東方狐答録   作:佐藤秋

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第三十四話 レミリア・スカーレット

 

 狐妖怪、鞍馬真の朝は早い。別に早く起きる必要はないのだが、目が覚めるのだから仕方がない。神社に住んでいる俺は、日の出を眺めながら境内の掃除を始める。

 地球は俺にとって小さすぎる。太陽でようやく偉大なる俺に匹敵しよう。だから俺はこうして欠かさず日の出を眺める。立ち昇る太陽を見つめることで、己の姿を確認するのだ。

 

「……あれ。『職人の朝は早いごっこ』をしてたはずなのに、ナレーションに王が混ざってきた」

「……一人で何やってんのよ。おはよう真さん。いつもこんなに早いわけ?」

 

 一人で楽しく神社の掃除をしていたら、霊夢が神社の中から現れた。起きたばかりの霊夢はいつもの巫女服ではなく寝巻きを着ていて、頭に大きなリボンもつけていない。こうしてみるとなんの変哲も無い町娘の一人に見える。

 

「ああ、おはよう霊夢。霊夢も早いな」

「今日はなぜか目が覚めちゃってね。 ……んーっ!」

 

 霊夢が大きく伸びをする。五秒ほどじっくりと全身に力を込めたあと息を吐き、霊夢は俺の持っている箒に目をやった。

 

「私も掃除しようかしら。朝ごはんには早すぎるし、掃除をしてから食べようっと」

「ああ」

 

 朝にする博麗神社の掃除は気持ちがいい。程よく涼しい気温に、徐々に明るくなっていく景色。博麗神社からは幻想郷が一望できるのだ。

 あそこに見えるのが人里で、少し離れたところに見えるだだっぴろい竹林が、おそらく輝夜がいるという迷いの竹林。この前チルノと大ちゃんに会ったのはあの辺だろうか。あの道をそのまま進んでいったら、大きい湖につながっていたようだ。

 

「……ん? 霊夢、あそこの湖に一軒、屋敷が建ってるみたいだがあれは何だ?」

「どれ? ……あら本当ね。いつもあそこには霧が出てるから気付かなかったわ。どこぞの物好きが建てたのかしら」

「ふーん」

 

 霊夢と話をしながら掃除をする。少しだけ、湖の近くにあるという屋敷が気になった。

 

「……さて、そろそろ朝ごはんの準備をしましょうか。真さん、戻りましょ」

「そうだな」

 

 霊夢に言われて神社に戻る。朝ごはんぐらい俺が作ってもいいのだが、紫に霊夢を甘やかさないように言われたので、一緒に作るということで妥協した。

 朝ごはんを食べないという選択肢は俺には無い。一日の大事なエネルギー源だ。

 

「「いただきます」」

 

 霊夢と朝ごはんを食べながら、あとでさっき見た屋敷のところまで行ってみようと思った。

 

 

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 

 

「うわ……確かに霧がすごいな…… 屋敷はこっちかな?」

 

 昼ごろに、さっきの屋敷のところまで飛んで行く。霧が出てきて視界が悪い、近くに湖があるためだろうか。

 自分の感覚を頼りに、屋敷があるであろう方向へ向かう。

 

「お、あったあった…… 赤っ! それに洋風だな……屋敷というより洋館か。 ……ん?」

 

 霧の中を進んで探していた屋敷を見つけた。博麗神社から見たときは遠くてよく分からなかったが、全体に赤い色調が見られ、かなり大きい建物のようだ。洋館の真ん中には時計台が存在し、周りには洋館をぐるりと囲む高い塀がある。

 洋館全体を見渡していると、洋館に入ろうとしている一人の人間が目に付いた。

 

「……人里でたまに見かけるメイドさんだ。ここの洋館に仕えてんのかな」

 

 この幻想郷には珍しい、メイドの格好をした若い女性。何度か人里で見かけたことがある。目立つ格好なのでついつい見てしまうが、気が付いたら姿を消しているなんとも奇妙なメイドさんだ。

 

「……なんか女性の家を知ってしまうって、罪悪感を感じるな。ここは見なかったことにしてさっさと……ってなんか飛んできた! やべぇ怒られる!?」

 

 メイドさんを目で追っていたら、洋館のほうからなにかが飛んできた。見ていたことがバレたのだろうか、俺は咄嗟に身構える。

 

「……やっぱり真さんだ! お久しぶりですね!」

「……へ?」

 

 飛んできたものが俺の前で停止する。声が聞こえたので構えた手を下ろすと、一人の少女が浮いていた。

 

「……美鈴、か?」

「そうです! 幻想郷内に、それらしい気を感じてはいましたが、近くに来たので飛んで来ちゃいました」

「……おおー、久しぶり! 美鈴も幻想郷に来たんだな!」

 

