紅牙絶唱シンフォギア ~戦と恋の協奏歌~   作:エルミン

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お待たせしてしまって、申し訳ございませんでした!

エグゼイドの方の更新を優先していました。それにリアルが忙しくて・・・。

それでは、どうぞ!



第四話 日常と、急襲

 

士の聴取の日から翌日。時刻は夕方、直人、クリス、クロードは三人で夕食の準備をしていた。キバットとタツロットも手伝っている。

 

 

「直人、サラダ出来たぞ」

「盛り付けは僕がやったよ!」

 

「ありがとう、二人とも・・・さて、今回のカレーはうまく出来ているかなっと・・・」

 

今日の夕飯はカレー、しかも直人の手作りである。手作りは久しぶりだが、直人本人は上手く出来たと自負している。

 

「直人ー!タッちゃんがデザートのフルーツをつまみ食いしやがった!」

 

「ひへひへ、ふぃふぇまへんほー」

「「思いっきりしてるじゃねぇか!」」

 

「タツロット、食いしん坊だね」

「ゴクン・・・いえいえクロードさん、ただ好奇心が疼くだけですよー」

 

そんな日常の些細な、しかし楽しいやり取りをしていると、紅家のドアが開く。入ってきたのは・・・。

 

 

 

「ただいま・・・・・・」

「お帰りなさい、翼」

 

風鳴 翼であった。やはり士に振り回され、疲れているようだ。

 

ところで、なぜ「ただいま」と言ったのか・・・それは、翼も直人の家で一緒に暮らしているのだ。

 

理由としては、直人と事前に話し合い、翼が四月の外国ライブを終えて帰ることになった時に紅家に一緒に住む事になったのだ。

 

了承された時の翼は、昔のように一緒に暮らせることをかなり喜んだ。

 

 

「翼お姉ちゃん、お帰りなさい!今日もお疲れさま」

「おっと・・・ただいま、ありがとうクロード」

 

かけより、抱きついたクロードの頭を優しく撫でる翼。

クロードなりに疲れている翼を少しでも元気にしようとしているのだ。

 

翼もクロードからの好意を嬉しく思い、笑顔で受け入れる。

 

「お帰り先輩、晩飯はもう出来てるから座ってくれ。ただし直人の隣は私のだ」

「ありがとう雪音、ただし直人の隣は私のだ」

 

直人の事で火花を散らすことはあるが、二人の仲はとても良好だ。

 

結果、ジャンケンで決めることになったが、翼がかっこいいチョキでクリスのパーを切り裂いた事で直人の隣は翼が勝ち取った。

 

 

「・・・・・・」(無言のドヤ顔)

「・・・・・・なぁ翼先輩、その変なチョキは何なんだよ?」

 

「へ、変なチョキとは何だ!以前、奏が教えてくれた格好いいチョキだ」

 

「翼、それは奏がからかってただけだから」

「・・・・・・・・・え?そ、そうなの?」

 

「うん」

「・・・・・・・・・奏はいじわるだ!」

 

涙目になる翼。しかし、それも奏との大切な思い出なのだ。

 

 

 

「・・・・・・奏、さん・・・・・・僕も会ってみたいな」

クロードの小さな呟きは、他の者に聞かれる事はなかった。

 

そして、ようやく夕飯を食べ始めた所で、家のチャイムがなる。直人が出ると、響と未来がいた。

 

「こんばんは、直人さん」

「今日、響と一緒に肉じゃがを作ったのでお裾分けに来ました」

 

「ありがとう、二人とも。喜んでいただくよ。そうだ、二人とも。夕飯がまだなら食べていかない?僕が作ったカレーだけど」

 

「いいんですか!?ありがとうございます、晩ごはんは帰ってからにしようと思ってたので!」

「ありがとうございます、いただきますね」

 

響と未来も一緒に食べることになり、リビングまで行く。

 

クロードは響と未来にかけより、二人は笑顔で受け止める。六人と二匹で楽しく食事をしている頃、隣のイヴ家では・・・。

 

 

 

「ブハーッ!今日も大変だったデス!」

「お疲れ様、切ちゃん」

 

家のリビングで大の字で倒れる切歌、切歌を労う調。

 

「いつも切歌の為に、ありがとうございます」

「ありがとうございます」

 

「いえ、キング及び直人様からのご命令ですので」

 

 

マリアとセレナは、とある女性と話していた。

ショートカットの茶髪で黒い瞳を持つ、メイド服を着こなしている二十代前半位の女性だ。

 

キリリとした表情をしているこのメイドはファンガイアであり、チェックメイトフォーの新しいビショップ。

 

名を芦山(あしやま) (ひじり)

 

普段は大牙や深央に仕えるメイドだが、ビショップに選ばれるだけのことはあり、魔皇力及び魔術を扱う腕は一流以上。

 

