GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回はノスフェラトウ戦まで書いていくつもりです。後次回では久しぶりに仮面ライダー出ます、新しい眼魂も入手できると思います、何を入手するかはもう判っていると思いますけどね、それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その8

 

 

 

外伝リポート 外史からの来訪者 その8

 

視界の先にある奇妙な城を確認する。都庁の上を押しつぶすようにして出現している城と、周囲を覆っている蜘蛛の巣……蘭丸を倒したのでこの結界も解除されているのでは?と期待していたんだけどなぁ……物事って言うのはやっぱり思い通りには行かないものね……

 

「なかなか厄介なワケ。どうやって攻略するつもり?」

 

エミの問いかけに私もそれが聞きたいわよと返事を返す。ノスフェラトウが魔界の門を開くと思われる時間まで後5時間……蘭丸を倒した後に直ぐ出発できれば1番良かったんだけど、霊力を回復させないといけなかったし、何より装備を整える時間が必要だったので完全に夜になってからしか出発できなかった。今は発見されないように都庁の方角を偵察しているけど、ゾンビが巡回していて見つからないで突入するって言うのは難しそうね。どうやって都庁の内部に侵入するか考えていると、風に乗って横島君と蛍ちゃんの声が聞こえてきた

 

「横島。あんまり思いつきで霊力を使ったら駄目よ?何が起きるか判らないんだから」

 

「いやさあ?俺もタイガーもあんなことになるなんて思ってなかったんだよ」

 

後ろの方でまいったまいったと笑う横島君。蘭丸を撃破した陰陽術で強化したライフルの反動は凄まじく、タイガーは両腕が痺れて動かなくなってしまい。横島君自身も軽い打撲を負ってしまった

 

(本当とんでもないことをするわよね)

 

私の知らない所で横島君も修行をしていたのか、水の陰陽術を利用した幻術に、陰陽術による武器の強化と言うオリジナルの戦術を確立していた。無論試したことがないので暴走気味なのが不安要素だが、サポーターとしての能力が上昇していることは間違いない

 

「……水を選んだのは良い選択だ。今度から水の扱いを教えてやろう」

 

「おう!頼むな!シズク」

 

水の扱いに関してはシズクに聞くのが一番だ。そのうち氷とかも使うようになるかもしれないわねと思いながら、偵察していた場所から降りて横島君達と合流し。どこから進入するか話し合う

 

「美神君。やはり城の後ろに回りこむのは難しそうだ、ゾンビの数もそうだが、蜘蛛の巣がめちゃくちゃ張られている。回り込めば絡め取られて終わりだろう」

 

同じように偵察していた唐巣先生がそう呟く、出来れば背後からの奇襲がベストだったんだけど、それは無理みたいね

 

「大分偵察していましたが、定期的にゾンビが増えているので正面突破も難しいかと」

 

ピートの偵察の結果を聞いて更に気が滅入ってくる。普通に都庁を上って城に侵入するだけでも相当時間を食う。後5時間でノスフェラトウを倒す事がは不可能だ

 

「美神さん、俺に考えがあるんですけどー?」

 

【うむ、我も聞いたが、かなり無謀で危険を伴うが運が良ければ都庁を昇る時間を大幅にカットできる】

 

【カカ!思い切りの良い事を考える男じゃ!いいぞ、実にワシ好みだ】

 

横島君の作戦を聞いた心眼とノッブの言葉に対して、蛍ちゃんやおキヌちゃんの反応は険しい物で

 

「下手をすると侵入できず全滅します」

 

【わ、私も危険だと思います】

 

……反対意見があるほどの危険な作戦を思いついたようだ。だがシズクが何も言わないのは何でだろうか?と思っていると

 

「……私が居るから出来る作戦だ。なら私はそれに応える」

 

今の段階ではノスフェラトウの城に辿り着く事も出来ない。それならと横島君の作戦を聞いてみることにした

 

「と、とんでもない事を考えるね」

 

「でもこの状況じゃあ賭けに出るのも仕方ないワケ」

 

それは作戦と言うよりかは無謀な賭けとしか言い様がない。だが成功すれば一気に形成を逆転できる可能性を秘めていて……このままでは魔界が出現するのを止める事は出来ない。ならば

