GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は青春空間が別の何かにランクアップしてしまったことに混乱する愛子と言うのを書いて見たいと思います。愛子の乙女な部分とかが進化してしまったと言う感じにしたいと思っています。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その4

リポート15 予知探偵と見習いGSと机妖怪 その4

 

私は目の前の光景を見て、心の底から動揺していた。逆行してきてから机の中に人間を閉じ込めたことは無かった。だから記憶の中の青春空間と同じ効果があると思っていた……だけど実際は違っていた

 

「お兄ちゃん」

 

眩い笑顔で横島君に抱きつきながら笑っている柩ちゃん。確かに可愛らしいと思うけど、さっきまでの反応と余りに違いすぎて違和感を感じる、少なくとも柩ちゃんは横島君の事をお兄ちゃんなんて呼んでなかった。横島君も横島君で

 

「うええ!?どういう事!?柩ちゃんがなんかおかしい」

 

そう青春空間だったはずの私の世界は致命的にどこか狂ってしまっていた。さっきまでどんよりとした目をしていた柩ちゃんの目が妙に輝き始めている

 

「私はおかしくないよ?変なお兄ちゃん」

 

口元を隠してくすくす笑っている柩ちゃん。少ししか話をしてないけどこの反応は明らかにおかしいと判る

 

「やばいって!?このリアクションおかしいってええッ!!!これも妖怪の仕業なのかぁ!?」

 

ごめん横島君。私もどうなっているのか知りたいの……これどうなってるのかな、本当に

 

(愛子……私も頭痛くなってきたんだけど)

 

小声で呟くタマモちゃんのほうを見ると、確かに頭痛が酷いのか顔を歪めているのが判る。横島君には影響出てないのにどうなってるの!?

 

(あんたさあ……もしかしてずっと横島の事考えてなかった)

 

(え。あーうん)

 

記憶を取り戻してからはずっと横島君の事を考えていたかもしれない……何時会えるのかなとか今度はもっと仲良くしたいなあとか考えていたし、あと出来たら前に私の机の掃除をした時についての責任を問い詰めたいとも思っていた……あれが私の身体だ。知らないとは言え、あれだけ遠慮無しに撫で回されたことについての責任を取ってもらわないと

 

(それよそれよ……絶対それ……あんたの恋愛感が……私にも影響を……)

 

かくんっと首が落ちたタマモちゃんだったが、首を振って自分の頬に叩いて気合を入れている。えーとどうなっているのか私には全く理解できないんだけど

 

「本当まずいわね。何今の横島が先輩でお弁当を持っていくとか何?愛子の理想?」

 

「知らないわよ!?」

 

私もそんな事を言われても困るので思わず叫びながら柩ちゃんを見ると頭の上に何かの文字が浮かんでいるのが見えた。目を細めてその文字を見ると

 

【幼馴染のお兄さんに憧れる下級生】

 

「なんでええ!?」

 

私の世界は本当はどうなってしまったのだろうか?まさかそんな属性を付与してしまって、しかも性格までを変えてしまう世界になっているなんて思っても見なかった。タマモちゃんの頭の上を見ると

 

【先輩にお弁当を差し入れしたい下級生】

 

「違うのぉッ!!!」

 

タマモちゃんはその文字に抵抗しているみたいだけど、少しだけその文字の効果が出始めているかのように見えて、どうして私の青春空間がこんな風になってしまったのかを必死に考えるのだった……

 

 

 

 

 

横島君の学校に着くと同時に職員室に向かう、九十九神は危険な者から、そうじゃ無い者まで色々ある。大事に使われた道具の九十九神は温厚で友好的だ。酷い扱いをされた道具から、変化した九十九神は人間を恨んでいる可能性が高い。その手の九十九神は判らない、だからしっかりと準備をする必要がある

 

「危険な妖怪の可能性もあるので生徒は全員横島君の教室から別の教室へ移動させてください。なにかあったら責任が取れないので」

 

「は、はい!判りました。直ぐに生徒を移動させます」

 

状況を説明してくれる教師だけを残して、他の教師は横島君のクラスの生徒に事情を説明する為に職員室を出て行く

 

「さてとじゃあ、横島君達が飲み込まれたって言う机の所まで案内してもらえる?」

 

「は、はい!こっちです」

 

少し怯えた様子で私達を案内してくれる教師の背中を見ながら、蛍ちゃんとシズクに

 

(シズクはどっちだと思う?)

