GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回は原作から考えるとかなり早いですが、あの人が出てきます。出てくるけど裏が当然ありますのでご理解ください。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



リポート2 ナインテールフォックス
その1


リポート2 ナインテール・フォックス その1

 

この日私は厄珍堂に来ていた。見た目は小さい上に汚い店だが、その実裏のルートに詳しい店長がいるため。GSとして活動する人間の大半が利用する店とも言える

 

「うーんとこんなものかなぁ」

 

GSの道具と言えば厄珍堂と相場が決まっている。他にも売ってる店があるにはあるのだが、厄珍堂が良いと言われるのにはその品揃えにある。今日だって横島の訓練に使える道具を探しに来たのだが

 

(結構いいのが揃ってるわね。買わないけど)

 

霊体ボウガンに神通混に扇……GSの武器として一般的に流通されているのが揃っている。無論GSの道具だけじゃなく、ステアーやコルトパイソンとかの銃もあるけど

 

(横島にいらないわね、えーと安い破魔札は……あったあった)

 

横島に今は霊力を使う技術は教えれない、なぜなら厳重に封印とでも言うのだろうか?それが施されていて無理やりあけたとしても、酷い後遺症を横島に与える。私はそんなことはしたくない、だから今は霊力がなくてもある程度使える破魔札を買うことにする。1円と5円と10円をそれぞれ200枚ずつだけ買っておけば、大丈夫でしょう。

 

「これどう?おまけしておくあるよ?」

 

小柄なサングラスの中国人「厄珍」が何かを手にして話しかけてくる、そういえばこの人も全然外見変わってないわね……ドクターカオスと同じで不死だったりするんだろうか?

 

「それで?それは何?物によっては買うわよ?」

 

厄珍が直接売ろうとしてくるものは警戒しろ。これは厄珍堂に来る全員が知っている

 

「ふっふっふ、これは妖怪捕獲用の特性の護符ね!変化してる妖怪もいちころアルヨ!」

 

変化してる妖怪……脳裏に浮かんだのはナインテールが特徴的なクール系のタマモと犬娘のシロだ

 

「買うわ、いくら?」

 

「2万アルヨ」

 

2万……ちょっと安いわね、ちゃんと効果があるかは怪しいけど買っておきましょう。私は3万で支払いを済ませ

 

「また来るわ。今度はもう少し安い破魔札を多めに仕入れておいてね」

 

「判ったアルヨー」

 

手を振る厄珍と別れ、買ってきた破魔札を見ながら

 

(やっぱり最初は投げ方よね……横島なら足にセットすると良いかなあ)

 

破魔札ホルダーは拳銃のホルダーと同じように装備することが多い、まぁ女性の中には胸の谷間とかにはさんでいる人も居る。それは貧乳に対する嫌味だとおもう。ちなみに私は太ももにホルダーを嵌めてたけど、多分横島も太ももか肩からさげる形で

 

(あとは投げ方をどう教えるかよね)

 

破魔札は霊力がなくても使えるが、霊力で補助してコントロールする。霊力が使えないので純粋に投擲技術を磨かないと当てるのは難しい

 

(まぁその内栄光の手とかサイキックソーサーが使えるようになるから、それまでのつなぎね)

 

横島は荷物持ちとして行動していた。だから基本的には荷物持ちになる可能性が高い、だけど基礎があればある程度は美神さんも妥協してくれるはず。問題は……

 

(投げれるのかなあ)

 

サイキックソーサーの扱いは得意だったけど破魔札はどうなんだろう?そこだけが不安だけど、今の横島はスポンジ状態、与えられた知識をすんなり吸収していくはずだから大丈夫だと判断して、横島と待ち合わせしている公園に向かったのだった

 

 

 

 

春休みの間俺は蛍にGSについての基礎知識を教わっているのだが

 

「あかん……全然理解できへん……」

 

蛍は丁寧に教えてくれているのに、俺には全然理解できない……除霊の基礎だけでもこんなに難しいのか……

 

「最初は難しく思うのは当然だけど、頑張れば大丈夫よ」

 

蛍はそう励ましてくれるけど俺には理解できるが果たしてくるのだろうか?

