GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです、今回は戦闘開始まで持って行きたいと思います。かなりオリジナル要素にちょっと強引な話しの進め方になっている部分もありますので、どうか広い心でお願いします、それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします


その3

 

 

リポート22 英雄の見る夢は? その3

 

仙台のホテルで一泊した次の日の朝。ホテルのフロントから琉璃から電話があったと教えられ、電話を繋いで貰ったんだけど、正直言ってかなり眠くてそのまま切ろうとしたんだけど、次の一言で一気に目が覚めた

 

『目撃位置が一気に飛びました。昨日の深夜3時頃に福島と宮城の県境で目撃されています』

 

車で移動して、義経よりも先に岩手の義経堂に到着して罠を仕掛けるつもりだったけど、思ったよりも移動スピードが速い

 

「それ以降の目撃情報は?」

 

『県境で目撃されてから情報はありません。ですが、行き成り山林の一部が消えたと言う情報があります』

 

山林が消し飛んだ……これはどう考えても義経の仕業ね。なんで山林を消し飛ばしたのか判らないけれど……

 

『それ以降の目撃情報や、異常現象の目撃情報はないですが、急いだほうがいいと思います』

 

深夜3時に福島と宮城の県境……義経の移動スピードがどれほど上がったか判らないけど、急いで行動しないと不味そうね

 

「情報ありがと!じゃあ切るわよ」

 

『気をつけて』

 

琉璃の言葉に任せておきなさいと返事を返し、ただ事ではない気配を感じ取ったのかおキヌちゃんがホテルの床から顔を出して

 

【どうかしたんですか!?】

 

ナイスタイミング!私は急いで着替えながら

 

「皆を起こして駐車場に集めて!義経の目撃情報の位置が大幅に飛んだわ!急がないと間に合わなくなる!」

 

義経の目撃情報から移動スピードを割り出して余裕を持って行動していたけど、それが仇になった。ここまで一気に目撃情報が飛ぶなんて予想もしてなかった。ここからは休憩も無しで一気に岩手まで行かないと間に合わなくなる

 

【わ、判りました!横島さんと蛍ちゃんを起こしてきます!】

 

急ぐようにおキヌちゃんに頼んで荷物を纏めて部屋を出ると

 

「令子のほうにも電話があったワケ」

 

髪を縛りながら部屋を出てきたエミと鉢合わせる

 

「そうよ、話は後!早く出発するわよ!」

 

「言われなくても!」

 

ホテルの廊下を走り、エレベーターに滑り込むようにして乗り込み、地下駐車向かうのだった

 

「……もう!横島君とシズクは何をしてるのよ!!!横島君は起したんでしょ!?蛍ちゃん!」

 

先ほどエミとタイガーは先に行くと言って出発してしまった。横島君が来てないので出発できない、横島君は起したんでしょと蛍ちゃんに尋ねると

 

「横島は起きてます、横島は起きているんですけど……」

 

言いにくそうにしている蛍ちゃんにどうかした?と尋ねると、疲れた様子のおキヌちゃんが今の状況を説明してくれる

 

【……超低血圧のシズクちゃんが起きないので、横島さんが頑張って起そうとしています】

 

……なにやってんのよシズク……いや、でもミズチだし蛇だから血圧低いのは仕方ないのかしら?とは言え今はそんな事を言っている状況じゃないし起しに行くことを考えていると

 

「すんませーん!!!!」

 

横島君が背中にシズクを背負ったまま車に乗り込んでくる。それを確認してからドアを閉めるように言うと同時にアクセルを踏み込み、先に出発したエミ達を追いかける為に法定速度ギリギリで車を走らせるのだった……

 

 

 

 

 

私はシズクと同じ部屋だったから、おキヌさんに起されてすぐシズクを起こそうとしたんだけど

 

(あ、あの目は反則よ……)

 

眠いのかものすごく不機嫌そうな目で睨んできて、しかも竜気まで出してきて私とおキヌさんでは起すことが出来ないと思い横島に起こすように頼んだが

 

「ふぃー超セーフ」

 

「……」

 

ぐーっとまだ寝息を立てているシズクを膝の上に乗せて、汗を拭っている横島。

 

(ま、まだ寝てる……)

 

横島の背中に背負われた時点でかなりの振動があったはずだし、それに今車の運転でかなりの振動があるのにまだ寝てる

 

(シズクって相当朝弱いのね……)

 

朝横島の家に行った時にはいつも起きているけど、きっとかなり早起きして体調を整えているんだと思うのだった

 

「所で横島。チビ達は?」

 

