GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の話はシロの父親をメインに書いて行こうと思っています、後々のシロのフラグに繋がる感じの話にしていきたいですね。妙神山には今回の話の最後の方で到着させて鬼門の話からは次回から入っていこうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その2

 

リポート14 ちょっぴり危険な恋する龍神様♪ その2

 

唐巣先生に貰った妙神山の地図を見ながらテントの中で寝転ぶ。寝心地は最悪だけど、少しは身体を休めないとこれから更に険しくなるから体力が持たない

 

(明日の夜までには到着するかな)

 

今のペースで登山をしていれば、恐らく明日の夜には到着するはずだ。唐巣先生が来た時は昼前にはついていたらしいけど、横島君と蛍ちゃんのことを考えるとペースよりも安全性を考えないといけないから無理は出来ない。時間を掛けてもいいから確実に進んでいこう

 

「美神さん~もう直ぐカレーが出来ますよ」

 

蛍ちゃんの言葉に思考の海から引き上げられる、腕時計を見ると随分と時間が経っていることに気付いた、それにテントの外からカレーの良い匂いが漂ってくる。ここまでの登山で大分身体を動かしたので空腹だという事に気づく

 

「今行くわー」

 

蛍ちゃんの呼び声に返事を返しテントを出る。蛍ちゃんとシズクとおキヌちゃんがカレーの準備をしていた

 

「おー良い匂いやなぁ……やっぱキャンプならカレーだよなあ」

 

「みー♪」

 

「コーン♪」

 

切り株の上に座り膝の上にチビとタマモを乗せて楽しそうに笑っている横島君。これくらいリラックス出来ている方が良いのかもしれない……

 

【美神さんも座っていてくださいね、もう少しで出来ますから】

 

笑顔で飯盒でご飯を炊いているおキヌちゃん。こういう場所で食べるカレーとかって凄く美味しいのよね……雰囲気って言えば良いのかしら?

 

「「「頂きます」」」

 

それから数分で出来たカレーを紙皿に盛り付け、焚き火を囲んで夕食にする事にする

 

「……美味しい。これは私の知らない味」

 

シズクは和食はかなり詳しいが、洋食とかは全く知らないので興味深そうな顔をしてカレーを食べている。ちょっぴり甘口のカレー……正直あんまり好みの味ではないけど、こういう場所で食べると美味しく感じるわね

 

「さてと食べ終わったところで明日の予定だけど、ここからは今までの道よりも遥かに厳しい道になるわ」

 

唐巣先生から貰った地図を見る限り、ここからは狭い上に岩肌に張り付くようにして進まないといけない

 

「危険って事っすね?」

 

「ええ、とは言えまだ大分歩くけどね」

 

今日はここに泊まって明日の朝出発という打ち合わせを済ませ、テントに分かれることになったんだけど……

 

「なにしれっと横島のテントに入ろうとしてるわけ?」

 

「……蛍と美神は一緒のテントなら、必然的に私は横島のテントに行くのは当然」

 

【そんなの認めませんからねえ!】

 

シズクと蛍ちゃんとおキヌちゃんが口論している脇を横島君は

 

「寝ような~チビ、タマモ~」

 

欠伸をしながらチビとタマモを抱えて自分のテントの中に潜り込んでいるのだった、少しは止めるとか考えないのかしら?それとも自分に飛び火する可能性を考えて逃げた?そんな事を考えながら私は口論をしている3人に

 

「どうでもいいけど早く休みなさいよ?明日はもっとしんどいんだからね?」

 

【「「判ってます!!!」」】

 

互いに睨み合いながら返事を返す蛍ちゃん達に苦笑しながらテントの中にもぐりこむのだった……

 

「さーて、ここから少し山を登って岩山の方に向かうわよ」

 

翌朝今日の進む方向を話し合いながら、昨晩のカレーで朝食を済ませ登山を再開する。特に問題がなければ夜になる前には到着できる……その筈だった。だけどトラブルはいつも横島君が起こしていた、今回もそうだった。もう少しで岩山なので横島君からロープを受け取ろうと振り返った時

 

【「「横島(君)(さん)?」」】

 

