GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の話は「燃えよ剣」にオリジナルの要素を加えます。前回のラスト魔神コンビの探している「アリス」を搦め手行きます。メガテンを知ってる人なら判ると思いますが、人外・ロリと2つの属性を持つアリスを上手く書けるか自信がありませんが全力で頑張ります。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


リポート13 無邪気なゾンビと人斬妖刀と未熟なGS
その1


 

 

リポート13 無邪気なゾンビと人斬妖刀と未熟なGS その1

 

東京の街に佇む、東京には相応しくない格好をした1人の少女。艶やかな金髪と青いエプロンドレス、そして白いリボンと血のような真紅の瞳……魔性の美しさと言えば良いのだろうか?見るもの全ての注意を引き付けながら少女は東京の街を歩く

 

(変な所……魔界の方が静かでいいなあ)

 

ざわざわがやがやと人の声があちこちから聞こえてくる。黒おじさんと赤おじさんの知り合いのムルムルとか言う伯爵から聞いた人を探して、黒おじさんと赤おじさんの友達の家から出て来たのは良いんだけど

 

「どこにいるんだろ?」

 

会いたいと思ってきたけど、私は名前しか知らないや……えーと確か……

 

「邪って言ってたよね」

 

ムルムルさんに聞いた名前は邪って言う名前だったはず……面白い霊力を持っているって聞いてるから霊力を探せばいいかと思ってゆっくりと歩き出す

 

(面白い霊力ってどんな霊力かな?)

 

黒おじさんと赤おじさんの魔力にはなれているけど、その面白い霊力ってどんな感じなのかな?私は名前だけを頼りに邪と言う人を探し出すのだった……

 

 

 

ブラドー島から帰ってきて1週間この期間はほとんど寝てすごしていた、ブラドーを助けるために使った霊力の篭手。その反動は凄まじく、動く事ができなかったのだ

 

「やーっと散歩に行けるなあ、チビ」

 

「みみー♪」

 

嬉しそうに鳴きながら俺の頭の上を飛んでいるチビに笑みを零す。動けない間はシズクが散歩に連れて行ってくれていたのだが、寂しそうにしていたのを見ていたので早く元気にならないといけないと思った物だ

 

「みっ♪みっ♪みーっ!!!」

 

俺の頭の上で楽しそうに鳴いているチビを見ながら俺はゆっくりと歩きながら事務所へと向かった。何か依頼があるとかで来れそうなら来てもいいわよっと言われた。珍しい除霊を見せてくれるそうなので楽しみにしている

 

(公園の中を通ってバスに乗って、そこから歩けばいいか)

 

電車で行くほうが早いけどチビの散歩もかねているのでゆっくり時間を掛けていこうと思い、態と遠回りしていく事にした

 

「みー」

 

バスの窓の外見ているチビ。楽しそうに揺れている尻尾を見ているとバスが随分と気に入ったようだ

 

(シズクが先に行ってるけど大丈夫かな?)

 

俺の変わりに美神さんの所で働いているシズクの事が心配になる。シズクはあれはあれで好戦的だから心配になるのだ

 

(タマモがいるから大丈夫かなあ?)

 

タマモが一緒だから大丈夫だとは思うけど、事務所に行ったら水浸しとかだったらいやだなあと思いながらバスを降りて

 

「うーし、行くぞチビ」

 

「み♪」

 

リードに繋がれているので離れすぎず、近すぎずの距離を保って飛んでいるチビを見ながら事務所に入る

 

「ちわー……なにやってんの?」

 

挨拶の途中で俺は停止してしまった何故なら

 

【「ふふふふふふ」】

 

シズクとおキヌちゃんが怪しい笑顔を浮かべて包丁を研いでいた。なんと言うか身の危険を感じる

 

「むー」

 

俺の髪の中に隠れているチビ。どうやら本能的に危険だと判断したらしい。俺とチビが驚愕していると包丁を研いでいたおキヌちゃんとシズクが顔を上げる

 

【横島さん、出歩けるようになったんですね。良かったです】

 

「……呼べば迎えに行ったのに、水を通じればどこにも私は行ける。横島専用ミズチタクシー」

 

なんか最近シズクの考えている事が良く判らない。俗世とやらに馴染みすぎているのではないだろうか?それだけ心配してくれてるってことか

 

「ありがとな。でも近くだから心配しなくていいよ」

 

それのそのミズチタクシーとやらが水の中を使って移動するなら、当然の如く俺は窒息してしまうのでやんわりと断る事にする

 

「……そう」

 

