東方狐答録   作:佐藤秋

149 / 156

真の誕生日だし、リクエストがあったので書きました。

また台詞のみなので、普通のがいい人はまた明日来てください。




第百四十九話 お風呂のときに

 

 ~もしも○○が真と一緒にお風呂に入ったら~

 

 

・霊夢の場合(博麗神社のお風呂)

 

真「……ふー。いつもは温泉だが、こっちの風呂もいいもんだ」

 

霊夢「そうね。それに、たまには神社のお風呂も使ってあげないと」

 

真「だな。……しかし、湯船に二人で浸かると少々狭いな。俺は別にいいんだが」

 

霊夢「私も別にいいわよ? というか、家のお風呂はこれくらいの広さでいいの」

 

真「なるほど。言えてるかもしれん」

 

霊夢「……」

 

真「……」

 

霊夢「……~♪」

 

真「(ゴキゲンだな)」

 

霊夢「(……お風呂から出たら髪を拭いてもらって、耳垢も取ってもらうついでに膝枕を……)」

 

 『甘え予定』

 

 

 

・魔理沙の場合(どこかの温泉)

 

魔理沙「……はー、髪洗ってさっぱりした」チャプ

 

真「そうか。それは何よりだが魔理沙、お前風呂でも普通に俺に座ってくるのな」

 

魔理沙「んー? それは違うぜ。神社でもここでも、私が座ろうと思ってたところに真がいるだけの話だ」

 

真「ほう。なるほど、そいつは盲点だった」

 

魔理沙「……だがまあ、座り心地は認めてやらんことも無い。今日の背もたれはちょっと硬いけどな」

 

真「はは、柔らかくなくて悪かったな」

 

魔理沙「……あ、そうだ!」

 

真「?」

 

魔理沙「変化の術で真を女にすれば座り心地がよくなるんじゃないか? よし真、胸を大きく」

 

真「却下」

 

 『性転換ネタの予定はありません』

 

 

 

・ルーミアの場合(どこかの露天風呂)

 

ルーミア「とうっ」

 

真「わー、何も見えん」

 

ルーミア「わはー、暗闇で入る風呂というのもおつなものなのかー」

 

真「まあ、新鮮ではあるな」

 

ルーミア「……というかね、真」

 

真「おー、なんだ。急に口調が大人だな」

 

ルーミア「こんな姿ではあるけども、男に裸を見せるわけないじゃないって話よ」

 

真「……俺は気にしないが、おっしゃる通りで」

 

 『照れルーミア』

 

 

 

・大ちゃんの場合(博麗神社の温泉)

 

大妖精「えへへ~お兄さんとお風呂~♪」チャプチャプ

 

真「ん……大ちゃん、まだ顔に汚れが」グイッ

 

大妖精「あう……あ、ありがとうございます……。えへへ、今日はチルノちゃんとはしゃぎすぎちゃいました」

 

真「泥だらけだったもんなあ。チルノは温泉に入らないんだろうか」

 

大妖精「チルノちゃんは温泉が嫌いなので……溶けるからって」

 

真「溶けるのか……。じゃあ大ちゃん一人だけか」

 

大妖精「はいっ、一人です!」

 

真「(あれ、一人でさびしいかと思えば、意外と元気だな)」

 

大妖精「~♪」

 

 『一人占め』

 

 

 

・美鈴の場合(紅魔館のお風呂)

 

美鈴「んー! 真さんとの稽古の後に入るお湯はまた格別ですね~」ノビー

 

真「……」ジー

 

美鈴「久々に勝てたものだから気持ち良さも倍増ですよ~。勝ったご褒美にお願いを聞いてもらえるのも久しぶりですね~」グイッ

 

真「……」ジー

 

美鈴「もっとも今回のお願いは一緒にお風呂という、結構簡単なものにしたんですけど。無茶なお願いをするようではまだまだ未熟者だという真理に到達した結果で……って、さっきから真さんやたら見てきますけどなんなんですか」

 

真「いや……服の上からでは分からなかったが、美鈴はなかなかいい体つきだと思ってな」

 

美鈴「は!? い、意外ですねえ、真さんはそういうのにもう興味が無いお人かと……」カクシカクシ

 

真「全体的に程よく筋肉がついており、なおかつ動きの邪魔にならないよう絞り込まれている。今回尻尾七本の俺に勝ったのも実力だったんだろうな」

 

美鈴「……ああ、やっぱりそっちの意味ですよねー」

 

真「そっち? ……ああ。いや、興味自体はあるにはあるが」

 

 『そう言う目では弟子は見ない』

 

 

 

・パチュリーの場合(紅魔館のお風呂)

 

パチュリー「……こあがうるさいからお風呂に入ったけど、面倒ね……。もう出ていいかしら」

 

真「なんだ、パチュリーは風呂嫌いか? 立派な風呂があるのにもったいない」

 

パチュリー「嫌いと言うか、入る意味がよく分からないわ。魔法を使えば体の汚れは取れるし」

 

真「そんなんだから身体が固いままなんだろ」

 

パチュリー「だから、これからたまに真がマッサージしてくれるんでしょ」

 

真「そんな予定はないんだが。喘息が治ったならそれ以上のことをしてやることもないだろ」

 

パチュリー「(断られた……)」ガーン

 

真「ほら、肩まで浸かって数を数えろ。今出るのはさすがに早すぎる」

 

パチュリー「数を数えるって子どもじゃないんだから……」

 

真「10000秒な」

 

パチュリー「長すぎない!?」

 

 『およそ三時間弱』

 

 

 

・咲夜の場合(紅魔館のお風呂)

