眼魂を持っている冥華の提案により模擬戦をする事になった横島達。
先手必勝と放たれた忠夫の陰陽術により発生した霧で視界を遮られたルージとゴーストはアランの攻撃を受けていた。
攻撃しようにも霧のせいでルージは大刀であるムラサメブレードを振るえずにガードにしか使えない。
ネクロム「なかなかやるじゃないか」
忠夫「まあな(だけど水の霧をいつまでも維持できないなぁ…;)」
褒めるネクロムに軽く返す忠夫だが内心は冷や汗だらだらであった。
今出してる水の霧は範囲が広い上に不確定多数を狙うので身を隠すのに最適だが霊力の消耗が激しいのだ。
ゴースト「くっ、霧でアラン達が良く見えない…」
ルージ「この霧から出ないと…良し!」
呻くゴーストの後にルージは呟いた後にゾイドブレスの赤いボタンを押す。
ルージ「ハヤテライガー!!」
ルージの咆哮と共にゾイドブレスのムラサメライガーも咆哮すると同時に大刀に書かれていた『村雨』の字が『疾風(はやて)』になって大刀はルージの手から離れて大空へ高く飛ぶと同時にルージを炎が包み込む。
ネクロム「む?」
忠夫「な、なんだ!?」
霧から出て来た大刀に忠夫は驚き、ネクロムも動きを止めた所に霧から飛び出したルージの蹴りを受けて倒れる。
ネクロム「ぐっ!」
それに誰もが驚く中で炎がはじけ飛ぶと鎧の青い所が紅く染まり、背中にブースターの様なのを装着したルージが現れ、大空から『疾風(はやて)』と書かれた小刀と小太刀が振ってきてそれをルージは掴んでポーズをとる。
蛍「鎧の色が変わった!?」
門矢「ルージのあの姿はハヤテライガー。どう言うのかは…の前に…ルージ!さっき言った事なし!」
ルージ「分かりました!」
それに蛍達にそう言った後に大声でそう言う門矢にルージは頷く。
ルージ「行くぞ!」
その言葉と共にルージの背中のブースターが火を噴いた瞬間…ネクロムは斬られていた。
ネクロム「ぬう!?」
忠夫「アラン!急急如律令!水精招来ッ!!!我に仇なす者を束縛せよ!」
それに呻くネクロムの後に忠夫が捕まえようと先ほどは違うのを発動するがルージの速さに捕まえ切れずに再びネクロムは斬られて、忠夫はキックを叩き込まれる。
忠夫「ごふっ!」
おキヌ【横島さん!】
冥華「え~ルージくんの上司の門矢く~ん。解説をお願いできるかしら~」
蹴られた所を抑える忠夫を見て叫ぶおキヌの後に冥華が門矢へ聞く。
ちなみに門矢は六道学院に入る前に忠夫と見比べられて騒がれない様に帽子をかぶり、度なしのぐるぐるメガネをかけている。
門矢「まずルージの最初の姿は言わばスピードとパワーがバランス良く取れた基本の形態なんですが紅い姿のハヤテライガーになると速さに特化するんです。これをルージや元を知ってる人は形態変化の事を『進化(エヴォルト)』と呼んでます。ちなみに最初の姿の名前はムラサメライガーです」
美神「エヴォルト…成程、速さを求めた事での進化…ってこと?」
解説する門矢に美神は納得しかけて彼の言った事が気になる。
【カイガン!ニュートン!リンゴが落下!引き寄せまっか!】
ただ、それを聞く前に霧の中からそう言う音声が響いた後に霧が何かに吸い込まれて行く。
どんどん吸い込まれて行くとゴーストの姿が見えて来るがそのゴーストの姿は青色のパーカーを纏い、両手にグローブをはめていて左手を付き出していた。
霧はニュートン魂になったゴーストの突き出された左手のグローブ前に集まって行くと大きな水玉となり…
ゴースト「はっ!」
忠夫「わぷっ!?」
その後に右手を付き出すと水玉は忠夫に向けて飛んでいき、忠夫はもろに水玉を受けてびしょ濡れになる。
美神「今の…引力を操って斥力で吹っ飛ばした?ニュートンは万有引力の法則を発見したからニュートン魂は引力を操作するのが特徴なのね」
その光景に美神は呟く中でゴーストNSは次にネクロムを引き寄せたり吹っ飛ばすの連続攻撃をする。
攻撃を受けている中でネクロムの緑色の部分が暗くなって行く。
ネクロム「くっ!良い気になるな!」
それに対してネクロムは模擬戦になる前に冥華によりくじで均等に配られたフーディーニ眼魂を取り出してスイッチを押してセットする。
【ローディング!】
すると駐車場に止められていたマシンフーディーが無人で走って来る。
