GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回からはフィルムは生きているの話に入っていこうと思っています。この後は一回別件を挟んで、GS試験の話に入っていこうと思っています。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


リポート23 フィルムの中の剣士 
その1


リポート23 フィルムの中の剣士 その1

 

義経の除霊が終わってから5日。俺は暇を持て余していた……まぁたまに風呂場とかに襲撃してくるおキヌちゃんのせいでかなり緊張感のある生活をしているが、それでも暇だと感じる程度にはおキヌちゃんの突撃になれてしまったことを悲しめばいいのか、喜べば良いのか判断に悩む所だ

 

(まさかなあ……学校まで駄目とは……)

 

1週間の自宅療養が病院から出された診察結果だった。GSのアルバイトが出来ないなら1週間でも学校に行こうかなあっと思っていたので正直これは予想外だった、最初は休みだーと思って喜んでいたのだが、それも2日で飽きた。本を読んだり、TVを見たり、軽い筋トレをして見たり……チビとモグラちゃんと遊んだりしていたが、やはり暇だ。陰陽術と妖怪の本も没収されているので、やることが殆ど何も無い……

 

(そう言えば、タイガーの奴は大丈夫なんだろうか……?)

 

昨日宿題やプリントを届けに来てくれたタイガーの事をふと思い出した

 

「お前。大丈夫か?」

 

「ひゃんひゃんひゃいじょうぶ」

 

うん、あれは今思い出しても大丈夫と言える顔じゃなかったと思う。元の形が判らないほどに殴られていたタイガーに本当に申し訳ないことをしたと思う

 

「悪いな、あんなことを頼んだから」

 

義経と俺の精神を繋いだ。それが蛍達の逆鱗に触れ、これだけぼこぼこにされたと判っているので謝るとタイガーは

 

「ひゃにしひゃいでくだひゃい。ワッシはじびゃんのひぃた事はまちひゃってにゃいとおもひゃってるけん」

 

「悪い、何言ってるかわからん」

 

俺がそう言うとタイガーは鞄からノートを取り出して、さらさらと文字を書いて俺に差し出す

 

【友達だから、友達のやりたいと思ってることは……全力で応援したかったんですじゃー】

 

こいつ恥ずかしいことを……でもまあ。うん、俺も友達だって思ってるし

 

「ありがとな。また今度どっか案内するぜ」

 

こっちに越してきたばっかだからなんもわかんないだろ?と言うとお願いしますジャーとノートに書いて、のっしのっしと歩いて行ったタイガーの事を思い出していると

 

「みーむー」

 

小さな翼で飛んできて俺の腹の上に着地するチビ。その目を見るとキラキラを輝いているのが判る

 

「判った判った。遊んでやるからなー」

 

みーむうー!うきゅーっと喜ぶモグラちゃんとチビ。普段は学校とか、アルバイトで家に居る時間の方が短いから、こうして俺が家に居るから全力で甘えに来ているのが判る

 

「タマモも遊ぶか?」

 

ボールとか、猫じゃらしを用意しながら日当りの良い所で寝転がっているタマモに声を掛けるが、反応が無い。日当りが良いから気持ちよくて寝てるのかな?と思いながら

 

「ほーれ」

 

チビとモグラちゃんのお気に入りの毛糸のボールを2匹の前に転がすのだった……

 

「みーみー」

 

「すぷーすぷー」

 

1時間ほど遊んでやったら満足したのか、並んで寝転んで昼寝しているしている姿を見ると、なんか穏やかな気分になってくる

 

「コン」

 

モグラちゃんとチビが寝てからタマモが足元に擦り寄ってくる。膝の上に乗せて

 

「モグラちゃんとチビが居るとあんまり甘えてこないなー?」

 

と呟くと判りやすく目をそらす、まぁ無理は無いか

 

「早く9本目の尻尾が戻ると良いなー」

 

キラキラと日の光を浴びて輝く、タマモの8本の尻尾を撫でながら言うと

 

「クウン!」

 

元気良く返事をするタマモに苦笑する。後最後の一本でタマモの霊力が完全に回復するのだろう、そうすれば狐の姿じゃなくて、満月の時の人間の姿でいる事ができるのだろう

 

