GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はプロローグ2となります、少し成長した「蛍」とGSのキャラが出てきます

基本的には私の好きなキャラになりますけどね。プロローグは全て完成しているので本日の夕方にもう1つ更新するつもりです


それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



その2

プロローグ2

 

今日のテストは中々上手く出来たとおもう。お母さんとの約束点数は楽に越えている……筈。勉強を頑張るのは今日で終わり

 

「ん、んーこれでよしっと」

 

日課になっている日記をつけ終えて大きく背伸びをする。小学校1年からの日課になっている毎日の日記も2年で4冊目だ

 

「蛍ー!日記書き終わったら夕ご飯の用意手伝ってー」

 

「はーい!今行くよー」

 

下から聞こえてきたお母さんの声。日記を引き出しの奥に仕舞い階段の上から返事を返す

 

(今日はパピリオお姉ちゃんが来てるんだよね)

 

妙神山から遊びに来てくれる姉のことを思いながら階段を下りていくと

 

「てめえ!それは俺のつまみだ!!」

 

「いいだろうが!たまに遊びに来た親友に譲れこの野郎!」

 

黒髪の小柄な青年とパパが喧嘩していた。それを見てキッチンに入る前にリビングに入る

 

「雪之丞さん。パパを困らせないで?」

 

私がそう言うと小柄な青年。伊達雪之丞さんはうっと言葉に詰まる様子を見せる。だがパパは

 

「いや、良いんだ。蛍、俺とこいつはずっとこうさ!」

 

「あ!それは俺のマグロ!!」

 

「ははっ!油断するほうが悪いんじゃー!!」

 

「なろお!」

 

たがいのつまみを取り合っているパパと雪之丞さんを見てどうしようと思っていると

 

「ほっといていいよ。これがヨコシマとユキノジョウのやりとりだから」

 

「パピリオお姉ちゃん」

 

お風呂上りなのか、首にタオルを巻いているパピリオお姉ちゃんはパパの隣に座って

 

「ヨコシマ~ユキノジョウをほっておいてこっちむくでちゅ……あ」

 

「ぷっ。まだその癖が抜けないのか?」

 

最近パピリオお姉ちゃんはすごく背が伸びて、女の人って感じになっているけど、子供の時の口調がたまに出てしまうらしく、パパにからかわれて真っ赤になっている。不思議とこのやり取りを見ていると安心する

 

「もう仕方ないでしょ!ずっとあの口調だったんだから、それよりもほらグラス。ビール注いで上げるわ」

 

グラスを向けるパパと雪之丞さん。だけどパピリオお姉ちゃんは雪之丞さんを無視して、パパのグラスにだけビールを注いで自分のグラスにオレンジジュースを注ぐ

 

「俺は無視か?」

 

「お前につぐ理由はありません」

 

ふんっと鼻を鳴らすパピリオお姉ちゃんを見ているとキッチンから

 

「蛍ー?いい加減料理を手伝って」

 

お母さんの呼ぶ声にはーいと返事を返し私はキッチンに向かったのだった。料理をしながら思う、今日は和食に中華ジャンルがとても多いし、外に机も用意してある

 

「お母さん。今日なんでこんなにたくさん料理するの?」

 

「今日はね。お父さんのお友達に、弟子だった人が来るの。だからたくさん料理を作るの、判った?」

 

お父さんのお友達と弟子の人!話には聞いてたけど会うのは殆ど初めての人が多い。どんな人が来るんだろう?と楽しみにしながら私はお母さんの料理を手伝うのだった……だけど

 

(妙にお肉とお揚げが多いのは何でだろう?)

 

普段の倍の量の牛肉やこんなにどうするんだろう?と思う量のお揚げに私は首を傾げるのだった

 

 

 

 

 

 

「むータマモ。何を持っていけばいいでござるか?」

 

「ワインと私達の食べたいもの」

 

そんな話をしながら買い物をしているのはナインテールとでも言うのだろうか?変わった髪形をした金髪の美女と白と赤の混じった髪を持つ美女だった。彼女たちは横島そして美神と共にGSとGS見習いとして働いていた人狼「犬塚シロ」と九尾の狐「タマモ」だ

 

「あーしかし先生と一緒の仕事の方が楽しいでござるなあ」

 

大量の買い物を済ませゆっくりと横島の家に向かいながらシロが呟く。横島と美神が結婚して暫くはそのままGSとして活動していたが、時期もいいしとの事で、私とシロは「横島除霊事務所」に所属しているが、フリーで活動できるGSとして活動していた

 

「そうね。だけどそれも難しいのよね。今になっては」

 

私もシロもそれぞれAAランクのGS。それに横島はSSSランク。1つの事務所にそれだけのGSを集める事はオカルトGメンもGS協会も許さない。一応横島の事務所に所属したままで入れるのが最大の譲歩だった

 

