GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです、今回は小竜姫様に視点を向けて書いて行こうと思っています。後少し老師も出してみようかなあっと思っています。そして可愛いモグラちゃんで〆にしようと思っています。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その7

 

 

 

リポート14 ちょっぴり危険な恋する龍神様♪ その7

 

「うう……重い……」

 

夕ご飯を食べて修行の疲れもあり、直ぐに眠ってしまったのだが妙に息苦しく、そして身体に掛かる鈍痛にも似た重さに目を覚まし、何が俺の上に乗っているのかを確認して思わず溜息を吐きながら

 

「モグラちゃん……」

 

完全に圧し掛かってはいないが、その前足が俺の腹に乗っている。それがこの圧迫感の原因だ……全身で圧し掛かってないだけ、まだ気を使ってくれたのかもしれないが充分重い。何とかもがいてモグラちゃんの前足から逃れる

 

「スプー……スプー」

 

気持ち良さそうに眠っているモグラちゃん。なんか随分と俺に懐いてくれてるけど……寝ている間に圧し掛かってくるのは止めて欲しい、下手したら内臓破裂しかねないから

 

(爺ちゃんは良いのか?モグラちゃん)

 

保護者である爺ちゃんの部屋に行かなくて良いのか?と苦笑しながら立ち上がる。変な時間に目が覚めてしまったのでこれから眠ろうと思えない……少し散歩してみるか、山の上だから空気が綺麗だから星とかが見えるかも

 

「っとその前にと……」

 

眠っているチビやタマモがしっかりと毛布を被っているか確認する。チビとタマモはちゃんと毛布に包まっていた……これなら心配ないな、後は襖を開けたときに風が吹き込まないように注意するだけだ。タマモはかなり神経質だから直ぐに起きてしまうのは今までのことで判っている

 

「うーさむっ!」

 

襖を開けると夜の山だから思ったよりも寒い。これならGジャンを着て来れば良かったなあと思いながら廊下を歩いていると

 

「あら?横島さん?どうしたんですか?」

 

着物の上に羽織を着ている小竜姫様にばったり会う。寝巻きなのか少し薄着で肌が見えていて思わずそこに目が行くと

 

「私に無礼を働くと仏罰が下りますよッ!」

 

「うひゃあ!?」

 

何か来ると思って咄嗟に前に踏み出してしまった。後ろに下がったら当たると思ったからだ……だけどそれは間違いだった

 

「ふおお♪」

 

前に踏み出した事で小竜姫様の胸元に手が向かってしまった。予想外の柔らかさに俺が顔を緩めていると

 

「仏罰が下るといったでしょう?」

 

穏やかな声なのに非常に重い声色に顔を上げると固く握られた拳が

 

「ふぎゃあ!?」

 

顔面を適確に打ち抜かれ、俺は顔を押さえて思わずその場でのた打ち回るのだった……

 

「いや、本当すいません。悪気はなかったっす」

 

「若いのだから色に気を取られるのも判りますが、そう言うのは抑えるべきですよ?横島さん。今回は許しますが……次はないですよ」

 

何度も何度も小竜姫様に謝ると小竜姫様は案外にも直ぐ許してくれて安堵する。その手には酒瓶が……えーと小竜姫様って案外酒好き?2本のからの一升瓶を見てなんて反応すれば良いのか判らず困惑していると

 

「あ、違いますからね?ロンさんと老師が月見酒をするからって言ってさっきまで飲んでたんですよ。2人とも酔いつぶれてしまいましたけどね。だからこれは後片付けなんですよ」

 

あーそっか。良かった良かった……いや、別に酒を飲んでいる人とかが嫌いとかの偏見はないけど……

 

「どうしてそんなに安心したような顔をしているんですか?」

 

小竜姫様の問い掛けに俺は少し考えてから

 

「いやー美神さんがかなり飲んで酔ってる姿を見たことありますし、それに親父もですしね」

 

酒は飲んでも呑まれるなとはよく言うけど、あんなによっている姿を見るのは正直なぁ……複雑な物がある

 

「そうですか。まぁ色々と悩み事もあるのでしょう。それで横島さんは何をしているのですか?蛍さん達の部屋に行くと言うなら私の神剣が黙っていませんよ。男女七歳にして席を同じにせずです」

 