 美鈴とは昔、少しの間だけ共に旅をしていたことがある。別れるとき、なんとなく幻想郷で再会する気がしていたんだが、俺の勘もまだまだ捨てたものじゃない。

 

「ええ。まぁ来たのは偶然ですけどね。 ……真さんと別れてからまたいろいろありまして……今はそこのお屋敷で門番の仕事を任されています」

 

 美鈴が、えへへと笑って頭を掻きながら説明する。あれから何があって幻想郷に来ることになったのかはまだ分からないが、とりあえず美鈴がここにいる理由は理解した。

 

「……良ければ降りて話しませんか? 勝手に門を離れてきちゃったので、バレたら怒られてしまいます」

「そうなのか、じゃあ門の前に降りたほうがいいな」

 

 美鈴に誘われて、この洋館を囲っている城壁の、門がある前に着地する。大きい洋館を横目に見ながら、俺は美鈴と向き合った。

 

「……そうですねぇ何から話しましょう。 ……あれから私も随分強くなったんですよ。そうだ、あの約束ってまだ有効ですかね? いつでも手合わせしてくれるってやつ。どうです、久しぶりに手合わせでもして私の成長を痛ぁーっ!?」

「なんだ!?」

 

 話し始めた美鈴が、突如大きな声をあげて痛がる。見ると先ほどまでは何も無かった美鈴の頭に、ナイフが一本刺さっていた。

 

「うう……いきなり何をするんですか咲夜(さくや)さん」

「貴女門番の仕事を放ってどこに行ってたのよ。普段居眠りすることじゃ飽きたらず、仕事自体放棄するつもり?」

 

 更に気が付くと、俺の後ろには先ほどこの洋館に入っていったメイドさんの姿があった。一体いつの間にそこにいたんだろう。

 

「そ、そんなわけ無いじゃないですか。ただちょっと昔の師匠を見つけたので、すこし挨拶するために持ち場を離れてしまったと言いますか……」

「師匠? この人が? ……まぁいいわ、言い訳はまた後で聞かせてもらうとして……この人を少し借りるわよ」

 

 そう言うとメイドさんは、俺のほうに向き直ってきた。

 

「ようこそ紅魔館(こうまかん)へ。主が貴方をお呼びです。どうぞ私たちにお力をお貸し下さい」

 

 

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

 

 

「……なぁ、ノリでついてきてるけど、ここの主が俺に一体何の用だよ。力を貸すってなんなんだ」

 

 俺は、メイドさんに連れられて洋館の中を歩いていた。外から見てもかなり大きいと感じたが、中に入ると更に広く感じる。家の中にしてはかなり歩いたほうだと思うんだが、まだ主のいる部屋には着かないのか。メイドさんは何も話さないし、沈黙に耐えかねた俺はメイドさんに話しかけてみた。

 

「申し訳ありませんが話しかねます。私はただお嬢様に、貴方をお連れするよう仰せつかっただけですから」

 

 俺の前を歩くメイドさんが、振り返りもせずに質問に答える。 ……お嬢様、か。どうやらここの主は女性のようだ。もしかしたらこのメイドさんの格好も、そのお嬢様とやらの趣味なのかもしれない。

 会話がここで終わってしまうので、さらに別のことを聞いてみる。

 

「ふーん。じゃあさ、さっき美鈴の頭にいきなりナイフが刺さってたの、あれメイドさんの仕業だよな。一体何をやったんだ?」

「……それにお答えするのは容易いのですが、それだといささか面白くありません。そうですね、見たところ普通の人間である貴方を、どうしてお嬢様が必要だとおっしゃったのか私は理解できません」

 

 メイドさんがピタリと立ち止まる。部屋の前にたどり着いたわけではない、ここはまだ廊下の真ん中だ。

 

「それは俺にも分からんが」

「それに、美鈴はああ見えてかなりの手練れです。その師匠という貴方の実力、いかほどのものでしょうか。それを確かめるためにも逆に聞きましょう。私は何をしたと思いますか?」

 

 メイドさんはこちらを向いて、質問を質問で返してきた。まぁ得体のしれない相手に、わざわざ自分の能力をバラすヤツもいないだろう。

 とりあえず俺は、頭の中に浮かんでいたメイドさんの能力を口に出してみることにした。

 

「……うーん、時間を止めて、そのときに美鈴の頭にナイフを刺した……とか」

 

 俺の言葉に、メイドさんの眉がかすかに動いた。

 