 

車の中で簡単に九十九神については蛍ちゃんに説明して、それを聞いていた筈のシズクに尋ねると

 

(まずは九十九神については危険は少ないと思う。敵意があるなら私が気付いている)

 

確かにその通りかもしれない、敵意を向けられてシズクが反撃しないわけが無い。見た目は少女だけど結構好戦的だから

 

「となると横島自身が好かれているってことですかね?」

 

渋い顔をしている蛍ちゃん。また女の子の妖怪かなぁっと警戒しているように思える

 

【とりあえずまずは行って見ましょう?その机を見ながら考えると良いとおもいます】

 

まぁ、おキヌちゃんの言う通りよね。ここであーだこーだと話していても何にもならないから、まずは九十九神を確認するべきだと判断し、横島君の教室へと向かうのだった……

 

「これ……よね?」

 

「そうだと思いますけど……」

 

教室の真ん中に置かれている古い机。それは良いんだけど……

 

「……なに?この妙な威圧感は」

 

【と言うか泣いてるんですかね?】

 

机は妙なオーラを纏い、しかもなんか濡れている……これが何を示しているのか私には理解できない。えーと

 

「横島君が机の中で暴れてる?」

 

「タマモじゃ無いですかね?」

 

あーその可能性はあるわね。タマモはかなり好戦的だし、横島君を護るためなら自分の少ない妖力も攻撃に回すくらいだし……

 

「……対処法がわからない。どうする?」

 

そんな事を言われてもねえ……妖力は確かに感じるけど、攻撃的な物ではなく、どちらかと友好的な気配なようにも感じる

 

「とりあえず結界で束縛してみますか?急に暴れられても困りますし」

 

除霊道具の入った鞄から簡易結界を取り出す蛍ちゃんに頷き、その机の周囲に結界を張ってから椅子に腰掛けて

 

「なにかリアクションが出るまで監視。もしかすると横島君が何とかするかもしれないし、柩もいるから何とかするかもしれないしね」

 

机が纏っている妖力のせいでこちらからでは干渉できない。だから飲み込まれた横島君が何とかするのを待つしかない……除霊するなり、説得するなり横島君がどう対処するのか?それを見てみるのも面白いと思い、結界の中の机を見つめるのだった……

 

 

 

 

 

これどうしよ……不気味な笑い方ではなく、外見相応の可愛らしい笑みを浮かべている柩ちゃんは

 

「お兄ちゃん。今日帰りに駅前でクレープ食べよう?」

 

なにこの可愛い生き物。いや普段の柩ちゃんも可愛いけど、今の柩ちゃんにはなんと言うか……神秘的と言えば良いのだろうか?説明しにくい妙な可愛らしさがあった

 

「うーヨコシマア。私も構えー」

 

俺の制服をつかんで構えー構えーと呻くタマモ。物凄く可愛いのは認める。うん、満月の時にいつも話している可愛いタマモなんだけど……

 

「なんでそんなに涙目?」

 

その目に涙を浮かべて何かに耐えているようにも見えるし、悲しんでいるようにも見える。それにいつものタマモって感じがしない……柩ちゃんほどではないが、どこかおかしいと思える

 

「ううー横島には関係ないのー。まず私を構いなさいー」

 

「お兄ちゃん♪私も♪」

 

楽しそうな柩ちゃんと何かに耐えているって感じのタマモ。擦り寄ってくる飛び切りの美少女に頬が緩むのを感じながらも、必死に奥歯を噛み締めて頬が緩みかけるのを耐える

 

(なんでロリ何やあ)

 

せめて同年代だったのならば、これは間違いなく天国。女性らしい身体をしているタマモと神秘的な魅力に満ちた柩ちゃん……だが残念なことに2人とも年下で

 

「よ、横島君?血涙でてるわよ?」

 

愛子がおっかなびっくりと言う感じでハンカチを差し出してくれる。この天国のような地獄から俺は何とか脱出したい、このままでは俺の正義が完全に破壊されかねないので

 

「とりあえず2人とも離れようか?」

 

「横島は私が嫌いなの?」

 

「お兄ちゃんは私が嫌い?」

 