俺ってどんな目で見られているんだろ?チビとかがいるからあんまり馬鹿なこととかしてないし、最近は覗きとかもしてないのになあ……もしかしておキヌちゃんとかが何か言ったのかな?と思いながら

 

「散歩っす。モグラちゃんの前足が腹に圧し掛かってきて、目が覚めちゃったもんで」

 

頬をかきながら言うと小竜姫様はそれでしたらと前置きしてから

 

「それでしたら私と話でもしますか?眠れないのならですけどね?」

 

その言葉に少しドキンとした。女性の部屋に入ったことなんてないし……むしろ夜に誘われるとかは

 

「いや、そう言うのは駄目だとおもうんですよね、うん。さっきの小竜姫様の言葉ですけど、男女七歳にして席を同じにせずじゃないんですかね?」

 

俺がそう言うと小竜姫様はおかしそうに笑いながら

 

「それもそうですね。では私の部屋の火鉢を廊下に出してそこで話をしましょうか?それならどうです?」

 

それなら良いかと思いじゃあ行きますと俺は小竜姫様に返事を返し、妙神山の長い廊下を小竜姫様と並んで歩き出すのだった

 

「ほっほーう?小竜姫が動いたぞ?」

 

「かっかか!漸くか!あの堅物がどう動くか楽しみじゃのう!」

 

なお老師とロンは酔いつぶれてなどおらず、小竜姫に新しい酒をと頼んだが、それよりも自分の感情を優先した姿を見ておかしそうに笑いながら

 

「「じゃんけんぽん!」」

 

「ぬあ!?

 

「カかカーッ!ワシの勝ちじゃ!ほれほれ!早く酒瓶を取って来い!」

 

「ぬう!つまみを全部食うでないぞ!小竜姫に新しく作らせることはできないのだからな!」

 

そしてジャンケンで負けたロンは慌てて岩を降りて酒蔵へと走るのだった。残された老師は

 

「未来の意志か。どうなるか楽しみじゃなあ」

 

若干酔いが回っているのか、その顔を赤くしながら徳利に注いだ日本酒を煽るのだった……

 

 

 

 

 

私の知っている横島さんよりもかなり真面目な返答をしたことに少しだけ驚き、直ぐに納得した。横島さんはああ見えて、とても誠実で真面目な人だ。来ても良いと言っても女性の部屋に足を踏み入れるようなことはしない……

 

(あれ?昔美神さんが部屋に侵入されたって言ってたような……それにお風呂の覗きも……)

 

少し考え込んでいると、思い浮かぶのはシズクとかチビなどのあの時には居なかった存在の事。彼らが何か横島さんに影響を与えているのかな?と思っていると

 

「この火鉢って言うのはいいですねー。暖かいです」

 

火鉢に手を伸ばしてほにゃらと笑う横島さん。私も火鉢に手を伸ばしながら

 

「そうですよね。暖かくて気持ちいいですよね」

 

こうして暖を取るには火鉢と言うのは凄く便利なんですよねと言いながら

 

「今日の修行はつい熱が入りすぎてしまって、すいませんでした」

 

「?なんで謝るんですか?」

 

不思議そうに首を傾げている横島さん。私は知っているのだ、横島さんが霊力に目覚めるにはまだ足りないのだ。韋駄天「ハチベエ」と私が竜気を授ける事、それが横島さんの霊能力の始まり。つまりそれがおきるまでは横島さんの膨大な潜在霊力が解放されることはないのだ。どうして謝られたのか判ってない様子の横島さんに

 

「焦りすぎた事ですね。横島さんの潜在霊力は美神さんよりも強大です。それを直ぐに引き出すことが出来ないと判っているのに……焦って無理な訓練をさせてしまったことを謝りたいと思っていたのです。明日の昼間には横島さんも俗世に帰られますから」

 

そうあの時は私が暴走して妙神山を破壊してしまった。でもそれがなかったからこうしてゆっくり話す時間があった。とは言えまだ今の私に長時間の干渉は出来ないのでこんな時間になってしまった。出来ればもっと早くに話をしたかったのに……

 

「いやいや?小竜姫様が謝ることじゃ無いと思いますよ。俺としては早く霊力を使えるようになりたいって言うので無理にお願いした所もありますしね」

 

