GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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その15

凄い……私は目の前の戦いを見てそれしか言えなかった。

 

韋駄天の時に発現したあの謎のベルトの力が強大なのは判っていた。

 

一時的にしろ神魔の力を再現できる、それがどれだけ規格外かなんて言うまでもないだろう。

 

だが今目の前で繰り広げられている戦いはそれを遥かに越えていた

 

【ウィザード!フォーゼ!キバ!!】

 

新たに横島が変身した姿の身体の各所が光り、横島が回転しながら

 

「さぁ!ショータイムだッ!!」

 

横島の身体がぶれて4人に分身し、3人がノーフェイスが呼び出した眼魔と対峙しているルージ達のフォローに回る

 

「まだまだ兵隊は居る!我が主の為眼魂を寄越せッ!!!」

 

ノーフェイスがそう叫ぶと現れた倍以上の眼魔がノーフェイスの影から姿を見せ、横島達を無視して私達のほうに走ってくる

 

「やばっ!精霊石……」

 

咄嗟に美神さんが精霊石で結界を作ろうとした瞬間、門矢がその必要はないと叫び、美神さんの動きが一瞬止まった。

 

「さー続けていくぜ!」

 

【ウィザード!ゴースト!ディケイド!】

 

再び横島の体の箇所が輝くと横島の隣にオーロラのようなものが現れそこから韋駄天魂と牛若丸魂に変身したウィスプが現れ、無言で駆け出し私達の方に向かっていた眼魔達と戦い始める

 

「……もう本当に何でもありだな」

 

シズクが呆然とした様子で呟く。仮面ライダーって言うのは本当に私の理解を超えている。

 

「さらにオマケ!」

 

続けざまにジャックランタン魂と沖田魂のパーカーを纏ったウィスプが現れ

 

【イッヒッヒー!!】

 

【これどうなっているんですかね?私があそこに居て、ここにも私が居る?頭がパンクしそう】

 

混乱している沖田さんを尻目に楽しそうに笑いながら駆け出すジャックランタン魂を見て、流石の私も完全に思考が停止してしまって、手伝うとか考える事が出来ずに、目の前で繰り広げられている戦いを見ることしか出来ないのだった……

 

 

 

蛍達が思考停止している頃。妙神山の近くでは異常な霊力の渦が発生していた

「なんかすっげえ奇妙な感じ」

「くひひ!本当だねぇ?ついてきたけど、こんな奇妙な体験初めてだよ」

「話している時間はないのねー!急がないと!」

霊力の渦から2人の女性と1人の青年が現れ、ノーフェイスと戦っている横島達の方へと走り出すのだった……

 

 

 

 

ノーフェイスが呼び出した黒いパーカーをまとって突進してくる無数の眼魔。

 

その数は圧倒的で目の前に黒い壁が現れたかのように思えた

 

「ここは通さない」

「行きましょう。門矢さん」

 

門矢とルージの2人が私達の前に立つが、流石にこの数の前ではいくらなんでも不利だ

 

(別世界の悪霊がこんなに厄介だなんて)

 

プロのGSとして長い間活動してきたが、こんなにも自分の無力感を感じたのは初めてだ。見ていることしか出来ないなんて……

 

「大丈夫ですよ、ここは俺達に任せてください」

 

ルージ君はそう笑うと左腕に現れていた何かから2枚のカードを取り出して1枚をセットする。

 

【Absorb Queen】

 

そんな音声が鳴り響いた後にもう1枚のカードを腕の何かに通す。

 

【Evolution King】

 

金色のエネルギーで出来たカードが13枚浮かび、ルージ君の身体の周りを回っていく。

 

その光は腕や足に吸い込まれるように消えて行き、強固な装甲へと変貌していく力強さに満ちたその姿を見た門矢は

 

「キングフォームか、確かにこれだけの数だと通常じゃ厳しいからな」

 

そう笑いながら手にしたカードケースを変形させた銃で眼魔を的確に打ち抜き消滅させていく……相性の問題があるとは言え、ここまで一方的な差を見ると力の差は明確だ

 

「もしかすると横島の姿も更に変化していくのかもしれないですわね」

 

