神様死すべし慈悲はない   作:トメィト
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エリック大活躍。
特に話しに進展はありません。


二話目にしてサブタイトルが思い浮かばない事案発生




 俺は今、猛烈に後悔をしている。
 先ほどこなした仕事、鉄の雨にて俺は1人の神機使いを助けた。そのこと自体に後悔は無い。目の前で失われそうになっていた命があり、それを救える手段があるとしたら、その人物をよほど恨んでいない限り助けると思う。実際俺はそうした。
 しかし、その助け方がいかんかった。俺の居た時代ではあのくらいの動きは普通も普通。このくらいで驚いていたら極東初心者の称号を送られるくらいの拙い動きだったのだが、彼らはそうではなかったらしい。
 若かりし頃の……本人曰くやさぐれて若干中二病的思考が入っているソーマさんとまだぶっ飛んでいないユウさんから熱烈な視線(いい意味とは限らない、特にソーマさん)を向けられている。
 これが結構辛い。しかも、極東に帰った後に俺が助けたエリックさん(エリナの死んだお兄さんだと後から気付いた)が俺の戦いを言いふらしたのだ。
 一応、新人として配属されたのにそのような戦い方が出来たら誰でも怪しむに決まっている。現に俺は針のむしろ状態だし。まぁ、彼は俺が新人という設定になっていることを知らないから仕方ないんだけど。


 「その時彼が、華麗に―――」

 
 やっぱり、黙ってて欲しいなぁ……。
 一応サカキ博士を抱きこんであるからある程度のごまかしは効く。しかし、終末捕食をたくらんでいるソーマさんのお父さんはサカキ博士が注意すべきと考えている人間だ。こんなことを言いふらされて何かやっかいな情報をつかまれなければいいんだけど……。


 チラリとエリックさんのほうを見る。
 すると彼はこちらの視線に気付いたのかこっちに体を向けると親指を立てて歯を見せながら微笑んだ。


 「(君の華麗な武勇伝を聞かせることで、馴染みやすくしておいたぞ!)」


 「(完全に逆効果です)」


 こちらの意思はまったく伝わっていないんだろうな、と考えつつ俺はひとつ溜息を付いた。
 サカキ博士からも、


 「こう、目立たれては色々厄介なので気をつけてくれないかな?今回のことは、君がいざとなった時の切り札のひとつとして機能することがわかったから見逃すけどね」


 と釘を刺された。
 ……どうやらあの程度でも実力を認められるようだ。どうしよう……しばらくは戦い方を自重したほうがいいかもしれない。





              ―――――――――――――――――― 





 「樫原仁慈……か」


 極東支部支部長室にて、ここの支部長のヨハネス・フォン・シックザールはゲンドウスタイルで机に座りつつ一人呟いた。
 彼には目的がある。この喰らい尽くされた世界を再生し、選ばれた優秀な人間を再生した世界に残すという目的が。そのために彼は妻も、子どもも犠牲にしてきた。今更止めることなど出来ない。
 

 そのために、新型神機使いもこの支部に配属されるよう手配をしたのだ。今は新人の神薙ユウという新型神機使いもいずれは実力をつけ、特務を受けることが出来るレベルになるだろう。
 だが、ペイラー榊が見つけたといわれる神機使い樫原仁慈。
 そのプロフィールにおかしい点は見当たらないが、彼がこの支部に配属されるという話は支部長であるヨハネスも聞いたことが無かった。
 

 ―――――不確定要素を残しておくのは得策とは言えない。


 彼の優秀な頭脳は即座にその答えを割り出した。
 そして、ある場所に連絡を一本入れる。


 「……彼には、任務で名誉の死を遂げることにしてもらうとしよう」


 どちらにせよ、始末しなくてはならない人間は居る。彼もついでに始末すればいい、そう考えて彼は連絡のために手に取っていた電話を元の場所に戻した。






 ―――――一方サカキの研究所





 彼はカタカタと何時ものように機械を弄りつつ、その画面に映されているデータにひとつひとつしっかりと目を通す。


 「………やはり、我々が取れる手段は、これしかないようだね……」


 何度計算をしなおしてみても、何度データを確認してみても、導き出される答えは何時も同じだ。
 このまま有効な手段がなければ、ヨハネスの思惑通りにことが進んでしまう。しかし、こちらも切り札を手に入れた。
 それも、飛び切りの……それこそジョーカーとも呼べる存在を。



 ――――――人が神となるか……神が人となるか……この闘争において、そのどちらでもあり、どちらでもない樫原仁慈(おれ)が貴方の駒になってあげます。……そちらにとっても悪い話ではないと思いますが?
 