 

真「……ふー、いい湯だな咲夜」

 

咲夜「(……おかしい。使用人如きの私が、お客様と同じ時間にお湯をいただくなんて……。今からでも出たほうがいいのでは)」

 

真「あー、また面倒なこと考えてるな。出なくていいぞー、俺は気にしない。だから咲夜、お前も俺を気にせずリラックスすればいい」

 

咲夜「(心を読まれてる……いやでも、お客様の前でリラックスとか無理でしょう。それに真様は、妖怪ではありますが男なわけで……)」

 

真「無理って顔だな。表情は変わってないが雰囲気で分かるぞ。……ふむ、男だから気になるというなら、俺はずっと目を閉じておく。これでどうだ」

 

咲夜「(また読まれてる……。でもまあ、目を閉じてくれるなら多少は)」

 

真「決まりだな。じゃ、目を閉じるぞ」スッ

 

咲夜「……」

 

真「……」

 

咲夜「(……とはいえ本当に目を閉じているのかは分からないわけで、結局リラックスできそうには)」

 

真「……zzz」スヤァ

 

咲夜「(って寝てる!? リラックスしすぎでは!?)」

 

真「……zzz」スピー

 

咲夜「(……お風呂で寝て溺れたりしないかしら)」

 

 『これはこれで落ち着かない』

 

 

 

・フランの場合(どこかの露天風呂)

 

フラン「わー! お風呂が外にある! すごーい!」バシャバシャ

 

真「こら。今は俺たちだけだからいいが、他にお客さんが来たら泳いだりしたら駄目だ」

 

フラン「はーい。……あ、見て見て真! 羽をこう動かしたらものすごく速く泳げる!」スイー

 

真「おおすごいな。でも対して広くない温泉でそんなことしてると……」

 

フラン「あいたー!?」ガンッ

 

真「……遅かったか」

 

フラン「……う~、すりむいちゃった……」

 

真「(今の勢いでぶつかって擦過傷だけで済むのか……)」

 

フラン「真、痛いよ~」

 

真「はいはい。痛いの痛いのとんでけー」パァー

 

 『露天風呂の岩肌は危ない』

 

 

 

・橙の場合(迷い家の温泉)

 

橙「……ふうっ。まだ髪を洗うときとお湯につかるときは苦手ですが、真さまがいれば平気です!」チャプチャプ

 

真「そうか。まあ俺は特に何もしていないし、他に誰かいるだけで安心するみたいなものか」

 

橙「いえ、真さまが見ていてくださるから平気なんです! 安心感が全然違います!」ザパッ

 

真「大袈裟だな。でも、ありがたいことだ」ナデナデ

 

橙「にへへ……にゃーん」

 

真「……さて、すでに髪も洗ったし、橙の苦手なところは終わったわけだ。ならもう、十分温まったら先に出ていいぞ」

 

橙「……え」

 

真「俺はもう少し残る。普通より少々長風呂してしまうタチでな」

 

橙「……そ、それでしたら私も一緒に残ります!」

 

真「いや、いい。無駄に付き合ってのぼせでもしたら心配だ」

 

橙「で、でも……でも……」

 

真「(……なんだ? 変に粘るな。素直な橙にしては珍しいが……)」キュィン

 

橙「(……うう、一人で体をちゃんと拭けるでしょうか……。タオルを使うの苦手です……)」

 

真「……」

 

真「と思ったが、ここの風呂は熱いな、もう出るか。おいで橙、髪を拭くのを手伝ってやろう」

 

橙「! は、はい!」ムギュッ

 

 『風呂上がりの鬼門』

 

 

 

・藍の場合(迷い家の温泉)

 

藍「(……さて、本日もまた真と一緒に風呂に入る機会に遭遇したわけだが、最近知ったことがある)」

 

真「……」フー

 

藍「(……このように、真は何事も無く落ち着いて風呂に浸かっているように見える。しかし……)」

 

真「今日もいい湯だなー」

 

藍「そうだな。そしてこのように真に寄り添って風呂に浸かっているこの時が、私にとってとても幸せな時間と言える」ピトッ

 

真「!」ピクッ

 

藍「(……と、このようにアクションを起こしたら真は小さく反応を起こす。どうやら平静を装っているだけで、内心落ち着いてはいないらしい。ふふふ……)」

 

真「……そうか。俺も藍とこうしているのは幸せだぞ。ちょっと落ち着かないけどな」ピトッ

 

藍「(……ああもう! 真もまた寄り添ってきた! 落ち着かないとか言っておきながら落ち着いた口調で!)

 

真「……」

 

藍「(でも、本音なのだろう!? 落ち着いてないのは本当なんだろう!? しっかり動揺しているのにそれを隠そうと必死な姿だと思うと、私はもう! もう!)」

 

真「お、今日は満月か。道理で明るいと思った」

 

藍「ああ、明るい。真っ暗な闇の中でこれでもかと言うほど主張してきているな、真ん丸で大きなあの月は。手を伸ばしたら届きそうだ」ザパッ

 

真「……なにやってんだか。届かないのは知ってるだろうに」

 

藍「真もやってみたらどうだ? 案外届くかもしれないぞ。そして触れたときの感触は、意外と柔らかかったりするかもしれない」

 

真「……」

 

真「(柔らかい……いや、他意は無いんだよ他意は。落ち着け俺)」フー

 

藍「(……楽しい!)」

 

 『傾国の(さが)

 

 

 

・紫の場合(出会って30年目くらい)

 

真「……あー、いい湯だ」

 

紫「気持ちいい~♪」

 

