GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は前半は前回の続き、後半はチビモグラちゃんとの話を書いていこうと思います。

最近シリアス続きで出番がありませんでしたからね、マスコット軍団、可愛らしい所を書きたいと思います

それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



その5

 

リポート26 これから その5

 

持っている霊力を大分眼魂に注いでみたのだが、結果は失敗に終わり。何故か大爆発が起きて私も横島を弾き飛ばされてしまった。怪我こそ無かったが、実験を続けられる状況ではなくなってしまった。

 

「……すまない横島。こんな事になるなんて思ってなかった」

 

今までの傾向でいけると思ったのだが……やはりまだ不確定要素の強い物を出来ると思ったのが間違いだったか

 

「いや、あんまり痛くないから大丈夫や。爆発したのは驚いたけど」

 

【そうだな。見た目は派手な爆発だったが、ダメージは殆どない。そこまで気にすることはないだろう】

 

横島と心眼にそう言われるが……それでも納得できる物じゃない。手の中で×マークを浮かべているスカッパーと言う眼魂を睨みつける

 

(……手助けをしたかったんだがな……)

 

横島の力になると思って眼魂に力を注いだんだがな……GS試験でガープを殴った以上間違いなく奴に横島はターゲットにされてしまった。だから自衛の手段は少しでも多い方が良い

 

「所で横島。今回は霊体痛大丈夫なの?」

 

爆発で慌てて駆け寄ってきた蛍がそう尋ねる。それは私も気になっていた、普段変身すれば霊体痛で呻いているんだが

 

「あーそういやああんまり今回は痛くねぇな……軽い筋肉痛みたいな感じ?」

 

【変身しただけでは霊力は消費しない、戦えば爆発的に霊力を消費するので強い負担になる。変身するだけならばリスクは少ないだろうな】

 

まぁ変身する状況で動かないなんて事はありえないがなと呟く心眼。それはその通りだろう、危険だから変身するんであって、その状況で動かないなんていうのはただの馬鹿だろう

 

「とりあえず分析の結果を聞きに戻りましょうか。お疲れ様」

 

美神の言葉にういっす!と返事を返し歩き出す横島の後ろを歩きながら、私は手にしているスカッパーを強く握り締めるのだった……

 

 

 

蛍のお嬢ちゃんのパンチで気絶していたアシュじゃが、今はけろっとしている。その余りに平然とした姿にどことなく小僧に似ているなと思った

 

「ふーむ……スカッパーねえ」

 

アシュがシズクから預かった灰色の眼魂を機械にセットしながら呟く、ワシは機械から吐き出された紙を見て

 

「こ、こりゃ酷い……牛若丸や韋駄天よりも低い数値……「……なんだと、私があの韋駄天よりも劣っていると言うのかジジイ」

 

やばい殺される、完全に目が据わっているシズクに怯えながらそのグラフを差し出して

 

「眼魂はまだ解析段階じゃから断言できんが……多分必要な力が足りてないんじゃと思う」

 

眼魂は必要な霊力を吸収し、そしてそこから変化すると言うプロセスを踏んでいる。韋駄天の時は2人の韋駄天の神通力、牛若丸の時は単体で完成したらしいが、牛若丸は英霊としては未熟な子供時代。韋駄天は神ではあるが、それほど神格が高い存在ではない……恐らくじゃが……

 

「それってもしかしてシズクの神格が高すぎるのが原因って事?」

 

アシュも同じ結論なのかスカッパーを機械から外しながら

 

「多分だけどね。シズクは八岐大蛇の系譜の水神……その経歴でも判るように、桁違いの神格の持ち主だ。眼魂が変化するのにも相当な神通力と竜気が必要なんだろう。考察だから確信しているわけじゃないが、多分眼魂にするには当分は無理じゃないかな」

 

シズクがむうっと唸っているが、恐らくそれが真実だろう。今は弱体化しているとは言え、人間界に存在する神の中では間違いなく最高峰の神格の持ち主だ。そしてそれは弱体化していても代わりの無いことだと言える。ゆえに眼魂に変化するのにも相当な神通力と竜気が必要だというのがワシの出した結論だ

 

「じゃあシズクの眼魂は作れないと、そう言う訳なんですね?ドクターカオス」

 

美神の確認の言葉に頷き、小僧から預かったブランク眼魂を拾い上げて

 

「まだ分析段階じゃがな、まぁ、詳しい所が判るまではもう少し待っていてくれ」

 

ちらりと部屋の隅を見てみると小僧が床に座り込んで

 

「なん~か難しい話をしてるなー」

 

【ですねー、私も全然判りませんよ……】

 