涙目+上目遣いのタマモと柩ちゃん、それに制服越しでも感じる柔らかい感触を自覚してしまった瞬間……俺の中の何かが切れた音がして、視界が真紅に染まった……そして意識を失う前に聞いたのは

 

「血!?はっ!?なにを言って居たんだボクはぁ!?お兄ちゃんって!あの甘えた声はなんだ!?あんなのはボクじゃないぃぃッ!」

 

「きゃあ!?うー!服が鼻血でべちょべちょ……あ、でもこれ横島の霊力が……って駄目え!獣の本能が!私の中の獣がぁ!この血を舐め様としてるぅぅッ!!!駄目!それだけは本当に駄目ぇッ!!!」

 

「横島くぅん!?その血の量は駄目よ!死ぬわよ!?

 

柩ちゃんとタマモの凄まじい絶叫と愛子の心配する声を聞きながら俺の意識は闇に沈むのだった……

 

~~暫くお待ちください~~

 

「良いかい?忘れるんだ。ボクのさっきまでの醜態は忘れるんだ!!いいね!!」

 

「はぁーはぁー……危ない所だった。本当に危ない所だった……」

 

赤面して俺に怒鳴る柩ちゃんと疲れたように溜息を吐いているタマモ。そして俺は大量の鼻血のせいで貧血気味ととんでもない事態になりながらも、何とか全員が1度冷静になった。

 

「いいね!絶対に誰にも言うんじゃないよ!喋ったら殺すからね!!!」

 

俺に指を突きつけて怒鳴る柩ちゃんに何度も頷く。あの目はヤバイ、本当に殺される。それほどまでの凄まじい殺気に満ちていた……でもあれは物凄く可愛かったけどなあ……

 

「んで?横島どうやって脱出するつもりなの?」

 

「そうだね。横島……君の意見を聞こう。この世界を作っている妖怪を見つけて、どうやって脱出するつもりなんだい?」

 

んーこの世界を作っている妖怪かあ……俺は思わず愛子を見つめる

 

「な、何かしら?」

 

うっすらと感じる妖力……それにさっきのことから考えたとしても、多分だけど……

 

「お前だろ?この世界作ってる妖怪」

 

「ふぁ!?」

 

奇声を発している愛子。いや、これは俺の直感なんだけどさあ……タマモと柩ちゃんが変になっていたのは女子って言う共通点があるからだと思う、俺が平気だったのは男だったから……かな?

 

「そうか……オマエが……オマエがああ!」

 

「ひう!?」

 

殺すという殺意に満ちた表情の柩ちゃんが愛子に詰め寄ろうとしたが、慌てて俺の後ろに隠れる愛子。

 

「横島、それをボクに渡すんだ。ボクだってGSの端くれさ、その気でやれば除霊の1つや2つ出来るんだよ」

 

殺意に満ちている柩ちゃんは確かに怖い、だけど俺のズボンを掴んで助けて、助けてと震えている愛子を見ていると気の毒に思えるし、何よりも

 

「そんなに怖い顔をしていると折角可愛いのに台無しだぞ?」

 

か、可愛っ!?と呻いて赤面する柩ちゃんは俺を睨んで

 

「そんな社交辞令でボクが「いや、本当に可愛いって!柩ちゃんは美少女だぞ」

 

あうっと呻いて俯く柩ちゃん、その目はまたキラキラとした輝きが戻ってきている

 

「あのさ?これどういうこと?」

 

「わかんない。私でも判らないの」

 

あーつまり愛子の意思でこうなっているって訳じゃ無いのか。んーじゃあどうすればいいだろう?

 

「まずさ、私達をここから出してくれない?また頭が変になりそうなんだけど」

 

変って言うのはさっきの状態の事だよな。まぁ確かに変だけど可愛かったと……

 

「余計な事を考えるな!思い出すな!ボクの事を可愛いって言うなあ!!」

 

耳元で怒鳴る柩ちゃん。耳を押さえながらまだ蹲っている愛子に

 

「えーと……じゃあなんでこんなことをしたのか教えてくれないか?」

 

愛子は話せば判る妖怪の筈だ。だからどうしてこんな事をしたのか?と尋ねると

 

「私はただ学校が楽しくて、学校でずっといたいって思ってて「で学園恋愛に憧れてるのよね?」ううっ!?」

 