(うーむ、可愛い子狐で居てくれるのはもう少しだけか……)

 

なんだかんだでかなり長い間一緒に居るので、正直狐の姿のタマモがあんまり見れなくなるのは寂しい気もするが、人間の姿のタマモも可愛いかったので、早く喋ったり出来る様になるといいなあと思っていると

 

【横島さーん。お昼ごはんですよー】

 

キッチンから聞こえてくるおキヌちゃんの声、普段なら飯だーっと喜んでリビングに向かうのだが

 

(あんまり美味くないんだよなぁ……)

 

霊体の回復に良く効くという食材で作られた料理、それは精進料理に近いものがあり、肉や魚が一切なく。正直言って若干物足りないし、それに何か普通じゃない食材も混じっているからか、食べれはするが、美味くないと言う料理だ。俺がタマモの背中を撫でながら溜息を吐いていると

 

「……しっかり食べて早く治すことを考えろ」

 

いつの間にか背後に居たシズクにそう言われ、早く体調を整える為だもんな。我慢して食べようと呟き、タマモを抱きかかえてリビングへと向かうのだった……

 

 

 

 

 

機械にセットした3つの球体……横島君から借りてきた眼魂だ。機械に表示されているグラフを見て

 

「ふむ、ウィスプの総霊力が小僧よりも少し上、韋駄天はその2倍~3倍。牛若丸が韋駄天より下でウィスプよりも上……まぁ当然といえば当然じゃな」

 

私だけでは分析しきれないと判断してドクターカオスに協力要請をした。科学者と言うのは総じて、考えが偏りやすい。1人よりも2人で分析したほうが良い結果が出るという物だ。そして分析の結果、材質などを知ることが出来たのは大きな進歩といえるだろう

 

「神族の韋駄天に英霊の牛若丸。霊力のキャパが大きいのは当然ですね」

 

英霊と至った義経と比べれば、幼い時の牛若丸のキャパと霊格が下がるのは当たり前だが、それでも牛若丸は人間よりも遥かに上位の存在だ、内包している霊力が大きいのは当然。しかし、それで行くと気がかりな点が1つ

 

「よくそんな規格外の魂を小僧はその身に宿すことが出来たのう……」

 

横島君の潜在霊力は確かに膨大だ、だがそれは神族や魔族と比べれば微々たる物だ。あの謎のベルトと言う媒介があったとしても、横島君の身体に収まる訳が無い……

 

「シャーマンと仮定してもなぁ……頭がパンクして終わりじゃろうなぁ……」

 

いくら協力的だったからと考えても、横島君では完全にキャパシテイオーバー。私とドクターカオスから見れば、酷い霊体痛と筋肉痛で済ませている横島君が正直信じられない

 

「でしょうね、最悪その場で死ぬって言うのが普通でしょうね」

 

仮にこれが神代君ならギリギリで理解できる、元々神卸しの儀式に特化し、それを何代にも渡って磨き続けていた神代家の人間なら可能だろう、しかし前世が陰陽術師……しかも不完全な転生をした横島君がそれだけの霊力を自分の身体に受け入れて無事で居られる理由が判らない……

 

「確認のために聞くが、小僧の家系に強力な霊能力者はいないんじゃったな?」

 

「ええ、これは何回も確認しています」

 

横島君の家系には霊能力者は居ない、しかしその代わりと言ってなんだが

 

「奇妙な事に時の権力者や、有名な武士などの近くに居た人物が祖先に居たらしいですが……」

 

これは調べて見て判ったことだが、横島君の両親の大樹さんに百合子さん。その2人の家系には時の権力者の左腕にまで上り詰めた貴族や、決して有名ではない武将だが、その部下として活躍した剣豪などが居た

 

「ふーむ……それもまた不可思議じゃな、そんな存在が居るなら霊能力者が居てもおかしくないんじゃが」

 

これだけその時代で活躍している人間が居るのにも関わらず、不思議なことに霊能者が1人も居ない……

 

