GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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その3

ここで時間は少しだけ巻き戻る。ウィスプである横島とゴーストであるタケル。そしてディケイドである平行世界の横島。その3人がぶつかるほんの少しだけ前の時間へと……

 

 

とある日の事、横島とルージはいつも通り除霊依頼をしていた。

 

横島「そっち行ったぞルージ!」

 

ルージ「はい!」

 

依頼対象は古いビルに憑りついた地縛霊で横島が誘導し、ルージが決める所であった。

 

ルージ「極楽へ!行ってください!」

 

地縛霊「ぐがぁぁぁぁぁぁ!!」

 

振り下ろされたムラサメブレードで両断された地縛霊は断末魔を上げると消えて行った。

 

横島「ようし!これで依頼完了だ。後は報告するだけだな」

 

ルージ「そうですね!」

 

お互いにワイワイ話しながら降りようとしてルージが別の方を見る。

 

横島「?どうしたルージ?」

 

ルージ「こっちから何か奇妙な気配を…」

 

そう言って歩き出すルージに横島も気になって追いかける。

 

すると奇妙な穴が目に入る。

 

横島「これか、ルージが感じた奇妙な気配って」

 

ルージ「はい」

 

穴を見ながら聞く横島にルージは肯定した後に横島はこりゃあオカルトGメンだなと呟いて連絡しようとした時…

 

突如、穴は渦の様に回転し始めると周囲の物を吸い込み始める。

 

ルージ「うわ!?」

 

横島「ルージ!」

 

それにルージは吸い込まれかけて横島は慌ててルージの手を掴んだ後に栄光の手を手短な掴める場所へと伸ばして掴んでなんとか吸い込まれない様にする。

 

横島「踏ん張れルージ!」

 

ルージ「はい!」

 

さて、此処で読者に説明しておこう。

 

今横島達がいるのは3階建ての古いビルでしかも彼らがいるのは最上階の3階である。

 

さらに言うならば長い間整備もされておらず、それによりボロボロである。

 

そうなると…

 

ピシっピシっ…バキッ!!

 

横島「げっ!?」

 

ルージと横島の体重に耐え切れずに掴まれていた場所は壊れてしまい、2人は穴へと吸い込まれてしまう。

 

横島&ルージ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

2人を吸い込んだ後、穴はそのまま小さくなってしまう。

 

海東「ふうむ、どうやら厄介な状況に巻き込まれたみたいだね」

 

その後に海東が現れて、穴があった場所を見た後にそのまま壁を出現させてその中へ入って消えてしまう。

 

 

 

 

同時刻、別の世界、大天空寺

 

そこで天空寺タケルは唸っていた。

 

残る眼魂はアランの持つ2つだけなのだがそのアランがどこにいるのか分からないので唸っていた。

 

???「タケルどの~~~~~大変ですぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

そんなタケルの元に彼の仲間である山ノ内 御成が慌てた様子で来る。

 

タケル「どうしたの御成?」

 

御成「モノリスにまた異常が発生したんですぞぉぉぉぉ!!」

 

話しかけたタケルは伝えられた事に驚いて向かうとそこに自分と一緒に戦ってくれている深海マコトと月村 アカリがいた。

 

そして問題のモノリスを見るとモノリスが怪しく輝いている。

 

タケル「マコト兄ちゃん!アカリ!」

 

アカリ「タケル!」

 

マコト「来たか。警戒しておけ」

 

話しかけて返されたことにタケルがうんと頷こうとした瞬間にモノリスの目玉部分から魔法陣の様なのが出てきた後に渦となって吸い込み始める。

 

御成「ぬお!?」

 

アカリ「きゃあ!?」

 

タケル「アカリ!しっかり捕まって!」

 

それに誰もが手短な場所に捕まって踏ん張り、なんとか耐え切ろうとする。

 

マコト「!?」

 

タケル「あ!?」

 