「みむ!みみむ!」

 

「うきゃー!うきゅきゅー!」

 

チビとモグラの前足を握って遊んでいた。気のせいかもしれんが、小僧の頭から煙が出ているように見える。そしてその隣ではおキヌが同じように頭から煙を出している。実に器用な幽霊だ

 

「理解しようと頑張っていたみたいなんだけど、オーバーヒートしたみたい」

 

「……ま、まぁ仕方ないわね。私も殆ど良く判ってないし」

 

専門知識過ぎる話だから理解出来ないのも判るが、お主の為に時間を取っておるんじゃがなー

 

「仕方ないでしょう、ドクターカオス。あまりに専門知識が過ぎる、話をするならもう少し判りやすく噛み砕くべきでしたね」

 

あっはははっと笑うアシュにそれもそうじゃなあっと返事を返し、机の上の分析した紙を鞄に詰め込んで

 

「じゃ、ワシは家でもう少し調べてみる。小僧、ブランク眼魂は借りていくぞ」

 

ワシの推論ではメタソウルと同じ性質を持っていると思っておったんじゃが、今回の事でまだ別の性質を持っている事が判った。それについて調べておく必要がある

 

「ブランクを持っていくのは良いんだけど……?カオスのじーさん、今から優太郎さんが昼食奢ってくれるって」

 

むう……まぁそれは確かに少しばかり魅力的じゃが

 

「なにマリアとテレサが昼食を作って待っておるからな。先に食べろとはとてもじゃないが言えんよ」

 

最初からこうなると判っていればテレサとマリアも連れて来たんじゃがな、ま、アシュの奴に奢って貰うのは別に機会にするわいと呟き、ワシはアシュのビルを後にするのだった……なお帰り際に

 

「……お前、私に逆らうとか良い覚悟しているな」

 

スカッパーを握り締めぶつぶつ呟いているシズクの姿が視界の隅に入り、触らぬ神に祟りなしじゃなと呟きワシはその場を後にし……それから数分後。アシュのビルのほうから巨大な水の柱が出現したのを見て

 

「なぜあやつは地雷を踏みに行くんじゃ?」

 

絶対アシュの奴がシズクの地雷を踏んだと理解し、そして何故あえてそっちの方に突き進んでいくのかと思わずにはいられないのだった……

 

 

 

ベルトと眼魂の調査が終わった次の日。俺は大丈夫だと言ったんだけど待機していなさいと美神さんと蛍に釘を刺されたので家でのんびりすることにしたんだけど

 

「なんか凄いな、それ」

 

目の前でチビとモグラちゃんが遊んでいる姿を見て、俺は思わずそう呟いた

 

「みみむーみむむー」

 

発泡スチロールのボールを器用にヘディングしているチビがみーむっと鳴いてモグラちゃんの方にボールを飛ばすと

 

「うきゅ!うきゅー」

 

モグラちゃんも器用にヘディングをし始める。前PKやってるの見たけど、いつの間にヘディングまで覚えたのだろうか?というか少しばかり賢すぎではないだろうか?サイズ的にはハムスターなのでよくそんな動きが出来るなあと思わず感心してしまう

 

【TVを見ているうちに覚えたのかも知れんな】

 

心眼がそう呟く、家でいる間は寂しいだろうからシズクにTVをつけてやってくれとお願いしているし、チビ自身もTVの操作は出来るので勝手に見ていることも多い。そういうので見て覚えているのだろうか?と考えているとタマモが膝の上に上ってきて、そこで丸くなる。構って欲しいのかなと思って背中を撫でてみると満足したように鳴くので、これで良いかと思っていると発砲スチロールのボールが転がってくる

 

「むきゅ……」

 

「みーむみーむ」

 

モグラちゃんがパスに失敗したようで、チビが小さい手でモグラちゃんの背中を撫でているのを見ると気にするなよっと言っているような気がする

 

【表情豊かだな。あの2匹は】

 

鳴き声しかないけど家のチビもモグラちゃんもめちゃくちゃ表情豊かだぜ?と心眼に言いながら机の周りに落ちているボールを拾って

 

「ほれ」

 

発泡スチロールではなく、ゴムボールなので良く跳ねる。チビの目の前で跳ねたボールをチビがジャンプし両手でキャッチする。そしてそのボールを抱えて俺の方を見て

 

「みむう?」

 

「うきゅ?」

 

遊んでくれるの?と言う感じで首を傾げるチビとモグラちゃんに向かって両手を広げて

 

「おう、遊んでやるぞー」

 

やったーと言う感じで元気に鳴くチビとモグラちゃんを見て笑いながら、チビが投げ返したボールをキャッチするのだった

 

