わりに背中をさする。

 

「……ゴホッゴホッ!」

「だ、大丈夫か?」

 

 パチュリーは変わらず咳をする。ふと、先ほど会ったばかりの女性の体を気安く触るのもどうかと思い、変化の術を使ってパチュリーを、姿をそのままに健康体へと変化させた。

 

「……あら? 苦しくなくなった……」

「大丈夫か? 随分激しく咳をしていたが」

「……ええ。貴方、私に何かしたの?」

「ん? まぁ……ちょっとな」

 

 咳が治まったみたいで安心する。咳をしたままでは会話もままならない。俺がいる間は、この状態のままでいてもらおう。

 

「……どうした? 握手?」

 

 先ほどまでパチュリーの背中をさすっていた右手を、パチュリーは両手で握ってきた。顔を近付け、なにやら観察しているようだ。

 

「……別に魔力は感じない……治癒魔法をつかったわけじゃなさそうね。貴方の能力?」

「……まあそんなところかな。君の体を少し変化させてもらった。時間が経つと戻るから、治したっていうわけじゃない」

「……そういえば名乗ってなかったわね。私はパチュリー・ノーレッジ。貴方は……真だったかしら。どうもありがとう」

「パチュリー様、お薬を……ってあれ、もう大丈夫なんですか?」

 

 こあが、お盆の上に水と薬を乗せて戻ってくる。よほど急いでいたのだろう、少しだけ息が荒れているようだ。

 

「ええ、真のおかげでね。薬はそこに置いておいてくれるかしら」

「! わかりましたー」

「それと、紅茶を三人分お願い」

「わかりました」

 

 こあはソファーの前のテーブルにお盆を乗せると、また図書館の奥に下がっていった。

 程なくしてこあが人数分のカップと紅茶の入ったティーポットを持ってくる。

 

「どうぞ」

「ありがとうこあ。さ、真も座って。少し貴方に興味が出てきたわ。話でもしながら一杯どうぞ」

「ああ」

 

 パチュリーに促されて前のソファーに座る。こあは横で慣れた手つきで紅茶を淹れた。俺の前にカップが差し出される。全員の前に紅茶を注がれたカップ置かれ、こあがソファーに座るのを見て、俺は自分の紅茶に口をつけた。

 

 

 

 

「へぇ、やけに本棚の整理が早いとは思ったけど、真のおかげだったのね。今日中には終わらないと思っていたのに」

「そうなんですよ! あっという間に本を片付けちゃって、ものすごく助かっちゃいました」

「そう。真がいる間は喘息の発作も無くなるみたいだし……ねぇ真。こあの代わりにこの図書館で私に仕えない?」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ! それだと私は……」

「こあは、おいしい紅茶を淹れることができるからそれでいいわ」

「私の存在意義はそれだけですか!?」

「冗談よ。三割ほど」

「半分以上本気じゃないですか!」

「はは、遠慮しとく。端から見たら簡単に見えるだろうが、結構疲れるからな」

「そう……残念」

 

 三人で紅茶を飲みながら談笑する。パチュリーは最初こそ興味を持たれていないときはそっけない態度だったが、話してみると意外に愉快なヤツだった。いつもこの図書館にこもり、魔法の研究をしている魔法使いらしい。だから治癒魔法がどうのとか言ってたんだな。

 こあは本名(?)は小悪魔といい、パチュリーに召喚された使い魔だそうだ。この広い図書館の掃除や整理をしているらしい。

 

「……なぁ、一つ相談があるんだけど」

「どうしたの?」

「俺がいなくなったら、またパチュリーの喘息が再発することがあるんだろう? それはなんか嫌だ。できれば治したいんだが」

「……私もできればそうしたいけど、生憎持病なのよね。昔からずっと治らないわ」

「いやそうじゃない。治す方法は既に見当はついている。それをパチュリーに試したいんだ」

 

 実は、先ほどこっそりと能力を使って調べておいた。パチュリーの喘息は治せる病気だ。ただそう簡単に治るものでもなく、パチュリーからの同意が必要である。

 

「え……それは願ってもない話だけど、それをして真になんのメリットがあるの?」

「メリットならあるさ、今晩気持ちよく眠れるとかな。このまま放っといたら気になって眠れなくなる。今夜の俺の快眠のために、是非ともパチュリーの喘息を改善する必要がある」

「……ふふ、あはははは、変な人。レミィが少し気に入ったのも分かる気がするわ」

 

 なぜかパチュリーが笑い出す。なにかおかしいことでも言っただろうか。自分のためと言うのは、もっともポピュラーで納得できる理由だと思うんだが。

 

「……それで、一体どうするつもりかしら」

「あ、あぁ…… パチュリー、お前あんまりこの図書館から出てないだろ。それが主な原因だと思う。新鮮な空気が吸えていないのが一つ。それと体を動かしていないのが一つだ。空気ならすぐになんとかできるが、問題は体。その凝り固まった体をほぐしてやることで、気管の負担を減らしてやる……美鈴で言うところの、気の流れを良くするとでも言うのかな」

「へぇ。それでどうやって気の流れを良くするのかしら。言っておくけど私、体力無いわよ。体を動かしたら息が切れて、逆に症状が悪化しちゃうわ」

「そこに関しては問題ない。俺が直接体をほぐすから」

 

 俺は右腕を前に出し、そのままゴキリと指を鳴らす。

 

「俺がパチュリーに直接触れて、そのままほぐす。簡単に言えばマッサージってやつだ。パチュリーはただ、うつ伏せでじーっとしていてくれればいい。ただ俺が背中側に触れることになるが、それでもいいならやらせてくれ」

「え、そのくらいならまぁいいけど……そんなことできるの?」

「できる。パチュリー、ちょっと右腕を出してみてくれ」

「……こう?」

 