仮面ライダーが何かは私もくえすも判らない、ただ本来は別の世界に存在する力の概念。

 

それを何故横島君が使えるのか?それは確かにずっと引っかかっている疑問だ。

 

妖怪などに懐かれやすいのは判る、そして霊力の篭手も陰陽術も理解できる。

 

だがあのベルトと仮面ライダーの力は明らかに異質だ。そしてその力を持つ門矢と名乗る別の世界の横島君……

 

(いままでおざなりにしてきたけど、あの力についてももっと調べるべきなのかもしれないわね)

 

戦えるから良いと思っていたが、いつまでもそれでは駄目だ。なにかあってからでは遅いのだ

 

「出来損ないで私を押さえられると思っているのか!」

 

アランがそう叫び向かってくる眼魔を見た事の無い体術で葬り去っていく、門矢やルージ君と違って派手さは無いが、確実でそして計算し尽された動きだ。

 

(ただの腹ペコじゃなかったのね)

 

食べている姿しか見てなかったが、やはりアランも只者ではなかったようだ。

 

「まだ出てくるか、いい加減鬱陶しいな」

 

「ですね、一気に決めましょうか?」

 

「……それが良い、いつまでも戦っていたのでは、こちらの体力が先に底を着く。まだ出てくるにしろ、1度数を減らすべきだ」

 

倒したら倒した分だけ現れる眼魔に痺れを切らしたのか、門矢はバックルにセットしたのを外して何か操作する。

 

【GAIM!KAMENRIDE!KIWAMI!!】

 

そんな音声が流れた後にバックルに戻すと門矢の胸の8枚のカードが一斉に回転して1種類のライダーになった後に門矢の隣に白銀の装甲を持ったカードに描かれたライダーが現れ、門矢と同じ動作をしているのに驚く中で門矢はカードをバックルから右腰に移動したのにセットする。

 

【FINAL ATTACK RIDE Ga・Ga・GA・GAIM!!】

 

「一気に消し飛べ」

 

その後に現れた白銀の装甲を持ったライダーが手にした銃を眼魔達に向け、まるでDJのような動きで手にした銃に備え付けられた円盤を回転させると、これだけ離れていても凄まじいエネルギーを放っているのが判る

 

「これで一気に決めます」

 

その隣でルージくんは体を光らせると5枚のカードが飛び出してルージくんの手に収まった後にルージくんは現れたカードを手に持った剣へと投入する。

 

【スペード10、J、Q、K、A】

 

電子音声で読み上げられるそれはトランプの役……それも最高の役であるロイヤルストレートフラッシュと同じ物だった。

 

それはルージ君のもてる最大の攻撃なのか、眩いまでの黄金の光が周囲を照らしていき、眼魔達へと向けて投入された5枚のカードの幻影がレールの様に展開される。

 

【ダイテンガンッ!ネクロム!オメガウルオウド!】

 

「遊びはここまでだ」

 

アランの背後に緑色の眼で出来た紋章が浮かび上がる、それは横島君が変身するウィスプと酷似していた

 

【ロイヤルストレートフラッシュ!】

 

「これでトドメだ!」

 

「はあああああッ!!!」

 

門矢とルージ君の気合の篭った声が重なると同時に、白い仮面ライダーと門矢が手にしている銃から凄まじい光線が打ち出され、眼魔達の右半分を消し飛ばし、それに続くようにルージくんの剣より放たれた金色の閃光が今度は左半分を飲み込み消滅させる

 

「はあああああああッ!!」

 

そして最後にアランの飛び蹴りが残った眼魔達を全て消し飛ばした……私は目の前の光景を見て絶句することしか出来ないのだった……

 

 

 

私は完全になったはずだ……なのに何故!?私は目の前の光景を見て完全に混乱しきっていた

 

「はあ!」

 

「ふんッ!!」

 

呼び出しても呼び出しても消えていく主から借り受けた兵隊達。あのベルトを持たない者では眼魔を倒すことは出来ない、だからその後ろに居る女達を狙えと指示を出しているのだが、届かない。圧倒的な物量で押している筈なのに、ただの1体も女達の前に立つ事が出来た眼魔は存在しない