 

「まぁいざとなれば私がフォローするから心配しないで」

 

「ほ、蛍うううッ!!」

 

俺はその優しい言葉に嬉しくなり、蛍に抱きつこうとしたがそれよりも早く

 

「え、もう!急に抱きつくのは無し!」

 

「へぶう!?」

 

蛍の振り下ろしの右に頬を打ちぬかれ、その場に倒れこむ……

 

「あ、ごめんなさい。思いっきり打ち込んじゃった……」

 

「だ、大丈夫やあ……ワイが悪かったんやあ……」

 

だけど多分急に抱きつく癖は治らんやろなあ……ふと思うのは俺が飛び掛ったときに迎撃してくれる人間がいれば良いんじゃないか?そして逆に言えば、迎撃してくれる人間をナンパすれば良いのではないだろうか?俺はそんな事を考えながら、痛む頬を摩りながら座り

 

「それじゃあ今日は終わり?」

 

今日のGS訓練は終わりかと尋ねると蛍は違うわよと首を振りながら、バイクにくくり付けてある鞄から何かを取り出している

 

(チェ……折角の春休みなのに……)

 

ずっとGSの訓練ばかりしていたら飽きてしまう。正直な話蛍と2人きりだから、少しはこう……華やかなイベントを期待してたんだけどなあ

 

「落ち着いたら2人で遊びに行きましょう?だけど今は訓練よ?春休みは短いとは言え、長期休暇よ?いつでも一緒に遊べるじゃない」

 

「しゃああ!!蛍!俺はどうすれば良いんだ!!!」

 

一気に気合満点になり、軽くシャドーをしながら言うと蛍は俺に

 

「はい。じゃあこれね」

 

「なんやこれ?」

 

1円と書かれた札を見て尋ねる。蛍はにこりと笑いながら

 

「破魔札よ。霊力があるほうが良いんだけど、ある程度は霊力がなくても使えるからまずはこれの使い方を覚えましょう?」

 

俺は手の中の札を見るでかでかを1円と書かれている札が束である。多分1円ってことは1円だからこれで300円くらい?

 

「じゃあこれホルスターね。拳銃みたいに脇に下げるか太ももにつけるかは横島の好きなほうで、私は太ももね?」

 

太ももの所にホルスターを巻く蛍。なんかエロいぞ……なんでだ!?ドキドキする……

 

「はい。これはプレゼントだから好きな場所に巻いて見て」

 

自分の太ももに巻いていたホルスターを外して手渡ししてくる蛍

 

(お、おおおお……)

 

これがさっきまで蛍の足に……なんて羨ましい……と、とりあえず巻いてみるか。蛍と同じように太ももに巻いて、渡された札を中にしまう

 

「それで準備OKよ、じゃあこれは見本ね」

 

蛍が俺のホルスターから札を引き抜いて指の間に挟んで

 

「シッ!」

 

「おお!?すげえ!!!」

 

ただの紙がシュッと鋭い音を立てて飛んで行き、的にした木に当たるとパンッと言う乾いた音を立てて爆発した

 

「まぁこんな感じね。鋭く振りぬいて飛ばす感じよ?少し上を狙ったほうが良いわ」

 

蛍が俺の後ろに回って手を取って投げ方を教えてくれる

 

(う、うわわ……や、柔らかい感触が!?それに甘い匂いも」

 

「横島?声に出てるわよ?」

 

「あいたたた!!!ごみゃんにゃはい!!」

 

頬を抓られて涙目で謝る。普段は優しいけど、こういう時は真面目じゃないと怒る。GSは命懸けだから当然やな、必死で謝ると蛍は俺の頬放して

 

「ゆっくりね。多分最初は飛ばないと思うけど、勘さえつかめば大丈夫だから」

 

そう笑っている蛍に頷き。俺は破魔札を視線の先の木目掛けて投げつけたのだった……

 

「……大丈夫。最初はそんな物よ」

 

足元で炸裂した破魔札。そして優しい目で俺を見てくる蛍に

 

「そんな優しい目でみんといてええええ!!!」

 

「ああ!横島!?まって!逃げないで!!!」

 

恥ずかしさで逃げ回る俺を追いかけてくる蛍。直ぐに捕まり投げる練習を再開したんだけど、結局真っ直ぐ飛ばず……今日1日だけでかなり気まずい空気になるのだった……

 

 

 

目覚めてもぼんやりと頭に浮かび続ける青年の姿。その姿を求めて私はふらふらふらとさ迷い歩いてきた

 

(ここ?ここなのね?)