私と蛍ちゃんとおキヌちゃんのマヌケな声が重なった。そこにいるはずの横島君の姿が無かったからだ……脳裏に浮かぶのはこの場所は既に異界であり、そこに棲む妖怪に攫われた可能性だ

 

「おキヌちゃん!上から横島君を探して!蛍ちゃんは除霊具の準備!」

 

私達は慌てて横島君を探し始めるのだった……異界の妖怪に攫われる。それは神隠しに近い、時間が経てば経つほど見つけることは難しくなる……その事実に私は激しく焦るのだった

 

 

 

 

 

蛍や美神が横島を探している頃横島はと言うと……額に大粒の汗を流しながら茂みを掻き分け、森の奥へと進んでいた……勝手な行動は危険だと判っていたが、それでも横島は単独行動をしなければならない理由があった

 

「みー♪」

 

「みゅー♪」

 

「あー良かった。チビ!勝手に飛んで行ったら駄目だろ!」

 

何かを見つけて飛んで行ってしまったチビを捜して森の中に足を踏み入れていたのだ。チビの前には細長い生き物……鼬がいてなにか会話をしていた

 

「ん?友達か?」

 

「みー!」

 

友達だよ!と言わんばかりに手を振るチビに苦笑しながら振り返る。森しかない、左を見る森しかない、右を見る森しかない……一瞬遭難したかと思ったが、シズクが一緒だから大丈夫だと思い

 

「シズクさん?来た道は?」

 

そう尋ねるとシズクは小さく首を傾げながら

 

「……判らない」

 

「遭難したああああ!!!!」

 

俺も勝手に行動するなって言われてたの!!!なんてこった……頭の上のタマモを見るが

 

「くう」

 

判らないという様子で首を振るタマモ……完全に遭難している。こういう時は動き回らない方がいいんだろうけど

 

「みゅー!」

 

「みー!!!」

 

鼬とチビはどんどん先に進んでいってしまう。これ以上はぐれるわけにも行かないので

 

「だから勝手に飛んでいくなって言ってるだろ!!!」

 

「……野生が目覚めた?」

 

シズクは強いからマイペースだが、俺からすればここは何時死んでもおかしくない場所だ。早くチビを回収して美神さんと合流しないとと思い荷物とシズクを抱えて森の中を進んでいると

 

「む?こんな所に人間でござるか?」

 

「サムライ?」

 

焚き火をしている着物姿のおっさんと遭遇した。ぴこぴこ揺れている耳と尻尾……そして木の枝に刺さっている肉

 

(どういうこと?)

 

俺は今どこにいるのか判らず混乱しているとおっさんは笑いながら

 

「ここであったのも何かの縁。坊お前も食うか?」

 

差し出された肉を見て俺はご馳走になりますと言っておっさんの前に座ったのだった

 

「ほう。妙神山に向かっている途中で連れとはぐれたのか」

 

「そうなんす。チビが勝手に飛んでいくから」

 

今は俺の頭の上で大人しくしているチビ。シズクの言うとおりじゃ無いけど、森の中に来た事でその野生が目覚めたのかもしれない

 

「それでおっさんは「犬塚クロだ。クロで構わぬ」じゃあクロさんは……えーと狼人間?」

 

揺れている尻尾と耳を見ながら尋ねるとクロさんは豪快に笑いながら

 

「拙者は人狼だ。まぁ人間からすれば狼人間と変わらんがな!」

 

かっかかっと笑うクロさん。少し怖い人かもしれないと思ったが案が良い人なのかも知れない

 

「それにしても妖狐とミズチを連れているとは随分変わった退魔師だな」

 

妖怪だから判るんだ。俺は膝の上で丸くなっているタマモを撫でながら

 

「家族だからそう言うのはあんまり気にしないかな?」

 

妖怪とかそう言うのはあんまり関係ない。俺にとっては家族だから大切……それだけ良い

 

「家族……我ら人狼族も家族を大事にする。その言葉努々忘れるなよ」

 

自分の横に立てかけてあった刀を見て険しい顔をするクロさん、その目には強い決意の色が浮かんでいて、クロさんにも何か事情があるのが一目で判った

 

「……では逆に聞く人狼の武士よ。お前は何故ここにいる?」

 

シズクの問い掛けにクロさんは小さく溜息を吐きながら

 

「拙者の娘が酷い熱で生死の境を彷徨っておる。この異界にすむ天狗殿から妖怪の薬を授かる為だ」

 

その言葉に膝の上のタマモが顔を上げる。なにやら心配そうな素振りを見せている

 

(どうしたんやろ?)

