紅牙絶唱シンフォギア ~戦と恋の協奏歌~   作:エルミン

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新章開始です!二期と三期の間のオリジナルストーリーになります。


第三章 共破奏歌のGR
第一話 新たな時、目覚める者


フロンティア事変から七ヶ月後。西暦2044年、五月上旬。

 

ノイズの襲撃も無く、共存反対派のファンガイアは終焉の革命団幹部が二名抜けた為に慎重になり、人を襲うことも少なくなった。

 

しかし、今も暗躍を続けている事に変わりはない。

 

 

シンフォギア装者の仕事は、被災現場での救助活動や紛争地域への介入等になっていた。

 

また翼のリディアン卒業式の直後に、宇宙に飛ばされたフロンティアの一部から異端技術を回収したスペースシャトルが事故で落下した事故を、装者達が解決して落下地点の村や人々を救った。

 

それを切っ掛けとして四月に特異災害対策機動部二課は国連直轄の超常災害対策機動タスクフォース「S.O.N.G.」として再編される。

 

S.O.N.G.になった事で安全保障理事会の規約に従い、日本国外での活動が認められた。

 

今後の装者達の活躍は、海外にも及ぶことになるだろう。

 

そして五月・・・日本で新たな戦いが幕を上げる。

 

 

 

「おはよう、調子はどう?」

 

「うん、おはよう・・・それは大丈夫だけど・・・私が眠っている間に、色々あったみたいだね」

 

「・・・・・・まぁそうね。色々あったわ」

 

浅間 美穂は、世界のどこかにある大きな空間にいた。

 

そこは中心に白く大きいベッドがあり、その周囲を色とりどりの多くの花が咲き誇る花畑のある空間だ。

 

ガラス張りの天井から、日光が射し込んでおり、全体がとても明るい。

 

ベッドから上半身だけ起こし、美穂と会話しているのは一人の少女。

少女は今まで眠っていたのに、まるで何があったのかを全て知っているように語る。

 

 

「人間を否定したファンガイアの世界・・・人間は食用として飼う・・・終焉の革命。それがあなた達の・・・そして美穂の望み?」

 

「・・・・・・そうよ」

「・・・・・・そうか」

 

少女は何かを察したが、何も言わずベッドから出てシーツを体に巻いて美穂の元に向かう。

 

「とりあえず、服をちょうだい。この体に合う、かわいいのが欲しいな」

 

「はいはい、あなたはセンス良くないし」

「ひどいな~」

 

美穂は事前に用意していた服を少女に渡す。服を手早く着た少女は、陽光差し込む空を見上げて言う。

 

「それじゃあ・・・・・・行こうか」

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

風鳴 翼は四月中を海外ライブのために外国で過ごしていたが、五月になって日本へ戻ってきた。

 

ノイズは出現しなくなったとはいえ、終焉の革命団を含む共存反対派のファンガイアによる問題がまだある。

 

シンフォギア装者としてその問題を放っておけない為、海外ライブのための外国滞在も短くなってしまう。

 

しかし、翼自身は夢であった世界を舞台に歌う事を果たせて、心から喜んでいる。

 

そして今日は一ヶ月ぶりの日本での仕事が待っているのだが・・・。

 

 

 

「緒川さん、風邪をひいてしまったのですか!?」

『すみません、翼さん・・・体調管理はちゃんとしていたつもりだったのですが・・・ゴホゴホ』

 

翼のマネージャーであり忍者の緒川 慎二が風邪をひいてしまったのだ。

 

「大丈夫ですよ、緒川さん。風邪を直すことに専念して、ゆっくりお休みください」

 

『ですが・・・僕がいない間が心配で・・・・・・主に掃除とか掃除とか掃除とか掃除とか掃除とか』

 

「掃除ばかり言わないでください!?」

『大事なことなので、ゴホ・・・五回言いましたゲホゲホ』

 

「・・・とにかく、自分の事は自分でやりますから・・・」

 

『心配です・・・・・・それと、僕が不在の間は代理マネージャーが担当してくれますので、その方の指示に従ってください・・・』

 

「わかりました。緒川さんも、ご自愛ください」

『ありがとうございます・・・それでは、ゲホ・・・』

 

通話を切る翼。

 

 

「緒川さんが風邪か・・・珍しいな」

そして数分後、ノックと共にスタッフが入ってくる。

 

「失礼します。風鳴さん、代理マネージャーの方が来ましたよ」

「あ、はい」

 

スタッフの後ろから入ってきたのは、二十代後半位の若い男性。

 

 

「あんたが風鳴 翼か。俺が代理マネージャーってやつだ」

「は、はい・・・よろしくお願いします・・・」

 

敬語も使わず、声も低くいわゆる「俺様系」な言い方をしている。

 

緒川と全然違うことに戸惑いながらも、翼は返事をする。

 

男性は名刺を取り出して、翼に向けて差し出し、名乗った。

 

 

 

「通りすがりのマネージャー、門矢(かどや) (つかさ)だ。

緒川って奴の代理だからな、覚えなくていい」

 

男性・・・門矢 士は覚えなくていいと言ったが・・・。

 

彼との出会いが、翼のみならず装者達や直人達にとっても一生忘れられない大きな戦いの始まりとなることを、この時は誰も気付かなかった・・・。

 




次回予告


士に振り回される翼。そんな中、共存反対派のファンガイアが現れ装者達が対応することになったが・・・。


第二話 世界の破壊者、その力


通りすがった彼の力が振るわれる。それは己が敵と見なした者を打ち砕く、破壊の力。


ーーーーーーーーーー


今回は短めですが、新しい話の始まりです。

門矢 士を出しました。今回の彼の役割は翼のマネージャー代理です。士は出したいと思っていたので、登場させました。

この士はジオウの最終回後の士、という設定ですのでネオ状態であり、クウガからジオウまで変身できます。

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