真「久しぶりの風呂は気持ちいいな。まさか天然の温泉があるとはラッキーだった」

 

紫「私! 私が見つけたの! すごい?」

 

真「ああ、よくやったな紫。えらいぞ」ナデリ

 

紫「えへへ……」

 

真「それに湯の温度もちょうどいい具合だ。やるじゃないか紫」

 

紫「……え、何が? 私は温泉を見つけただけだけど」

 

真「俺を呼ぶ前に能力で温度を調節しただろ。それくらい分かる」

 

紫「……」

 

真「……紫に会って初めて能力の使い方を教えたときも、最初にさせたのは温度の調節だったっけな。あれから随分時が過ぎたが、今日のこの湯はそれを思い出しての紫からのプレゼントってとこだろう。まったく、やってくれる」

 

紫「……どうして分かるの……?」

 

真「分かるさ。小さいころから見てるんだから。今もまだ小さいけどな」

 

紫「……!」

 

真「……紫、ありがとな」

 

紫「……」ギュッ

 

紫「(私こそ……ありがとう、真)」

 

 『あのとき私と出会ってくれて』

 

 

 

・妖夢の場合(白玉楼のお風呂)

 

妖夢「……あの、本当に背中を流さなくてもよろしいので?」

 

真「ああ」

 

妖夢「……」

 

真「……」

 

妖夢「(……どうしよう、真さんの口数がやけに少ない。私、何かしてしまったでしょうか……)」

 

真「……」

 

妖夢「(……先の会話で、何か気に障ることを言ってしまった? ええとたしか、幽々子様以外の方とお風呂に入るのは初めてだって言ったら、真さんが『妖忌とも無いのか?』って訊いてきて、私がはいって答えて……)」チャプ

 

真「……」

 

妖夢「(……分からない。分からないならもういっそのこと、直接訊いてみるしか……)」ブクブクブク

 

真「……ん、どうした妖夢」

 

妖夢「いえ……なにやら真さんの口数が減った気がして、怒ってらっしゃるのかなと思いまして。背中も流させてくれませんし」

 

真「……ああ、いやいや違う」

 

妖夢「違う、とは?」

 

真「背中を流してもらうのを断ったのは怒ってるからとかじゃない。ただ、申し訳なく思っただけでな」

 

妖夢「申し訳ない? そんな、むしろ私は、いつもお世話になっている真さんにお返しがしたいと思って」

 

真「ああいや、妖夢にじゃなくて妖忌にだよ」

 

妖夢「おじ……師匠に、ですか?」

 

真「ああ。かわいがってる孫との風呂を、部外者の俺が先にしてしまった。こうなると、妖夢の初背中流しは妖忌のために残しておかないと、と思ってな」

 

妖夢「……はあ」

 

真「ま、男でもなくて大人でもない妖夢には分からん話だろう。でも今度妖忌が戻ってきたら誘ってやれ、きっと喜ぶ。顔には出さないかも知れないがな」

 

妖夢「……真さんがそう言うなら」

 

真「……あ、それと一応、俺と風呂に入ったってことは内緒な」シー

 

妖夢「?」

 

 『実は孫好き妖忌おじいちゃん』

 

 

 

・幽々子の場合(白玉楼の露天風呂)

 

幽々子「真~、お腹すいた~、何か無い~?」バシャバシャ

 

真「んー、そうだな。仮にあったとして、俺は入浴中に何かを食べるのは反対なんだが」

 

幽々子「え~? じゃあもう出ましょう~? 確か冷蔵箱に氷菓子が……」

 

真「待て待て。風呂上がりの冷たいものは、我慢して我慢して、それで食べるのが美味しいんだ。今出るのはさすがに早すぎるだろう」

 

幽々子「むう……。む~」グリグリ

 

真「頭をこすりつけるな、なんの抗議だ」

 

幽々子「だって~……」

 

真「……はあ、仕方ない。本当はもう少し後で食べる予定だったんだけどな……」

 

幽々子「!」キラキラ

 

真「ほら、温泉卵。はしたないがここで食べるか」

 

幽々子「わ~♪ 食べる~♪ 真、割って~」

 

真「……まあ、こぼさずに割るのは難しいからな」パカリ

 

幽々子「大きい卵~♪」

 

真「いちおう木匙もあるが、使うか?」

 

幽々子「使う~。食べさせて~」アーン

 

真「(使ってない……)」

 

幽々子「~♪ お風呂でご飯~♪」

 

 『宴が始まる』

 

 

 

・てゐの場合(どこかの温泉)

 

真「……」フー

 

真「(他に客がいない、俺一人の貸切状態か。いい時間帯に来れたもんだな……)」

 

真「……~♪」

 

てゐ「わーーーー!!!!!」ザッパァ

 

真「わっ!!? なんだなんだ!!?」

 

てゐ「あははー! びっくりしてやんのー!」

 

真「て、てゐか……驚いた……」

 

てゐ「へへー、完全に気を抜いてたでしょ。ドッキリ大成功!」

 

真「ああ、完全にしてやられた。風呂の中に隠れてたのか」

 

てゐ「そうだよー。息継ぎはこの細い竹を使ってね」

 

真「やるなあ。いったいいつから隠れてたんだ?」

 

てゐ「ふっふっふ、それはね……」

 

真「ああ」

 

てゐ「真が入ってくる四半刻前からずっと……そのせいで実はさっきから頭がクラクラしてるウサ……」グニャリ

 

真「てゐー!!?」

 

 『イタズラは結構命がけ』

 

 

 

・鈴仙の場合(永遠亭のお風呂)

 

