GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は各陣営(?)が誰に何を賭けているのか?と言うのを書いていこうと思います。全体的には短編になりますが、どれだけの存在が楽しみにしているのか?そこを面白おかしく書いていこうと思います。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


別件リポート 

別件リポート 横島争奪戦トトカルチョ 途中経過 その1

 

 

 

最高指導者が1度だけ許可した逆行、それに伴い様々な歴史が変わることは上位と呼ばれる天使や神は理解していた。だがあの魔神大戦の首謀者であり、過激派魔族を統括していたアシュタロスが味方……これだけでかなりの対策を取ることが出来る上に、過激派と呼ばれる一派もその大半をそれぞれの陣営が把握しているのでその大半を既に捕縛できているということもあり。今の上位神魔族が気にしているのは「横島争奪トトカルチョ」だ。なんせ現代の英雄であり、文珠を扱う事の出来る上に陰陽術を覚える可能性もある。そのせいもあり、各陣営で自分達の眷属が参加している物達は財産に宝などをじゃんじゃん賭けにつぎ込み。莫大な配当金を狙っていたりする

 

そして今回はその途中経過と新規参加の女性の一覧が発表され、神魔族はまた誰に賭けるのか?を考え始めていたのだった……

 

 

~~天界~~

 

龍神王の宮殿

 

「ふむ……また増えているな」

 

定期的に更新されるトトカルチョの一覧を見て唸る。今度の新規参加者は同じ竜族からの参戦だったからだ

 

(ふーむ、ミズチのシズク……か)

 

オロチの系譜のシズクと言えば天界でもそれなりに有名な竜族だ。大分前に地上界で宮殿と寄り代を手に入れたからと言ってそれっきり天界に戻ってこなかった竜神だ……そう言えば、あの時代は高島とか言う若い陰陽師が独自の陰陽術を作ろうと様々な神族や妖怪に声を掛けていたなあ。確か平安時代だったか?と少しだけ昔の事を思い出しながらシズクの倍率を確認する

 

「倍率は……5.5倍か……」

 

それだけ配当が大きいという事は当たる確率が低いという事……これだけ倍率が高いとなると何か駄目な要因があるのかもしれない

 

(はて?シズクはかなりの美人だったはずだが……)

 

自分よりも大分歳の離れている少女は対象外とは聞いているが……何故シズクが対象外なのか理解できない

 

「何が原因なのだろうか?」

 

私の記憶の中では血の様な紅い瞳と均整の取れた肢体で若い男の竜族に毎日のように求婚されていた筈の美女だったはずだが……まぁその殆どが血祭りに上げられていて、話しかけることですら命懸けだった。触れれば斬られる、それでも求婚せずには居られないほどの美女だった。霊力が足りなくて子供に戻っているのだろうか?もしそうならば不利なのは判るが

 

「……ふむ。とは言え同じ竜族として賭けるのは当然か」

 

懐から小判を2枚取り出してトトカルチョの紙の上に乗せる

 

『竜神王様。シズクへの賭け金をご確認しました。現在小竜姫に小判5枚・シズクに2枚・芦蛍に7枚賭けられております。賭金の増加はどういたしますか?』

 

トトカルチョの紙から聞こえてくる音声に悩む

 

(小竜姫は気立てはいいが頭が固いからなあ)

 

若い竜族の男にはそれなりに注目されているのだが、いかんせん頭が固い。そのせいでそろそろ婚期なのだが浮いた話の1つも無い。しかも呼び出しをしなければ妙神山からも出てこない。しかも最高指導者の言葉によれば逆行の記憶もあるとか……

 

「ふむ。小竜姫に更に2枚だ」

 

きっと逆行してきた記憶を思い出せば一番人気の芦蛍にも負けない筈だ。そう考え更にもう2枚の小判をトトカルチョの紙の上に乗せるのだった……

 

「もう少し神族が増えると良いのだが……」

 

ヒャクメはどうにもトラブルメイカーと言う感じがしてあまり賭ける気がしない。最近は大分落ち着いているらしいがそれでも賭けようと思えないのは今までの行いが悪いからだろう

 

「さてと執務に戻るかな」

 