タマモがニヤニヤ笑いながら愛子に言うと赤面して蹲る。この反応は可愛いなあ……

 

「じゃあ愛子は生徒になりたいってことで良いのか?」

 

「う、うん」

 

そうか。生徒になりたいのか……これは美神さんと話し合えば何とかなるかな

 

「じゃあ1回俺達を外に出してくれないか?俺の上司に相談してこの学校の生徒になれるように相談して貰うから」

 

愛子はゆっくりと顔を上げて俺を見つめる。その目は少し紅くなっていて泣いているように見えた

 

「ほんと?じゃあ出してあげる、約束破らないでね?」

 

「おう!俺は美女、美少女の味方だからな!約束は絶対護る!」

 

俺がそう返事を返すと目の前が白く染まり、浮かび上がるような奇妙な感覚を感じるのだった……

 

 

 

 

 

結界の中の机が光り輝くと横島達が教室に現れていた。咄嗟に立ち上がって

 

「横島!怪我は無い!大丈夫?」

 

「おう!全然大丈夫だ!」

 

にかっと笑う横島の姿に安心して思わずその場にへたり込む。危険は無いって判っていたのに、どうも横島のそばにいるようになってから私は少し弱くなってしまったのかもしれない。タマモは疲れたように床の上で丸くなっている、机の中で何が起きたのだろうか?それに柩も柩でなんか雰囲気がおかしいような……

 

「柩。あんた一応プロのGSでしょ?なに……ってどうしたのよ?その顔?」

 

耳まで真っ赤の柩がそこに居た。あの普段の胡散臭い雰囲気と怪しい気配がどこにも無い、なんと言うか歳相応の本当に可愛い女の子って言う感じがしている。まさか机の中で横島が何かしたんじゃないでしょうね?

 

「う、ううう!うるさい!!!ボクは疲れたんだ!だからもう帰る!後日レポートは送付する!!」

 

そう叫ぶと走っていってしまった。そのあまりの乙女な反応を見た私が感じたのは、嫉妬だ。横島がまた何かしたのだと思い

 

「あんな年下の子に何をしているのかしらぁ?」

 

あの反応で確信した。横島は机の中で柩に何かした、あんな見た目が子供の子になにをしているのかと思うと怒りを感じて

 

「あいだだ!いひゃい!いひゃい!俺は何もしヒャないッ!!!」

 

頬を抓ると涙目で叫ぶ横島。でも横島の何もしてないは正直信用できない……大体あの柩の乙女な反応ってだけで怪しいのにその言葉を信じることは出来ない……それになによりも

 

「腰にしがみついている女の子は誰かしらー?」

 

「いぎゃあああ!千切れりゅ!頬がちぎゅれりゅうううう」

 

更に横島の頬を抓りながら横島の腰にしがみついている女性を見る。それはやはり予想通り愛子さんだった

 

「……お前。名前を名乗れ、それと横島から離れろ」

 

シズクが指先から水を滴らせ愛子さんを睨む。こんなに好戦的なのにどうしてあんなに料理が上手なんだろう?そこだけが納得行かない

 

【えーとシズクさんは怖くないですよ?名前を教えてください】

 

おキヌさんがそう尋ねると愛子さんは怯えながらも横島から離れて

 

「机妖怪の愛子です。えーと……その本当にごめんなさい、ただ私は寂しくて、横島君とかに迷惑とか怪我をさせようとかはなかったんです」

 

深く頭を下げる愛子さん。その姿に悪意はなく、本当に心から謝っているのが判る

 

「みひゃみさん!えっひょでふゅねー」

 

私に頬を抓られたまま何かを言おうとする横島。美神さんは深く溜息を吐きながら

 

「はなしてあげて何を言っているか判らないから」

 

美神さんの言葉に頷き、横島の頬から手をはなす。横島は涙目でタマモを抱きかかえて

 

「えーと愛子は学校が大好きで寂しいのがいやなんだそうです。何とか生徒として受け入れてもらえるようにして貰えないですか?」

 

美神さんはうーんっと唸りながら頬をかいて、愛子さんを見つめて

 

「もう机に飲み込んだりしない?」

 

「しません!」

 

「人に危害を加えない?」

 

「くわえません!私はただ学校が好きなんです!」

 