 

「いいわ、それで行きましょう」

 

本気ですか!?と叫ぶ蛍ちゃんに本気よ!と返事を返し、近くに止まっているバンを見て

 

「唐巣先生!横島君手伝って!タイヤを全部換装するわよ!」

 

この作戦の為にはノーマルタイヤでは駄目だ。スタッドレスに交換し、荷物を全部バンの中に積み込み

 

「さー。皆覚悟して貰いましょうか」

 

全員シートベルトを締めたのを確認してから、私はアクセルを全力で踏みつけ都庁へと走らせるのだった……

 

 

 

普通に突入できないと言うのなら、普通じゃない方法で突入しようと意見を出したのは俺だが

 

「「「うあわああああああ!?!?」」」

 

ジェットコースターよりも更に酷い衝撃が左右から掛けられて悲鳴を上げてしまう

 

「くっ!このっ!!!」

 

アスファルトを削る音が響き大きく車体が振られる。シートベルトをしてなかったら大変なことになっていたかもしれない

 

【はははは!!愉快愉快!面白いぞ!!!】

 

幽霊のノッブちゃんはダメージなんて受けないので、楽しそうに笑っているが、俺も蛍も叫びすぎて喉が痛くなってきた

 

【横島。大丈夫だ、何も心配することは無い。お前は私が守っているからな!】

 

うん、心眼ありがとう、ただバンダナの姿でどうやって俺を守っているのか?それを今度俺に説明してくれないかな?それを教えてくれないとどうしても安心なんて出来る訳もない。そんな事を考えていると、ゾンビの攻撃が当ったのかバンが大きく揺れる。とんでもない加速をしている中で横からの衝撃を受けたので、バンが大きく揺れる。美神さんの運転技術があるから横転することは無かったが、車体が揺れまくるのでめちゃくちゃ怖い。蛍も限界が来ているのか、さっきまではベルトを握り締めて耐えていた蛍も限界が来たのか

 

「っきゃあああ!?も、もういやああ!!!」

 

蛍が隣で泣き叫ぶ。何とかしたいと思って提案したが、早まった事をしたかもしれない、普段は格好良い蛍がこれだけ泣いているのを見ると蛍に可哀想な事をしてしまったと反省していると

 

「シズク!そろそろよ!」

 

美神さんがそう怒鳴る前にバンの進む先に氷で出来た道が現れる。そう、これが俺が考えた作戦。氷で出来た道とジャンプ台を使って都庁の上階に直接突っ込むっと言う今考えると作戦もクソもない、ただの特攻である

 

【美神さん!もうちょっと!もうちょっと上の階を目指してください!】

 

「もう少し上の階に会議室があります、そこに突っ込みましょう!」

 

おキヌちゃんと霧になって着地場所を探していたピートの話を聞いた美神さんは了解と返事を返し、更にアクセルを踏み込む、凄まじい加速のGが襲ってきて思わず顔を歪める。隣の蛍に至ってはガチ泣きしている、ノッブちゃんだけは

 

「れ、れれれ!令子ぉ!運転ミスするんじゃないわよおおお!?」

 

助手席のエミさんがそう叫び、除霊具を抑えている唐巣神父はさっきから何の反応もない所を見る限りでは気絶しているようだ

 

「もういやああああ!よこしまぁッ!こわいいいいいいッ!!!」

 

「おうふ!?」

 

【待て!蛍!?怖いのは判るが、胸に抱え込むな!横島の集中……駄目だ!もう手遅れだ!?】

 

泣きながら俺の頭を抱え込む蛍、心眼が何かを叫んでいるのが聞こえるが、そんなのはどうでも良いと思った顔に当る柔らかい感触と甘い匂いにさっきまでの罪悪感は消えて、この作戦を提案してよかったと思った瞬間

 

「飛ぶわよ!」

 

美神さんの怒鳴り声が聞こえたと思った瞬間。凄まじい浮遊感が俺を襲う、事実俺の見間違いで無ければ俺や蛍の身体は宙に浮いていた

 

(む、無重力状態!?)