いつまでも遊んでいるわけには行かない。トトカルチョの紙を丸めて机の引き出しにしまって、机の上で山になっている書類の束に手を伸ばすのだった……そして一番最初の書類には

 

『竜神王様!我等が当主「シズク様」が戻ってきてくれないのです!なんとかしてください! ミズチ一同』

 

「無理だな」

 

私でも怖い者は怖い。シズクを怒らせるのは得策ではないので却下と判子を押し、ミズチの里へ送りつけるのだった……

 

 

 

最高指導者達

 

トトカルチョの紙を見ているのですが、あんまり大きな変動が無い

 

「うーむ。面白くないですねー」

 

まだ全員の名前が出てない上に私の知らない女性の名前も増えているので楽しみはあるのですが、もっとこう……

 

「ドロドロにならないのですかね」

 

もう少しこう殺伐とした感じになるのでは?と思っていたのですが、予想よりも遥かにほのぼのしていてこれでは面白みが足りない

 

「相変わらず黒い顔をしてますね?」

 

「ぶっちゃんではないですか!お久しぶりですねー」

 

同じ上位の神族のぶっちゃんが尋ねてきた。これは珍しい事ですね、滅多に私の部屋には来ないのに……

 

「あ、もしかして賭けに参加する気になりました?」

 

「……いえ。まだそのつもりはないです」

 

手をぶんぶんと振るブッちゃんに溜息を吐く、神族の中で参加してないのはぶっちゃんだけだ

 

「あっちゃんなんかノリノリですよ?」

 

多分今神族の中で一番賭けているのはあっちゃんだと思うのです、なんせ倍率が高い人全員に賭けてますからね

 

(ふっふっふ……これで外れれば暫くはあっちゃんをただ使いできますねー)

 

「何を悪い事を考えているのですか?」

 

「悪いことではありません、悪巧みです」

 

はあっと深い溜息を吐くぶっちゃん。しかし賭けに参加しないなら何故ここに来たのでしょうか?

 

「何をしに来たか?簡単ですよ」

 

ニッコリと怖い顔で笑うぶっちゃん。あれどうしたことでしょうか?とんでもない寒気を感じるのですが……

 

「ここの所賭けの運営ばかりで仕事をしていない貴方の監視に来たのですよ」

 

「悪魔ぁーッ!!!」

 

私がどれだけ頑張っているかも知らないくせになんでそんな事を……そもそも誰ですか!?ぶっちゃんをここに呼んだのは!思わず悪魔と叫ぶと

 

「仏です」

 

即座に切り替えしてくるぶっちゃん。くう……この堅物は……何とかしてこの場を切り抜けなければ

 

「逃げてもいいですが、逃げた場合。きーやん……貴方が賭けている芦蛍への金貨100枚などは全て神界の財源として徴収します」

 

「この悪魔がぁッ!!!」

 

私がどれだけの金額を賭けているのか知らないからそんな事がいえるのです!

 

芦蛍に金貨100枚

 

小竜姫とタマモにも100枚ずつ賭けて、もしかしたらと思ってヒャクメとおキヌさんにも50枚ずつ賭けているというのに!?あとこっそりとメドーサに40枚入れてるのに!?それを取り上げるなんて悪魔の所業だ

 

「ですから仏です。さ、早く仕事を始めてください」

 

ぶっちゃんはやると言ったらどんな手段を使っても私から配当金を奪いに来る……

 

(くう!折角なにかトラブルを起こそうと思ったのに!)

 

このままでは横島さんの賭けがあまりに平坦で面白くない……だからこそこうToLOVEる的何かを神の奇跡として起こそうとしていたのに!!!

 

「早く書類を読んで、サインをしてください」

 

「判ってますよ!!!」

 

私の近くに腰掛けて私を監視しているぶっちゃんが居てはそんなことも出来ない。私は今は何も出来ない事のくやしさと魔界で同じように今の環境を見ているさっちゃんが何とかしてくれることを願って、恐々と机の上に山のように積まれている書類に手を伸ばすのだった

 

 

 

 

~~魔界~~

 

真の蠅の王

 

今日は珍しく古い友人が訪ねてきた。今は人間界で自分の娘を賭けに使っているというまぁある意味とんでもない事をしているのだが……何か考えがあるのだろう

 