 

夢の中に光景と完全に一致する街に来た私は安心した。ここで探せばきっと夢で探している青年に会える

 

(なんでこんなに会いたいんだろう)

 

夢の中で見た人間だから、本当はいないかもしれないのに……何でこんなに必死になってここまで来たんだろう?

 

(私らしくないのかな?)

 

あの青年への謎の愛しさを感じている私とそれを見て何を馬鹿な?と思う自分がいるのに、私はここまで来た

 

(疲れた……それにお腹減った……)

 

人間に化ける事もできるが、そんなことをする体力と妖力も無い。それに仮に出来たとしても月の出ている夜の間だけ、夜は人間の姿で行動して、朝と昼は正体である動物の姿で行動し。少しでも霊力の消耗を抑えたけどもう限界

 

(動けない……)

 

ぽてっと倒れこみ、そのまま動けなくなってしまう。このままだと危ないと判っているのだが動けない

 

「んお?なんだ?狐?」

 

突然聞こえたぼけっとした声に閉じかけた目を開いて驚いた

 

(みつけた……本当にいたんだ)

 

若いけど間違いない、夢で見たあの青年だ。少年と言えるかもしれないけど

 

「おーおーおー、随分汚れちまって」

 

ひょいっと私を抱き上げる。近くで顔を見て確信する、間違いないこの少年が夢で見た青年だと判る

 

「お袋が怒るかも知れねえけどほっておけないな……なぁ?お前俺の家来るか?ははは、人間の言葉は判らないか?」

 

何をやってるだろうなと呟く少年。だけど私にはこの青年がなんて言ってるのか判っている

 

「コン!」

 

「ん?もしかして返事したか?お前」

 

不思議そうな顔をする少年の袖口を噛んで

 

「コン!コン!!」

 

もう鳴声を出すのも辛いけど、必死に着いて行くという意思を示すと

 

「判った。判った。じゃあ一緒に行こうな」

 

優しく抱きなおしてくれた少年。噛んでいた服をはなし少し腕の中でもぞもぞと動き、少年の腕の中で目を閉じる

 

(暖かい……夢と同じ)

 

夢で感じたのと同じ優しさと暖かさ。私は疲労の事もあり、その少年の腕の中で眠ってしまったのだった……

 

 

 

「あー如何するかなあ」

 

蛍との訓練を終えて帰る途中の路地裏で見つけた金色の子狐。ドロで汚れてるけど、多分洗えば綺麗な金色なんやろなあ

 

「お袋良いって言うかなあ」

 

動物飼うって言って良いって言ってくれるかな?それが不安だけどどうしてもほっておけなかった

 

「くう……くう」

 

小さい寝息を立てている子狐。野生動物って気難しいって聞くけど、なんか懐いてくれてるんかなあ?

 

「それにしてもお前どこからきたんや」

 

東京なんて街に狐がいるわけないしなぁ……腕の中の狐を見るとなんか不思議な愛着を感じる

 

(なんか蛍に初めて会った時と同じ感じや)

 

蛍に狐と同じ扱いなんてって怒られてしまうかな?と思いながら歩き出そうとして

 

「あれ?尻尾増えてる」

 

さっきは1本だったのに今は2本だ。尾が2本の狐なんかいるわけ無い……と言うことはこの狐は妖怪?

 

(あかん。蛍に相談できへん!まずは家に帰ろ!!!)

 

GSも近くにいるし見つかったら大変なことになると判断し、俺は子狐を服の中に入れて家へと走ったのだった……

 

リポート2 ナインテール・フォックス その2に続く

 

 




狐。尻尾。答えは既に出ていますが誰かは言いませんよ?ばれていたとしても言いませんからね?

次回は狐ちゃんのフェイズです。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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