 

目の前の蛍のスカートが捲れて。青と白のストライプの神秘の三角形を見たと思った瞬間。凄まじい衝撃が襲って来て、目の前の神秘の三角形に目を取られていた俺は受身を取ることが出来ず、バンの窓に強か頭を打ちつけて意識を失ってしまうのだった……

 

 

 

横島の考えた作戦で都庁の上層階にバンで突入すると言う、特攻一歩手前の突撃で何とか体力はともかく、霊力は温存した状態で突入できた

 

「う、うーん……」

 

私の近くで目を回している横島を起こそうとして止めた。横島は鼻血を出して、顔が緩んでいる。余りの恐怖に横島の顔を胸に抱え込んでしまったので、そのせいでオーバーヒートしてしまったのだと判ったから、横島のバンダナに目を向けると心眼が白目を向いている、どうも心眼までも着地の衝撃で意識を失っているようだ

 

(やっぱり意識してくれてるのよね)

 

この反応を見れば、少なくとも私を異性として意識してくれているのが判った。周りに魅力的な女性が多いので少し自分に自信が無かったけど頑張ろうと思えてくる。とりあえず横島のシートベルトを外して背負うようにしてバンの外に出ると

 

「は、吐く……うう……吐くよ……まじ。まじでやばいって……」

 

「先生!先生しっかりしてください!!」

 

普段の丁寧な言葉遣いとは思えない、まるで女子高生のような喋り方をしている唐巣神父にピートさんが乗り物酔いの薬の水を差し出している。シズクとノッブ、それとおキヌさんの姿が見えないけど、どうしたんだろう?そんな事を考えながら出入り口のほうに視線を向けると

 

「あ、足が震えて立てない……」

 

除霊具の詰まった鞄の近くにはエミさんが小鹿のように震える足で立とうとしてはその場で尻餅をついている、短いスカートを穿いているので下着が丸見えになっている。横島が気絶していて良かったと思いながら周囲を確認する。ピートさんの言う通り会議室に突っ込んでいたので近くに椅子や机が見えるのでその上に横島を横にする。ポーチから結界札を取り出し出入り口に走る

 

「あら蛍ちゃん。思ったよりも早く復帰したわね。ちょうどいいわ、手伝って頂戴」

 

美神さんの言葉に判ってますと返事を返し、出入り口を結界札で封鎖する。これだけの轟音を立てたのだから都庁の中に散っているゾンビが集まって来ている筈だ。着地の衝撃でどれだけ意識を失っていたか判らないが、時間的な余裕が無いのは確実だ。美神さんと素早く結界札を貼り終えると、それから数秒後どんどんっと扉を叩く音が響いてくる。ギリギリセーフだったようだ、美神さんと揃って扉に背中を預けそのまましゃがみ込む

 

「あ、危ない所だったわ……」

 

「ほ、本当にその通りですね……」

 

後数秒遅かったらゾンビがここに雪崩れ込んでいただろう……本当に危ない所だった。唐巣神父は車酔い、横島は気絶、エミさんは生まれ立ての小鹿の用に立つことが出来ない。しかも場所は会議室と戦うには不利すぎる立地と来た、結界を張る事が出来なかったらノスフェラトウと戦う前に全滅していたかもしれない

 

「美神さん、ノッブとかシズクはどうしたんですか?」

 

姿の見えないノッブ達の事を尋ねる。敵の陣営のど真ん中に居るのだから戦力を分散するわけには行かないのに、どうして姿が見えないのだろうか?

 

「ノッブは車でここに突っ込んでからいつの間にか居なくなってたわ……シズクは水を使いすぎたから水を補充してくるっておキヌちゃんとえーと……10分くらい前に出て行ったわ。戻ってきたら会議室の前のゾンビが全部吹き飛ぶから。行動するならそれからね」

 

確かに戻ってきてゾンビが居ればシズクならあっという間に殲滅してくれるだろう。それよりも気になるのはいつの間にか居なくなっていたというノッブの事だろう

 

「美神さん、ノッブの正体って判りました?」

 

紅い目と言うのは珍しいけど、顔つきはどこからどう見ても日本人だ。だからノッブなんて名前は明らかに偽名だと判る、だから彼女の本当の名前に辿り着く必要があるのだが、少女で軍略と射撃術に長け、織田信長と因縁のある英霊……ヒントは結構出ていると思うんだけど……