 まるで心臓を直接つかまれたかのような衝撃だといってもいいだろう。そのセリフは、彼が常日頃から思っていることだが、誰かに話したことは無いのだから。
 

 「勝つにせよ、負けるにせよ……面白く数奇な結末を辿ることになりそうだね」


 





            ―――――――――――――――――――







 「今回はエリックさんとの任務になります」


 「そうなんですか。俺と同じく新人の2人は今日コンゴウと戦うそうですが、同じようなものですか?」


 「いえ、ヴァジュラ種の討伐となっております」


 「えっ」


 「えっ」


 一応新人というくくりで入って来たはずなんだけど……。それとも、俺が一番初めにヴァジュラを屠ったことサクヤさんとユウさんが言ったのかな。


 「あの……エリックさんが同伴に指名していたので……本人から聞いていないんですか?」


 聞いてません(半ギレ)
 まぁ、発行されている以上バックれるわけにもいかないから、しっかりやりますけどね。 
 相変らず髪をかきあげながら登場したエリックさんの言葉を聞き流しつつ現場に直行、今回の戦いの場となる贖罪の街に到着した。


 「仁慈君」


 「なんです?」


 「昨日は本当にありがとう。君のおかげで、僕は妹を悲しませることも、親不孝者となることもなくなった……」


 「いえいえ、普通のことをしたまでですよ」


 「君のことはみんなから聞いたよ。……あれほどの実力を持ちつつ、新人としてきたのは何か理由があってのことだろう」


 ……流石、いいとこのお坊ちゃま。そういう裏事情には鋭いな。今回俺と2人の任務を発注したのも他の人に聞かれるのを防ぐと同時に、俺が逃げられないようにするためのものか……。
 エリナから話を聞いていたけど、身内贔屓が入っていると思ってまともに聞いていなかったけど、優秀だったんだ。


 「………」


 「詮索はしないよ、今回はほんのお礼だからね。君は僕の命を助けてくれた。妹と買い物をする約束を嘘にしないでくれた……。僕はそのことに本当に感謝しているんだ」


 「お礼……ですか……?」


 「あぁ。君になんの目的があるかは分からないが、お金は必要だろう?建前上新人の君には大した任務は回ってこない。だから、僕が割りのいい仕事を回す事にしたんだよ」


 「なるほど」


 「それに………君の実力を存分に振るってもある程度は誤魔化せる。昨日は情けない姿を見せたが、これでも僕もなかなかのものなんだよ」


 フフンと笑って髪を書き上げるエリックさん。
 そんな彼の言葉に俺はせっかくなので甘えることにした。ただでさえ、俺の味方が少ない状況だ。この好意を無下にする必要も無い。


 「さ、話はここまでにして、今日も華麗に人類のために戦おう!」


 「もう油断はしないでくださいね」


 そんな掛け合いをしながら俺たちは高台から飛び降りた。


 跳び下りた先にはオウガテイルが素材を捕食しており、俺達の着地姿をばっちりと見られてしまう。
 俺達を視界に入れたオウガテイルは一度咆えて威嚇するが、極東ではその習性が致命的な隙となる。
 威嚇なんてやっているうちに俺は接近、今までの勢いを上乗せし、左足を軸にして回転しながらオウガテイルに神機を振るう。勢いとか遠心力とかを上乗せした攻撃はオウガテイルの皮膚をバターのように軽々と切裂き、そのままコアまでざっくりと真っ二つにした。


 「わーお、華麗にして鮮烈な攻撃……実にエレガント!僕も負けてられないね!」


 言いつつ、エリックさんはオウガテイルの咆哮でこちらに向かっていた別固体のオウガテイルをブラストで正確にぶち抜き、体をバラバラに粉砕する。
 俺はポーチに入っていたOアンプルを彼に投げつつ、言葉を掛けた。


 「やりますね。エリックさん」


 「このくらいは当然。慢心を捨てた僕に隙は無い、この調子で華麗に狩っていこう!」


 このあとエリックさんと無茶苦茶虐殺した。
 

 


 
 


 







コウタ「俺達最強のコンビだな!」
ユウ「そうだね」
エリック「まさか、ヴァジュラが二体居るとはね……」
仁慈「まぁ、余裕でしたけどね」
エリック&仁慈『HAHAHA』
コウタ&ユウ『』