 

タマモがこんなに焦っている素振りを見せるの初めてかもしれない……

 

「まぁ良いわ、この道をずっと行けば元の世界に戻れるだろう。早く行って安心させてやると良い」

 

焚き火を消して、頭に鉢巻を巻いて更に森の中に進んでいくクロさん。普通に考えればこのまま戻るのが正しいことなんだろうけど……思わずその場に立ち止まり、森の奥へと進んでいくクロさんの背中を見つめていると

 

「……横島は自分が正しいと思ったことをすれば良い」

 

シズクが俺の顔を見上げながらそう呟く、今のクロさんはなにか危うい感じがした。娘さんの事だけを考えていて周りが見えてない……そんな気がした

 

「鼬ちゃん?それとも君?」

 

クロさんに貰った肉を齧っていた鼬に声をかける。少し霊力を感じるのでこの子も多分妖怪だろう、もしかするとタマモみたいに成長すると人に変化する術を覚えるのかもしれない。だから君なのか?ちゃんなのか?判らず両方付けて呼んでみる

 

「みゅい?」

 

なーに?と言う感じで首を傾げている鼬の目線にあわせて尋ねる。これって絶対変人とかに見えるよなと小さく苦笑しながら

 

「なぁ天狗のいる場所って知ってる?」

 

クロさんの気配はもう感じない、多分凄まじいスピードで森の中を走っているのだろう。人狼と言うのが何なのかは知らないが、狼人間の一種なら森の中こそがクロさんが自分の力を最大に発揮できる場所のはずだ

 

「みゅ!」

 

知ってるよ!と尻尾を振る鼬、これで何とかなるかもしれない……

 

「俺達も天狗の所に案内してくれ」

 

「みゅ!!!」

 

勇ましく鳴いて茂みの中に飛び込む鼬の後を追って俺達も茂みの中へと飛び込むのだった……

 

 

 

 

 

あの横島と言う面白い少年との出会ってから数刻ほどで拙者は探していた天狗殿を見つけることが出来た

 

「拙僧に何ようか?人狼よ」

 

拙者を見るなり獰猛とも取れる笑みを浮かべる天狗殿。拙者が何の為にここに来たのか?その全てを理解している顔だ

 

「拙者の娘が生死の境を彷徨っておる。貴方様が持ちえる秘薬を譲り戴きたい」

 

目を逸らすな、その一瞬で拙者は死ぬ……それほどまでの威圧感を天狗殿は放っていた

 

「そうかならばどうすればいいか、お主は知っておるな?」

 

刀を抜き放ちながら尋ねてくる天狗殿。拙者も刀を抜き放ち

 

「存じております。天狗殿に勝つ事……それが条件ですな」

 

天狗殿は修験者であり、今も修行をしておられる。故に天狗殿に勝つ事が出来なければ薬を得ることは出来ないのだ

 

「話が早い、では参る!!!」

 

目の前の天狗殿が消える。信じられない速さだが目で追えない事はない

 

(シロ待っていろ!必ず薬を持ち帰る!!!)

 

今も里で高熱と戦っている娘の姿を思い出す、何としても拙者は天狗殿に勝ち薬を持ち帰える!その為ならば腕の1本や2本は惜しくない……シロこそが今拙者が生きる最大の理由なのだから

 

「ハッ!!!」

 

左からの突撃を横薙ぎの一撃で受け止める。重さはそれほどでもないが……

 

「甘いぞ!人狼よ!!」

 

そのままの勢いで回し蹴りが叩き込まれる。天狗殿の武器はその速さ……何とか目で追う事は出来ているがその速さに着いて行くことが出来ない

 

(く!時間が無いと言うのに!!!)