「霊能者が居れば無理やりにでも納得できたんじゃがな」

 

その祖先の霊能者の血が横島君に流れているからで、多少無理やりだが納得できた。だがそれすらも居ないのだから、謎が深まる一方だ

 

「まぁ小僧の謎については、一旦ここで切って……アシュよ。ワシに霊具の発明を抑えろとはどういうことじゃ?ちゃんとした理由を説明して欲しいんじゃが?」

 

今日ドクターカオスを呼んだのは、眼魂の分析だけではない。もう1つ直接あって話して置きたいことがあったからだ

 

「先日街中でガープに遭遇しました。下手に行動すると貴方達の身が危ない」

 

「……なるほどのう……それは確かに発明を抑えろと言う訳じゃ」

 

ガープが下界で行動しているのは、白龍寺でメドーサの変わりにあの3人を手下として操るためと考えて良い。それだけならメドーサの代わりと言う事で理解できる。それだけで済めばいいが、ガープの事だ。役に立つ人間を操って部下にする事だって考えているだろう、だから今のこの時期にドクターカオスに霊具の開発をして目立たれたら困るのだ

 

「しかしな、ワシの名前はかなり今の段階で有名になってしまっている、もう遅いのではないか?」

 

「一応これから最高指導者に連絡して、護衛を何人かよこして貰うつもりです。逆行記憶もちか、出された指示に忠実に従う軍人かのどっちかになると思いますが……」

 

今の段階でも十分ドクターカオスは有名だ。もう遅い可能性もあるが、これ以上開発して目立つことを避けるだけでも効果があるかもしれない

 

「まぁ知り合いが来てくれるとありがたいの……」

 

「そればっかりはなんとも……」

 

恐らくだが、ソロモンと互角に戦えるような最上位の神魔族が来てくれる可能性は0だ。恐らく逃げの一手に特化した神族か魔族が選ばれる可能性がある

 

「まぁワシのほうでも簡単な逃亡用の道具を用意しておくわい」

 

「私のほうでも護衛用の兵鬼を作成するので、ある程度は安心してください」

 

ある程度だけか。と笑ったドクターカオスは立ち上がり

 

「すまんが、まだ用事があるので失礼する。あんまり力になれなくてすまんの」

 

「いえ、こっちも不安にさせるようなことしかいえなくて申し訳ないです」

 

ソロモンが動いていると言って、正規の軍を動かせばその場で戦争になるかもしれない、だから気付いていても思うように動けないもどかしさがずっと私に付きまとっている

 

「ふ、案外何とかなるもんじゃ、人間って言うのは逞しい者じゃからな」

 

ではの。お前も気をつけろよと声を掛けて、部屋を出て行くドクターカオスを見送り、机の上の眼魂を見つめ私は小さく溜息を吐くのだった。これからどうなるのかわからない不安。そして私は今度は娘達を護る事が出来るのか?そして私のせい

で不幸な未来を与えてしまった横島君の人生を変えることが出来るのか?考えても答えの出ない不安を感じるのだった……

 

 

 

 

 

横島君に通わせていた病院の医師から、全快したので私の事務所に向かうように指示を出しましたという電話を貰い

 

「はい、ありがとうございました」

 

これで横島君も復帰か、正直言って、横島君が居ない間はシズクの協力も得れなかったので辛い除霊がそれなりに多かった

 

「はー終わりました。美神さん~少しは掃除しましょうよー?」

 

おキヌちゃんが横島君の所に居るので、正直私の事務所はゴミ屋敷のようになってしまっていた

 

「あ、あはは……ごめんね?」

 

やろうと思えば家事も掃除もできるのだが、どうしても面倒になってしまうのだ

 

「はー別に掃除すること自体は良いんですけど、依頼人帰っちゃいますよ?」

 

溜息を吐きながら掃除道具を片付けている蛍ちゃんを見ていると

 

「美神さーん!無事治療完了しましたー」

 

横島君が頭の上にチビとモグラちゃんを乗せ、タマモを抱きかかえてシズクと一緒に事務所の中に入ってくる

 