「……どうしてそうお思いに?」

「お、その反応、もしかして当たり? ……そうだな、最初は瞬間移動系の能力かなと思ったんだが、美鈴の頭から血が流れていたからな」

「……それでどうして?」

「血が流れ始める瞬間を俺は見ていない、気が付いたら既に血が流れていたんだ。それで思ったんだよ、いきなりナイフが刺さったように見えたけど、もともとナイフが刺さっていたんじゃないかってね」

 

 加えて言うなら、『時を止める』という発想がすでに有ったのも大きいと思う。時間を操る能力は、漫画でもよく見かける能力である。前世のおかげでそういう知識が身についていたが、そういった経験がなかったら血のことに気付いてもそこからの思考は止まるはずだ。『時を止める』なんて考えはまず普通は思い至らない。

 

「……ご慧眼、感服いたします。先ほどの無礼をお許し下さい。確かに貴方は普通の人間とは違うようです」

 

 メイドさんは深々と頭を下げてきた。別に無礼でも何でもない。ただの人間に見えているほうが、人里で目立つことが無い分都合がいいのだ。

 

「ええい偶然だ偶然、頭をあげろ。たまたま分かったことにそこまでかしこまられても困る」

「では」

 

 メイドさんが頭を上げる。それと同時に目の前に扉が現れた。

 ……これは時間を止めて俺を扉の前に連れてきたのではない、立っている場所はさっきから変わっていないはずだ。まるでこの廊下に広がっている空間を、一気に縮めたような感じがする。このメイド、まだまだ能力を隠しているな。

 

「私の名前は十六夜(いざよい)咲夜。そしてこの扉の奥にいらっしゃいますのが、紅魔館の主レミリア・スカーレット様です。くれぐれも粗相のございませんように」

 

 咲夜が目の前の扉を開き、俺を中に招き入れる。

 ……さて、いきなり俺を招待したレミリアとかいうヤツの姿を、この目に拝むとしましょうか。

 ごくりと唾を飲み込んで、俺は扉の中へと入っていった。

 

 

 

 

「……よく来たわね。楽にしていいわ」

「……はぁ」

 

 扉を通ると、身の丈に合わないやたらとデカイ椅子に足を組んで座る、幼い少女が中にいた。この子がこの洋館の主の、レミリアとかいうヤツなのか? 地霊殿の主のさとりを見たときも、正体が少女だったことに驚いたが、目の前にいるこの子はさとりよりもかなり幼く見える。ちっちゃ。

 

「……なにやら無礼なことをお考えでは無いですか?」

 

 咲夜の瞳がキラリと光る。お前のほうがさとりかよ。

 

「いや、姿が予想と違ったもんで。こんな可愛らしいお嬢様だとは思わなかった」

「……へぇ。よく分かっているじゃない」

 

 失礼にならないよう、言葉を選んでそう言うと、レミリアは満足そうに頷いた。ふと、レミリアの背中でなにやらパタパタ動いているのを発見する。あれは……こうもりの羽だろうか。

 

「それで……俺に一体何の用だ? 力を貸してくれとか言われたが……俺の血でも吸いたいのか?」

 

 こうもりといえば吸血動物の一種であるので、レミリアが俺の血を求めてもなんらおかしいところは無い。しかし俺は、自分で言っておいてなんだがこれは違うと思っている。そうだとしたら、先ほどの咲夜の俺に対するあの態度、あれはどう考えても不自然だ。俺を呼んだ理由を知らない等々は嘘の可能性があるが、どうも俺の力を見定めていた節がある。血が欲しいだけならばその理由が説明できない。

 

「違うわ。私は高貴な吸血鬼よ、見ず知らずの男の血なんて求めてないわ」

 

 レミリアが俺の問いに答えるときに、口元からチラリと牙が見えた。どうやらレミリアは吸血鬼らしいが、高貴な吸血鬼がどんな血を好むかなんて俺は知らないしそんなことを言われてもピンとこない。

 

「じゃあ何で俺をここに呼んだんだ。見ず知らずの男に、お前は何を求めてるんだよ?」

「……そうね、話をスムーズに進めるために、まずは私の能力について教えてあげましょう」

 

 そう前置きしてレミリアは、俺を呼んだ理由を話し始める。長くなるなら俺も椅子に座りたい。

 

「私には『運命を操る程度の能力』がある。使い勝手が悪くてあまり自由に使えない欠陥の多い能力だけどね」

「へえ。大層な名前をした能力だな」

「その能力が今日発動した。そこで貴方の姿が見えたの。この紅魔館に、貴方という存在の協力を得ることで大きな発展が得られるという運命が見えた」

「……大きな発展?」

「それがなんなのかは具体的には分からない。でもある程度の憶測はついてるわ。見たところ普通の人間である貴方が、どこで重要になってくるかまでは分からないけど。 ……とりあえず、そこで貴方に命令があるわ。時期がくるまでこの紅魔館で、私たちと一緒に暮らしなさい」