 

里を出てから1日と少し……里の中でも指折りのヒーリングの使い手が見てくれているがそれほど時間はない

 

「焦りが見えておるぞ?」

 

「抜かせ!」

 

残像を伴い何度も切り込んでくる天狗殿の動きに完全に翻弄され始めている。人狼族では最高の剣士など言われていたが上には上がいた……このままでは追い込まれて負ける。そうなればシロの病を治す薬は手に入らん……

 

(これしかない)

 

腕一本捨てる……相打ち覚悟だ。天狗殿はそれを見て更に笑みを深くし

 

「腕一本で拙僧を討ち取れるかな?」

 

拙者の考えている事はお見通しか……だが拙者に出来るのはこれしかない……娘の為……剣士としての己は捨てる!大きく足を踏み出そうとした瞬間

 

「なにやっとるんじゃ!この人でなしが!!!」

 

「げぼお!?」

 

先ほど会った横島と言う少年が天狗殿の顔面に蹴りを叩き込んでいた

 

「なにをしよるか人間「黙れ!娘の為に態々こんな所まで来たクロさんと斬りあってなにやってるんや!クロさんも正座!」

 

その凄まじい威圧感に思わず天狗殿と並んで正座する。人間だというのに何なんだこの威圧感は

 

「……ぷっ!」

 

ミズチ殿が拙者と天狗殿を見て笑っている。これは一体どういうことなんだ……その威圧感に負けて思わず正座してしまったが、これは本当にどういう事態なのか理解できない……

 

「あんなあ?娘の事しか考えてない親父さんがまともに戦えると思うのか?」

 

「い、いや……それは難しいとおもうが「なら今薬を渡して再戦すれば良いやろが!焦って本当の力を出せない相手と戦って何が楽しいんじゃ?ええ?おい」

 

天狗殿の頭をぺちぺち叩いている坊……なんだ。この逆らってはいけないという気配は……

 

「んでクロさんもクロさんや!娘の為ってなあ!自分のために親父が怪我して子供が平気だと思うんか!!!」

 

そして今度は拙者を向いて怒り始める。天狗殿との戦いで腕の1本は覚悟していたが、まさか人間に説教をされ、死を覚悟することになるとは……この長い人生なにがあるのか判らんものだな……

 

「聞いてるんか!このアホ共!!!」

 

「「聞いております!!!」」

 

人間とは思えないその圧力と威圧感に拙者と天狗殿は思わず敬語で返事を返してしまうのだった……

 

 

 

横島は本当に面白い。天狗と人狼に説教をする人間なんて早々いない

 

(でもその気持ちは判る)

 

娘の為にと焦る親の気持ちに共感しているのだろう。だから横島の怒りは充分理解できる

 

「では後日再戦と言うことでよろしいか?天狗殿」

 

「うむ、娘が良くなってから再び参られよ」

 

横島が間に入ることにより後日再戦の約束をしているクロと天狗……横島は交渉とかに向いているのかもしれない

 

(それで?タマモは何を心配していたの?)

 

横島を見て安心している様子のタマモに訪ねるがそっぽを向くだけ、私の予想ではクロの娘とタマモはもしかすると知り合いなのかもしれない

 

(どこで出会ったんだろうか?)

 

人狼は隠れ里で暮らす、接点なんかあるわけがないんだけど……

 

「構わぬ。親の気持ちを理解出来ず申し訳ない、薬は持って行ってくれ。後日の再戦を心待ちにしておるゆえ」

 

クロに薬を渡して森の中に消えていく天狗。修験者と言うのは総じて堅物が多いけど、あの天狗はまだ良心的だった様だ

 

「坊……ヌシのおかげで無事に薬を手にすることが出来た、礼を言う」

 

「クロさん。そう言うのいいから、早く娘さんの所に帰って一緒にいてあげなよ」

 

横島がそう言うがクロは引き下がらない。人狼は義理堅い一族だ、恩を受けたのならそれを返そうとする

 

「仲間とはぐれておるのだろう?仲間の所まで案内しよう。そのついでに妙神山への近道もな」

 