それに誰もが驚いた後にマシンフーディーは左右に展開してフーディーニゴーストに変形する。
忠夫「ええ!?」
蛍「バイクがパーカーゴーストに!?」
美神「だからタケルくんは特殊と言ったのね…」
それに知らないメンバーは驚く中でネクロムはボタンを押す。
【テンガン!フーディーニ!メガウルオウド!エスケープマジシャン!】
音声の後にネクロムへフーディーニゴーストが装着されるとネクロムフーディーニ魂となる。
ネクロムHS「ふっ!」
その後にネクロムHSは紙吹雪と共に消える。
ルージ「消えた!?」
忠夫「どこ行った!?」
ネクロムHS「どこを見ている?私はここだ!」
それに誰もが驚いた後にネクロムHSは飛びながらルージを後ろから強襲する。
ルージ「うわっ!」
ネクロムHS「先ほどの礼だ」
いきなりの強襲にルージはステージを転がる中で観客は誰もが驚く。
おキヌ【飛んでますよ美神さん!】
美神「まさかバイクが変形して飛行ユニットって…」
門矢「ってか脱出王が飛ぶってありかい…あとおキヌちゃんも普通に飛んどるやないか;」
蛍「それには同意するわ私も;」
その光景に興奮するおキヌに美神は半場呆れ、門矢はそう言っておキヌにツッコミを入れて蛍もうんうんと頷く。
流石に二度目は受けないと避けた後ルージはネクロムHSとぶつかり合う。
その中でネクロムHSは仮面の中で先ほどのゴーストチェンジするまでに起こったのに顔を顰めて舌打ちする。
ネクロムHS「(ちっ、やはり眼魂がなかったらそのままのを維持するのが難しいか…)」
ネクロム魂は変身を解除したらもう一度チャージされるがネクロム魂のまま戦闘を持続させるには眼魔を吸収しなければならないが今いる世界の眼魔は言う事を聞かないので無理である。
ネクロムHS「(一度あのカオスと言うのにネクロムのデメリットをどうにかするのをして貰った方が良いかもな…)」
そう考えながらルージとぶつかり合う。
その間に忠夫と対峙したゴーストNSは別の眼魂を取り出して変える。
【アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!カイガン!エジソン!エレキ!ヒラメキ!発明王!!】
その音声の後にマスク部分と肩パッドは電球がモチーフとなって白衣をイメージした銀色のパーカーで頭部には2本のアンテナが付いたゴーストエジソン魂になる。
ゴーストES「はっ!」
取り出したガンガンセイバーガンモードを忠夫に向けたゴーストESは連続で電気の銃弾を放つ。
忠夫「うおおお!!急急如律令ッ!!!雷の力を散らしめよ!」
慌てて忠夫はお札を投げつけて雷を無効にするが、左右を止められなかった電撃が通る。
忠夫「あ、危ないやろ!」
ゴーストES「いやまぁ、そうなんですけどね;」
涙目で叫ぶ忠夫にゴーストESも困った口調で言う。
心眼【横島、こうなったら変身するしかないぞ。と言うかタケル自身。そうしないとあの時の様にぶつかれないと思うぞ】
忠夫「いやそれは避けたいんやけどな…反動とかぶつかり合い的な意味で」
見ていた中でそう言う心眼にそう言う忠夫だがあっち見ろと解説席を見る様に指示する。
そこにはいつも通りのニコニコ顔の冥華がいるが、気配から早く噂のウィスプに変身して欲しいと言ってると言う心眼の言葉の意味にえーとなった後に仕方がないと忠夫は腹を括った後に心眼が消えてからバンダナを外すとゴーストドライバーを装着する。
忠夫「行くぞ牛若丸!」
牛若丸【はい!あの時出せなかった分を頑張ります!】
ゴーストES「牛若丸眼魂…!」
牛若丸眼魂を取り出す忠夫にゴーストESは呟いた後に懐からムサシ眼魂が飛び出す。
ムサシ【タケル!拙者を使ってくれ。有名な武将の実力を肌で味わってみたいのだ】
ゴーストES「ムサシさん…分かったよ!」
ムサシ眼魂に宿るムサシの頼みにゴーストESは了承してムサシ眼魂を手に持ってスイッチを押す。
そして2人は同時にセットする。
【アーイ!バッチリミナー!バッチリミナー!】
【アーイ!シッカリミロー!シッカリミロー!】
音声が鳴り響く中で現れた牛若丸ゴーストとムサシゴーストはお互いにぶつかり合っていく。
忠夫「変身!」
そして忠夫の言葉を合図に同時に引く。