だがその瞬間、踏ん張るのに集中していたのでタケルとマコトの懐から2人が持つ13個の英雄の眼魂が穴へと吸い込まれてしまう。

 

タケル「眼魂が!」

 

御成「タケル殿!?ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

慌ててタケルはバッと飛び込み、御成も慌てて掴んでいたのを放してしまって同じように穴に吸い込まれてしまう。

 

その直後に穴は消えてしまう。

 

アカリ「タケル!御成!」

 

マコト「くそ!」

 

悲鳴を上げるアカリの後にマコトは顔を顰めて机を叩く。

 

 

 

 

タケル「……………ううっ…」

 

呻きながらタケルは目を開ける。

 

目に入ったのは天井ではなく青空で、ガバッと起き上がって周りを見るとどこかの路地裏で近くには御成が倒れていた。

 

タケル「御成!御成!」

 

御成「ん、んん…た、タケル殿…此処は一体…?」

 

揺すった事で目覚めた御成は頭を押さえてぶるぶると振ってから聞く。

 

タケル「俺にも分からない…そうだ、眼魂は!?」

 

意識を失う前のを思い出して慌てて周りを見るとあの時吸い込まれた眼魂達の姿は見えず、どこに…と思った後に右手に何かを掴んでるのに気づいてみるとムサシ眼魂が握られていた。

 

タケル「これだけは掴めたんだ…」

 

ギュっとムサシ眼魂を握り締めた後にタケルはどこなのかを知る為に辺りを見て、雑誌が落ちてるのに気づく。

 

これで何か…とムサシ眼魂を懐に入れて雑誌を拾い上げ…表紙に書かれているのにえ…と声を漏らす。

 

戸惑うタケルを見て同じ様に雑誌を見た御成も驚きの声をあげる。

 

御成「た、タケル殿!これは!?」

 

タケル「お、御成…俺達…別世界の…しかもGS美神の世界に来ちゃったかも…」

 

今勢いのある除霊事務所特集と一緒に写るとある人物…美神玲子を見て、震える御成へとタケルはそう言う。

 

 

 

 

横島「………っ、たた…」

 

吸い込まれてる間に気を失っていた横島は呻いた後に頭を抑えながら体を起こす。

 

その隣でルージも呻きながら起きる。

 

横島「大丈夫かルージ?」

 

ルージ「はい、なんとか…」

 

体を起こした後に2人はぶるる!と顔を振った後に周りを見る。

 

一見すると自分達がいた古いビルと同じ感じだが微妙に違うと言うのを横島は感じた。

 

とにかく此処がどこなのか知る為にビルから出る事にした。

 

出たのは良いのだがその後に見た新聞のにえぇ…となる。

 

横島「まさか平行世界に来るとはな…」

 

ルージ「しかも過去なんですよね?」

 

自分たちのいる所が分かったが現状ので横島はそうなんだよなと困った顔で呟く。

 

ちなみに横島は知人に出くわすかもしれないのを考えてバンダナを外して伊達のぐるぐるメガネを着用していた。

 

すると何かから逃げる様に走る人たちが目に入った。

 

横島「なんだ?」

 

ルージ「あ、あの…どうしました?」

 

それに横島は疑問に思った後にルージが近くに来た男性に話しかける。

 

男性「突然妖怪が現れて暴れ始めたんだよ」

 

横島「妖怪?」

 

早口でそう言って走り去る男性のに横島とルージは顔を見合わせた後に走って来た方向へと走る。

 

しばらくして何かがぶつかり合う音がして視界に入ったのに2人は驚く。

 

そのぶつかり合っているのは…2人の仮面とスーツを纏った存在で横島とルージには見た事もないが腰につけているベルトから安易に存在が何なのか分かった。

 

ルージ&横島「仮面ライダー…」

 

呟いた後に2人は止める為に走る。

 

突如穴に吸い込まれたルージと横島。

 

そして別世界にて13個の眼魂を追いかけて同じように吸い込まれたタケルと御成

 

彼らに待ち受けている運命とは……?