愛子さんは人に危害を加えるような妖怪ではない、美神さんも話を聞いて判ったのか

 

「判ったわ。学校側と交渉してあげる」

 

「本当ですか!?」

 

「ただし駄目だったら諦めなさいよ?いいわね?」

 

「はい!」

 

嬉しそうに返事を返す愛子さん。なんとかこれで無事解決ってことで良いのかな?除霊具も使わなかったし、平和的な解決が出来たから良いとおもう

 

「みーむ!」

 

「おう。心配してくれてありがとな?」

 

床の上に座り込んでタマモとチビを抱き抱えて笑っている横島。まぁとりあえず今やるべきことは……

 

「じゃあ横島?家に帰って話をしましょうね?」

 

「……そうだな。柩に何をしたのかしっかりと話を聞かせてもらう」

 

【本当です。横島さんが性犯罪者になるのは嫌ですから、今回はちゃんと反省して貰いますよ】

 

「い、いやあああ!!!放して!俺は無実だああ!!」

 

……無実って言ってるけど、あの柩の反応を見ると何かをしていたと思うのは当然の事だ。横島が年下に甘いのは知ってるけど、そんなにフラグばかりを立てられても困る。横島からどうやって話を聞きだそうかなあと思いながら、泣き喚く横島の足を掴んで引きずっていると愛子さんが

 

「よ、横島君!えっと……あれ!私の体を撫で回しひゃてやしゃきにゃんはとって!」

 

噛み噛みだったけど言いたいことは理解した。机の中に引っ込んでしまった愛子さんと青い顔をして知らない!俺は知らない!って手を振っている横島。でも愛子さんが嘘でそんな事は言わないって判っている、愛子さんは真面目でいい人だから

 

「シズク。判決は?」

 

私の判決は決まっている。柩だけでも許せないのに同年代の愛子さん。私の中の判決は決まっているし、おキヌさんにいたっては黒い霊力を全身からはなっている。それを見れば判決は決まっているようなものだ

 

「……有罪」

 

躊躇う事無く有罪判決を下し、親指を下に向けるシズク。あの仕草が平安時代にあったのか?それとも最近覚えたのか?は気になるけど、有罪判決が下された。その事実だけが重要だ

 

「いやああああ!本当に知らない!俺本当に知らないいいいいい!!!」

 

滝のような涙を流し、鼻水で顔をぐしゃぐしゃに汚しながらも、暴れて逃げようとする横島。だけど私が全力で掴んでいるので当然逃げる事が出来ず、そのまま外の車まで引きずって行くのだった……

 

なお水牢屋の中に閉じ込めて横島を如何するか?と話し合っている時に愛子さんから詳しく事情を聞いた美神さんが慌ててやってきて、横島が撫で回した(?)のは机であり本当に知らなかったという事が判明し、逆転無罪となったのだが、私達に信じてもらえなかった横島はチビとタマモを抱えて自分の部屋に篭城してしまった。本棚とかでガッチリ扉を塞ぎ、結界札でおキヌさんの侵入路も封じた、横島を説得するのにかなり苦労する事になったりするのだった……

 

 

 

自分の事務所まで走って戻ってきた柩は林檎のように紅い顔をして

 

「ううう!あんなのはボクじゃ無い。横島にお兄ちゃんなんて言って甘えていたのはボクじゃ無い……ああ、それに下着も見られて……うううッ!面白いことを見に行ったのに、どうしてこんなことになるんだよぉ」

 

歳の近い異性に下着を見られ、しかもその愛子の所為とは言え、あんな風に甘えていた自分を思い出した柩は布団の中に潜り込み、違う違うっと繰り返し呟いていた。だがその表情は少しだけ柔らかい物で、怒っているというよりも照れているという感じの可愛らしい、歳相応の表情をしているのだった……柩が自分の気持ちを自覚出来るのはもう少し先の事になりそうだ……

 

リポート16 鋼鉄の姉妹の再誕 その1へ続く

 

 




愛子の件は大幅に改造しました。青春恋愛空間へと進化し、取り込んだ相手が夢見る恋愛属性を無理やり附加し、甘酸っぱい青春恋愛をさせるって者にして見ました。これは逆行愛子の影響が出ていると思ってください。次回はマリアとテレサの話を書こうと思っています。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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