紅牙絶唱シンフォギア ~戦と恋の協奏歌~   作:エルミン

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長く更新出来ず、大変申し訳ございません。

エグゼイドの更新を優先していたり、NOVEL大戦の話の構想を練っていたり・・・他にも色々あって遅くなりました。

久々の更新ですが、NOVEL大戦の前の話で短めです。


第SP話 魔皇と情報屋、小さな言葉

西暦2044年四月某日。

 

紅 直人と風鳴 弦十郎はS.O.N.G.本部の会議室で二人で話し合っていた。

 

その内容は直人が調、切歌とデートをしていた時に襲ってきた黒い戦士、及び情報屋から入手したバグスターウイルス関係の事だ。

 

報告を聞き終えた弦十郎は、神妙な顔で報告を受け入れた。

 

「・・・・・・そうか、バグスターウイルスが。それにその黒い戦士はドクターライダーと同じだろう」

 

「・・・やっぱり、薫さんと同じ・・・・・・すみません」

 

「いや、大丈夫だ・・・栞も同じライダーとなった今、こういう事が起こるのは必然だったかもしれない」

 

「・・・・・・主に天宮市で確認が取れているみたいですけど、確か天宮市にはバグスターウイルス専門の対策組織がありますよね」

 

「CRの事だな。衛生省も絡んでいる、バグスターウイルスについてはそちらに任せるべきだろう」

 

「えぇ。ですけど、何れ僕達もバグスターウイルスと戦う事になる・・・そんな気がするんです」

 

直人は確信に満ちた声で言い、弦十郎もそれを受け入れる様に頷いた。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

それから一ヶ月後、五月某日。町中にある一軒の喫茶店の扉が開き、一人の三十代後半位の男性が入っていく。

 

扉を開けると、そこは広めに作られた落ち着いた雰囲気の店であった。

 

既に入っている数人の客達は各々が、飲食を楽しみながら連れと色んな話をしている。

 

 

入った男性は、カウンターでマスターの初老の男性に挨拶をする。

 

「いらっしゃい」

「久しぶりだな、マスター。仕事ついでにここのコーヒーを飲みたくなってな」

 

「ありがとうね〜・・・・・・はいアイスコーヒー、待ち人は奥のテーブルにいるよ」

「どうも」

 

マスターが手早く用意したアイスコーヒーの入ったコップを持ち、男性はここで待ち合わせをしている人物のいるテーブルへ向かう。

 

「こんにちは、お久しぶりです」

「相変わらず爽やかイケメンしやがってんなぁ」

 

この喫茶店は「マル・ダムール東京店」。

 

共存派のファンガイアであるマスターが、マル・ダムール本店のマスターから修行を積み独立して建てた店である。

 

共存派のファンガイアや、関係者の人間なども訪れる店であり、ここで様々な情報の交換や親睦を深めるための交流など、色々な理由で使われる。

 

ここのマスターはかつて直人に救われた身であり、恩義から直人の共存の確立に関して、自分の店を使ってサポートをしてくれている。

 

余談だが、嶋 護や登 大牙、シンフォギア装者達も直人の紹介で時々だがここを利用している。

 

対面するように座る二人。男性は情報屋のファンガイアであり、正体はカメレオンファンガイアである。

 

彼は事情もあって「レオン」という()()で活動している。彼曰く、「カメレオンだからレオン」・・・らしい。

 

情報収集の腕は本物で、彼の得た情報は確かな物が多い。

 

ちなみに、直人が黒い戦士と戦った後に入手したバグスター関連の情報もレオンに依頼して集めてもらった情報だ。

 

 

レオンが渡した資料を見て、直人は真剣な顔つきになる。

 

獣人形者(ビーストドーラー)・・・革命団幹部の彼が動き出した・・・か」

 

「去年に米国基地を襲撃して魔術書を奪ったのもそいつだ。今まで殆ど動かなかったこいつが動き出したんだ。絶対に何か起こるぞ」

 

「・・・とりあえず、今わかっている情報を整理しましょう」

 

そう言って直人はアイスコーヒーを一口飲んでから、獣人形者に関する情報を話していく。

 

獣人形者(ビーストドーラー)・・・本名不明。

 

推定、中国大陸出身。二つ名の通り人形・・・正確にはゴーレムを作る技術に長けている。

 

今まで目立った動きは少なく、革命団幹部ということ以外大きな情報は無かった。

 

だが、去年の米軍基地襲撃を皮切りに活動が活発化。今年四月に天宮市に轟木 零士と共に訪れて、バグスターと接触した事が確認されている」

 

 

他にも入手した情報を見ていき、五分程で全て見終えた。

 

「・・・バグスターウイルスまで手に入れている・・・か。厄介な事になるかもしれませんね」

 

「気を付けておけよ。俺も贔屓してくれる客に死なれたら目覚めが悪い」

 

「勿論です。寿命以外で死ぬ気はありません」

 

「お前もハーフとはいえファンガイア。一般人よりは長生き出来るだろうけどな」

 

その後もある程度の話をして、この場は解散となる。二人でマスターに金を払い店を出た。

 

レオンと別れた直人は、持ち歩いている「ドキドキ魔界城キバガシャット」を手に取り見つめながら、これから起こるであろう事について考え続けた。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

さらに一ヶ月後・・・今は六月某日。

 

東京都内の夜。高くそびえるビルにいる一人の少年が、屋上の端に座っていた。

 

魔的な雰囲気を持つその少年こそ、獣人形者。遂に革命団幹部の一人が本格的に動き出していた。

 

「さぁ、始めよう。僕が主役のステージを・・・!!」

 

 

そして、少年のいるビルを悲しみに満ちた表情で遠くから見つめる、少年と同じ民族衣装を纏う少女の姿もあった。

 

「どうか・・・お願い。彼を止めて・・・」

 

少女のその言葉は、小さくも様々な思いが籠もっていた。

 

 

遂に始まる。二人の戦士が、装者と精霊が共に挑む一つの大きな戦いが・・・。

 





次からNOVEL大戦本編を、別作品(新作)枠で投稿します。

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