 

 

 

 

ぶつかり合いを止めた後、ルージと横島は平行世界の美神達と同じように飛ばされて来たタケルと御成と共に事務所に向かっていた。

 

御成「それにしてもタケル殿、大変な状況になりましたな」

 

タケル「確かにそうだね…」

 

困った顔で言う御成にタケル自身も困った顔で同意する。

 

というのもタケルは一度死んでいて、現世に留まっていられるまでの時間制限があるのだ。

 

その時間制限は99日で一度99日越えてしまったが父のお蔭でリセットされているのだ。

 

30日が経ち、後69日以内に15個の英雄の眼魂を集めなければタケルは生き返られなくなるのだ。

 

そんな2人へ横島とルージが話しかける。

 

横島「なあ、どうしたんだ?」

 

ルージ「何か困ったことがあるんですか?」

 

その問いにタケルと御成は顔を見合わせた後に自分たちの事情を話す。

 

横島「なるほど…んじゃあこれを持って置けよ。あ、ちなみにこの世界の美神さん達に内緒な。見せたら大変だし」

 

そう言って横島はある物を渡す。

 

それは太極文殊で『延・命』と浮かんでいる。

 

タケル「これって…良いの!?」

 

横島「まぁ、何個も作れるし、後、効果も永遠だからこの世界にいる間持っとけよ」

 

驚いて聞くタケルに横島は笑って言う。

 

タケル「ありがとう。それじゃあこの世界にいる間は借りるね」

 

御成「これで心配事が1つ減りましたなタケル殿!」

 

お礼を言うタケルと笑顔になる御成にルージと横島は笑うと着いたわよと言う美神の声と共に横島は懐かしげに事務所を見る。

 

 

 

 

美神「さて、そっちの横島君はともかく、そこの子とあなた達2人の名前を教えてくれるかしら?」

 

事務所に付いて早速自分の仕事机に座った美神はルージとタケル、御成を見て聞く。

 

ちなみに忠夫はソファーに寝かされていたが横島がさりげなく俺はヒーリング出来ますんでとちょいと嘘を付いて見えない様に文殊で『癒』したので復帰している。

 

ルージ「俺はルージ・ファミロンと言います。こちらの横島さんの助手をしています!」

 

タケル「俺は天空寺タケルと言います。仮面ライダーゴーストに変身します」

 

御成「拙僧は山ノ内 御成と申します。タケル殿と行動を共にしております!」

 

美神「ルージ・ファミロンくん。天空寺タケルくん。そして山ノ内 御成さんね。それじゃあタケルくんと御成さんにお聞きしたいのだけどがこれに見覚えはあるかしら?」

 

自己紹介した3人のを聞いた後に美神は机の上にある物を3つ置く。

 

それにタケルと御成は顔を喜ばせる。

 

タケル「エジソンとニュートン!」

 

御成「おお、それにフーディーニ殿ではないですか!!」

 

カオス「どうやらしっとる様じゃな」

 

くえす「しかもエジソンとニュートン…有名な偉人ですわね」

 

忠夫「もしかしてこれも知ってるのか?」

 

眼魂を持って言う2人の言った名前にくえすがそう言った後に忠夫がタケルが誤解して戦う前に使用した眼魂を取り出す。

 

タケル「ビリー・ザ・キッド!良かった!これで眼魂は5個!」

 

御成「ホント良かった!これで残りは8個ですぞ!」

 

美神「…ちょっと待って、今8個って言った?」

 

さらに喜んで言った2人のに美神は眉を顰めて聞く。

 

タケル「え、あ、はい。俺達が飛ばされる前、13個の英雄の魂が宿った眼魂が飛ばされる切っ掛けになった穴に吸い込まれて…その際になんとか掴んだこのムサシ眼魂以外が散らばって…」