頭をかきながら笑う横島さん。その笑顔は私の知っている横島さんと同じで安心する、だけどそれと同時に少しだけ自己嫌悪に陥る。私が私の知って居る横島さんの姿を今の横島さんに重ねて見ているようで……それでは今の横島さんを蔑ろにしているのでは?と思ってしまう時がある

 

「なんか考え事ですか?まぁ俺に相談しても何にもならないと思うっすけど話くらいは聞きますよ?」

 

そう笑ってくれる横島さんにいっそ全てを話してしまいたいと思ってしまった。だけどそれは最高指導者から禁止されていることの1つなので話す事は出来ない

 

「いえいえ。最近修行者が少ないなあって思っているんですよ」

 

咄嗟にそう嘘を言うと横島さんは大変なんですねー神様もって笑う。その笑顔につられて大変なんですよ、神様もって言って笑う。

寒い夜だけど穏やかな時間が流れているのを感じてとても心が休まる時間だ

 

(でも見られてますよね)

 

人の気配を感じる。老師とロンさんは仕方ないと割り切りますが、更にもう1つの視線を感じる……多分蛍さんかおキヌさんだと思う。誰も居ない時間にこうしてくるということはその2人の事しか思いつかない

 

「しっかし折角修行をつけてくれたのに全然上達しないっすねー俺。才能ないのかなあ……」

 

はぁっと深い溜息を吐く横島さん。前の時よりも向上心が強いからそう言うことを気にしてしまっているのかもしれない、だけど横島さんの潜在霊力は何度も言うが膨大だ。それこそ下級の神魔族に匹敵するほどには……

 

「大丈夫ですよ、横島さん。焦らないでください、霊能力の覚醒には時間が掛かることが多いのですから」

 

これは嘘ではない、潜在的に霊能力を持っていたとしてもそれが覚醒する事無く死ぬ人だって居るのですから

 

「そう言う物っすかねー……でもまぁ少し楽になりました。ありがとうございます。小竜姫様」

 

そう笑う横島さん。本当はもう少し話をして居たいですが、私を見つめている視線がどんどん強くなっているので名残惜しいですがここで終わりにしましょうか

 

「明日下山するのですから、もう休んだ方がいいですよ。疲れてしまいますからね」

 

「うっす!じゃあお休みなさい!」

 

自分の部屋に向かって歩いていく横島さんの姿が見えなくなってから、火鉢に新しい炭を入れながら

 

「そんな所に居ては身体が冷えますよ?話があるならこっちへ来てください……蛍さん」

 

ゆっくりと姿を見せる蛍さんはそのまま私の隣に座って、火鉢に手を伸ばす

 

「それで何の用ですか?」

 

話の内容は判っている。だけど態とぼけながら尋ねると蛍さんは

 

「魂が安定してないんでしょう?大丈夫なの?」

 

その単刀直入の話の切り出し方は美神さんに似ているなあと苦笑する。ルシオラさんでもなく、蛍ちゃんでもなく、蛍さんなんですねと納得しながら火鉢を掴んで

 

「どうぞ中へ、美神さん達に聞かれては困るでしょうからお互いに」

 

部屋の中に蛍さんを招き入れ、誰にも話を聞かれないように結界を張ったのだった……そして私と蛍さんはお互いの今の状況の話をしたのだった……

 

 

 

「短い時間だったけどありがとね。小竜姫様」

 

門の前まで態々見送りに来てくれた小竜姫様にお礼を言う。目的としていた横島君の霊能力の開眼は無理だったけど、神族からしても横島君の潜在霊力が膨大と言うのが判った。それなら横島君の霊力が目覚めない理由としても納得できる、焦らず時を待つしかないのだと

 

「あまりお力になれなくて申し訳ないです。しかし美神さん。貴女の弟子はきっとそのうち世界有数の霊能力者になるでしょう」

 

神族からここまで言われるなんてね……これは本腰を入れて面倒を見たほうがいいかも

 

「うきゅー!うきゅうううう!!!」

 

「だあああ!モグラちゃん!駄目だって!俺帰らないと!」

 

「うきゅうう!うきゅうう!!!」

 

横島君はモグラちゃんに服をつかまれて動けないで居る。物凄く懐かれているのね……

 

「モグラちゃん。また来るからね?横島を放してあげて?」

 

蛍ちゃんが優しくモグラちゃんに言うがモグラちゃんは嫌々と言う感じで首を振っている。図体は大きいけど子供らしいその素振りに笑みが零れる

 