「……メチャ元気……」

 

1時間ほど遊んでやったんだがまだまだ全然元気なチビとモグラちゃんに驚いた。スーパーボールなので良く跳ねるので結構な運動になったので少し休憩とお願いしてフローリングに座り込む

 

「……チビ達はめちゃくちゃ元気だぞ?お前がいないと1日中家の中を走り回っているからな」

 

シズクが俺の前に冷たい麦茶を置いてくれながらチビとモグラちゃんの驚異的なスタミナの事を教えてくれた

 

「まじかぁ……朝と夕方だけの散歩じゃもしかして足りないかぁ?」

 

動き回るって事はそれだけ運動不足って事だよな。うーん、なんとかしてやらんといかんなと思いながら麦茶を飲んでいると

 

「みぎゃあ!?」

 

チビの悲鳴に驚いて振り返ると、ずっと前に買ってやったハムスターの台車が壊れて、チビが弾き飛ばされていた

 

「みぎい!?」

 

「うきゃ……」

 

壊れている台車を見てショックを受けているみたいだが、正直良く頑張ってくれたと思う。あれは大体ハムスター用で決してグレムリンやモグラ用ではないのだから

 

(うーん買いなおすにしてもまた壊れるよな)

 

ぽっきり折れているのを見て、また買っても壊れるだけだな。でもチビとモグラちゃんも気に入っているし……あ、そうだ

 

「うし!チビ、モグラちゃん!出掛けるぞ!」

 

壊れた台車を鞄の詰め込みながらチビとモグラちゃんを呼ぶ。若干元気が無さそうに俺の肩の上に昇って来たチビとモグラちゃんを見ながら

 

「シズク!ちょっとカオスのじーさんの所行ってくるわ」

 

「……何しに行くんだ?」

 

買って駄目ならカオスのじーさんにチビとモグラちゃん用の台車を作って貰えるように頼んでくる!昼には戻るからと言って俺はカオスのじーさんの家へと走ったのだった

 

「……と、言う訳で玩具を作って貰えないっすか?」

 

カオスのじーさんの家へ自転車で向かいお願いすると

 

「別に構わんが、台車だけじゃ足りないんじゃないかの?」

 

え?俺が首を傾げているとテレサがモグラちゃんを見て

 

「モグラちゃんは穴掘るほうが楽しいんじゃないか?」

 

はっ!?モグラちゃんの種族の事を忘れていた。確かにモグラなのだから穴を掘るほうがストレス発散になる!?

 

「うきゅ?」

 

マリアが用意してくれたチョコをもごもご食べているモグラちゃん。確かにその鋭い爪は決して煎餅やチョコの包みを開ける物や俺の服を登るのに使う物じゃない

 

「カオスのじーさん。何とかなる?」

 

台車の確認をしていたカオスのじーさんに何か良いアイデアはある?と尋ねると

 

「そうじゃなあ。うーんまぁ、それも考えておくから安心せい」

 

にかっと笑うカオスのじーさん。何もかもお願いしてしまうことに申し訳ないなぁと思っていると

 

「なーに気にすることは無いぞ。良い気分転換になるからの」

 

そう笑うカオスのじーさんにお礼を言っていると、テレサが机の上のチビとモグラちゃんを見て

 

「なぁなぁ!横島。私チビとモグラちゃんの散歩してみたい!」

 

あーそう言えばそんな事言っていたっけ……とは言え早朝に会うこともないし

 

「じゃあ、夕方に迎えに来るわ。その時一緒に散歩しようぜ」

 

やったーと喜ぶテレサ、両手を勢い良く上げたのでテレサの胸が揺れた事に若干の気恥ずかしい物を感じていると

 

「横島さん。私もご一緒してもいいですか?」

 

「え?むしろ一緒に来るんじゃないの?」

 

テレサが来るんだから、マリアが来るものと思っていたのにそう尋ねられて驚きながら尋ねると

 

「あ。いえ、是非ご一緒させていただきます」

 

ニコリと笑うマリアにじゃあ夕方に!と声を掛け、俺はカオスのじーさんの家を後にするのだった……

 

「姉さん。楽しみだなあ」

 

「ですね、テレサ」

 

なお残されたカオスはと言うと、姉妹の中で若干の意識の違いがある事に気付きながらもそれを指摘せず

 

(まぁ、これも良い経験じゃろうな)

 

テレサが人間の心を学ぶのに良い機会じゃなと心の中で呟き、横島が置いていった台車を観察しながら、どうやって改造するかのーと笑うのだった……

 