鈴仙「(……偉い人は言いました。恥ずかしいという感情は『行為』に生まれるのではなく、『周りの反応』によって生じるのだと)」

 

真「……あー、いい湯」

 

鈴仙「(ということで真さんとお風呂に入っても、真さんがいやらしい感情を私に向けていない以上、私だって恥ずかしくは……)」

 

真「……知っているか鈴仙。四番目の月を卯月というのは、干支で四番目が(うさぎ)年だかららしいぞ」

 

鈴仙「(……ってやっぱり恥ずかしいですよ師匠ー! だから申し訳ないですが位相をズラさせていただいて、真さんが見ている私は蜃気楼です……)」

 

真「ちなみに干支にウサギがいるのは神様のところに挨拶に行った順のお話があるからだが、その中でもウサギが四番目だったのは、ぴょんぴょん跳ねるウサギは持久力があり、休まず進めるからだそうで」

 

鈴仙「へ、へー、そうなんですかー」

 

真「実際ウサギってのは持久力のある動物らしい。早さを抑えれば長時間走っていられると聞く」

 

鈴仙「(ものすごくウサギの話してる……声の聞こえる方向が違ってるんだけど、気づいてないみたいでよかったあ……)」

 

真「……鈴仙は風呂でも耳があるんだな。や、まあ当たり前のことなんだが」

 

鈴仙「(……ん?)」

 

真「どうも俺には、その耳が取り外しできるものに見えてしまうらしい。てゐのと違ってピンと上に伸びてるからかな。服が無いのに耳だけあるというのが違和感を……」

 

鈴仙「(……あああああ! 考えて見れば、位相をズラしたところで真さんに裸の私を見せてることには変わりないじゃない! 私のバカバカ!)」

 

 『どうあがいても恥ずかしい』

 

 

 

・永琳の場合(永遠亭のお風呂)

 

永琳「真、こっちにいらっしゃい。洗ってあげるから」

 

真「いや、いい。自分でできる」

 

永琳「どうやって? 言っておくけど人間に戻るのは無しよ。かわいくないから」

 

真「俺はかわいくなくていいんだが……いま狐の姿なのは、永琳がその方がいいって言うから」

 

永琳「そうでないと一緒に入れないじゃない。代わりに、その姿じゃ自分を洗えないだろうから、私が洗ってあげようって言ってるの。ほら、おいで」

 

真「……尻尾を伸ばせばなんとか自分でできる」

 

永琳「そんなことしたら、排水するところに毛が溜まっちゃうでしょ」

 

真「この姿になってる以上、どっちにしろそうなるだろ」

 

永琳「むう……」

 

真「いいよ、気を使わなくて。本当に自分でできるし、永琳の手を煩わせる必要は無い」

 

永琳「……違うわ。してあげるとかじゃなくて本当は、私が、真を洗いたいの。ねえ、駄目?」

 

真「そうなのか?」

 

永琳「ええ」

 

真「ならいいぞ」ザパァ

 

永琳「(いいんだ)」

 

 『したいという理由なら納得できる』

 

 

 

・輝夜の場合(永遠亭のお風呂)

 

輝夜「真~、身体洗うの手伝って~」

 

真「んー? そのくらい自分でできるだろ」

 

輝夜「できないわ。いつも永琳がやってくれるもの」

 

真「じゃあこれを機に、自分でできるようになればいい。だいたい自分の身体を人に洗わせるなんて、姫じゃあるまいし」

 

輝夜「姫だもの」

 

真「そうだった」

 

輝夜「じゃあ髪~、髪洗って~」

 

真「輝夜の髪は長くて綺麗だからな……俺が適当に触って痛めてしまうのもちょっと」

 

輝夜「むう……」アライアライ

 

真「そうそう、自分でできるのは自分でな」

 

輝夜「……今日の真は何もしてくれない」

 

真「……まあ、それが終わったら髪を上でまとめるくらいはやってやる」

 

輝夜「やった! ……よし、終わったわ!」

 

真「できたぞ」シュバババ

 

輝夜「早っ!」

 

 『実はやりたくてそわそわしてた』

 

 

 

・妹紅の場合(妹紅の家のお風呂)

 

真「……すごいな。この風呂も自分で作ったのか? シャワーまでついてる」

 

妹紅「全部自作。自分一人用に作ったから結構適当だけど。それに狭い」ギュムッ

 

真「いやあ、十分いい湯だ。狭いのは許せ、身体が大きいからな」

 

妹紅「上に乗っちゃえば変わらないよ。それにこれはこれで、水の量の節約になるからいい」

 

真「……そう言えば水はどこから引いてるんだ?」

 

妹紅「地下に流れてるのを汲み上げてる。水さえあればお湯にするのは簡単だ」ボゥ

 

真「そりゃ、炎を(おこ)せるんだからそうだな」

 

妹紅「むしろ逆に、熱くしすぎて冷ますときのほうが大変なんだよ」

 

真「はは、違いない。……ん、待てよ? 風呂のお湯がそうやってるんだとすると……」

 

妹紅「うん?」

 

真「シャワーの水は冷たいままじゃないのか?」

 

妹紅「それは……気合で我慢する!」

 

真「豪気だな!?」

 

 『夏場はこれが気持ちいい』

 

 

 

・萃香の場合(博麗神社の温泉)

 

萃香「……ういー」ヒック

 

真「……その瓢箪は、風呂に入るときも持ってるんだな」

 

萃香「当然! 真がくれた、私の宝物でもあるしね~。勇儀だってえ、あの盃はいつも持ってるしい~」

 

真「そう言えば俺が河童と造ったんだっけ……」

 