「朝と夜は顔を見れるんだからいいじゃない」

 

「うーそうでござるがあ……面白くないでござる」

 

そんなの私も思っている。横島は美神の物になってしまった、九尾の狐は本能的に強い男を求める。この時代でもっとも強く、そして優しいのは横島以外に考えられない、しかしその横島は美神と結婚してしまった

 

(妖怪だから関係ないって強引に割り込むことも考えたんだけど)

 

既に子供もいて幸せそうな美神と横島を見ると、そこに無理に割り込もうという考えはどこかにいってしまった

 

「……モ、たま……タマモ!聞いているでござるか!」

 

「え?あ……ごめん聞いてなかった。何の話?」

 

シロにそう訪ね返すとシロは酷く言いにくそうに

 

「長老から、拙者とタマモに縁談の話が「断るわ。それと死ねって言っておいてくれる?」

 

私もシロも既に子供を生むには最も適した時期にある。霊力も充実しているし、今子供を生めば強い霊力を引いた子供になるだろう。だが私はそんな気は一切ないのだ

 

「シロもそうでしょ?もう勝てない勝負って判ってるけど、諦めたくないでしょ?」

 

「……拙者一生未婚でも良いでござるよ」

 

その言葉がなによりも今の私とシロの気持ちを示しているだろう。誰よりも愛しているが、その愛した者は既に妻子がいて自分の入る隙間はない

 

(はぁーなんでもっと早く行動しなかったのかなぁ)

 

チャンスは合ったはずなのに、そのチャンスを手放してしまった。そして今は常にこう思っている

 

(もしも時間が巻き戻せるのなら)

 

あんな意地を張らず、助けてくれてありがとう。手を握ってくれてありがとうと言えば良かった。私をGSから、オカルトGメンから庇ってくれたのは横島だというのに、つい意地を張ってしまった。横島が私の嫌いな人間とは違うと判っていたはずなのに

 

「拙者どうしてあの時子供だったのでござろう?」

 

「そんなの私も考えてるわよ」

 

横島がまだ美神の物になる前だったのなら入り込める隙間もあったのに、今では何もかも全てが手遅れだ、そんな事を考えながら横島の家に向かっていると

 

「ん?あれは小竜姫様では?」

 

「本当ね、何してるのかしら」

 

私とシロの視線の先に入るのは、赤色の髪を短く切り揃えた女性の姿。耳の後ろに見える角から小竜姫だと確信して近づく

 

「何してるの?」

 

「タマモさん、それにシロさん……どうも」

 

どこか暗い顔をしている小竜姫は私とシロに

 

「あの、これを横島さんに」

 

差し出された包みを受け取りながらシロが不思議そうに首をかしげ

 

「それは構わないでござるが、会っていかないのでござるか?」

 

私とシロは知っている。小竜姫も私達と同じように横島に想いを寄せていたと、それはもちろん今は殆ど顔を見せないおキヌちゃんにも言えることだが

 

「今は……ちょっと美神さんに会いたくなくて、急用が出来たので帰ったと伝えておいてください」

 

言うが早く歩いていってしまう小竜姫。一体どうしたというのだろう?

 

「まぁいいでござる、先生ー!いまきたでござるうう!!!」

 

嬉しそうに笑いながら横島の家に入って行くシロ。私はシロの背中と歩き去っていく小竜姫の背中を見て

 

(何かあるわね)

 

第六感に来る何かを感じ追いかけていこうとしたのだが

 

「タマモーそろそろきつねうどんが出来るぞー」

 

家の中からそう声を掛けてくる横島の声にまた後で聞けばいいかと思い、小竜姫から視線をそらし横島の家の中にと入っていくのだった

 

 

 

 

美神と横島が結婚をしてから2人の前から姿を消したおキヌはと言うと

 

「ご飯できましたよー?いい加減に降りてきたらどうですかー?」

 

間延びした声でそう告げると、遥か上空から2人の美女が降りてくる。1人はオレンジ色の髪に昆虫を思わせる触覚を持つ気の強そうな女性で、もう1人はある意味おキヌ。横島・美神と縁があるともいえる、薄紫に蛇を思わせる金の目をした女性。2人は魔族であり、何度も横島と美神と戦った「べスパ」そして「メドーサ」だった。なぜそんな2人とおキヌが行動を共にしているとかと言うと

 

「すまないねえ。あたしはどうも料理は苦手でね」

 

「あたいもだ、迷惑かけるよ。本当」

 

頭を下げてくるメドーサさんとべスパさんに私は

 

「いいえ、構いませんよ。それよりも早く食べましょう」

 

コスモプロセッサで蘇ったメドーサは滅の文珠で消滅したが、コスモプロセッサの力で再び蘇った。だがその時にはアシュタロスは既に死に、自分も追われる身だったが、魔界正規軍にその腕を見込まれ軍属になる事を条件に身の安全を約束されていた。そして今は……