姿の見えないチビ達のことを尋ねると横島は自分の横のリュックを指差して

 

「寝てて起きる気配が無かったからリュックに詰めて来た」

 

……いや、いくらなんでも対応が雑すぎない?私の視線に気付いた横島がリュックを開けると

 

「スヤスヤ」

 

「プーア……プーア」

 

「みむむむ……みむむうう」

 

丸くなって眠っているタマモの尻尾に埋もれるようにして、眠っているチビとモグラちゃん。起きる気配は全く無い

 

【良く寝てますねー】

 

「おう。だから起すと可哀相だからな、起さないように気をつけてリュックに入れたんだ」

 

気持ち良さそうに寝ているタマモ達を見て笑っている横島を見てつられて笑ってしまう。やばい状況なのに、自然とリラックスできる。

 

(うん、良い感じで力が抜けた)

 

美神さんの話を聞いて、強張っていた筋肉がほぐれるのが判る。やっぱり緊張し、身構えてしまっている状況よりも自然体の方がいいわね

 

「……うー」

 

私達の笑い声が聞こえたのかシズクがうっすらと目を開ける。やっと起きたみたいね、この寝ぼすけ竜神は……

 

「起きたか?シズク」

 

横島がそう尋ねるとシズクは小さく頷いて、目を擦りながら周囲を見て小さく首を傾げながら

 

「……ホテルじゃない?ここは……」

 

右を見て、左を見て、正面を見て自分が横島の膝の上に居ることを理解したシズクは

 

「……横島?」

 

「ん?どうした?」

 

横島の名前を呼んだと思ったら、いつもの無表情の顔が目に見えて動揺した物になり、そして……

 

「……ふんッ!!!」

 

「ぐほおっ!?」

 

拳と拳ほどの隙間しかないのにも関わらず、凄まじい威力のボデイを横島の腹に放ち、横島の膝の上から降りて

 

「……うー」

 

自分に掛けられていた毛布を頭からかぶり、うーっと唸っていた。毛布の隙間から見える恨めしそうなシズクの視線

 

(こういう姿を見ると外見相応って感じで可愛いわね)

 

本当は私よりも年上で、遥かに強い力を持つシズクを見て、私は心の中でそう呟くのだった……

 

「うおおお……ワイが何をしたぁ……」

 

【大丈夫ですか?横島さん】

 

なお強烈過ぎるボデイを喰らった横島は脂汗を流しながら、座席の上で腹を押さえて蹲っていたのだが、その内痛みのせいなのか意識を失っていたので、バンの後ろに横にすることにしたのだった……

 

 

 

 

 

痛い……全身に走る激痛に顔を歪めながら、山の中を進む。いっそ狂ってしまえば……この痛みからも解放されるのでは?と言う考えが頭を過ぎるが

 

(何を馬鹿な……)

 

狂ってしまえばと思った瞬間脳裏に過ぎったのは、あの港での異形としての己の姿……ただ怒りのまま、絶望のまま周囲を破壊していた自身の姿……

 

(あの様な姿に二度となるわけには……)

 

あの時港に居た少年の翡翠色の一撃、それの痛みによって再び我を取り戻し、人の姿に戻る事が出来た。ならば再び魔獣となる事を誰がよしとする事が出来ようか……

 

「やはり……最後はあの場所で……」

 

身体の中で脈動している闇は今は収まっている。今のうちにあの場所へ……私の最後の場所で……自刃し果てたい……

 

【憎いのだろう?】

 

「ぐあっぐうう!?」

 

目的とした山が見えた時。脳裏に私を呼び起こした魔族の声が響く

 

【お前は兄に尽くした】

 

【だが兄はお前を殺した】

 

【憎いのだろう?】

 

繰り返し、繰り返し脳裏に響く魔族の声。その声が脳裏に響く度に、全身に走る痛みが激しくなり、意識が消えかける

 

「うるさい!黙れぇッ!!!」

 

腰の2本の刀を抜き、周囲の木々を出鱈目に切り裂く

 

「はーッ……はーっ……」

 

どれほどそうしていたか判らないが、いつの間にか脳裏に響いていた声が消えている……

 

「ぐ……はーッ……はーっ……」

 

木に背中を預け、右手を持ち上げると手が透けて見えている

 

「……今ので大分霊力を使ったか……」

 

英霊と化した身であれど、その魂の内容量は決まっている。あれだけ霊力を使えば、一時的に自身の存在を保つのが難しくなるのも道理……

 

「くっ……行くか……」

 