 

蛍「それはおかしいわ。私たちが調べた所、満月の晩に大きい魔法陣が現れてそれから出てきた15個の光がこの東京に散らばっているの」

 

ルージ「確かにおかしいですね。タケルさんの話とそちらの証言を合わせると数が合いませんね?」

 

懐からムサシ眼魂を取り出して見せながら答えたタケルのに蛍がそう言い、ルージは首を傾げて言う。

 

御成「そう言えばタケル殿…もしや一休殿も…」

 

タケル「え…あ…!?」

 

そう言われてタケルは慌てて色んな場所を探った後に頭を抑える。

 

タケル「一休眼魂もない!!」

 

御成「つ、つまり美神殿たちが見た15個のうち、3つは一休殿も含めたまだ見ぬ2人の英雄の眼魂が!!」

 

絶叫するタケルの後に御成も慌てた様子で言う。

 

くえす「落ち着きなさい。それで、あなた方の知るその英雄の眼魂の名前は?」

 

タケル「えっと…順番に言うと、ムサシ、エジソン、ロビンフット、ニュートン、ビリー・ザ・キッド、ベートベン、ベンケイ、ゴエモン、リョウマ、ヒミコ、ツタンカーメン、ノブナガ、そしてフーディーニ、あと、グリムとサンゾウがあるけど敵に取られてて…一休は15個の英雄の眼魂に含まれてない英雄の眼魂なんだ」

 

牛若丸「(え、弁慶!?)」

 

カオス「ほう、これはまた全て名のある偉人じゃのう…そっちだと偉人が眼魂なんじゃな」

 

シズク「……こうは考えれない…お前たちの敵が今回の騒動を起こしたとか」

 

くえすのに答えたタケルの奴に眼魂内の牛若丸が驚く中で関心したカオスの後のシズクの推測にタケルは難しい顔をする。

 

タケル「それは…ないと思う。相手も英雄の眼魂を狙っているから散らばさせるのはありえない。それにそうなるとアランの持つさっき言ったグリムとサンゾウの眼魂も散らばってる事になる」

 

忠夫「ふうん。つまり坊さんの言う様に2つの英雄の魂が宿ったのが混じってになるのか?」

 

横島「どうなんだろうな?」

 

首を傾げるW横島忠夫に美神は平行世界でも変わらないわねと思った後に咳払いする。

 

美神「それでタケルくん。そっちの眼魂を使って出来る事を教えてほしいんだけど」

 

タケル「できることと言われても…エジソンとニュートンはともかく、フーディーニは特殊で、ある物がないと…」

 

そうお願いする美神にタケルは困った顔で言った時…

 

???「それなら安心したまえ」

 

誰とでもない声に誰もが見て、そこにいた人物に横島とルージがあっと声を上げる。

 

横島&ルージ「「海東(さん)!!」」

 

海東「やあ、僕の知る方の横島にルージくん」

 

美神「それで、なんで安心なのかしら?」

 

まさかの海東大樹に2人は声を上げる中で挨拶する海東に安心と言う言葉が気になったのか美神は聞く。

 

海東「僕に付いて来たまえ、そうすれば分かる」

 

だけど美神の問いにちゃんと答えずにさっさと歩いて行こうとする。

 

美神「ちょっと!ちゃんと答えなさいよ」

 

横島「あー、美神さん。海東はあんな感じですから気にしてたらきりもないですから素直に付いて行く方が良いッス」

 

そう言って歩き出す横島とルージに不満げだが美神や他のメンバーも付いて行く。

 

そして出ると彼は変わったバイクにもたれていて、そのバイクに御成とタケルがあっと声をあげる。

 

タケル「マコト兄ちゃんの!?」

 

御成「なぜこれがここに!?」

 

海東「持って来たのさ、フーディーニ魂にはこれが必要不可欠だからね」

 

横島「おま、無断で持ってきたろ」

 