 俺はパチュリーに、腕を伸ばすように指示をする。パチュリーは俺に言われた通りそのまま右腕を前に出した。

 

「ちょっと借りるぞ……ほっ」

「……っ!」

 

 俺はパチュリーの腕をつかむと、肩を押さえて腕をいろんなところに曲げ伸ばしした。パチュリーの腕からポキポキと音が鳴り、どれ程体を動かしてないかがよく分かる。

 

「どうだろうか。あまり痛くはないと思うが」

「すご……腕が嘘みたいに軽くなった…… そうね、やってみるのもいいかもしれない。今からお願いしようかしら」

「そうか。じゃあ早速、そのソファーにでもうつ伏せになってくれ」

「分かったわ」

 

 言われた通りパチュリーが自分の体勢を変えようとする。俺はソファーから立ち上がりパチュリーが座っているソファーに手を当て白く四角いベッドに変化させた。顔を置ける部分も用意してある。

 

「あー、こあ。別に面白いものでもないから自分の作業をしててもいいんだが」

「いえ、今後のためにぜひ勉強させてもらいます」

「……まぁいいか。じゃ、パチュリー、始めるぞ」

「ええ」

 

 俺はパチュリーの右側に立つと、開いた両手を背中に置いた。少しさすったのち、肩甲骨のくぼみの部分に親指を当てて少し強めに押していく。

 

「……んっ……んっ……ぁんっ……」

「……別に声は我慢しなくていいんだが……くすぐったいか?」

「い、いえ…… んっ……別にそういうわけじゃ……ぁんっ無いのだけれど……」

「……声を出すのが恥ずかしいなら、タオルでも口に当てててくれ。ほら」

「……わ、悪いわね……んっ」

 

 パチュリーに、変化で作り出したタオルを手渡す。

 パチュリーが自分の口元にタオルを当てるのを見届けたのち、改めてマッサージを再開した。

 

 一つ言っておくが、俺にマッサージの経験など無い。当然能力を使用している。ただ、あらかじめどこをどうマッサージすれば良いかなどを知っていたところで手のひらで押す力の調節や指の動きは、熟年の経験が無いと不可能だ。俺は常に能力を使用することで、効果のあるマッサージを実現することに成功していた。

 他にも、どこを中心に刺激するか、どうすれば痛くないか、どうすればパチュリーが不快に感じないかを常に理解しようとしているため、実はかなりの重労働である。

 

「……~! ……っ!」

「…………お疲れ。終わったよ」

「はぁ……はぁ…… お、終わったの……? そ、そう、うん……」

「どうだった?」

「……かなり気持ちよかったわ」

「そりゃ良かった。こあ、もう一回紅茶を淹れてくれるか、今度はパチュリーの分にはハチミツを……こあ?」

 

 一時間ほどのマッサージが終了し、こあにハチミツ入りの紅茶を頼む。もちろん喘息に効果があるようにだ。

 しかしこあから返事がない。見てみると、こあはなぜか少し顔を赤くして呆けていた。

 

「……声を押し殺してるパチュリー様の表情……艶っぽすぎ…… はっ! な、なんでしょう?」

「いやだから、ハチミツ入りの紅茶を淹れてくれって言ったんだが」

「は、はいすぐに!」

 

 先ほどの紅茶は既に冷めてしまっている。ほどよく温まった紅茶のほうが、喘息にはより効果的だ。

 こあは新しく紅茶を淹れるために、図書館の奥に走っていった。

 

「……体がとってもスッキリした気がするわ。これでおしまいなの?」

「いや、日を置いて何度かやったほうが効果的だ。良ければ明日もまたやるが」

「……そ、そうね、じゃあ明日もまたお願いしようかしら。 ……ところで、今回は背中側だけだったけど、全身をほぐしたほうがいいんじゃないの?」

「……まぁそうなんだが、首、肩、背中、腰だけでも十分効果はある。つーか全身触られるの嫌だろ」

「そ、それもそうね」

 

 確かに全身をマッサージしたほうが効果は上がるが、異性がそう軽々と体に触れるものではない。本当は脚……特に足の裏もほぐしたほうが効果があるのだが、パチュリーのセーフゾーンが分からないため、背中側だけで止めておいた。

 

「っていうかパチュリーお前体硬すぎ。次やるときは風呂上がりとかのほうがいいかもな」

「そ、そう。 ……ところで真、少し汗をかいてるじゃないの。貴方こそ今からお風呂に入ってきたら?」

「え、いいのか? それならぜひ……」

「そうしなさい。咲夜ー」

「お呼びでしょうかパチュリー様」

「わっ」

 

 パチュリーが咲夜を呼んだと思ったら、次の瞬間咲夜がこの場に現れた。メイドってスゴイ、改めてそう思った。

 

「真をお風呂まで案内してあげて」

「かしこまりました。それでは真様、こちらです」

「あ、ああ……」

 

 

 咲夜に案内されて風呂場まで移動する。

 着替えは特にいらないと咲夜に一言告げたあと、浴室を覗くと既にお湯がはってあった。

 

「広っ」

 

 浴室の広さに驚きつつ、早速風呂に入らせてもらう。

 シャワーで汗を軽く流した後に、湯船に肩までつかって息を吐く。

 ああ、マッサージをして溜まった疲れが落ちていく気がする。風呂から上がったら、俺も誰かからマッサージをされてみたい。自分でしても意味がない、誰かからしてもらうから意味があるのだ。

 変化でマッサージチェアでも作り出そうかと考えたが、幻想郷に電気は無いので使えない。

 

 ……まぁいいか、これだけ広い風呂に入れただけでも儲けものだ。

 俺は再び息を吐き、天井を見上げて目を閉じた。

 

 


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