その事から、直人以外のシンフォギア装者では唯一己の魔皇力を使えるようになった切歌に、魔皇力の使い方を教えている。

 

つまり、聖は切歌の師匠として鍛えているのである。

 

 

 

「それで、切歌ちゃんはどうですか?」

セレナの問いに、聖が言う。

 

「修行を始めたのは約半年前・・・努力もちゃんとしていますし上達しているのは間違いありませんが、才能がないので。

 

一応、得意な事は見つかったのでそこを重点的に鍛えていますが、まだまだ未熟。

 

ぶっちゃけ、今は半人前・・・いいえ、それ以下です。三分の一人前です」

 

「ウルトラショックデス!誰かゼッ○ライザーとメダルをくださいデス!」

「某光の巨人ネタ・・・・・・」

 

そんなやり取りをしながら、聖はポケットからラッピングされたクッキーを手渡す。

 

「ですが、上達しているのは本当です。それに毎日頑張っているので、ささやかながらご褒美を・・・」

 

「ありがとうございますデス!聖さんの作るお菓子は美味しいデス!」

 

早速受け取り、笑顔で食べる切歌。調がじー・・・と見てくるので、あーんで食べさせたりしている。

 

 

修行では厳しいが、終わると切歌をちゃんと労い手作りのお菓子を振る舞うなど、厳しく優しく切歌を鍛えている。

 

マリアは、「始めて自分の弟子になった切歌が可愛くて仕方ないのだろう」と予想しているが、それは事実かもしれない。

 

何だかんだ言って、明るくて元気いっぱいで努力家な切歌をとても気に入っているのだろう。

 

聖は、愛しい我が子を見る母親のように微笑みながら、切歌を見ているのであった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

同時刻、S.O.N.G.本部の潜水艦内部。一室内で、風鳴 弦十朗と嶋 護が二人で話し合っていた。

 

「夜にすみません、弦十朗さん」

「構いません、それで護さん・・・ご用件は?」

 

「名護夫婦について、以前話した件が正式に決定した」

「外国の共存反対派のファンガイア対応の為に外国に行く・・・という話ですね」

 

名護夫婦・・・啓介と恵の二人は、外国で活動している共存反対派のファンガイアへの対応の為に外国へ行くことが決定したのだ。

 

「えぇ。そうなると、戦力の低下は否めません。その為、それを少しでも減らすために・・・これをお貸しします」

 

護は、持ってきていたアタッシュケースを開けて中を見せる。入っていたのは・・・。

 

 

 

「イクサシステム・・・ですか!?」

「これは、名護君が使っているイクサの二号機です。外見も性能も、啓介君が使っている物と同一だと思ってもらって構わない」

 

イクサナックルにベルト、フエッスル・・・全て揃っていた。青空の会で作られたイクサの二号機である。

 

「・・・なぜ、これを我々に?二号機とはいえ、イクサは青空の会にとっても大切な物では・・・」

 

「先程も話した通り、啓介君が抜けることでの戦力低下を少しでも減らすため・・・もう一つは、あなた達ならイクサを悪用しないと信じているからです」

 

「・・・・・・ありがとうございます。その信頼に答えるべく、お借りいたします」

「ありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします」

 

頭を下げてお礼を言う弦十朗。護は手を差し伸べ、二人は握手をかわしたのだった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

そして翌日、事件は起こった。

 

轟木 零士、浅間 美穂、ウェル博士が街中で襲撃をしかけ、建物を破壊し始める。

 

装者達は現場へ急行、両者が対峙する。そしてウェルが高々に言い、キバットが嫌みたっぷりに言う。

 

「やっと来ましたねぇ、装者の皆さーん!新しく革命団の幹部に就任したウェルですよぉ!」

 

「かーっ!本当にしつこいっていうか、何度も出て来て恥ずかしくねぇのか変態ドクター!」

 

「はぁん?ちょっと何言ってるのか、わからな~い」

 

「キー!むかつきっぷりもパワーアップしてやがる!・・・・・・っておいちょっと待て。今革命団の幹部って言ったか?まさかお前・・・」

 

「そう!僕は人間からファンガイアになったのさ!真の英雄に至るために!」

 

ウェルの顔にファンガイアの模様が浮かび上がる。

皆はウェルは人であることを捨ててしまったのだ、ということを理解してしまった。

 

「そして、真の杉○も僕だ!コウモリもどきは偽杉○だ!」

 

「・・・・・・んだと?やんのか変態偽杉○ドクター?」

「上等ですよこらぁ・・・・・・」

 

「「真の杉○は・・・俺(僕)あぁぁぁ!!!」」

 

ついに始まってしまった。カ・ディンギル跡地の第一次杉○大戦に続く、第二次杉○大戦が・・・。

 

 

 

 

最初に動いたのはウェル。

 