 

「全然全く判らないわ。大体戦国時代で女の子でしょ?武将とかになれる訳ないし……牛若丸みたいに性別を偽っていたっていう可能性を考慮しても判らないわ」

 

そうよね……あの時代のことを考慮しても、どう考えてもノッブの正体に見当なんてつくわけもない……本当一体何者なんだろうか?そんな事を考えると横島が目を覚ましたのか、頭を振りながらこっちに歩いてきて

 

「えーっと……シズクとノッブちゃんはどこっすか?」

 

横島らしいというかなんと言うか……1番最初に聞くのがシズクとノッブの事で思わず苦笑してしまう。もっと他に聞くことがあるんじゃないの?聞かないにしたとしてもこう……ほら、車で私が横島の頭を抱き抱えたのだから、もっとそこに関する反応とかが個人的には欲しいんだけど……

 

【上のほうから凄まじい霊力と魔力の反応だ……片方はノッブだな】

 

心眼が目を開きそう呟いたのと、凄まじい水の音が響いたのと、上のほうから凄まじい銃声が響いたのは全く同じタイミングだった……それはノスフェラトウとノッブが戦いを始めたと言う合図だった……そしてシズクが外から会議室の結界を解除して入って来たのと同時に横島が槍を片手で掴み止める間もなく飛び出していく

 

【親方様ッ!!今参りますッ!】

 

【蛍!美神!横島が憑依された!凄まじい制圧力だ!私では横島の意識を呼び戻すことが出来ない!】

 

横島と光秀の声が重なった奇妙な声と心眼の怒声を聞いた瞬間。私と美神さんも弾かれるように立ち上がり、槍を手に走っていく横島の後を追って走り出しながら、驚いた顔をしているおキヌさんに唐巣神父とエミさんの手当てを叫ぶようにお願いし、暗い通路を全力で走る

 

「……今。親方様と叫んでいたな!」

 

水を十分に蓄えることが出来ていたのかシズクが私と美神さんにぴったりついて走りながら尋ねて来る。確かに明智光秀は親方様と叫んでいた。明智光秀がそう呼ぶ人間は1人しか存在しない、ノスフェラトウに殺され、自分の名を奪われた存在……

 

「本物の織田信長……ってこんなの誰も気付かないわよ!?」

 

まさか織田信長が10代の少女だなんて、誰も考えても見なかった。因縁があるなんてレベルじゃない、自分の名を騙り、今も悪行をなそうとしているノスフェラトウを倒す為にノッブは……織田信長は現界していたのだ、ノスフェラトウと信長が戦うことは問題ではない。問題なのは、明智光秀が横島に憑依し、今まさにノスフェラトウと信長との戦いに乱入しようとしていることだ。英霊と悪魔の戦いに人間が飛び込むなんて正気の沙汰じゃない、なんとしても横島を止めないと……

 

「どうして横島を巻き込むのよ!?」

 

明智光秀が横島に乗り移って突き進んで行った通路を走りながら、そう叫ぶと凄まじい爆発音が上の階から響いて来て……その戦いの凄まじさが遠く離れているここまで伝わってくる。

 

「急ぐわよ!横島君が危ないッ!」

 

美神さんに言葉に走る速度を上げることを返事として、私達は都庁からノスフェラトウの魔城へと突入するのだった

 

 

 

扇子を開き舞を踊る……本来我はこのような舞を知らぬ。だが織田信長の名を騙った時、その知恵を吸収した時……この舞が脳裏に焼きつき今もなお離れないのだ。

 

(蘭丸は敗れたか……まぁ良い)

 

完全に復活したのだから配下はこれから増やせば良い、我が城に乗り込んできた人間を吸血鬼とすれば蘭丸よりもはるかに強力な手下を得る事が出来るのだから。ダンッと誰かが後ろに立ったのを感じ扇子を閉じながら開き直り、僅かに驚愕した

 

【ほう……久しいな、小娘】

 

腰元まで伸びた黒い髪に真紅の瞳。ああ、忘れる訳が無い。ニヤリと笑いながらその者の名を呼ぶ

 

