GS芦蛍!絶対幸福大作戦!!!   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです。今回の別件リポートは「芦優太郎の捜査録」と言うことで、リポート19の補足になります。
横島が変身したライダーのスペックを調べるとか、そういう感じの話になります。それでは今回の別件リポートもどうかよろしくお願いします


別件リポート

 

別件リポート 芦優太郎の捜査録 その2

 

「……これはどういうことなのだろうか……」

 

使い魔の目を通して記録していた韋駄天と横島君の戦いを見て私は頭を抱えた

 

(こんな能力は与えてなかった筈だ)

 

八兵衛に渡したベルトはあくまで横島君との融合レベルを上げる為の物で、横島君の霊力のキャパシティを上げる為の物だ

。神霊の力を自分の身体に纏うような機能は与えていない

 

「これも横島君の才能の発現なのか?」

 

私やドクターカオスが認識してないだけで、横島君には陰陽術や霊力の物質化のほかに何か特別な霊能力があった?だから八兵衛との融合レベルが上昇したことでその能力が発現した……

 

「なんにせよ、調べて見なければ……」

 

あの戦いのあとの横島君の状態は酷い物だった。並の人間なら確実に死んでいるか、最悪霊能力を失っていた可能性もある。それほどまでに酷い霊体へのダメージを受けている。正直あとほんの数分処置が遅れていれば致命的な傷害が残った危険性もあった

 

「すまないが、これをドクターカオスのところへ頼む」

 

「キイ!」

 

軽く調査した結果と戦闘記録を写したデータを使い魔に渡し、ドクターカオスを呼んで来てくれるように頼む。流石に今回のことは私の手に余るからだ……

 

「これを含めてな……」

 

机の上に並んで置いてある白と黄色の球体を見つめて眉を顰める。見た目はおもちゃのようなのだが、白の方は韋駄天の神通力を、黄色は横島君の霊力に良く似た波長を放っている、しかも材質も地上にあるどんな物質にも該当しない、魔神である私でも解析できないこの球体を見て、私は深く溜息を吐くのだった……

 

 

 

 

 

「アシュ?いるかー?来たぞ」

 

昨晩アシュの使い間から受け取った画像データを見て、ワシなりに分析と予測をしてからアシュのビルを訪れる。マリアやテレサにはアシュの魔力の影響が大きいと判断して、家に残してきた。メタソウルに悪影響があって困るしの、声を掛けながらアシュの研究室に入ると部屋の奥からワシを呼ぶ声が聞こえてくる

 

「ふー少しは片付けたらどうじゃ?」

 

マントがあちこちの機械に引っかかるのでそれを脇に抱え、四苦八苦しながらアシュの前に行くと

 

「すいません、どうしてもこの球体の材質が知りたくて」

 

丸い球体のような何かを機械にセットして、あーでもない、こーでもないと呟いているアシュ。その球体は画像の中にも収められていたが、小僧の身体を覆った強化スーツを呼び出す召喚用の道具だとワシは推測している

 

「まぁ少し休め、お互いの見解を交換し合うのも大事なことじゃぞ?」

 

「む……それもそうですね」

 

1人の天才の知識には限界がある、だが2人の天才の知識が合わさればきっと解決できる。ワシとアシュはお互いに向かい合うように座り、その間に謎の球体を置く

 

「ふむ……これはまた……珍しい材質じゃな」

 

「判るのですか!?」

 

ワシの呟いた言葉に反応するアシュ。自分が知らない材質をワシが知っていればそれは気になるというものじゃな

 

「半分正解で半分外れじゃ、材質はわからんが……性質はメタソウルに似ておるな」

 

この球体の中には一部じゃが、小僧の魂と韋駄天の魂が収められておる。変な話じゃが、神社の分社と言う感じに近いかもしれない

 

「メタソウル……どうりで私が判らないわけですね」

 

「うむ。メタソウルはワシが開発した材質じゃからの……お前さんと言えど判らんじゃろうよ」

 

球体を手に取り調べて見ると横にボタンのような物が見えるの

 

「ほっ!?これはこれは……面白いの」

 

ボタンを押すと球体の真ん中が開き、奇妙なマークが浮かぶ。これは襷かの?