刀を杖代わりにして立ち上がる。死ぬのなら……消えるのなら……私にはあそこしかない。自身が死に、兄に裏切られた場所ではあるが……それ以上に……

 

「思い出がある……」

 

再び私が死ぬのならば、あそこしかない……私は全身に走る痛みに耐えながら、再び山の中を歩みだすのだった……

 

 

 

 

 

またこの夢だ、どこかの屋敷で泣いている小柄な少女。夢だというのにやたらそれは鮮明で、周囲の建物や、その少女を見ている周りの人間の声までしっかり聞こえてきた。大勢の人間が泣いている少女を見ているのに、誰も声を掛けない。俺はそれを見ていることしか出来なくて、そして誰かがその少女に近づいた時。俺は目を覚ますのだった……

 

「……うーむ」

 

シズクのボデイブローの痛みで意識を失っている間に見た夢。それがどうしても気になり、到着した義経堂の外で腕を組んで考え込む。もちろん頭の上では

 

「みむう」

 

最近俺の真似が好きなのかチビが短い前足で頑張って腕組して真似をしている。美神さん達が今義経堂の周囲に結界を張る許可と観光客を遠ざけるように打ち合わせをしている。だからその話がまとまるまで、こうして美神さん達を待っているのだ

 

「……そんなに痛かったか?悪かった」

 

「あーいや違う違う」

 

どうも腕を組んでいるのが腹を押さえているように見えたようで、シズクが謝ってくるので違う違うと笑いながら言う。痛いことは痛かったが、いつまでも痛い訳じゃない

 

「……じゃあ何を考えているんだ?」

 

もしかしてシズクならあの夢の事が判るかな?俺は少し考えてから

 

「へんな夢を見るんだよ。でっけえ屋敷で女の子が泣いてるんだ」

 

それもこの場所に近づくにつれて鮮明になって来てと言うと、シズクはふむっと小さく頷き

 

「……誰かと横島の魂の波長が合っているのかもしれない」

 

魂の波長?俺が首を傾げるとシズクは頭の上のチビを指差して

 

「……チビがお前に懐いているのは生まれたときにお前を見ただけじゃない、グレムリンが好む霊的波長をお前の魂が放っているからだ」

 

そーなの?頭の上のチビを抱っこして顔の正面に持ってくると

 

「みむう?」

 

なーに?と言わんばかりに首を傾げている。うーんとてもそんな物を感じ取っているようには思えない

 

「クウン?」

 

俺とシズクが何かの話をしているのを見て、タマモが足元に擦り寄ってきたので抱っこすると

 

「クーン」

 

すりすりと頬を摺り寄せてくるタマモ。ぽかぽかと暖かいから抱っこしていると何か安心するなあ

 

「……もしかするとお前が見た夢はタマモの前世の記憶かもしれないな」

 

そう言われるとなんかそんな気がするなあ……きょとんっとした目で俺を見ているタマモを見ていると

 

【周囲を見てきましたけど、今の所強い霊力の反応は無いです】

 

周囲の警戒をしていたおキヌちゃんが戻ってきて報告してくれる。そっか、今の所近くに義経は居ないのか

 

「ほーっ……やっと安心したのジャー」

 

ベンチに座って結界札を手にして、さっきまで青い顔をして震えていたタイガーが溜息を吐きながら呟くので

 

「お前は警戒しすぎだ。馬鹿」

 

こんな真昼間から幽霊が出るかよ。それにもし現れたのなら、襲撃に備えて残ってくれているシズクが居るのだから、きっと何とかしてくれる筈だ

 

「ううっでも怖い物は「うきゅーっ!!!」ほわたああああ!?」

 

久しぶりの山の中と言う事で、地面を潜って遊んでいたモグラちゃんが地面から飛び出して泡を吹いてひっくり返るタイガー

 

「……こいつこんなので退魔師になれるのか?」

 

【無理だと思いますけどねー。こんなに可愛いモグラちゃんで気絶してたら】

 

うきゅ?地面から顔を出して何かした?と言わんばかりに首を傾げているモグラちゃんを見て、俺もタイガーがGSになれるのか?と思った。溜息を吐きながら腕時計を見る、もう少しで2時間か……

 

「はぁ……そろそろ準備に取り掛かるか」

 

2時間経っても戻って来なかったら、結界などの準備をしていてくれと言われていた

 

「……そうだな。そろそろ始めるか」

 

「よろしく頼むぜ。シズク」

 

俺は正直結界とかの作り方なんて判らないから、シズクの指示に従って俺は結界を作る準備を始めるのだった……

 

 

 

 

 

 