半目でそう言った横島のに海東は鼻歌を歌ってその様子から…ああ、ホントに無断でなのね…と誰もが思った。

 

 

 

 

マコト「(ぷるぷる)誰だか知らないがこんな事態で…」

 

一方でマコトはシブヤとナリタからマシンフーディがない事を教えられて置いてた所に行ってちょっと借りるよ☆と言う残された紙を見て憤慨していた。

 

 

 

 

海東「とにかくしばらくは移動の足にしたまえ。僕もしばらくは此処にいるので」

 

美神「いやいや!待ちなさいよ!」

 

そう言って手をひらひらさせて歩く海東に美神は呼び止めようとするが聞かずに去って行く。

 

キヌ【変わった人でしたね】

 

忠夫「確かに」

 

ルージ「けど、良い人でもあるんですよ」

 

そんな海東のにそう呟くキヌと忠夫へルージはそう言うがホントかなというのがこの場のメンバーの共通のであった。

 

美神「さて、気を取り直して情報纏めとこれからの事で考えるわよ」

 

そう手をパンパンさせて美神はメンバーの視線を集めて言う。

 

再び事務所へ戻った後に咳払いして美神は口を開く。

 

美神「さて、まずはこっちの発端だけど、昨日の満月の晩、空に巨大な魔法陣が現れ、そこから15個の光、タケルくんと御成さんの話も合わせて眼魂と断定するけどそれが東京に散らばった。その内、エジソン眼魂、ニュートン眼魂、ビリー・ザ・キッド眼魂、フーディーニ眼魂を回収しているから残りはタケルくんが持っていたムサシ眼魂以外のロビンフット眼魂、ベートベン眼魂、ベンケイ眼魂、ゴエモン眼魂、リョウマ眼魂、ヒミコ眼魂、ツタンカーメン眼魂、ノブナガ眼魂、一休眼魂とまだ見ぬ眼魂2つとなるわね。ちなみにこれが昨日の夜に現れたのをそちらのドクターカオスの娘さんのマリアが撮影したのよ」

 

そう言って美神は4人に見せる様に写真を取り出す。

 

御成「これが…」

 

ルージ「まるで目の様な模様をしてますね」

 

タケル「確かに、俺達の知るのに似てるけど…なんか違う気がする」

 

横島「しかし、そうなるとあの穴はこれに繋がっていたのか?それだと俺達も一緒の所から出る筈だよな?」

 

蛍「そしてそれに併用して謎の黒い人型の悪霊が出現して、知性は無いらしく、適当に暴れていたのを知り合いのGSが除霊したらしいんだけど、その知性のなさと半比例するように霊的防御力が高くかなり苦戦したみたい」

 

忠夫「え、そうだったのか?確かにタマモとシズクの効かなかったけど俺がウィスプになって殴ったらあっさり倒せたぞ」

 

じっくり見てうーんと唸る4人に蛍が言った事に忠夫が思い出して言う。

 

御成「やはり眼魔みたいですぞタケル殿」

 

タケル「そうみたいだね…ただ黒いパーカーを着てる黒い奴はそんなに強くない筈なんだけどな…御成でも倒せるし」

 

美神&くえす「はぁ!?」

 

シズク「…嘘は良くない。私やそこのキツネのは全然効いてなかったのにただの人間が倒せる訳がない」

 

証言からそう言う御成にタケルはうーんと唸って言った事に美神とくえすは驚き、シズクは信じてない目で言う。

 

タケル「嘘じゃないんだけどな…」

 

横島「そこはあれじゃね?この世界に出た眼魔だっけ?そいつ等はこの世界の霊力に耐性があるからこの世界の霊力関係の攻撃は効果が薄いって事じゃないッスか?」

 

美神「一理あるわね。それなら唐巣先生が倒しにくかった理由も付くわ」

 

思った事を言う横島に美神は同意する。

 