シズクの頭を撫でながらふとおもう。シズクは龍神なのにこんな事をして大丈夫なのかな?少し考えてからおキヌちゃんに

 

「それでなんで包丁を研いでるの?」

 

何もこんなところで研がなくてもと思いながら尋ねる。シズクはまぁ本人が怒ってないから別に良いのだろうと判断した。キッチンのほうから蛍が顔を出して

 

「いい機会だから私とかシズクの包丁も研いじゃおうッてことになってね。横島の家に行くのも悪いし、ここでやることにしたのよ」

 

俺を心配してくれたのか……まぁ最近は俺の家が皆の集合場所になってたからな、俺が寝ているのに集まるのは良くないと思ってくれたのか……と少しだけ嬉しい気持ちになっていると

 

「所で美神さんは?」

 

姿の見えない美神さんの事を尋ねるとシズクが包丁を鞄にしまいながら

 

「……難しい除霊をするので散歩に行くと言っていた」

 

難しい除霊?それが言っていた珍しい除霊なのか?と言うかなんで難しい除霊で散歩に行くんだ?

 

【結構難しい除霊みたいですよ?だから精神統一が必要なんですって】

 

小首を傾げながら呟くおキヌちゃんに言葉にふーんっと返事を返しながらソファーに座ろうとした瞬間、ふと机の上の木箱を見た瞬間

 

【さあ!類稀なる霊力を持つ少年よ!拙者を手にしろ!】

 

頭の中に何かの声が響き、操られるかのように木箱に手を伸ばした瞬間

 

「横島駄目よ!」

 

「……この鉄くずが」

 

「コーン!」

 

蛍のサイキックソーサーとシズクの水鉄砲そしてタマモの炎が木箱を吹き飛ばす。なにが起きたんだ……自分がどうなっているのか判らないでいると

 

【カカッ!!!!凄まじい霊力と妖力よ!おかげで拙者一人で動けるようになったぞ!!!】

 

不気味な声が聞こえ顔を上げるとそこには柄のところに顔がある不気味な刀が浮いていて

 

「ぎゃーあ!!!刀が喋ったあああああ!?」

 

しかもその刀が俺を見ているので余計に恐怖を感じ思わずそう叫んでしまうのだった……

 

 

 

今回の依頼はシメサバ丸と言う意思を持つ妖刀の意思の除霊。簡単に済むと思ったんだけど思ったよりもその意思はしつこく中々刀から除霊出来なかった

 

(これは報酬減かなぁ……)

 

意思のみを除霊できた場合は1000万。刀ごとの場合は400万……出来れば意思だけを除霊したかったけど無理かもしれないと思いながら事務所の扉を開けると

 

【カカカッ!貴様の体をよこせええええ!!!】

 

「ぎゃーあ!!!こっちくんな!!!馬鹿やろオオオオッ!!!」

 

1人で宙を舞っているシメサバ丸が横島君を追いかけていた。一瞬どういうことか理解できなかったけど直ぐに我に帰る

 

「横島君!こっち!」

 

「美神さん!?そっち外……ワイを見捨てるんですか!?」

 

そう言うことを言わない!蛍ちゃんとかの圧力が物凄く増すから!!!

 

「違うわよ!除霊の準備をしたいけどそのままじゃ駄目だから、少しの間外に逃げてて!早く!」

 

このまま事務所で暴れられたら除霊の準備をすることも出来ない。何故か私が箱の中に封印するよりも霊力が上昇しているから準備をしなければとてもではないが無理だ

 

「判りましたぁ!タマモ!」

 

出口に向かって走りながら横島君がタマモを呼ぶ、タマモは直ぐに走り出して

 

「コン!」

 

「みぎゃ!?」

 

横島君の頭の上に飛び乗る、チビのつぶれたような声がしたけど多分大丈夫……よね?

 

「それでどうしてああなったの?説明して」

 

まずはどうしてシメサバ丸がああなったのか?それを知らなければならない。準備不足で返り討ちにあったりしたらいい笑いものだから

 

「……なるほどね。横島君の精神に揺さぶりを……」

 

これは私の落ち度ね。横島君を呼びはしたが、多分来ないだろうと思ってそこまでの霊的防御をしなかった……いや

 

(シメサバ丸の力が強かったのね)

 

まさか精神感応で相手を操る力を持っているとは思ってなかった。話では触った相手と聞いていたから

 

「それで横島を護るのに攻撃したら」

 

「……こっちの力を吸収した」

 

蛍ちゃんとシズク……多分タマモの霊力も吸収したみたいね。となると……普通の封印札じゃあ駄目だし、カオスに依頼して作ってもらっている間に横島君が身体を奪われる

 