 

【いっきますよー!】

 

【イッヒッヒー!!】

 

先ほどの凄まじい光によって呼び出した眼魔の殆どが消滅し、残った眼魔も凄まじいスピードで撃退されている

 

【ムサシ!ラッシャイ!】

 

「力を貸してくれ武蔵!」

 

【任せられた!タケル!】

 

眼魂を奪われ、そして天空寺タケルは新たな力を取り戻し、パーカーゴーストを呼び出し、共に向かってくる

 

「行くぜッ!!」

 

【カブトッ!555ッ!ドライブッ!!!!】

 

横島忠夫は目にも止まらぬスピードで向かって来て、反撃も防御も出来ず一方的に殴り蹴られる

 

「貴様の存在を私は認めない」

 

「ここまでだな」

 

ずっと呼び出していた兵隊も全滅したのか、それと戦っていた者も合流してくる

 

「がっがはっ!?」

 

ありえない!ありえない!!!私は完全になった!完全になったのだ!私は失敗作などではない。だから負ける筈がない、こんな事になるはずがない!私は勝利し、眼魂を手にして主の元へ戻るのだ。そして私は完全な存在となり主へ仕えるのだ。こんな所で死にはしない……死んではならない……だが私の意思に反して身体が動くことはない

 

「これで終わりだ!」

 

【ダイカイガン!平成ライダー!オメガドライブッ!!】

 

「命燃やすぜッ!」

 

【ゼンカイガンッ!グレイトフルッ!オメガドライブッ!!】

 

「消えろ!」

 

【ダイテンガンッ!ネクロム!オメガウルオウド!】

 

「あるべき所へ帰るんだな」

 

【FINAL ATTACK RIDE De・De・De・Decade!】

 

それぞれが独特の動作をした後に飛び上がり、凄まじいエネルギーが込められた蹴りが向かってくる。

 

防がなければ、避けなければ……そう判っているのに身体は動かない

 

「ぐっ、ああああああああ!?!?」

 

凄まじいまでのエネルギーに身体が焼かれる、私が消える……消えてしまう……

 

(まだ、駄目だ……)

 

まだ私は何も成し遂げていない。主の役に立つ為に生まれと言うのに、私は……まだ死ねない、まだ死ぬことは許さない……だが私の身体は燃えていく……

 

『マダ……マダダ!!』

 

まだ消えることは許されない……まだ……まだ……マダマダマダッ!!マダマダマダッ!!そして私の核にエネルギーの本流が迫ったとき……体の中で何かが軋みを上げて動き出した……

 

 

 

お、終わったのか……?エネルギーの炎に焼かれ、倒れて動く事のないノーフェイスを警戒しながら見つめる

 

「いくらなんでもあそこまでの攻撃を受けては流石の奴も回復できまい」

 

アランがそう呟く、眼魂を奪われる訳には行かないので徹底して速攻をかけたが、速攻だったゆえに倒しきれたの

か?と言う不安が胸を過ぎる、だがいつまで立っても動き出す気配は無い

 

「これで終わりだな」

 

警戒していたアランが構えを解いた瞬間。炎に呑まれていたノーフェイスの指が動いた、慌てて構えを取るが反応はそれだけでやはり動き出す気配は無い。だが消える気配も無い……

 

(どうなっているんだ?)

 

今まで倒した眼魔はパーカーが弾け飛んでから爆発していたが、ノーフェイスにはそれが無い。この世界の眼魔だからだろうか?消え去る気配の無いノーフェイスを見つめていたその瞬間

 

【ゼンカイガンッ!!!】

 

不気味な機械音声が周囲に響き渡り、ノーフェイスの周りに15のパーカーが浮かび上がる。

 

「まさか!止めるんだ!!」

 

慌ててサングラスラッシャーを振るいパーカーを打ち落とそうとするが当らない。門矢さんや横島さんも攻撃するがやはり当らず、15のパーカー全てがノーフェイスに重なった瞬間炎が弾けとび

 

「ば、馬鹿な……ありえない」

 