【カイガン!ムサシ!決闘!ズバッと!超剣豪!】
【カイガン!牛若丸!シュっバット!八艘!壇ノ浦ッ!】
音声と共にそれぞれゴーストはムサシ魂に、忠夫は両肩は船の船首を模した装甲になっており、両腕の袖は少し長くなっており着物を連装させる紫のパーカーを纏い、マスクに笹竜胆(ササリンドウ)の上に重なる様に武蔵と同じく刀が×マークになっているのが浮かぶ牛若丸魂になる。
ゴーストMSはガンガンセイバーをブレードモードから小太刀を分離させた双剣形態の二刀流モードにして構え、ウィスプUSは刀を取り出して構える。
少ししてから同時に飛び出すとガンガンセイバーDWMと刀がぶつかり合い、その後に剣舞と感じさせられるぶつかり合いが行われる。
ゴーストMSが二刀流を巧みに振るって攻撃したりウィスプUSのを逸らすなら、ウィスプUSはその身のこなしで避けたり、刀を振るってゴーストMSの斬撃を防いでいく。
そのぶつかり合いに誰もが目を見張る。
蛍&おキヌ「綺麗…」
美神「お互いに纏っているのは剣豪宮本武蔵と牛若丸…時代の違う剣士の勝負ね」
門矢「そうっスね。んで、次で決まりますね」
そう会話がされた後、ウィスプUSとゴーストMSは距離を取り合う。
ウィスプUS「これで決めるで牛若丸!」
牛若丸【はい!決めましょう!】
【ダイカイガン!牛若丸!オメガドライブ!!】
レバーを引いての音声の後にウィスプUSの両肩の船の船首からエネルギーで出来た大量の船が出現した後にフィールドが同時に現れた海面に覆われる。
ゴーストMS「こっちも命、燃やすぜ!!」
【ダイカイガン!ガンガンミナー!ガンガンミナー!】
【ダイカイガン!ムサシ!オメガドライブ!】
それにゴーストMSもガンガンセイバーDWMをアイコンタクトしてゴーストドライバーのレバーを引いた後に赤いオーラを纏ってガンガンセイバーDWMを構える。
その直後にウィスプUSは8艘の船を高速で飛び移っていき…
【オメガスラッシュ!】
ゴーストMS&ウィスプUS「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
同時に振るわれた剣がぶつかり合って衝撃と爆風を起こす。
それに観客や美神達は吹っ飛ばされない様にする。
衝撃が収まった後に誰もが会場を見る。
タケル「いたた…」
忠夫「おおおおおお…」
変身が解除されて倒れたタケルと忠夫の姿があり、離れた場所で同じ様に変身が解けたルージとアランの姿があった。
どうやら先ほどの必殺技のぶつかり合いによる衝撃で2人とも変身が解けた様だ。
冥華「はいそれまで~結果は引き分けね~」
しばらくして誰もが動けないのを見て会場に上がった冥華がそう宣言する。
その後に拍手が鳴り響き、タケルとルージはくすぐったそうに頬を掻き、アランも決着が着かなかった事に不満そうだが悪くないと言う顔をしていて忠夫は勝ってないけどやったぞ~皆~と力弱く腕を突きあげる。
その後にタマモ、チビ、キャット、モグラが一斉に忠夫の元へと向かう。
冥華「みなさ~んあなた方が目指しているGSは彼らの他にも凄い実力の人達がいます。彼らの様にこれからも精進する事を忘れないようにね~」
そんな拍手を送る女学生たちに聞こえる様に冥華はそう付け加える。
美神「うーん。流石は冥華おば様。この為に模擬戦をしたのね…」
おキヌ【どう言う事ですか?】
門矢「学生の学力以外にGSとして意欲をもっと持って欲しいとかだよ…別世界でもあの人はそこらへん上手いよな…」
蛍「まぁ、敵には回したくないわね」
半目で冥華を見て言う美神のに聞いたおキヌへ変わりに門矢が答えてしみじみと呟き、蛍はそう言う。
☆
冥華「ありがと~皆のお蔭で助かったわ~」
数分後、来客室で回復した忠夫達を含めて冥華はお礼を述べる。
美神「それで冥華おば様。眼魂を渡してくれますよね?」
冥華「はいは~いこの3つでしょ~?」
催促する美神に冥華はそう言って懐から3つの眼魂を取り出してテーブルに置く。
置かれたのは水色と深紅、黄金の眼魂であった。
アラン「なんだこれは?」
タケル「1つは一休のだけど…この2つは何だ?」
蛍「え?知らないの?」
その中で水色のを取ってから残りの2つを見て呟くタケルのに蛍は驚いて聞く。