(そうなったら最悪ね)

 

自分の力で霊力を制御出来ない横島君だが、シメサバ丸が無理やり霊力を引き出すと横島君の命が危ない

 

「シメサバ丸を壊すしかないわね」

 

これしかない。相手を操る力を持つが所詮は日本刀。切れ味は高いが、耐久力は低い……筈だ。ならばその耐久力を超える防御力を持つ防具を用意すれば良い

 

「厄珍ですか?」

 

「ええ。厄珍に確か強化セラミックのボデイアーマーが売ってたはず」

 

厄珍は性格に問題があるが、道具選びとしての才覚は天才だ。少し高いが、そこは我慢しよう

 

(たっく!迷惑ばかりかけて!早く一人前になりなさいよ!)

 

潜在霊力は確かに高いが、今のままでは本当に宝の持ち腐れだ。もう少し霊力を使えるようになりなさいよね

 

「シズクとおキヌちゃんは横島君を探して、私と蛍ちゃんは厄珍でボディアーマーを買ってから行くわ」

 

普段は直ぐに行動に出ないシズクも直ぐに頷き、おキヌちゃんと一緒に事務所を出て行く

 

「急ぐわよ!横島君が危ないからね」

 

「はい!」

 

自ら移動できるようになったシメサバ丸は正直危険だ。急がないと横島君が危ない、私と蛍ちゃんは急いでコブラに乗り込み厄珍堂へと向かうのだった

 

 

 

「こっちだよね」

 

途中で見つけた褐色の人が場所を教えてくれたのでそっちに向かって歩いていると

 

【カカッ!貴様の力もよこせッ!!】

 

「ふえ?」

 

突然上空から飛来した刀に一瞬思考が止まる。黒おじさんと赤おじさんが普段一緒にいるから反応が少し遅れてしまった

 

(まぁ大丈夫かなあ)

 

私は殆ど幽霊みたいなものだし、刀のような物理的な攻撃は殆ど効力がない。多少霊力は持ってるみたいだけどあんな力では私の霊体を傷つけることは出来ない

 

(耐えて反撃。これかなあ)

 

あんな金属なら簡単な炎で焼き尽くせるだから、あえてその刀を身体で受けようとした瞬間。浮遊感を感じる

 

「だっしゃああああ!!!」

 

【ぬう!邪魔するかあ!?】

 

浮遊感と暖かい体温を感じながら顔を上げる。そこには赤いバンダナをした人間の姿

 

(見つけた♪これが邪だ)

 

ムルムルさんに聞いた特徴とぴったり一致する。ぽかぽかと暖かい霊力……

 

(いい気持ち……)

 

魔界では感じたことのない霊力。陽だまりの中に居るようでとても気持ちがいい、頭の上を見ると

 

「み?」

 

「くう?」

 

青年の頭の上にいる狐とグレムリンの姿が見える。凄く可愛い、後で頭を撫でたいなあ……

 

「逃げるぞ!抱えて逃げるけど、後で警察とかに言わないでくれよ!!!」

 

そう叫んで刀から逃げ始める邪。おかしいなあ?ムルムルさんの話では凄い霊力の一撃を打てるって聞いてたんだけど……

 

(まぁ良いか♪良い気持ち……)

 

黒おじさんと赤おじさんに頭を撫でられるのとはまた違った心地よさ……ずっと歩いてきて疲れていた私はそのまま目を閉じて、少しの間眠りにつくことにしたのだった……

 

【身体をよこせエエエ!】

 

「こっち来るな!このおんぼろ刀ッ!!!!」

 

凄まじい妖力を感じながらも、この程度ならば本気になれば退けるのは別けないし……

 

「ちくじょおおおお!なんで動けるようになって直ぐこれなんだよオオオオオ!!!」

 

泣きながら走っている邪が面白いのでこのままでもいいかと思ったのだ。大事なのは1つだけ

 

(アリスのお友達になってくれるのかなあ……)

 

私にとって大事なのはそれだけ……それ以外はどうでも良いのだから……

 

横島に抱えられているアリス。その目にはどんよりとした光が灯り、シメサバ丸よりも危険な魔力を発していたのだが、横島がそれに気付くことはなかったのだった……

 

 

 

 




リポート13 無邪気なゾンビと人斬妖刀と未熟なGS その2へ続く

シメサバ丸に追われている途中に更に危険な魔人を拾ってしまう横島です。シメサバの後は当然魔人アリスが本性を見せます。
人外とロリキラーの属性を持つ横島がどうアリスを戦う(?)のかを楽しみにしていてください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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