アランがよろよろと後退する、俺も同じように後ずさっていた……何故ならばノーフェイスの姿は今俺が変身しているグレイトフルと酷似した姿をしており

 

【コレヨリマッサツをカイシシマス】

 

先ほど響いた機械音声音が響くと同時にその手が腰のベルトに伸びる

 

「門矢さん!」

 

「判っている!」

 

あれがもしグレイトフルをコピーした姿と言うのならあれを許してはいけない、1番近くに居た門矢さんが飛び出すが……遅かった……

 

【ムサシ!エジソン!ロビンフッド!ニュートン!ビリー・ザ・キッド!ベートベン!ベンケイ!ゴエモン!リョウマ!ヒミコ!ツタンカーメン!ノブナガ!フーディーニ!グリム!サンゾウ!】

 

機械的な声と違ってスムーズに動いたノーフェイスの指。そして俺達の目の前に現れた15の影。それは俺の予想通り英雄の力を持った15体の眼魔だった……

 

【ヤレ】

 

【【【【【!!!】】】】

 

それぞれの英雄眼魔が己が得意とする武器を構えて向かってくるのを見て、俺と門矢さんが同時にベルトに手を伸ばしたが

 

【!!!】

 

「「ぐあっ!?」」

 

俺と門矢さんの腕が大きく弾き飛ばされる。痺れる右手に突き刺さっているのはエネルギーで出来た弓矢、門矢さんには銃弾……

 

(これはロビンフッドと信長か!?)

 

ノーフェイスの隣で4人に分身し素早い動きで矢を放ったのだと判る。ロビンフッドの力は知っていたが、こうして敵に回った時にその脅威がよく判る……って

 

「横島さん!ピンクの眼魔から離れろッ!」

 

横島さんに突っ込んでいる眼魔を見てそう叫ぶ。間違いなくあの眼魔は卑弥呼の力を持っている、となると幽霊に近い俺や横島さん、そしてアランの天敵だ。だが警告が遅すぎた

 

「えっうわああ!?」

 

【!!】

 

下からの切り上げの直撃を喰らい吹き飛ばされた横島さんがこっちに転がってくる。

 

そのダメージは凄まじかったのか平成魂が解除されてウィスプに戻っている。追撃にと走り出す卑弥呼と竜馬を止めようとするが

 

【【【!!!】】】

 

「くっ!不味い!」

 

武蔵・弁慶・三蔵が立ちふさがり救援に回ることが出来ない。さっき横島さんの平成魂の能力で呼び出したジャックランタン魂と沖田魂、韋駄天魂、牛若丸魂も

 

【横島君!くっ!このおっ!!】

 

【イッヒ!?】

 

ビリーザキッド・フーディー二・グリムの遠隔攻撃の得意な英霊の能力を持った眼魔に押さえ込まれていた

 

「くっ!俺がッ!」

 

ルージ君の足が光り凄まじいスピードで走り出したが、その動きが止まり、膝を付く。これは……!?

 

【!!!!】

 

重力で動きを止められたこんな事が出来るのはニュートンだけだ。近いのに、手が届かない。このままでは横島さんが危ない、そう思った時

 

「ワンワンワンワンッ!!!」

 

凄まじい声で鳴きながらキャットが俺の前を走って行く、横島さんを護ろうとしているのは判るが、あんな子狐で何か出来るとは思えない。そう思った時

 

「殴ッ血KILL (ブッちぎる ) !」

 

タマモキャットの身体が光り、赤い着物を着込んだ美しい女性の姿へと変わっていた。そして凄まじいスピードで振るわれた両爪が卑弥呼と竜馬を弾き飛ばし、横島さんの前に立つ

 

「我こそはタマモナインの一角、野生の狐タマモキャット!ご主人を傷つける者は許さんぞ!」

 

た、タマモナイン?……何それ?思わず困惑しているとタマモキャットは

 

「うん……というわけで皆殺しだワン! 『 燦々日光午睡宮酒池肉林(さんさんにっこうひるやすみしゅちにくりん)ッ!!!」

 

ニャーンッ!!!と言う凄まじい猫の声が響いたと思った瞬間。俺達の前に居た15体の眼魔全てが吹き飛ばされる

 