萃香「……っぷはあ~。風呂だと、いい感じにぬるくなって美味しいんだよ~」

 

真「息が酒くさっ! ……今日はまた一段と酔ってるな」

 

萃香「酔ってないと温泉なんて入ってられないって~」

 

真「んん? 因果関係がよく……ああ、萃香は酔いが醒めると人見知りになるもんな。知らない相手と風呂は無理か」

 

萃香「さあね~? でも真とは入れるよ~」ギュー

 

真「まあ、付き合いは長いしなあ」ギュッ

 

 『酔うと気が大きくなるのは鬼も同じ』

 

 

 

・アリスの場合(どこかの温泉)

 

アリス「……」ガラガラガラ

 

真「……」フー

 

アリス「(げ、この時間なら誰もいないと思ったのに……しかも男の知り合い……)」

 

真「ん……? ん」ペコリ

 

アリス「……」ペコリ

 

真「……」フー

 

アリス「(……温泉で過度な干渉はしてこない。真が空気の読める男でよかったわ)」ザパッ

 

上海「……シャンハーイ?」ヒュオッ

 

アリス「(あっ、こら!)」

 

真「……お、上海か。人形のくせに一人で温泉か? なかなか渋い性格を……って、そっちのお前まさかアリスか!?」

 

アリス「気づいてなかったの!?」

 

 『いつもの格好じゃないと分からない』

 

 

 

・幽香の場合(幽香の家のお風呂)

 

真「……どうだ最近の幽香は。楽しいことはあったか?」

 

幽香「……」ゴシゴシ

 

真「ほお、大ちゃんや阿求がよく遊びに来てくれるのか。よかったなあ」

 

幽香「……」ヌリヌリ

 

真「……紫が橙を自慢するから、こっちも大ちゃんを自慢してると。え、リグルは?」

 

幽香「……」シャワー

 

真「なるほど、慕ってくれてるけどついいじめちゃうのかー、よくないなあ」

 

幽香「……ちょっと」

 

真「ん、どうした」

 

幽香「なに普通に植物と話してるのよ! アナタも、真にそういうこと話さなくていいから!」

 

真「だって……なあ? 幽香のこと好きだもんな?」

 

幽香「ねー、じゃないの! ……え? せっかく一緒に入ってるんだからもっと……って? そういうことは言わなくていいの! 真に聞こえるでしょ!」

 

真「聞こえんぞー。俺はなんとなーくわかるだけで、声自体は聞こえてない」

 

幽香「そ、そうなの? でも……。あー、もう! 私も入るからもうちょっと詰めて!」

 

 『花と話せる離れ業』

 

 

 

・小町の場合(どこかの温泉)

 

小町「かー! ひと仕事終わらせた後の風呂ってのはまた格別だね! 疲れがとれるー!」

 

真「……お前は疲れるほど働いてないだろう。九割がた俺がやったと思うんだが」

 

小町「はは、固いこと言うなって。代わりにあたいが金出してやってんだろー?」

 

真「これが給料代わりか。とんだブラック企業だな」

 

小町「その他にも、こんな美人と混浴なんて普通無いだろー? もっと喜んだらどうだい?」

 

真「俺にとっては一人風呂のほうが、落ちつけるぶん喜ばしい」

 

小町「……あ! もしかして照れてんだ! それならそうと言えばいいのに。ほらほらー、見たいなら別に見てもいいんだよー?」

 

真「そうか。慎んで遠慮しよう」

 

小町「むー……ちぇー、真は欲が無くてつまんないなー」ブツブツ

 

真「……」

 

真「……」チラッ

 

真「……」

 

真「(浮くのか……)」

 

 『浮き袋二つ』

 

 

 

・映姫の場合(どこかの温泉)

 

映姫「……真さん。権威と言うのは衣の上から着るものらしいです」

 

真「どうした急に」

 

映姫「お風呂に入っている今の私は、閻魔大王ではない。一人の存在だということです」

 

真「確かに、閻魔の被り物もしてないな」

 

映姫「ということで……」ススー

 

真「?」

 

映姫「……な、撫でてください。普段の頑張りを褒めるように」ピトッ

 

真「ああ、いいぞ」ザバッ

 

映姫「……」ドキドキ

 

真「よしよし、映姫はいつも頑張っててえらいな。すごいぞ」ナデナデ

 

映姫「~♪」

 

 『頑張れではなく、頑張ってるね』

 

 

 

・レティの場合(足湯)

 

レティ「うふふ~、これなら真と一緒に入れるわ~♪」

 

真「足湯くらいならレティは大丈夫なんだな。それにしても……」

 

レティ「~♪」パシャパシャ

 

真「(……素足を見る機会って意外に少ないから気づかなかったが、健康的な感じでなんかいいな……)」

 

レティ「それにしても、何?」

 

真「ん? ああいや、入れるのはいいが、ちゃんと楽しめるかなって。熱いのは嫌じゃないのか?」

 

レティ「それは大丈夫~、楽しいわ~♪」

 

真「そうか、ならよかった」

 

レティ「……足元から熱が伝わってきて、全身がだんだん溶かされるスリルでゾクゾクするわね」

 

真「(そういう楽しみ方!?)」

 

 『スリルの中にも快感を』

 

 

 

・椛の場合(どこかのお風呂)

 

真「……」フー

 

椛「(うう、まさか真様とお風呂なんて……)」

 

真「……」

 

椛「(いつもの調子で、ぎゅーとか、なでなでとかされたらどうしよう……。真様なら十分あり得る……)」

 

真「……」

 

椛「(……ってあれ、目を閉じて完全に入浴を楽しんでる感じだ。私の思い過ごしかな……)」チラチラ

 