「これこれ。困らせては行かんぞ?小さくなれるようになればついていっても構わぬが、今はそれが出来ぬのだから」

 

ロンに諭されて横島君の服を放すけど寂しそうに横島君を見つめている

 

【モグラちゃん、随分と横島さんに懐いていますね】

 

「まぁ小さくなれるならついてきても良いんだけどね。私としては」

 

竜気を持つモグラちゃんは妖怪としては破格の能力を持っていると言えるだろう。それに横島君を乗せて走り回っていた所から体力と機動力も充分。だけどあんな巨体を街に連れて行くことは出来ない

 

「んー良し!モグラちゃんおいで」

 

その寂しそうな視線に耐えかねたのか横島君がモグラちゃんを呼び寄せる。嬉しそうに尻尾を振りながら横島君のところに駆け寄るモグラちゃん。連れて帰るとか言ったらとりあえずしばきましょう。本当にこれ以上保護妖怪が増えると私も大変だから……今ばたついている琉璃に頼み込むのも限界があるし

 

「ほら、これをあげるからな?また今度会いに来るまではこれを大事にしていてくれよ?それか会いにきてくれる時にちゃんとつけて来てくれよ」

 

自分の髪を縛っていたバンダナを外してモグラちゃんの頭の辺りに結んでいる。リボンのように器用に結ばれたバンダナを見て

 

「うきゅ!うきゅきゅー♪」

 

前足を振って喜んでいるモグラちゃんの頭を撫でた横島君はしゃがみ込んで

 

「じゃあまたな、モグラちゃん」

 

横島君の言葉に別れを言われているのだと理解したモグラちゃんは寂しそうに俯いてから

 

「むきゅ」

 

寂しそうな鳴声で一言鳴くとその前足で地面を掘って地面の中へと潜って行った。それを見たロンは

 

「あの子はまだ幼いのでな、また時間があれば会いに来てくれると助かる」

 

「うっす!何時これるか判りませんが、今度また会いに来ますね」

 

そう笑って私の方に歩いてくる横島君にシズクが

 

「……あれは絶対修行して小さくなって会いに来ると思う」

 

シズクの言ってる事は私も判る。竜族は力も強いが、それ以上に情が深い。何が合っても会いに来ると思う

 

「まぁそれならそれでもいいっすけどね。今更増えても気にならないですし」

 

タマモとチビを見て笑う、いやまぁ良いけど……あんまり妖怪を増やし過ぎないように注意しないと保護妖怪の制度と言っても限界があるので、これ以上増やしすぎると流石に私でも擁護できない

 

「じゃあ、また来てくださいね。皆さん」

 

そう笑って手を振る小竜姫様に手を振り返し、私達は妙神山を後にしたのだった……

 

「ワン!」

 

「キュウ!」

 

「クウ!」

 

「ガウガウ!」

 

なお帰り道で大量の妖怪の子供などが出てきて鳴いている。横島君はその動物の一団の中に何かを見つけたのか

 

「ちょっと待っててください」

 

そう言って離れていく横島君を見ていると、横島君は1匹のイタチの前に座り込む

 

「ありがとなーイタチちゃん。イタチちゃんが居たからクロさんを助けれたよ」

 

「みゅー♪」

 

嬉しそうに尻尾を振っているイタチちゃんの頭を撫でる横島君は穏やかな笑みを浮かべながら

 

「またあいに来るな?」

 

「みゅ!」

 

もう1度イタチの頭を撫でて戻って来た横島君に

 

「あのイタチは?」

 

「美神さんとはぐれている時にあったんですよ。あの子が天狗の所まで案内してくれたんですよ」

 

天狗の所まで……と言う事はあのイタチも普通のイタチではなく、何かの妖怪なのかもしれないわね

 

「所で美神さん……何か連れて帰ってもいいっすか?」

 

「ワン!」

 

「キュウ!」

 

「クウ!」

 

「ガウガウ!」

 

連れてって、連れてってと鳴く妖怪の一団を見てそう尋ねてくる横島君。悪いけど、これ以上私の事務所を妖怪とかのたまり場にするわけには行かないので

 

「「「駄目!」」」

 