「最初から全力だ!いつもの洞○湖木刀装備、更にここに来る前に食べたエクレアのパワーで、コウモリもどきなんてイチコロだぁ!」

 

「舐めんなよ!俺は五色の宝石で、キラめいて行くぜ!」

 

「あたたたた!どこから五色の宝石を取り出して投げてるんだ!?こうなったら打ち返してやる!」

 

「あたたたた!宝石を打ち返すなんてなんて罰当たりな!」

 

 

「こうなったらこれでどうだ!」

「ゲェーッ!オリハルコン製の巨大なハサミじゃねぇか!」

 

「ギギギ!極悪斬血真拳奥義、デ○サイズ・カッター!」

 

「舐めるなぁ!俺を守ってくれ、某将軍の絵が書かれた盾よ!!」

 

ガキンッ!←某将軍の絵の股間部分にハサミが刺さった音。

 

「将軍かよぉぉぉぉぉぉ!!」

「将軍だよぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

ベシンッ!←キバットがウェルに全力ビンタした音。

 

 

「アベシッ!・・・・・・な、ナイスビンタ・・・・・・ガクッ」

「ハァハァ・・・勝った・・・勝ったぞぉぉぉぉぉ!俺が真の杉○だぁぁぁぁぁ!!」

 

「・・・・・・・・・それは良かったなぁキバット」

 

「おうよ!あの変態ドクターに勝てたからな・・・あれ?クリスさん?どうして目が笑ってない笑みを浮かべてるんですか?」

 

「いい加減にしろバカヤロー共があぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

《MEGA DETH PARTY》

 

「ギャアアアアアア!!勝者にこの仕打ち!!」

「ギャアアアアアア!!敗者にこの仕打ち!!」

 

シンフォギア界のツッコミ役の一人、クリスがMEGA DETH PARTYでミサイルを放つ。

 

ミサイル全弾が一人と一匹に命中。黒焦げになって倒れた。しかし、黒焦げになってはいるが無事だった。

 

 

「真面目にやれ」

「「はい」」

 

クリスの威圧感たっぷりの言葉に、キバットとウェルは了承するしかなかった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

数秒後。

 

「真の杉○の称号は奪われましたが、いつかリベンジして取り戻します!英雄になるのも忘れてませんがね!」

 

復活したウェル。美穂がウェルに言う。

 

「ねぇ博士・・・轟木が笑いすぎて酸欠で死にそうだけど」

「ーーー」(腹を抑えながら倒れてる零士)

 

「うそん」

 

 

勝利の余韻に浸るキバットが言う。

 

「真の杉○の称号を得た俺は、もう何も怖くない!」

「ーーー」(アームドギアを向けるクリス)

 

「ごめん」

 

他のメンバーは、やれやれ・・・と呆れたり苦笑したりしか出来なかった。

 

同じ声の二人が全力で戦い、今回はキバットが勝った。しかし、次があったらどうなるか・・・。

 

 

 

「おい地の文。あんなの続けるフラグ建てんな」

 

地の文にツッコミを入れたのは、門矢 士だ。今ごろになってやって来たのだ。

 

「門矢さん!遅いですよ、どうしてたんですか?」

「写真撮ってた」

 

すると、美穂が士の存在に気づく。そして、記憶が甦ってくる。

 

「・・・・・・あ、あ、あんたはぁぁぁぁぁぁ!?」

「あぁ、あの時の狐のファンガイアか」

 

士と美穂が二年ぶりに再会したのだった。

 

「あんた!前によくも私をバカにしてくれたわね!?」

 

「人聞きが悪いことを言うな。ただ油揚げくれてやるから帰れと言っただけだろうが」

 

「それがバカにしてるっていうのよ!」

 

 

「いやお前、油揚げもいなり寿司も大好物じゃねぇか」

「何でばらすのよ轟木ぃぃぃぃぃぃ!?」

 

「ほぉ、奇遇だな。ここに来る前に買ったいなり寿司くれてやるから帰れ」

 

「ーーーーーっ!!ようし、立花 響の前にあんたから倒す!!」

「何でだよ」

 

「門矢さん・・・美穂ちゃんをいじめないでくださいよ」

「失礼な事を言うな、立花。ただ平和的解決をしようとしているだけだ」

 

「はい、コミカルな空気はここまで!真面目にやりましょう!」

 

直人がパン!と手を叩いて仕切り直す。そして、士も加えてようやく戦いが始まる・・・!

 




次回予告


ウェルが開発した道具が装者達に牙を向く。そんな中、直人は魔皇の剣を解き放つ。


第五話 邪悪な道具、魔皇の魔剣


魔皇が解き放つのは、向けられし者に皇の裁きを下す魔剣。魔剣と魔皇が装者達や旅人と共に敵を迎え撃つ。


ーーーーーーーーーー


今回、以前やったあれをまたやりました。チャンスがあったらまたやりたいです。

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