アラン「ああ、知らん眼魂だ」
タケル「それぞれの名前は…」
そう返したアランの後にタケルは眼魂の上部分を見る。
大抵の眼魂は上部分に上にナンバリング、中央に変身した際に出るフェイス、下に眼魂に宿った偉人や英雄の名前がローマ字か英語などの出身地の言語で刻まれているのだ。
タケル「黄金のはK・A・M・E・H・A・M・E・H・A。深紅のはG・A・L・I・L・E・O…読むとカメハメハとガリレオ…ええ!?」
美神「もしかしてガリレオ・ガリレイとカメハメハ大王!?」
読んで驚きの声を上げるタケルと美神の後にあらあら~と冥華は呟く。
アラン「なんだそのカメハメハ大王とガリレオ・ガリレイとは?」
門矢「ガリレオはイタリア出身の科学者で振り子運動、落体の法則を発見し、凹レンズと凸レンズを組み合わせた高性能望遠鏡を開発して月のクレーターを発見したなど色んな事を成し遂げた偉人だな」
蛍「カメハメハ大王って…もしかして童話の南の島のハメハメハ大王の元になった人なの?」
心眼【うむ、ハワイ語は文字を持たない言語であった関係で、古い文献などではハメハメハと書かれていたのだ】
おキヌ【へぇ~そうなんですか~】
知らないので聞くアランに門矢が答え、蛍の呟きに心眼はそう答えておキヌは感嘆する。
ルージ「けれど、15個の英雄の眼魂に含まれてないんですよね?」
タケル「ああ、それに俺とマコト兄ちゃんも持ってなかったのだ…」
美神「……もしかしたら、あの魔法陣の影響で本来なかった偉人の眼魂が誕生しちゃったって可能性かしら?」
忠夫「はぁ~そんな事あるんッスかね…」
ルージのに頷いてからガリレオ眼魂を見て言うタケルに美神は困った顔でカメハメハ眼魂を見ながら憶測を言い、忠夫はハテナマークを浮かべながら呟く。
美神「まぁ、とにかく…これで残る眼魂が9個になったわね…それじゃあおば様。私たちはこれで」
冥華「はいは~い頑張りなさいね~」
そう言って退出する美神に冥華は手を振って見送る。
美神「あ、横島くん。明日は学校に行きなさい」
忠夫「ええ!?なんでっすか?眼魂探しは!?」
出た後に車に乗って帰宅中に運転しながら指示した美神に忠夫は驚いて聞く。
ちなみに来る道中はアランとタケルはマシンフーディに、門矢とルージはマシンディケイダーに乗っている。
美神「それも込みで行って欲しいの」
蛍「?どう言う事ですか?」
返された言葉に蛍が変わりに聞く。
美神「ねぇ、見つかってない残りの眼魂の中で一番学校に関わりがありそうな眼魂はなんだと思う?」
おキヌ【関わりがある……?】
蛍「………ああ!?音楽のベートベンに童話のグリムですね!」
問い返された事に誰もが首を傾げるが蛍が声を上げて忠夫とおキヌもあっと声をあげる。
忠夫「だから学校にって事ッスね!!」
美神「そう言う事。六道にはおば様の反応からしてなかったから横島君の学校か東京の学校のどこかにベートベン眼魂とグリム眼魂は落ちた可能性があると思うの。蛍ちゃんとおキヌちゃんに門矢君には私と一緒に虱潰しで満月の夜の翌日で変な噂が出てないかを調べるわ。タケル君やアランにルージ君はもしもの為に横島君と同行して横島くんの学校の近くで待機して貰う事にするわ」
合点がいったと納得する忠夫に美神は明日の予定を言う。
忠夫「けれど、ヒミコ眼魂は良いッスか?」
美神「確かにヒミコ眼魂も良いけど、番号の順番で集めた方が分かり易いでしょ?」
おキヌ【それを言うなら神宮寺さんが見つけたフィーディーニ眼魂は13番でグリム眼魂は14番ですよ?;】
聞く忠夫にそう返す美神におキヌは冷や汗を掻いて指摘する。
美神「とにかく、明日は学校での眼魂探し。横島君。ちゃんと探すのよ」
忠夫「了解っす!」
チビ「みみみ!」
モグラ「うきゅ!うきゅ!」
キャット「ワンワン!」
タマモ「こん!」
気合の了承をする忠夫やチビ達に美神は苦笑しながら戻るのであった。
なお……
御成「お、お帰りなさいですタケルどの~~」
タケル「御成ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
帰った時にはシズクの修業でボロ雑巾の様になった御成の姿があった。
なお、ちゃんと門矢により『治・療』されたのであった。