「うおおおお……聞いてくれえ!ベルゼ・ビュート」

 

しかしそう思うのだが、今我の目の前で酒を掴んで呻いている姿を見ると何を考えているのか全く判らない。

 

「呑みすぎだ戯け」

 

我だって暇ではないのだ。主に私の分霊の1つが俺こそが真の蠅の王だとか言って暴走している件で悩んでいる。どうしてあんな風になってしまったのか判らない、確かに魔界で隠遁していた我が悪いのだが、まさか分霊如きがあそこまで力をつけるとは思ってなかった。とは言え我の能力とは似ても似つかない自分の分身を増やすだけの弱い能力なのだが、いかんせん数が多いので補足しきれていないのだ。アシュタロスの手の中から杯を奪う

 

「それでどうしたと言うのだ?」

 

過激派魔族のことで悩んでいるのか?かと言っても我はさっちゃんの命令で宮殿から出ることも出来ない。もし出る事が出来るなら、我自ら人間界に赴き、分不相応な野望を持った我が分霊を始末する所だ。それを知っているアシュタロスが尋ねて来たので何か問題があったのかもしれない、もしそうなら我の軍勢を貸し与えることも考えても良いと思っていたのだが、アシュタロスがここに来たのは我の予想を超えるくだらない内容だった

 

「私の未来の息子がどんどん女の子を落としているんだ!このままだと娘がどんどん不利になるぅ!」

 

「よし帰れ!」

 

机の上に突っ伏している馬鹿を屋敷の外に蹴りだそうとするが、酔っているとは思えないほどの素早い動きで椅子から立ち上がり

 

「話を!話を聞いてくれえ!」

 

「我は忙しいんだ!貴様の馬鹿な話に付き合っていられるかあ!」

 

我の足にしがみ付いているアシュタロスを引き離そうとするのだが、全く離れる気配が無い。この馬鹿力がぁ!!!

 

「お前だって賭けてるだろう!大損してもいいのかあ!」

 

「あれは息抜きだ!金貨1枚しか賭けてない!」

 

金貨1枚を馴染みの娘と言うことで蛍に賭けてはやったが、別に当たろうが外れようが関係ない

 

「私は娘の為に何をすればいいんだぁ!教えてくれ!ベルゼ・ビュートォッ!」

 

足を離したと思ったら、今度我の腰にしがみついてきたアシュタロス。目からは涙、鼻からは鼻水とみっともないことこの上ない顔をしている。しかも汚い、なんとか振りほどいてアシュタロスに指を突きつけ

 

「知るかあッ!!!」

 

我に何を期待している!そもそもなんで我だ!と言うか馬鹿かこいつは!なんで我の所に来て自分の娘の事を相談する!?いやそもそもそう言うことを相談するのなら我ではなく、適任が居るだろうに!!

 

「ゴモリーの所にでも行けえ!」

 

大体我は死霊の扱いをしている魔王であり、恋愛なんて判るわけがないだろうがッ!!そう言うのはゴモリーの分担だ。人の愛情に詳しいゴモリーに聞けと叫ぶと

 

「そうか!ゴモリーか!判った!」

 

酒のボトルを掴んで飛び出していくアシュタロス。人の宮殿をここまで荒らして謝りもせずに出て行く……我は足元に転がっている空き瓶を拾い上げて

 

「2度と来るなあ!」

 

高速で回転しながらアシュタロスの後頭部に直撃する酒瓶を見て、少しだけ気が晴れた我は再び自分の執務へと戻るのだった……

 

なおこの後優太郎はゴモリーの宮殿へと向かい

 

「なるほどなるほど、貴方の言いたい事は良く判りますよ。アスタロト」

 

「ゴモリー。私は愛する娘の為に何をすればいいんだい?横島君に薬を盛れば良いのかい?」

 

「それは違いますからね?」

 

半泣きでゴモリーにどうすれば良いのか?と言うのを相談していた

 

「その横島と言う少年の事を知りませんが、きっと彼は貴方の娘の事を思っていますよ。それにまだ動くべき時ではないと思います、今は耐える時ですよ」

 

「そ、そうかなぁ……」

 

「大体ですね。あんまり娘の恋愛に口を出してはいけません、そう言うのは嫌がられますよ」

 