私と蛍ちゃんとシズクとおキヌちゃんの声が重なるのだった。なおその妖怪達は霊山の終わりまでついてきて、何度も何度も振り返る横島君に怒るのに精神的に疲れ果ててしまうのだった……なお白い毛の一部に赤い毛が混じった子犬の様な姿をした狼がずっと追いかけてきて鳴き続けていたのがどうも私の記憶に残るのだった……

 

なおその白い犬はシロで鳴きまくっていたのはタマモに文句を言っていたからで

 

「ワオーン(裏切り者ーーー!!)ワンワン!!(拙者も先生と一緒にイイイ!)」

 

「コン……(ごめん、シロ)」

 

その悲壮そうな鳴声にタマモは申し訳なさそうに小さくそう鳴き。結局シロは連れて帰られることは無く、とぼとぼと人狼の里へと帰っていくのだった……

 

「シロ!まだ病み上がりと言うのにどこに行っておったのだ!父は心配したぞ!!!」

 

「きゃうーん(申し訳ありませぬ!父上ーッ!!!)」

 

戻ると同時にクロに説教をされて犬の姿のまま涙を流すシロだったりする……

 

 

 

 

 

 

 

横島が妖怪の子供に纏わりつかれている頃東京では

 

「くひ♪面白い、面白いなあ」

 

閉じていた目を開く、ボクの脳裏には妙神山の件がしっかりと映っていた。まさかあのお堅い竜神までも横島を気に掛けるなんて思ってなかった

 

「あー♪実に面白いネエ」

 

引き出しからいくつもの錠剤を取り出してそれを噛み砕きながら笑う。楽しくて楽しくて仕方ない、こんなにも見ていて飽きない存在をボクは知らない

 

「くえすも何回も美神除霊事務所に足を向けてたみたいだし……くひ♪」

 

GSの研修制度を使って自分の事務所に横島を呼ぼうとしていた。その為だけに初めて自分の事務所を開いた、結局横島も美神も修行でいなくてがっくりした様子で帰り。そして何で自分ががっかりしているのか理解出来ず、不機嫌その物で歩いているのも見てそこで更に笑ってしまった……こんなにもボクが1人の人間に興味を持ったのは初めてだ

 

「くふ?」

 

また別の映像が頭を過ぎる、それは横島の学校にボクと横島が向かっている映像だった……ただしそこまででそこから先の映像を見ることは出来なかった。ボクと横島の接点なんかないのに……

 

「面白そうだねえ……うん。たまには出掛けて見ようかなあ……」

 

こうして1日未来予知を見て暇つぶしをしているのも楽しいけど、ボクと横島の接点が生まれる機会だとすれば、折角なのだから干渉してみても面白いかもしれない

 

「うん、決めた。会って見よう」

 

こうして見ているのも面白いけど、やっぱり生で見たほうがもっと面白い。丁度なにか依頼が来そうな気がしているし、それに最近ちょっと手持ちの資金が減ってきている事だし、ボクも依頼を受ける事にした。どうせ簡単な依頼だし、それが横島との接点になるのだから

 

「くひ♪ボクを飽きさせないでおくれよ。横島忠夫……」

 

またぽわぽわと頭の中がぼんやりしてくる心地よさに身をゆだね、今度の依頼の連絡が来るのを楽しみに待つのだった……だけど依頼などは無く、全く予想だにしない事でボクと横島の接点が生まれるのだった……

 

 

 

「もう嫌だ……もうおしまいだ」

 

「お気を確かに!アシュタロス様!!!」

 

なおそのころアシュタロスはどんどん増えていくトトカルチョの参加者の名前の数々に完全に追い詰められていた

 

「もう駄目だ……早く逃げるんだぁ……」

 

どこかの野菜の王子のようなことを呟き、魂がどこかに飛んでしまったようなアシュタロスを見て、土偶羅魔具羅は

 

「ワシが何とかいたします」

 

覚悟を決めた表情で、玄関ホールで蛍を待ち構えるのだった

 

土偶羅魔具羅 1度目のボデイ消滅まで、あと……49分……

 

 

別件リポート 芦優太郎の捜査録 その1へ続く

 

 




次回は別件リポート「芦優太郎の捜査録」です。過激派魔族・神族の捜査に吸血鬼の夜で謎のままになっている事をメインに書いていこうと思います。アシュタロスがどんな事を考えて行動しているのか?そこを上手く表現出来たらなあと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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