真「ん。どうした椛」

 

椛「! い、いえ……いつもは出会ってすぐにぎゅー……じゃなくて、スキンシップを取ってくると言いますか……ともかく、今はしないのかな、と思いまして」

 

真「はあ? おいおい、いくら俺が無遠慮だと言っても、さすがにそれくらいの分別はつく。お互い裸なのにそんなことするわけないだろう」

 

椛「(ええええ、そんな常識を語るなら、普段もう少しどうにか……仲間が見てる前でぎゅーされるの恥ずかしいんですよ……)」

 

 『嫌とは言わない』

 

 

 

・文の場合(どこかのお風呂)

 

文「(あ、あややや……いくら真さん相手でも物怖じせずスキンシップが取れる私とはいえ、さすがに一緒にお風呂は照れますね……だというのに)」

 

真「文は自己紹介のときに『伝統の幻想ブン屋、清く正しい射命丸です』ってよく言ってるじゃないか? そのあとにさ、『通称ブンでゴザル』って付け加えるのはどうだろう。というのもだな……」

 

文「(この男……女子の裸がすぐそこにあるというのに、まったく気にした様子が無い……)」

 

真「ブン屋だし、文はブンとも読むし、ピッタリじゃないか? これを機にぬいぐるみも買って……あ、名前は当然ホクサ……」

 

文「真さん!」

 

真「どうしたブン」

 

文「ちがいますよ!? 変なあだ名を定着させないでください!」

 

真「冗談だ。それで、どうした?」

 

文「え、いや、えっと……」

 

真「うん」

 

文「(しまった! 勢いで話しかけたけど、何を言うか全く考えてませんでした……)」オロオロ

 

真「?」

 

文「い……いいお湯、デスネ……」

 

真「ああ、そうだな」

 

文「(うう……服を着てないとやっぱり無理……)」

 

真「(……今日の文は大人しくていい感じだな)」

 

 『高評価』

 

 

 

・早苗の場合(どこかの温泉の仕切り越し)

 

早苗「……ええ? それじゃあ霊夢さんとも魔理沙さんとも、お風呂に入ったことがあるんですか? お互い裸で?」

 

真「ああ」

 

早苗「むむむ……昔の銭湯は混浴が多かったようですし妥当かも知れませんが、まだまだ幻想郷の常識には慣れませんね……」

 

真「まあそれに、俺は妖怪で向こうは人間。俺は大人で向こうは子どもだ。そうなると気にすることなんてほとんど無くなる」

 

早苗「私はそこまで割り切れないですよ……。今もこうして、仕切り越しに話すので精一杯です。これでも十分恥ずかしいですし」

 

真「前半は分かるが、後半は分からん。仕切られていてお互い見えないのに、どうして恥ずかしい?」

 

早苗「だって……壁を挟んでお互い裸じゃないですか」

 

真「そんなの、普段だって布を挟んでお互い裸じゃないか」

 

早苗「服の奥は全裸ってなんですかその発想!?」

 

真「? 裸との距離なら壁より服のほうが薄いだろ」

 

早苗「それはそうですが……ああもう、真さんのせいで、服を着て歩くのも恥ずかしくなってきた……」

 

真「大変だな」

 

早苗「誰のせいですか誰の!」

 

 『裸の王様もきっとこんな気分』

 

 

 

・諏訪子の場合(どこかの露天風呂)

 

諏訪子「……」ブクブクブク

 

真「……なにしてんだ?」

 

諏訪子「……っぷはあ。いやなんか、鼻までお湯の中に浸かって目だけ出すのってやりたくならない?」

 

真「よく分からんが……」

 

諏訪子「じゃあ次は水鉄砲で遊ぼう。飛ばすぜ~超飛ばすぜ~?」ピュー

 

真「……」

 

諏訪子「わあ自分の顔に飛んできた! 暴発だー!」

 

真「……」ピュー

 

諏訪子「……あっ、蛙が入り込んでる! 泳がせよー!」スイー

 

真「……」

 

諏訪子「けろっけろっけろっいざっすすーめー♪」

 

真「(一人で楽しいなこいつ……」)」

 

 『見ているだけで面白い』

 

 

 

・キスメとヤマメ(どこかの温泉)

 

ヤマメ「最近珈琲にハマっててね、あれを飲むとお酒を飲んだ時みたいにいい気分になるんだ」

 

真「そりゃお前、蜘蛛だからカフェインで酔っぱらってるんだよ……と、あれ?」スカッ

 

ヤマメ「どしたの?」

 

真「ここに置いてたはずの桶が無い……泡が流せん」シャンプー

 

ヤマメ「目え開けて探しなよ……ほら、もうちょっと右だよ」

 

真「助かる……お、あったこれだな」ガシッ

 

ヤマメ「あ、ちがうちがうそれキスメ」

 

真「おう、スマン」

 

キスメ「いいよー」

 

ヤマメ「右に行きすぎだって。もうちょい左。そんで奥」

 

真「こっちか」ガシッ

 

ヤマメ「はは、それもキスメだってば」

 

真「ええ? スマン……」

 

キスメ「いいよー」

 

真「じゃあ……これか」ガシッ

 

ヤマメ「あ、それもキスメ。あと二歩分くらい歩いた先のそれ……もキスメ。あ、いま足で跨いだやつ……はキスメだね」

 

真「キスメいすぎだろ!? どうなってんだ、怖っ!」

 

 『恐るべき桶の怪』

 

 

 

・パルスィ(どこかの温泉)

 

パルスィ「……む、真」パルパル

 