クロは横島の返答を聞かず、横島と私とチビとタマモを抱え凄まじい速度で走り出したのだった……

 

「む?ミズチ殿?あれが探しておられる者か?」

 

人狼の加速に耐え切れず横島は意識を失ってる。私はクロが指を向ける方向を見ると美神達がいるのが見える

 

「……そう」

 

さすが成人した人狼だ。この速度が出せる妖怪は早々いないので正直に感心する。クロは私達をしっかり抱えなおしながら

 

「あい判った。一気に跳ぶゆえ気をつけられよ」

 

クロはそう言うと力強く地面を蹴り一気に美神達の方へと跳んだ

 

「人狼!?それにシズク!?なんでそんなのと一緒なの!?」

 

警戒の色を見せる美神。恐らく異界の神隠しだと考えていたから驚くのは当然かもしれない

 

「拙者は犬塚クロと申す。坊……いや横島殿に助けられたのでその恩返しに参った」

 

はぁ!?っと驚いている美神達を無視してクロは横島を担いだまま

 

「さぁ妙神山に向かわれるのでござろう?拙者が案内仕る」

 

そう言って歩き出すクロ。状況説明が何も出来ていないから明らかに美神達は警戒している。仕方ないので私がフォローする事にした

 

「……人狼の剣士も妙神山で修行するらしい、安全な近道を知っているって」

 

安全な近道と聞いて警戒したままだが後ろをついてくる美神達。私は背負われたままなんで非常に楽だ

 

「みーみーみみー♪」

 

気絶している横島の上で鳴いているチビも楽しそうだし、言うことはないだろう

 

「それで横島君がなにをしたの?」

 

「うむ。天狗殿と話を付けて娘の薬を譲ってくれるように説得してくれたのだ。良い弟子を持ったな」

 

かかっと笑うクロと横島の話を聞いている美神。腕を組みながらまた勝手な事をしてとぶつぶつ呟いている美神を見る、まだ離れているけど間違いない

 

(近づいてきた)

 

同じ龍族ということで私には小竜姫の気配が判る。恐らく向こうも感づいているだろう……他の水神を襲ったときの事はもう解決しているけど、若干の不安が残る中私達はクロの案内で妙神山へと向かうのだった

 

「ここら辺でいいでござろう、後はこの道を進めば妙神山につくでござる。ではこれにてごめん」

 

横島と荷物を降ろして凄まじい勢いで山を降りていくクロ、視線の先には巨大な建物が見えている……目的地だった妙神山の修行場だ、ここでなら横島の才覚を完全に解放できるかもしれない……

 

(楽しみ)

 

潜在能力は今まで何度も見せてくれた。ここで横島がどんな力を見せてくれるのか?私はそれが楽しみで仕方なかったのだった……

 

 

その頃人狼の里に戻ったクロはシロに薬を与え、目を覚ました事に涙ながらに喜び、横島の事をシロに話していた

 

「ち、父上?今何と?」

 

「うむ。横島忠夫という坊が拙者の手助けをしてくれたおかげで無事に薬を得ることが出来たのだ。それに中々の才覚を示しておった。それに家族思いの良い坊だったなあのような若者ならば、特例として人狼の一族に迎え入れても良いと思える人間だった」

 

さ、もう少し寝なさいと言われたシロは大人しく布団の中に入ったのだが、その顔はだらしなく緩んでいた

 

(せんせーでござる♪せんせーが父上を助けてくれただけではなく、拙者までも♪)

 

シロの高熱の原因は逆行してきた事による、莫大な情報を処理できなかった為であり。一言で言えば「知恵熱」だったりするのだった……そしてその高熱に耐えることで知る事が出来た横島の事を思い出し幸せそうに笑うのだった……

 

リポート14 ちょっぴり危険な恋する龍神様♪ その3へ続く

 

 




シロの父親の生存フラグです。いたらきっと面白いと思ったので死なせません、そして間接的ですがシロの高感度を上げる横島です。何時シロをレギュラーにすることが出来るのは判りませんが、ここで出したのだから予定よりも早くしていきたいと思っています、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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