【かつて織田信長だった者よ】

 

我が殺し、織田信長の名と立場を全て奪い去った事で名も無い亡霊に成り果て消滅した筈なんだが……まさか幽霊として今もなお現世に留まっているとは……な

 

【ワシの名を騙り、今もなお悪逆を行う大悪鬼ノスフェラトウッ!今こそワシの名……返してもらうッ!!】

 

着物から鎧甲冑姿になり小娘。なかなかの霊力を蓄えて来たようだがッ!全くもって足りていない

 

【笑止ッ!その程度の霊力で我に勝てると思っているのかッ!!】

 

魔力を開放するだけで、我が城の壁が吹き飛び、我と対峙していた小娘の体勢が大きく揺らぎ吹き飛ばされそうになるが

 

【ぬっくうっ!】

 

即座に腰の刀を抜き放ち、それを床に突き立てる事で堪える小娘目掛け

 

【無駄無駄無駄ッ!!】

 

両手を振り上げると同時に爪先から圧縮した魔力を飛ばす。小娘が血相を変えて飛びのいた先に回りこむ

 

【ば、馬鹿な!?あの時よりも速い!?がっ!?】

 

驚愕している小娘の顔面に硬く握りこんだ右拳を叩き込む。面白いように吹っ飛んでいく小娘を見ながら拳を握り締める。ただそれだけなのに膨大な魔力が握りこんだ右拳から溢れ出す……

 

(これほどまでとはな……)

 

強くなっていた事は判っていた。だがこうして戦ってみると遊び半分の動きでさえも、予想よりも鋭く動く……慣れるまでほんの少しだが時間が必要になりそうだなと苦笑するが、それと同時に歓喜する。バチカンの聖騎士に破れボロボロの身体で日本に辿り着き、あの小娘の霊力と知恵を吸収しなければ消滅してしまうほどに弱っていたあの時を思えば、強くなりすぎていると言うことは実に喜ばしいことだ。笑いを抑える事が出来ず笑っていると

 

【死ねぇッ!】

 

銃声の音と共に左半分の視界が途絶える。残った右目には上半身を辛うじて起こした小娘が銃を構えている姿が見える

 

【左半分を奪えば、ワシの姿を捉える事は……【左目がなんだ?】……化け物めッ!】

 

この程度の怪我などダメージの内に入らない、ほんの少し魔力を開放するだけで潰れていた左目が回復し、その様子を見た小娘の表情が曇る。あの小娘を殺した時の我だったのならば、左目を回復させる事は出来なかったがこれだけ魔力が増大していれば並のダメージなど恐れるまでも無い

 

【愚かだな。お前1人で我に勝てると思っているのかッ!】

 

再び魔力を開放しようとした時、階段から札と翡翠色の霊波が放たれる

 

【むっ!】

 

咄嗟に翼を具現化させ、向かってきた札と霊波を弾き飛ばしたが、翼が焼け焦げているのを見て、あの霊波がかつて我を倒した人間が手にしていた槍から放たれた事を理解する

 

【親方様!大丈夫ですか!?】

 

青い服に身を包んだ若い男が小娘に駆け寄る。どうやら人間の身体を借りて、我を封印したあの男が目の前に居る

 

【ふっはははははははははははははははッ!!!愉快!実に愉快!!!】

 

他にも何人か人間が居るようだが、そんなことは些細なことだ。目の前に我を殺した男が居る、借りを返す良い機会だ。今の我ならば魂ごと滅ぼす事など赤子の手を捻るよりも簡単なことだ。だが……その程度で済ませる積りなど無いがな!憑依している人間の体を引き裂き、焼き、喰らい。ありとあらゆる痛みを与えて嬲り殺してくれる!

 

【来るが良い!脆弱な人間共!貴様らを殺し、我は魔界を開き世界を我が手に掴むッ!!!】

 

 

 

 




外伝リポート 外史からの来訪者 その9へ続く

次回はノスフェラトウ戦を1話全部使って書いて行こうと思います、そして次回の仮面ライダーは信長魂を出しますが……ゴースト本編とは異なる信長に使用と思っているので、どうなるのか楽しみにしていてください。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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