「良かったわね、あと、もう1回言っておくけど、あんまり無茶な事をしたら駄目よ。霊力の枯渇は本当に危険なんだから」

 

大体普通の人間が霊力の枯渇に陥れば、そのまま亡くなってしまうのが普通なのに、その状態から復活する横島君の潜在霊力の高さを物語っている。だがそれがあるからと無茶をすれば横島君の今後の霊能者としての活動に支障が出るかもしれないから釘を刺しておく

 

「うっす!病院の先生にも怒られたんで肝に銘じておきます!」

 

びしっと敬礼する横島君、なんか横島君が居るだけでずいぶんと事務所の雰囲気が変わるわね

 

「異常がなくて良かったわ、横島。心配したんだからね」

 

「う、うん。ごめん……今度から気をつけるわ」

 

私が言うよりも、蛍ちゃんが言ったほうが効果がありそうね。こうして見ていると、お互いが両想いなのが判るので見ているとなんか穏やかな気分になるのよねーと思いながら、横島君から取り上げた陰陽術と妖怪の本。それと優太郎さんとドクターカオスが解析した眼魂を3つ引き出しの中から取り出して

 

「じゃ、これ一応返すわね。眼魂の方は使用禁止なのは変わらないけど、なにかのお守りになるかもしれないから持ってなさい」

 

本当は持たせると使ってしまいそうなので、渡したくはないのだが、話によるとこれ自体がかなりの霊力を持っているので、横島君の霊的防御を上げるのに役立つらしいし

 

【横島殿!ご快方おめでとうございます!】

 

「おう。ありがとなー」

 

牛若丸眼魂は自意識があるので、奇襲や牛若丸の兵法を教わることも出来るので、横島君に持たせたほうが良いとの事なのだ。まぁ私達のそんな思惑を横島君が知っている訳も無く、ポケットの中に眼魂を押し込む、あーれーとか言う牛若丸の声が聞こえる、そうねこれも言っておかないと

 

「横島君。大事なことだから言っておくけど、良い?霊能者が簡単に幽霊に体を貸したら駄目よ」

 

私がそう言うと横島君はえっ!?って驚いた顔をする。まだそこまで説明してなかった私と蛍ちゃんが悪いんだけど、またこんなことになっても困るし、ちゃんと釘を刺しておかないと

 

「いい、悪霊の中には身体を求めている幽霊が多いわ、ううん。悪霊だけじゃなくて周囲の雑霊もよ、最初の1回は大丈夫かもしれない。ええ、あの時はああするしかなかった」

 

義経との戦いでは横島君は明らかに力不足。牛若丸に身体を預けたのは間違った判断ではない、でもそれを当たり前だと考えると大変なことになる

 

「そう言うことを繰り返すと生きてる人間が持っている幽霊を弾く抵抗力とかが減っていくわ。幽霊に対して無抵抗になるとも言えるわね。そうなるとどうなると思う?」

 

私の問いかけに首を傾げる横島君にシズクが説明するために近づき

 

「……周囲の悪霊や雑霊が体を求めてお前に殺到する。そしてそれらは交じり合い巨大な霊となる、そうなると私でも除霊する事が出来なくなる。下手をすれば生きてる人間を際限無しに取り込むことにもなりかねん」

 

シズクの説明で青い顔をしている横島君。これで幽霊に体を貸す危険性を理解してくれれば良いんだけど……

 

「でも牛若丸はそんな事をしないと思います。あの時も力を貸してくれたし、今も……」

 

そう反論する横島君の言葉。私とシズクがもう1度口を開く前に蛍ちゃんが横島君に近づいて

 

「牛若丸とか悪いって言ってんじゃないのよ?でもね。悪い幽霊は多いの、そう言うのは人畜無害な顔をして牙を剥くわ。横島が優しいのはよく知ってる、でもね?その優しさが横島を苦しめることになるかもしれない。美神さんも私もシズクもそれを心配しているの、お願いだから私や美神さんの気持ちも理解して?」

 

蛍ちゃんの心配そうな声に横島君も流石にこれ以上何もいえないと思ったのか

 