ここら辺の土地を所有している地主達に話をつけて周囲に結界を張る許可を得ることは出来たけど、予想していた時間を遥かに越える時間が掛かってしまった、来た時はまだ昼間だったのに、もう辺りは茜色に染まっている

 

「美神さん。馬鹿って多いんですね」

 

車の方に戻りながら、蛍ちゃんが背伸びをしながら呟く。私も座ったままでずいぶんと疲れたので同じように背伸びをしながら

 

「まぁね。あの源義経の幽霊って聞いたら、金に目がくらむのも判るけどね」

 

源義経が魔族に操られて暴走しているから、観光客達の立ち入り禁止と避難をお願いしたら。何とかして義経を捕縛して観光名所に出来ないか?っと持ちかけてきた

 

「まぁエミのおかげで直ぐ済んで良かったわ」

 

「本当はこういうのはやらないんだけどね」

 

はあっと溜息を吐くエミ。暫くの間観光客を呼ぶことが出来ないのだからとか、プロのGSなのだからそれくらい何とかできるだろう?とか言う馬鹿共を見て、エミが即席で呪いを掛けて馬鹿共を脅かして脅えさせる事でやっとスムーズに交渉が進んだのだ

 

「……嫌な空気ね」

 

横島君達が待っている義経堂の方に戻っている最中。首筋にちりちりっと来た……それに周囲の空気も急激に冷え込んできたのが判る

 

「急いだほうが良いワケ。じゃないと準備が出来ない」

 

エミもどうやら感じ取ったようだ。急激に近づいてくる強い霊力の存在に……

 

「横島とタイガーさんが準備をしてくれている筈だから急ぎましょう」

 

「まぁたぶん半分くらい出来ていればいい所よね」

 

エミの若干いやみの篭った言葉だが、確かに半分出来ていれば御の字だろう。予定ではもっと早く戻って指示を出しながら準備をする予定だったのだから、蛍ちゃんの言葉に頷き、横島君達が待っている場所に向かうと

 

「モグラちゃん。ここからここまで穴を掘ってくれ、タマモは狐火の力を調整して落ち葉を頼む。チビは放電して手元を明るくしてくれ」

 

「うきゅ!」

 

ザックザックっと凄まじい勢いで穴を掘っていくモグラちゃんに

 

「クー」

 

小さな小さな狐火で落ち葉を焼いていくタマモ

 

「みむう!!」

 

そして小さく放電し横島君の手元を照らしているチビ……

 

(連携が凄い取れてるわね)

 

チビもモグラちゃんもタマモも横島君の指示に従って、結界の準備を進めている

 

「おキヌちゃーん。ちゃっと形になってるー?」

 

【大丈夫ですよー、あともう少しで完成しそうですー】

 

忙しく動き回りながら結界の準備をしている横島君。これもう殆ど完成しているんじゃ……

 

「……遅かったな。何かのトラブルか?」

 

シズクが水を操って鉄の柱を運びながら尋ねてくる。ちょっと呆然としていたが

 

「え、ええ。ちょっと地主とかとね揉めてて。まぁ許可は取ったから良いんだけど」

 

まぁそんな物無くても、結界を作るつもりだったけどと心の中で呟く、相手の能力の方が遥かに高いのだから、結界などの準備をして相手の能力を削ぐことを考えるのは当然の戦略だ。無論義経が言葉を聞くだけの自我を保っているのなら、交渉で終わらせるつもりで居るけどね

 

「……そうか。結界は私達だけで準備が終わる。少し休んでいるといい」

 

シズクの指差したほうにはキャンプ用の椅子に机。さらにおにぎりなども用意されていて……

 

「ずいぶん準備がいいのね」

 

蛍ちゃんが引きつった顔で尋ねると、シズクは柱を地面に打ちつけながら

 

「……横島とチビ達が頑張った、あのタイガーとか言うのは気絶していて役に立たなかったからな」

 

えっと私達が顔を見合わせると、最後の結界の柱に精霊石を埋め込んだ横島君が

 

「お疲れ様でーす!どうっすか!ちゃんと出来てますかねー?」

 

指示書をその手に持ちながら尋ねてくる横島君。まだ確認はしてないけど、見ている分には完成しているし、ちゃんと結界として機能をしているのが判る

 

「横島。オタクずいぶんと器用なワケ」

 

気絶しているタイガーを見て額に青筋を出しているエミが横島君に尋ねると

 

「んー手先は器用なほうだと思いますよ?模型作りとかも得意ですしねー」

 

模型作りと結界作りを同じに思われたら困るけど、シズクの補助があったとは言え、結界を作り上げた事を考えると

 

(んー今度機会を見てカオスに預けて見てもいいかも)

 

除霊具の作成が出来るGSになれば、出費が少なくなるし……また意外な横島君の才能が見えた瞬間だった

 

「それでタイガーさんはどうして気絶してるのよ?」

 

そう、それよ。まだ幽霊とかも出てきてないし、なんでタイガーが気絶しているのか?それが気になっていた。尋ねられた横島君とシズクは言い難そうにしている、まさかシズクが何か?