 

「まるで瞬きしているみたいですね」

 

「じゃな。眼球を模しているのかも知れん」

 

ふむ……眼を模した魂を収めた物か……

 

「眼魂(アイコン)じゃな!」

 

「アイコン?」

 

首を傾げるアシュに紙に書いた眼魂と見せると、ぽんっと手を叩いて

 

「おお、しっくり来ますね!」

 

「そうじゃろ!そうじゃろ!この球体は眼魂と呼ぶぞ!」

 

いつまでも球体球体じゃ、訳が判らない。これで呼びやすくなったのとお互いに笑いながら

 

「それでは解析を進めるかの」

 

どこかに消えてしまったベルトも出来れば解析したかったんじゃが、それが無い以上映像と眼魂で憶測になるが、それで調べるしかない。何度も何度も映像を繰り返し再生する

 

「ふむ、これは霊的な装甲のようですね」

 

「うむ、お主もそう思うか?物質でありながら非物質……実に面白い性質じゃな」

 

物理的な防御もあり、更にその身体を半実体化へと変換し、敵の攻撃を回避したり、宙に飛ぶことが出来る。実に素晴らしい性質を秘めておるな……

 

「ですが……これは危険です」

 

「うむ、今の小僧には使わせてはいかんの……」

 

普通で見ている分には判らないが、霊的な視点で見て見ると良く判る。小僧の身体の中に眠る膨大な潜在霊力を腰のベルトが強引に引き出している、今のその霊力に耐えることが出来ない小僧のチャクラをズタズタに破壊している。

 

「もっと霊力を引き出せるようになったのならばまだしも、今の横島君には使わせるわけには行かないのですが……出来れば封印したかったんですけどね……」

 

「うむ、どこに消えてしまったんじゃろうな……」

 

気絶してここに運ばれて来るまでの間に消えてしまったベルト。そのベルト自身も霊体になる事が出来ると考えれば

 

「小僧の霊体と一体化している可能性があるの」

 

「そうなると摘出も出来ないですね……」

 

下手をすれば横島の霊体に手痛いダメージを与えることになる。下手をすれば霊能力者としても、普通に生きるとしても横島君を廃人にしかねない……

 

「とりあえず眼魂の封印と小僧にベルトを使わせないように伝えておくんじゃな。下手をすれば再起不能になるぞ?」

 

ドクターカオスの顔は非常に険しい、私もその危険性は十分に把握しているつもりだ

 

「美神君と蛍にもちゃんと伝えておきますよ、それとこれは……少し勿体無いですが……封印します」

 

「うむ、それが良いじゃろうな」

 

映像を見ていて判ったが、あのスーツを呼び出すにはこの眼魂とベルトが同時に必要なようだ、ベルトを封印できないなら、こっちを封印すれば良い、ワシとアシュは同じ結論に至り、アタッシュケースにワシの特性の結界術をアシュの魔力で強化し、更にそのアタッシュケースに封印札を張ると言う形で3重の封印を施し、使用できないようにするのだった……

 

 

 

 

アシュタロスとドクターカオスが眼魂を封印している頃、魔界に戻っていたメドーサはと言うと

 

「最近勢力を上げている過激派勢力の一派がおかしい?」

 

「そうだ、少しばかり面子がな……」

 

魔界の酒場でお互いに背を向けながら話をする、これはもう何年も変わっていないやりとりだ。この男は魔族ではなく、魔界に追放された百目一族の1人、その100個の眼のうち、97個を罰として潰されたが、残りの3個でなかなか手にすることが出来ない情報を集めてくる凄腕の情報屋でもある

 

「それでその面子って言うのは?」

 

その男のポケットに金貨を4枚入れて尋ねるが、男は手にしているグラスを煽るだけ……どうも足りないようだね

 

「マスター、こっちの良い男に酒とつまみの追加!一番良いのをだよ!」

 

マスターにそう声を掛けると背を向けている男はごっそさん、と前置きしてから

 

「前の大戦。お前さんは覚えているか?」

 

「魔界統一の時かい?まぁ話だけは……」

 