「判った……幽霊には体を貸さない。蛍やシズク……それに美神さん心配をかけるわけには行かないから」

 

納得してくれたみたいね。良かった良かった……横島君は無意識に自分を霊力で護っているのでそんな事にはならないと思っていたけど、今後もあんな風に幽霊に体を貸していたらその内どこかにほころびが出てもおかしくないからね

 

「所で横島。おキヌさんは?一緒じゃないの?」

 

「ん?昨日の夜美神さんの事務所に行くって言って帰ったぞ?なぁシズク」

 

「……ああ、確か10時くらいに家を出たはずだ」

 

え?でも事務所のほうには来てないし……かと言ってちゃんとGS協会から発行されている保護幽霊のやつを所持しているはずだから除霊されたって訳でもないし……

 

(なんか嫌な予感がする)

 

霊感がささやいている、これは何かの事件の前触れかもしれないと……そしてそんな私の予感を裏づけするかのように電話が鳴る。嫌な予感を感じつつそれを取った

 

『こちら、新極楽シネマ座の者なのですが、おキヌと言う少女が呼んでいるのでお電話しました』

 

新極楽シネマ?なんで映画館から電話が?

 

「新極楽シネマ?そこにおキヌちゃんが居るの?」

 

声に出してメモをするようにと蛍ちゃんに指示を出す。メモ帳に素早くメモをする蛍ちゃんを見ながら話を聞くのだが、口では説明しにくいので映画館に来てくれと言うので

 

「判りました。今から伺わせていただきます。では」

 

電話を切って横島君を見て

 

「行き成りだけど、なんかトラブルみたい。どうする?来る?来ない?」

 

病み上がりと言うことも考慮してそう尋ねると横島君は、行きます!と返事を返した。やる気があるのはいいけど、本当無茶だけはしないで欲しいわねと思いながら

 

「いちおう除霊具を用意して、新極楽シネマに向かうわよ!」

 

はいっと返事を返す横島君と蛍ちゃんを見ながら、私も自分の除霊具の準備を整え、新極楽シネマ座へと向かった

 

「お待ちしてました。こちらです」

 

支配人らしい人物に案内され、上映中と書かれた映画館の中に足を踏み入れる。

 

「へー斬新な新撰組だってよ。どんな映画なんだろうなあ」

 

「斬新って言うだけあるんだから、きっとまさかの展開があるんじゃない?」

 

ポスターを見てそんな話をしている蛍ちゃんと横島君に、もう少し気を引き締めなさいと警告して、周囲を見渡す

 

(あちこちから霊力が……)

 

微弱な霊力をあちこちから感じる。どうも嫌な予感が的中したようだ……

 

【美神さーんっ!助けてくださーい!】

 

「「「いっ!?」」」

 

スクリーンの中から助けを求めるおキヌちゃんの声がして、思わず立ち止まった瞬間。おキヌちゃんの隣から顔を見せた新撰組の羽織を身に纏った男が姿を見せ

 

【すまぬ!致し方なかったのだ!全てはワシの差し金……御免ッ!】

 

映画のスクリーンが凄まじい光を放ち、私達の視界が白一色へ染まったのだった……

 

 

 

 

古風な街並みの中、茶屋の椅子に腰掛け、団子を頬張っていた桜色の着物を身に纏った少女の姿があった。

 

「私も行くとしましょうか。お会計ここに置いておきますねー」

 

茶屋の椅子に立てかけた刀を掴んで歩き出そうとした少女だが

 

「がふっ!?」

 

さっきまでの触れたら切れるような雰囲気はどこへやら、突然血を吐いて倒れるその少女を見て

 

「お、お客さーん!?お客さん!大丈夫ですか!?」

 

店主が慌てて駆け寄り、その少女に呼びかける声が、青い空へと吸い込まれていくのだった……

 

 

リポート23 フィルムの中の剣士 その2へ続く

 

 




FGOをやってる人ならきっと最後の人が誰か分かるはず。ちなみに私はこの人を持ってません。前回のイベントの時は50連もしたのに出なかった。☆4すら出なかった……まぁ復刻ので召喚することが出来たので登場させる事にしました。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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