真「ようパルスィ。……なぜ会って早々、(ねた)嫉妬(しっと)の念をぶつけられているんだろうか」

 

パルスィ「……いろいろ聞いてるわよ。相手のいる男が、こんなところで別の女と混浴なんていいのかしら?」

 

真「下心の有無によるだろう。パルスィ相手なら大丈夫だと思うが」

 

パルスィ「ふん。男なんて大半が下心で構成されている生き物のくせに」

 

真「否定できないのが辛いところだな。だがこうして目を閉じれば、少しは信用してもらえるだろうか」

 

パルスィ「女の裸は見慣れてるってわけね、妬ましい。幸せそうで何よりだわ」

 

真「すごい受け止め方をされたな。まあ幸せなのはその通りだから間違ってはいない」

 

パルスィ「子どもができたら抱っこさせてちょうだいね。うっかり落とすかもしれないけれど」

 

真「気の早い話だな。俺は今のところ子どもを欲しいと思ってないぞ。というのもとある理由があってな」

 

パルスィ「なによ理由って、気になるわね」

 

真「なに、母親を取られたら俺が子どもに嫉妬してしまいそうってだけなんだが」

 

パルスィ「まだ産まれてない子どもにまで嫉妬とかレベル高すぎない? どこぞの神話に出てくる神様かしら。気持ちは分かるけど」

 

真「だろう? まあそれでも自分の子どもだ、それでも愛するだろう。しかしその愛する子どもが成長して、結婚相手を連れてきたらどうなる? 俺はそれを考えたら嫉妬で狂ってしまいそうだ」パルパル

 

パルスィ「ふぅん……」

 

真「……」

 

パルスィ「……」

 

真「……」

 

パルスィ「分かるわ」

 

真「だろう」

 

 『ツッコミ不在』

 

 

 

・勇儀(どこかの温泉)

 

勇儀「……んー! 思いっきり体を動かした後の風呂は沁みるねえ!」

 

真「勇儀はさぞかし気持ちがいいだろうな。……くそ、久しぶりに負けた」

 

勇儀「へへーん、真は全力を出す機会が少ないから身体が鈍ってんだよ」

 

真「悔しい……」

 

勇儀「せっかくだからここでリベンジマッチと行こうか? 湯船に浸かって、先に我慢できなくなったほうの負け」

 

真「いいね。俺が勝ったら膝枕でもさせてもらおうか……ん?」

 

勇儀「どうした?」

 

真「勇儀お前、右手がやけに赤いな」

 

勇儀「ああこれ? さっき真を思いっきり殴った反動でね。岩より硬いもんだからさ」

 

真「ああ……考えてみたら俺もそこ赤くなってた。ほら、勇儀に殴られた肩のところ」スッ

 

勇儀「ここだけじゃないよ。例えばここ、真の尻尾を叩きつけられた横っ腹」ザパッ

 

真「俺だって、勇儀に蹴られた腰の下……」ザパッ

 

勇儀「……」

 

真「……」

 

勇儀「……」///

 

真「……これはあれだな、うん。やられた部分をわざわざ見せることもなかったな」

 

勇儀「……そ、そうだね」

 

 『一番赤いのは多分頬』

 

 

 

・さとり(地霊殿の温泉)

 

真「(『三年前の夏のことです。僕は人並みにリユツク・サツクを背負ひ、あの上高地の温泉宿から穂高山へ登らうとしました。穂高山へ登るのには御承知の通り……』)」

 

さとり「へえ。真さんはいつもお風呂が長くて、中で何してるのかと思ってましたが、能力を使って頭の中で本を読んでたんですね」

 

真「ああ、そうだ。うっかりしてると時間があっという間に過ぎてしまうが」

 

さとり「羨ましいです。私などがお風呂で本を読もうとすると、実際に持ち込むしかありませんからね。そうなると、本が湿気てしまうわけで」

 

真「まあ、だろうな」

 

さとり「はい……」ジー

 

真「……ふむ。なら今日は俺がいることだし、何か読んでくか?」

 

さとり「! ええ、ぜひ」キラキラ

 

真「なにがいい? 推理小説か?」

 

さとり「それもいいですが……お風呂であまり長く読むのも体に悪そうですし」

 

真「短いのなら、短編小説か詩集かな」

 

さとり「いいですね。では前者で適当に」

 

真「あいよ」

 

 『鑑賞会』

 

 

・お燐とお空(地霊殿のお風呂)

 

お空「真ー」

 

真「ああ、リボンもそこに入れていい。全部まとめて洗ってしまおう」

 

 

お空「しーん」

 

真「ほいほい、洗い終わったなら髪は丸めてしまおうか」

 

 

お空「……しんー」

 

真「ああっ、駄目だぞ痒くても目をそんなに擦ったら。こっちにきて見せてみろ」

 

お燐「(……真のお空への対応が神がかってる。さとり様並みに心を読んでる)」

 

真「お燐もそろそろ爪伸びただろー。風呂から出たら切ってしまうか」

 

お燐「え、あ……うん、お願いね。ありがと」

 

真「いえいえ」

 

 『多分一番一緒に入ってる』

 

 

 

・こいし(地霊殿のお風呂)

 

こいし「わー、お風呂ー」バシャバシャ

 

真「こいしー、こっちにおいでー」

 

こいし「んー、今はそんな気分じゃない」

 

真「!」ガーン

 

こいし「ひゅうっ、お湯の中でどれくらい目を開けてられるかチャレンジー」ザブザブ

 

真「……」

 

こいし「桶を使って水中呼吸だー」カポーン

 

真「……」ブクブクブク

 

こいし「……」

 