適確なアドバイスを受けた優太郎はとぼとぼと人間界へと戻っていくのだった。そしてその背中を見つめているゴモリーは

 

「ふう、疲れました」

 

暴走しがちな優太郎を落ち着かせるのに疲れたと呟き、自身の引き出しからトトカルチョの紙を取り出して

 

「頑張ってくださいね。メドーサ」

 

にやりと悪い顔で笑うのだった。ゴモリーもまた横島争奪のトトカルチョに参加しており、蛍には賭けていなかった。だからこそアドバイスを適当に切り上げ、優太郎を自身の宮殿から追い出すのだった……

 

なおゴモリーが賭けているのは金貨などではなく、彼女が集めていた宝石を賭け金として使用していたりする

 

メドーサ ダイヤモンド5個とルビー2個

夜光院柩 ダイヤモンド1個

×××××× ダイヤモンド4個とサファイヤ2個

 

なお宝石と言っても、魔界の高純度の結晶体であり、人間界の物とはビー玉とボーリングの球ほどの差のある巨大な宝石だったりする……

 

 

 

さっちゃん

 

執務を終えてから引き出しからトトカルチョの紙を取り出す。つまらない執務の後のこれの確認が、今のワイの癒しやなぁ……よこっちがどうなるか?と考えるだけで楽しめる。なんせよこっちは人外キラーやからな!どんどん賭けの対象が増えて行くのが判り切っているので実に楽しみだ。でも1つだけ不満を言うのならちょっと硬直状態なのが面白くない

 

「そろそろ動きが欲しいなぁ、何か大きく動く事態があると良いんやけど」

 

沢山の魔族や神族が自身の持てる財産や金貨を賭けにつぎ込んでいる。まだまだ決着がつく気配が微塵もなく、そしてまだまだ参加者が増えている今。一気に賭け金をつぎ込むのは得策とはいえないが

 

「やっぱ自分の知り合いには賭けてまうよなあ」

 

知り合いの娘とか家族なら何とかして勝って欲しいと思うのは魔族でも同じ事だ、それに

 

「自分らの陣営に引き込みたいしなぁ」

 

現代の英雄であるよこっちはなんとかして自分達の陣営に引き込みたいと思うのは当然のこと、それなら自分の眷属や娘と結婚して欲しいと思うのは当然の事だろう。

 

「ワイだって娘がおればなあ」

 

残念なことにりっちゃんとりっちゃんの眷属の夢魔しかおらん。夢魔は1人に固執する性格ではないのでエントリー資格が無い、そう言う面ではワイは不利なんよなあ……でも娘がおったら絶対参加させてると思う、よこっちは出来ればこっちの陣営に欲しいわ。あの朗らかな性格と文殊……それに意外と交渉の技術も高いからデタントを進める立役者になってくれると思うから

 

「んー如何するかなあ」

 

きーやんならここらで何かどーんっと仕掛けろって言いそうな気がするけど、そう言うのは参加者が全部揃ってから仕掛けるものやろ

 

「ここはまだ様子見やろ。うんうん」

 

勝負を急ぐときではない、今はまだ様子見の時だ。と言いつつも、ワイは引き出しから大量の金貨の収まった皮袋を取り出し

 

「蛍と小竜姫に金貨200!まだまだいくでー!んーそやなあ!この神代琉璃って言うのも気になるで……金貨40!」

 

さっちゃんが実は今最も賭けている金額が多い魔族だったりする……

 

 

芦蛍 金貨400

小竜姫 金貨280

メドーサ 金貨300

ヒャクメ 金貨10枚

×××××× 金貨250

タマモ 金貨40枚

おキヌ 金貨80枚

×× 金貨35枚

六道冥子 金貨90枚

マリア 金貨110枚

夜光院柩 金貨15枚

シズク 金貨30枚

神代瑠璃 40枚

 

 

リポート11 平和な時間 その1へ続く

 

 




トトカルチョの途中経過ですが、まだまだ動く所ではないので短めとなります。これから登場人物が増えるに連れて話も多くなるし、参加者も増えるので楽しみにしていてください。次回の途中経過は未定になりますが、ある程度キャラが増えればいいタイミングで入れようと思っています。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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