「へー。いいよ」

「そうね、渋る気持ちはよく分かるわ。でもその代わり貴方が望むなら……ってえ? いいの?」

「え、良くないの?」

 

 なんだかいろいろ話していたけど、どうやら俺がここに住めば助かるらしい。そのくらいならお安いご用だ。

 

「いえ、全然良いのだけれど……もう少し何かあるでしょう。『一体俺はここで何をさせられるんだ!』とか」

 

 レミリアが変な声真似を使って話してくる。先ほどの精一杯取り繕ったしゃべりかたよりも、今のレミリアのほうが話しやすい。

 

「そうか? 俺は自分でできることならやるし、できないことはやらないだけだがな。じゃあ聞くが、ある程度ついてるっていう憶測っていうのと、そこから考えられる俺に求めることってのは一体何だと思うんだ?」

「それは……まだ詳しく決まってないのだけれど、私の名前を幻想郷中に轟かせる計画があるの。多分それの成否に貴方が関わってくるんじゃないかしら」

「へぇ、いいななんかそういうの。応援するよ」

「ただ……貴方の何がどのように関わってくるのかは分からないわね。貴方、何かできることとかあるのかしら?」

 

 レミリアが俺に聞いてくる。何ともアバウトな質問だ。どう答えたものか少し悩む。

 

「……お嬢様。聞くところによるとこの方は美鈴の師匠だそうですよ。まずはこの方の素性を、美鈴と共に確認するのがよろしいのでは?」

「……そうね。咲夜、美鈴を呼んできて」

「かしこまりました」

 

 そう言うと咲夜は、次の瞬間姿を消した。恐らく時間を止めて呼びに行ったのだろう。時間を止めるなんて大層な能力を持っているのに、使い方がしょぼい気がする。有意義な使い方がどんなものかと聞かれたら特に思いつかないけど。

 

 程なくして咲夜が美鈴を連れて戻ってくる。美鈴の頭にはナイフが刺さったまんまだ。というかナイフが二本に増えている。美鈴は何をやったんだ。

 

「じゃあ美鈴。この人間について教えてちょうだい」

「え、咲夜さんのことですか?」

「……なんでそこで私になるのよ。貴方の師匠っていうこの人についてに決まってるじゃない」

「……ああ! 真さんまだ自分が妖怪であることを言ってなかったんですね」

「「えっ」」

 

 美鈴の言葉にレミリアと咲夜は驚いた顔をする。誰かが驚く顔というものは面白い。

 どうやら咲夜は普通の人間のようだ。その証拠に、今の驚きで少しだけ妖力が回復した。

 

「いや……私が紅魔館に来たのってかなり前ですよね。真さんが師匠だっていうのはそれよりも前のことは当然ですから、今ここに生きている以上、真さんが妖怪なのは当たり前というか……」

「……言われてみたらその通りね」

「……てっきりとても若く見えるお方なのかと」

 

 レミリアと咲夜がそれぞれ勝手に納得する。レミリアは幼く見えるが、やはりそこそこ長くは生きているようだ。

 

「……というわけで、自己紹介すらまだだったな。俺は鞍馬真。狐の妖怪な」

「真さんにはですね、私が砂漠で一人倒れているところを助けてもらいまして。それから……」

 

 美鈴が、レミリアと咲夜に俺のことを説明する。自分のことを、すごく強い大妖怪だとかとても優しく親切だとか言われるとなんだか照れるが、そこ以外は事実を述べているだけであり、なんら突っ込むところは無い。

 

「……で、今日偶然再会したというわけです」

「ふうん……美鈴にここまで言わせるなんて、なんだか期待できそうだわ」

 

 美鈴の話が一通り終わり、レミリアが俺の方に向き直った。あまり期待されても困る、期待され過ぎるとロクな事がない。

 

「それじゃあ真、これからよろしくね。美鈴の話を加味した上で、これから真にしてもらうことがないかも考えておくわ」

「ああ、よろしく」

 

 立ち上がって俺に手を差し出してくる。握手すればいいのだろうか、俺はレミリアの小さい手を握り返した。

 

「それじゃあ咲夜、とりあえず真を部屋に案内してあげて」

「御意に。美鈴は門番の仕事に戻りなさいね」

「あ、そうか、真さんはしばらくここに住むんですね。ならこのあと時間があったら、門の前まで来てください! 久しぶりに手合わせをお願いします!」

「分かった分かった」

「それでは真様、こちらへ」

 

 咲夜に案内されて部屋を出る。

 

 少しの間、この紅魔館に滞在することになった。

 あとで霊夢に報告しておかないとな。そう思いながら咲夜の後をついていった。

 

 


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