真「……」

 

こいし「……飽きたー。真、抱っこ」

 

真「! いいぞ、おいで」

 

こいし「ぎゅ~」

 

真「……」ギュー

 

 『五秒に一度は気が変わる』

 

 

・ナズーリンの場合

 

真「……」ナデナデ

 

ナズーリン「……」

 

真「……」ナデナデ

 

ナズーリン「あの……真。いくらなんでも執拗に撫ですぎではないかい?」

 

真「そうだろうか。撫でやすい場所にナズーリンがいるせいかもしれない」

 

ナズーリン「膝に座らせてきたのは真だったと記憶しているんだが……。私は今日ずっと屋根裏にいたから汚いよ?」

 

真「風呂に入ってるのに汚いも無いだろう」ナデナデギュー

 

ナズーリン「わわっ」

 

真「~♪」ギュー

 

ナズーリン「(……くそぅ、風呂から上がったらお返しに真の尻尾をモフモフしてくれる)」

 

 『実は前から触りたかった』

 

 

 

・水蜜の場合(血の池地獄)

 

水蜜「……っ! ……っ!」ゴボゴボ

 

水蜜「……っぷはぁ! あー、また死ぬかと思った! でも血の池地獄で溺れるのって癖にな……」

 

真「……」

 

水蜜「……」

 

真「……」

 

水蜜「……い、いつから見てた?」

 

真「『ここで溺れたときの血の味が忘れられないのよねー』って独り言してるときから」

 

水蜜「最初っからじゃない! あー、やっちゃった……」

 

真「……ま、まあ別に人の趣味はそれぞれだし……」

 

水蜜「優しい言葉をありがとう……っていうか、なんで最後まで見てんのよ! そっとしといてよ!」

 

真「いや、溺れないか心配で……後半からちょっと見てるのが面白くなってきたのもあるが」

 

水蜜「うう……」

 

 『お風呂ネタじゃないんですけど』

 

 

 

・ぬえの場合(どこかのお風呂)

 

ぬえ「しちしにじゅーはち、しちごさんじゅーご、しちろくしじゅーはち……あれ? しちろくしじゅー……」

 

真「四十二(しじゅうに)、な。はい、もっかい七の段」

 

ぬえ「また!? もうやだ~!」

 

真「頑張れ。九九まで言えないと出られないからな」

 

ぬえ「う~……難しい……」

 

真「難しくない。難しいって言うから難しく感じるんだぞ?」

 

ぬえ「だって難しいもん! もー! お風呂から出たらジュースもらうからね!」

 

真「いいぞ」

 

ぬえ「よーし! しちいちがいち、しちにじゅーし……」

 

 『飴と鞭』

 

 

 

・響子(どこかのお風呂)

 

真「~♪」

 

響子「! 真さん、歌、上手!」

 

真「ん? ああ違う違う、風呂場は声が響くから誰が歌っても上手く聞こえるんだよ」

 

響子「えっそうなの?」

 

真「ああ。だから風呂場で歌の練習するのは効果的らしい。喉も痛めにくいしな」

 

響子「へぇ~……じゃあ私もお風呂で練習しよっ」~♪

 

真「うん、いいと思……」

 

響子「~☆▲♪♪♪」ギャギャギャギャギャ

 

真「(まさかのパンク・ロック……)」

 

 『獣のような』

 

 

 

・小傘(どこかの温泉)

 

小傘「これは……駄目だ……駄目だよ……」

 

真「駄目って、なにが」

 

小傘「わちきは冷たい雨に打たれる傘なのに、あったかいお湯に浸かったらもう駄目だ……」

 

真「……あー、なるほどな。無理なら身体を洗って早いところ出たら……」

 

小傘「気持ちよすぎる……こんなの知っちゃったらわちき駄目になっちゃう……」

 

真「そっちか……。どっちにしろ出るなら、向こうで身体を洗ってからじゃないと入浴料損するぞ」

 

小傘「そうします……」

 

真「おう。身体を洗うのはそこの蛇口をひねればいいから」

 

小傘「えーと、これかな……わわっ!?」

 

真「おいおい、大丈夫か? それはな」

 

小傘「これは……あったかい雨を降らせる装置!?」

 

真「(シャワーだ……)」

 

小傘「気持ちいい! こうすれば勢いも変えられるみたい……楽しい!」

 

真「……。まあ、楽しめてるならよかったかな」

 

 『熱い雨に打たれて』

 

 

 

・マミゾウの場合(博麗温泉の仕切り越し)

 

マミゾウ「ふむ……。おーい、真、聞こえるかー」

 

真「んー? ああ、聞こえるぞー」

 

マミゾウ「どうやら客は、儂とお前さんで最後になってしまったようじゃのう」

 

真「そうみたいだなー」

 

マミゾウ「ならば、ここで一つ勝負といこう。先にこの温泉から出たほうの負け、でどうじゃ?」

 

真「ほう。いいだろう、受けて立つ」

 

マミゾウ「よし。……言っておくが、儂は強いぞ? なんなら見えないことをいいことに少々狡い手を使っても構わんが」

 

真「そんな無粋な真似はしない。それで勝っても嬉しくないし……なにより、俺も強いからな」

 

マミゾウ「言ったな。ふふ、狐の悔しがる姿が楽しみじゃの」

 

真「さて、悔しがるのはどっちかな?」

 

真・マミゾウ「「……」」

 

真・マミゾウ「「(負けん)」」

 

 『霊夢に怒られるまであと一時間』

 

 

 

   ~おしまい~

 

 




感想欄にリクエスト書くと消されるっぽいんで気をつけてください。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。