サタンが魔界を統一するまえの騒乱の話は聞いているけど、その時は私はまだ天界から魔界に追放されアシュ様に拾われたばかりで、アシュ様の宮殿に匿われていたから詳しい話は知らない

 

「その時没落した元魔界の貴族とかが、主な戦力になっているって話だ。おかしいだろ?腕や足を失っている奴らばかりだって言うのに」

 

確かにそんな奴らを戦力として使うなら、魔界の魔獣でも戦力にしたほうがよっぽど強力だろう……

 

「ま、俺も詳しくは知らないが、向こうの頭領はお前さんの頭領のアシュタロスと同じくソロモンのアスモデウスって聞いてるぜ?」

 

アスモデウス……アシュ様から調べるように言われていた魔神だね……

 

「ん、ありがと」

 

男のポケットに更に追加の金貨を5枚入れて、自分のグラスの酒を煽って立ち上がろうとすると

 

「止めとけ、悪いことは言わない、この山からは手を引きな、メドーサ」

 

私の手を掴んでそういう男は私の目を見て

 

「魔界正規軍と天界正規軍がかなりの数アスモデウス一派に関わって消えてる、お前さんも死ぬぜ?」

 

顔なじみって事で忠告してくれているんだろうけど……

 

「悪いね、そう知っていても私は引けないんだよ」

 

私がそう言うと私の手をつかんでいた男はきょとんっとした顔になって急に笑いながら

 

「男か、良い顔で笑うな。そんなにアシュタロスは良い男か?」

 

からかうように言う男の額に軽くでこぴんを叩き込みながら

 

「違うよ、アシュ様じゃないさ。ま、あんたに話す理由も無いけど、とんでもない良い男がいたんだよ」

 

それこそ、死んでもいいくらいねと言うと

 

「そっか、そんなに良い男か。じゃあ俺に勝ち目は無いか……」

 

「馬鹿言うな、そんな素振りを見せなかったくせに」

 

違いないとお互いに笑い合い、私は手を振って男に背を向けて、いつの間にかポケットにねじ込まれていた地図を見て、アスモデウス一派のアジトを探して魔界の荒野を歩き出すのだった……

 

 

 

 

魔族や神族を狂わせる何か、それを使って戦力を増強していると言う過激派魔族。それに人間の権力者が操られている可能性を考慮して、各国を回っていた

 

「ええ、ええ……判ったわ。ん、ありがとう」

 

手帳にアシュタロスから伝えられた情報をメモし受話器を元に戻す

 

(今のところアメリカは大丈夫っと……)

 

手帳のアメリカの所に丸をつける、これでヨーロッパとアメリカ、それにザンスと言った霊能力にも力を入れている国は大丈夫……

 

「次は……どこに行こうかしら」

 

今私が滞在しているのはアメリカのニューヨーク。ここからどこに移動するか?

 

(アシュタロスのほうも特に手がかりはないみたいだし……)

 

アシュタロスに優先的に回ってほしいと言われていた場所は今日で回り終わったし……

 

(今度は私の感で回って見ようかしら?)

 

手がかりがまるで無い状態で捜索しているのだから、自分の感を信じて見るのも良いかも知れない……

 

「確か香港で原始風水盤だったかしら……」

 

アシュタロスがかなり本格的動き始めたのが確か香港で原始風水盤だったはず……

 

「良し、決めた。香港に行きましょう」

 

困ったときは自分の霊感を信じる。それは霊能力者に共通する事だ、私の霊感は香港に行けと言っている。だから香港に向かおう……

 

(絶対何かそこにある)

 

私の感が告げている。そこに何かあると……思い立ったが吉日。私は滞在する予定だったホテルをキャンセルし、そのまま香港へと向かうのだった。そこで私は思いがけない人物と再会する事になるのだが、今の私は当然ながらそれを知らないのだった……

 

 

 

 




リポート20 竜の姫と清い乙女と操られし英雄へ続く

次回でリポート20!目標の8割はできましたね。早くGS試験片に入れるといいのですが、まだやるイベントがあるのでもうしばらく第一部にお付き合いください、次回は竜の姫と清い乙女と操られし英雄と色々と大きく話を動かすつもりです。その1はほのぼので行くつもりですけどね、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします



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