なお、夕方にマリアとテレサと一緒に散歩している姿を同じ高校の生徒に見られ、美人な外国なお姉さん2人とデートしていたと問い詰められることになり、その結果愛子がとんでもなく不機嫌になり、横島が慌てて弁解することになるのだが、これは全くの余談なのでそれほど気にする事もないだろう……

 

 

 

GS試験が終わった頃。自身の霊感で香港に調査に来ていた美神美智恵は眉を顰めていた

 

「……当たりとは言いがたいわね、でも外れとも言えないわ」

 

記憶の中にある原始風水盤。その事件の前現象として腕の良い風水師が殺される事件が多発していたが、その予兆は無く。代わりに香港周辺にある貴重な霊具の盗難事件が多発している

 

「どういうことなのかしら」

 

アシュタロスから得た情報とかなりの違いが出ている。だが嘘をついたわけではないだろう、歴史改変が大きくなっているのでその影響で歴史が変わり始めている

 

「1人で捜査するのはもう限界かしら」

 

得れる情報はもう殆ど入手したと言える。だがそれは人間で手に出来る情報だけだ、それ以上の情報を求めるのならば神魔族の協力が必要だ。1度日本に戻ってアシュタロスに協力を頼もうかと考えていると

 

「やれやれ……どうなっているんだ。殺されたはずの風水師が生きているなんて聞いてないぞ……それに姉上が横島に興味を持ち始めているし、私はいつになれば横島に会えるんだ」

 

ん?この声は……慌てて振り返るとそこにはスーツ姿の黒髪の女性……だが間違いない、あれは

 

「ワルキューレ!?」

 

思わずその名を叫ぶ。名前を呼ばれたワルキューレは振り返り私と同じように驚いた表情をして

 

「美神美智恵!?何故ここに!?」

 

向こうも私を知っている……と言うことは間違いない、人ごみを掻き分けワルキューレの側に近寄り

 

「貴女も逆行してきてるのね?」

 

「……そう言うお前は禁止されている時間跳躍をしたのか?」

 

……思いっきり警戒されているけど、私と同じ事を知っている人物でしかも神魔族。出来れば神族が良かったけど、それは我がままと言う物だ。それに逆行して来ているのなら前回の事も知っているから話もしやすい。正に渡りに船とはこの事だろう

 

「事故で逆行して来ちゃったのよ。今はアシュタロスに協力して捜査しているの、そっちは?」

 

「……私も似たような物だ。ただし調べているのは原始風水盤ではないがな」

 

原始風水盤じゃない?じゃあなんで人間界に派遣されているのだろうか?もしかすると他にも……そうだ!

 

「GS試験の前日に異常な魔力の流れを感知したわ、そっちはどう?」

 

大分前から香港に滞在していた私には歩き回って得た情報がある、その情報を話すとワルキューレは

 

「私が下界に来たのは2日前だ、今も調査を始めたばかりで何も情報が無いな……良し判った。1度情報交換をしよう、そしてその上で共同捜査をするか話し合おうじゃないか」

 

ワルキューレの言葉に頷き、近くのレストランに向かう途中ワルキューレが思い出したように

 

「所でこれだけは聞いておかないといけないな」

 

ゾッとするような凄みのある笑みを浮かべながらワルキューレは

 

「お前はまさか自分の娘と横島を結婚させるつもりではあるまいな?」

 

銃の撃鉄の音がする、これは選択肢を間違えると撃たれるわね……とは言え、それはワルキューレの要らない心配と言う物だ

 

「全然全くこれっぽっちもないわ。私は前回で横島君に迷惑を掛けた。だから今回は幸せになって欲しいって思ってるわ。令子が好きになるって言う可能性はあるかもしれないけど、私は関与するつもりは無いわ」

 

それに関与したら私今度こそ殺されそうだし……と言うとそうかとワルキューレは頷き

 

「では急ごう。神魔に残っている情報だと、近いうちに横島達が香港を訪れることになる。これは恐らく変える事の出来ない歴史の流れだ、その前にガープ達が何をしようとしているのかを特定しよう」

 

ワルキューレが先導して歩き出そうとするのを見て

 

「どこ行くつもり?近くに個室のあるレストランあるけど?」

 

「……案内を頼む」

 

ワルキューレはもしかしていると少し抜けているのかもしれないわねと思いながら、私は香港に滞在している間ずっと利用している個室のあるレストランへと向かって歩き出したのだった……

 

 

 




別件リポート 美神美智恵の捜査録へ続く

次回は美神美智恵とワルキューレのコンビによる捜査になります、基本的には第二部に向けての話の布石を打っておこうと思う訳です。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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