 

【地面からモグラちゃんが出てきて、それを見て驚いて気絶しちゃって】

 

泥まみれのモグラちゃんに水を掛けて、タオルで綺麗に拭いてあげていたおキヌちゃんがタイガーが気絶した理由を教えてくれた。そしてその理由を聞いたエミは

 

「このッ!馬鹿っ!!あんた何しにここに来たの!!あんな小さい妖怪に驚いて気絶って何考えてるの!!!」

 

「う、うひい!?ええ、エミさん!?いやその「問答無用!!!」あんぎゃああああっ!!!」

 

エミにたたき起こされ、ぼこぼこにされて再び気絶したタイガー。まだ話は終わってないわよ!!っと言って再び蹴り起されているタイガー。

 

「南無……さてと、美神さん、蛍。シズクとおキヌちゃんが簡単な食事を用意してくれたから、食べて休憩してください。俺はさっき作業しながら食べましたから」

 

んじゃ、俺は汚れて居るタマモとチビを綺麗にしてくるんでっと言って鞄からタオルを取り出している

 

「……水は私が用意しよう」

 

「サンキュー。じゃ行くぞー、チビ、タマモ」

 

みむうっ!コーンっと鳴く埃まみれのチビとタマモを連れて離れていく横島君

 

【あ、横島さーん、私も手伝いますよー】

 

「うきゅきゅー」

 

その後を楽しそうに鳴いているモグラちゃんを抱きかかえて、飛んでいくおキヌちゃんを見ながら私は思わず

 

「横島君は縁の下の力持ちって感じね」

 

「ですね」

 

思わずそう呟いた私に蛍ちゃんが同意する。横島君自身はまだ何も出来ないと自分を追い詰めている見たいだけど、こうして除霊しやすいように準備をしてくれているので私は十分感謝している。これでまぁもう少し落ち着いてくれれば文句なしで優秀な助手と言えるだろう

 

「さって蛍ちゃん。ちゃっちゃっと腹ごしらえして、結界の確認をしましょうか?」

 

「了解です」

 

見た所結界は完成しているようだけど、一応念の為に確認しておこうと思い。キャンプ用の机の上に置かれているお握りと鍋に入っている味噌汁を紙コップによそうのだった……

 

 

そして太陽が落ちた時……周囲から生き物の気配が消え、周囲に凄まじい霊力が満ち……

 

「貴様ら……ここで……なにをしているぅっ!!!!」

 

その身に纏う真紅の鎧と同じように、その瞳を真紅に光らせた義経がその身に纏う霊力を禍々しいまでの漆黒に染め上げ、私達の前に降り立ったのだった……

 

 

リポート22 英雄の見る夢は? その4へ続く

 

 

 

次回 仮面ライダーウィスプは!?

 

美神達の前に現れた、怨霊義経!狂気に飲まれ自らの憎悪に身を任せ暴れるかつての英雄

 

「悔やむならば……今の私の前に立った自分達の愚かさを悔いろ!」

 

圧倒的な戦力差の前に倒れる美神達。結界の中に隠れていた横島はタイガーやおキヌが止めるのを振り切り、義経の前に立つ!

 

「いつかじゃねえんだ!力が要るのは!!!今!!この瞬間なんだっ!!!!」

 

横島の叫びに応え現れるウィスプ眼魂

 

(変わりたい、守られるだけの俺じゃなくて……誰かを守れる俺になる!)

 

【カイガン!ウィスプ!アーユーレデイ?】

 

「さあ!行こうぜッ!ウィスプッ!!!」

 

【イヒヒーッ♪】

 

嬉しそうに手を伸ばしてきたウィスプと空中でハイタッチを交わす横島

 

【OK!レッツゴーッ!イ・タ・ズ・ラ!ゴ・ゴ・ゴーストッ!!!】

 

次回仮面ライダーウィスプ! 決意の変身

 

 

 

 




次回からは戦闘回になります、暴走義経をどうやって攻略するのか?そこを楽しみにしていてください。影の薄いタイガーが少しだけ頑張る予定です。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

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