「はあ!?なによあれ!?」

 

「……馬鹿狐の欠片だけあって吹っ飛んでいるな」

 

「コーン!?」

 

後ろのほうで困惑している美神さん達の悲鳴が聞こえる。俺自身もかなり混乱している、猫の声しか聞こえなかったけど……なんで全部吹き飛んでいるのだろうか……?と言う疑問は残るが、その威力で体勢を立て直す隙が出来た……そう思った瞬間

 

金色の光が目の前を過る。

 

「ま、また別の仮面ライダー?」

 

金色の光が目の前を過ぎったと思った瞬間。金色の姿をした見覚えの無い仮面ライダーが俺達とノーフェイスの間に立っていた

 

【キケン。ハイジョシ……!?!?】

 

その金色のライダーが右手を向けるとノーフェイスの身体が眼に見えない巨大な手で掴まれた様に動きが止まる

「……」

 

そのまま右手を上げるとノーフェイスの身体が浮かび上がり、振り下ろすとノーフェイスの身体が岩山に叩きつけられる

 

【グガ……ウッ!?ガハア!?】

 

何度も何度も岩山に叩きつけられるノーフェイス。何がどうなっているんだ……あのライダーは味方なのか?……目の前で圧倒的な力を持つ金色のライダーに恐れを抱かずにはいられなかった

 

【全開眼!絆!オメガドライブッ!!!】

 

「……」

 

金色のライダーの身体から凄まじい数のパーカーゴーストが飛び出す、その数はグレイトフルの倍の30

 

「馬鹿な……英雄眼魂は15個のはずだ……その全てが此方側にある。ではあの眼魂はなんなんだ!?」

 

アランの悲鳴にも似た声が響く中、30のパーカーゴーストは複雑な魔法陣を描き出し

 

「ッ!!!!」

 

飛び上がった金色のライダーはその魔法陣のエネルギーを纏った飛び蹴りをノーフェイスに叩き込んだ

 

【ギガア……】

 

その苦悶の声がノーフェイスの最後の言葉になり、爆発と共にノーフェイスの姿は完全に消えた

 

「お前は何者だ?」

 

門矢さんがそう尋ねるが爆発を背にしていた金色のライダーは何も答えず、此方を向いた。その腰に巻かれていたのは俺のと同じゴーストドライバー……

 

(マコト兄ちゃんじゃない……じゃああれは誰なんだ……?)

 

誰が変身しているのか?そしてあの異常な力を持つ何者かに警戒を強める。だが金色のライダーは興味が無さそうに俺と門矢さんを無視して何かを横島さんに投げつける

 

「うわっとと!?こ、これは?」

 

投げつけられたのは眼魂だった。しかし英雄眼魂とも違う、全く別の何かの眼魂だった。漆黒の球体に縁取りが金……どこと無くグレイトフルを連想させる眼魂にはGと言うナンバリングが振られていた

 

「……」

 

そして横島さんに謎の眼魂を投げつけた金色のライダーは現れた時と同じように、金色の粒子と化して解けるように消えていくのだった……

 

何者かは全然わからないけど1つだけ分かる事は…ひとまず、戦いが終わったと言う事だけだ。

 

 

「ノーフェイスは敗れたか……」

 

妙神山に使い魔を送る事が出来ないので、ノーフェイスの視界を共有し見ていたが、敗れる事が前提だったとは言えもう少し粘ると思っていたんだがな……

 

「下手に改造しすぎたのが裏目に出たか……まぁ、良いデータは残ったと思えば良いか」

 

12の眼魂全てを取り込んだ暴走形態。あれが想定外だった訳だが、横島が変身したウィスプの能力を模倣する事には成功した。それだけでノーフェイスの役割は十分に果たした

 

「私の理論は間違いではなかった。ならば……」

 

集めたデータを統合し、実行ボタンを叩く、すると私が今まで集めたデータを下に霊石の削りだしが始まる。

 

「あとはこれをベースに試作を繰り返すだけだな」

 

機械が停止し、そこから姿を見せた篭手と、その隣に転がる黒い眼魂を見て私は笑みを深めるのだった……

 


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