 

「横島と美神の護衛かぁ……なんとも奇妙な役回りだね」

 

メドーサとべスパは文珠使いの横島と時間跳躍の能力を持つ美神。その2人の身辺警護を勤めていた。おキヌは通貨の単位やその勝気の性格でトラブルを起こしていたメドーサとべスパに偶然出会い。話を聞いてそのまま共に行動するようになったのだ

 

「いつまで続くんですか?」

 

「わからいさね……上からの指示が終わるまでか?それよりおかわり」

 

お碗を差し出すべスパさんにご飯をよそりなおしていると

 

「良いのかい?横島の奴に呼ばれてたんだろう?」

 

確かに今日横島さんに仲間が集まると聞いていた、だけど私はそれに顔を出したいとは思えなかった

 

「その正直に言いますと……私。美神さんなんて大嫌いなんです」

 

「そりゃまたなんで?」

 

驚いた顔をしているメドーサさんに私は軽く笑いながら

 

「横島さんが美神さんと結婚したの、文珠で理性を飛ばされて既成事実を作られてしまったからなんですよ」

 

私はその時忘れ物をして事務所に帰り、横島さんの口に文珠を入れる瞬間を見た。だけど私はそれを悪い夢だと思った、いくらなんでも美神さんがそんなことをするわけが無いと……

 

「「はぁ!?」」

 

揃って驚いたという声を上げるメドーサさんとべスパさん。だけど後日どうしても気になり尋ねた。美神さんは少しばつが悪そうな顔をしたが、それを認めた……私は最初は祝福していたけど、その話を聞いてから美神さんに会うのが苦痛になった。そして横島さんが余りに不憫で忍びなかった。だから私は距離を取ることを選んだ……

 

「だけど蛍ちゃんに罪はないですし、私は横島さんには笑ってて欲しい。だから美神さんには何もしない、憎いともなんてひどいことをしたのとも思いますけど、何もしません。横島さんを護ってくれているメドーサさんとぺスパさんには感謝しています」

 

魔族と元神族の護衛。これ以上にない護衛だろう……だけどまぁ……

 

「メドーサさんが横島さんをたまーに熱い目で見てるのは気に食いませんが」

 

思わずくすくすと忍び笑いが零れる。愛憎と言う言葉がありますけど、メドーサさんはまさにそれだとおもうんですよねーと笑いながら言うと

 

「いや、ほら……変な話あたしの四分の一くらいは横島の霊基構造だし、奇妙な感じだけど父親とか兄貴みたいに感じなくもない」

 

メドーサさんは2回横島さんに殺され、しかも最終的には横島さんの身体の中で再生した事もある。奇妙な親近感を抱くのも無理はないとおもう

 

「メドーサさん。時間跳躍できる神具とかないんですか?」

 

「そんなのあったらあたし……いや!今のなし!無しだからな!!」

 

思わず口が滑ったという顔をしているメドーサさん。多分メドーサさんもどこかで納得してないのだろう、文珠を使ってまで横島さんと結婚した美神さんの事を。べスパさんにいたっては不機嫌そうに酒を煽り続けている、横島さんが愛したのは彼女の姉。そんな方法で横島さんを捕まえようとした美神さんを苛立ちを感じているのだろう

 

「妙神山管理人小竜姫!魔界正規軍のべスパ、メドーサ両名と話がしたい!この結界を解除してください!」

 

外から聞こえてきた声に思わず私たちは顔を見合わせた、メドーサさん達の護衛は極秘なはずなのに如何して……もしかしたら何かの罠なのではと怪しむべスパさんとメドーサさんを見ていると、結界の外から

 

「お願いします。結界を解除してください、今この事を話したいんです。私は神なのに、竜族なのに、今自分でもどうしようもない気持ちと感情に囚われている。だけど神族や老師に話せない、だから話だけも聞いてください」

 

その必死な声を聞いたメドーサさんは結界を解除して

 

「入ってきな!あたし達も色々と考えたいことがあるんだ!!」

 

そう怒鳴り、イスを1つ増やし私を見て

 

「酒追加お願いできるかい?美神の奴の話を聞いて、少しいらっと来てるんだ」

 

「あたいも頼むよ」

 

恐らく小竜姫様も横島さんと美神さんの結婚の真相をどこかで知ってしまったのだろう。だからこうしてここに来た、ならば迎え入れよう。どうしても認めたくない真実を知ってしまった私たちだけで話をするのもいいはずだ……そうして私達は美神さんと横島さんの結婚での真実とどうしても諦めれないという話を延々と朝まで繰り返すのだった……

 

 

プロローグ3に続く

 

 




逆行の所まで中々話が進まない。再構成の逆行物、プロローグはシリアスですが、本編からはギャグテイストで勧めれるのでそこまではシリアスを頑張って書いていこうと思います。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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