御成「ただ、特定の奴がないと拙僧達の世界では一般の人には眼魔は見えないのでもしそんな奴もいるとなると…」

 

キヌ【あのー、先ほどの海東さんがさりげなく置いてたんですけど関係ありますか?】

 

そう言った御成の言葉にキヌがそう言って変わった電話と時計、ランタンを浮かばせて見せる。

 

タケル「ああ!コンドルデンワー、バットクロック、クモランタン!」

 

御成「おお!これは助かりますぞ!特にクモランタン!これさえあれば眼魔も見える様になりますぞ!」

 

カオス「ほほう、興味深いのう。ちょっとワシに預けて調べさせて貰っても良いじゃろうか?」

 

嬉しそうに持つタケルと御成にカオスがそうお願いする。

 

タケル「そうですね……分かりました。ただ、早めにお願いしますね。どれも俺が戦うのに必要なものなので」

 

カオス「分かっとる」

 

了承して注意するタケルにカオスは笑って預かる。

 

美神「それじゃあタケルくんに御成さんとルージくんにえっと…別世界の横島くんは…」

 

横島「あ、呼び難いなら俺の事は門矢って呼んでください。後、服も分かり易いようにしますし」

 

蛍「本人も良いならその方が良いですね」

 

美神「そうね。それじゃああなたの事は門矢くんと呼ぶわね」

 

その後にW横島、特に横島の区別で美神はどう呼ぼうか悩んだ時に横島の提案に蛍も同意したのでこれから横島を門矢と呼ぶ事になった。

 

美神「それで4人の滞在場所と今後の予定だけど…」

 

そう前置きした後にしばらく話をして解散する事になった。

 

今後の事と文殊で「癒」されたとはいえ忠夫の体調を考えて、明日から動くことになった。

 

横島とルージ、タケルと御成は忠夫の家に居候する事になった。

 

ちなみに横島は家を見た瞬間、(前住んでたオンボロより)でけぇぇぇぇぇぇぇぇ!?と叫んだのは些細である。

 

 

 

 

ディケイド「……………」

 

時が過ぎ夕方、横島は1人、ディケイドに変身し、東京タワーにいた。

 

ただ立つだけで目の前に広がる景色、特に沈む太陽を見ていた。

 

ディケイド「…昼と夜の一瞬の隙間……短時間しか見れないからよけい美しいのね。…だったよな……」

 

その夕日を表情が見えない仮面で見ながらディケイドは呟く。

 

ディケイド「驚いたよな。まさか平行世界でしかも過去なのにルシオラがいるんだもんな…しかも葦蛍って名乗ってる。つまりアシュタロスと良い親子関係なんだろうな」

 

誰かに語り掛ける様にディケイドは言う。

 

ディケイド「すっげぇ羨ましいよな…こっちだとルシオラは生まれたけどそれがなんと別の世界の女になった俺でしかも俺はディケイドのお蔭か魂のが人間に戻っちまってる。これだけだとすっげぇどう言う状況だよって思っちゃうよな…」

 

苦笑するかのようにそう言ってるがディケイドは微動だにせず夕日を見る。

 

ディケイド「ルシオラ…俺さ、嬉しかった。たとえ世界が違えど、笑ったり、心配したり、そう言う普通…って色々とドタバタだったりで言ったらおかしいかもしれないけど、人生を生きている…すっげぇ嬉しかった…」

 

そう言ってディケイドは思い出す。

 

世界と彼女の2つで彼女が自分を愛した世界を選び、その後に後悔して泣いた。

 

ディケイド「だからよルシオラ、俺はこの世界にいる間、この世界の俺の大切な人達やるし…蛍を守る。絶対にこの世界の俺に俺が抱いた思いをしてほしくないから…だからさ、俺、頑張るからな」

 

そう、自分の決意を表明した後にディケイドは夕日が沈むまでその場を動かなかった。

 

自分を愛してくれた者が好きな風景を決意の証として…


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