そういうわけでこちらも直人、調、切歌の三人の話を投稿しました。時系列は、紅牙絶唱の二章と三章の間・・・三章開始の一ヶ月前です。
四月上旬のある日、調と切歌のリディアン高校入学をお祝いしてのパーティーが紅家で行われた。
既に海外に行った翼はテレビ電話で、お祝いの言葉を送った。
調と切歌は高校に通える事を喜び、皆と一緒に食べて遊んだ。それも終わり、後片付けも終えてクリスとクロードは自室に戻り、他の皆は自分の家に帰った。
そして翌日の午前中、一息ついていると、チャイムが鳴ったので玄関を開けると・・・。
「こんにちは・・・直人さん」
「こんにちはデス!」
調と切歌が、二人並んで立っていた。今日のリディアンは入学式で午前中のみである。服装もリディアンの制服だ。
「こんにちは、二人とも。どうしたの?」
「・・・直人さんに、お願いがある」
「聞いてほしいデス」
「お願いって?」
二人は顔を赤くしながらも、勇気を出して用件を告げた。
「「・・・・・・今日、私と・・・デートしてください」」
「デート・・・」
直人の呟きに頷く二人。直人が理由を訪ねると、二人は答えた。
「私達も、高校生デス。それで、その・・・学生デートっていうのに、憧れがあったのデス」
「・・・それに、直人さんが入学祝いをくれるって言ってたけど、保留にしてた」
「それで、二人で考えたデスけど、思い付いたのがデートだったんデス!」
「だから、直人さん・・・私達の入学祝いは、一日デートを・・・ください」
「急で悪いデスけど・・・お願いデス・・・」
二人とも、断られたらどうしよう・・・・・・という不安があるのがわかる。実際、不安げな表情だ。
直人は微笑み、二人の頭を優しく撫でる。
「もちろん良いよ。今日は三人で楽しもうね」
「「・・・!はい!」」
デート出来るとわかった二人は喜んで、とても明るくかわいい笑顔になった。
ということがあり今日は直人、調、切歌の三人でデートをすることになった。
「ところで、乙女協定ってやつは大丈夫?」
「大丈V」
「問題ないデス!」
「・・・そうだ、言うのが遅くなってごめんね。制服、似合ってるよ」
「「・・・!ありがとう!」」
三人でリビングに入ると、クリスとクロードが二人でジュースを飲みながら話していた。
「あれ、調お姉ちゃんと切歌お姉ちゃん・・・どうしたの?」
「今日は、直人さんとデート」
「おぉぉ、デート・・・」
「クロード君も、今度皆でデートするデス!私達も、クロード君とデートしたいデスよ」
「本当!?」
「うん、約束。皆の予定が合ったらね」
「約束デス!」
「あぁ、私もいいぜ」
クリスも賛成する。クロードは皆でお出掛けできるということに喜んでいた。
「じゃあ、クリスさん・・・約束通り」
「直人さんと、デートしてくるデス!」
「あぁ・・・楽しんでこい」
「いってらっしゃい!」
クリスは少々複雑な気持ちだが、かわいい後輩達の為にと笑顔で送り出す。クロードも手を振って送り出す。
「ったく、直人め・・・しらきりコンビとデートとは羨ましいぜ。よし、ここは俺がデートの歌を」
「キバットさん、三人はもう行っちゃいましたよ」
「何ぃ!?」
ーーーーーーーーーー
そして直人、調、切歌の三人で街を歩いていた。
「「~♪」」
(笑顔で鼻歌を歌いながら歩いてる・・・よっぽど嬉しいのか・・・)
調と切歌は直人と手を繋ぎながら、満面の笑顔で歩いている。
心から喜んでいるその姿に、直人も自然と笑顔になる。
「さて、二人は行きたい所はある?今日は二人へのご褒美だから、行きたい所でいいよ」
「良いの?・・・・・・じゃあ」
「あそこデス!」
最初に向かったのは、カラオケ。
そこで調が某超電磁砲の主題歌を歌い、百点満点を出したり。
次に向かったのは、ゲームセンター。
切歌が「にぃ・・・一緒に遊ぼ・・・?」と某伝説の兄妹無敗ゲーマーの妹みたいな言い方をして直人と一緒に遊んだり。
次に向かったのは、デパート。
途中でおもちゃ屋の近くを通った時、直人は"ガン○ム・バエル"のプラモデル(1/100スケール)の箱が目に入った瞬間、思わず衝動買いをしてしまったり。
そんな感じで、三人はデートを心から楽しんでいく。
ーーーーーーーーーー
夕方。三人で公園に向かいベンチに並んで座り休憩する。今日の感想を楽しく語り合うが、そろそろ帰らないといけない時間になる。
その事に、調と切歌が寂しさを覚えるが、その事を察した直人が「また、デートをしよう」と優しく言う。
二人は次の約束を得られて喜ぶ。夕日が優しく包み込む中、三人のデートは終わった。
はずだった。直人が殺気を感じるまでは。
「危ない!」
直人は調と切歌を抱きしめて、ベンチからすぐに離れる。
すると、ベンチにエネルギー弾が命中し粉々に破壊される。
「な・・・何デスか一体!?」
「・・・!誰か来る・・・」
切歌は突然の事に驚き、調は自分達に向かって歩いてくる人影を見つける。
三人が警戒する中、その人物の詳細がわかった。
それは、赤い瞳を持つ紫と黒の戦士。
左胸元にゲームのHPバーがあり、右手に携帯ゲーム機のような銃口とチェーンソーの刃が付いたのを所持している。
腹部にはベルトのバックルがあり、蛍光グリーン&蛍光ピンクというかなり派手なカラーリングをしている。
そのバックルに、ゲームソフトのような紫色のデバイスが刺さっている。
右側の解放されたレバー部分には英語で文字が書かれており、直人は心の中で読んでみる。
(
「見つけたぞ、仮面ライダーキバ」
黒い戦士の声は加工されたようであり、正体がわからないようになっている。
「"仮面ライダー"・・・・・・ね」
「データ収集を開始する」
黒い戦士は、バックルに刺さっているデバイスと同じで色が白いのを右手の武器に入れる。
「二人とも、下がって」
「直人さん・・・私達も戦う」
「大丈夫・・・用があるのは僕だけのようだから」
「・・・・・・わかったデス、直人さん・・・気をつけてくださいデス」
「頑張って・・・」
直人は調にガン○ム・バエルのプラモデルが入った袋を渡して、二人を下がらせる。
「キバット!」
「呼ばれて俺様参上!って何だあの黒いのわ!?・・・ガブッ!」
「・・・変身!」
直人はキバットを掴んで、手を噛ませてベルトを出現させてからキバットを付けてキバに変身。
黒い戦士はエネルギー弾を複数発射するが、直人はそれを左手で全て払い落として防ぐ。
《ギュ・イーン!》
今度はチェーンソーの方を前面として、斬りかかって来る黒い戦士。
黒い戦士は直人に向かって走り、チェーンソーの刃で突き刺すように真っ直ぐに腕を伸ばして刺そうとする。
直人はそれを、少し体の位置を動かすだけでかわし、がら空きの背中に力を込めた回し蹴りを当てる。
吹っ飛ばされる黒い戦士。
《チュ・ドーン!》
だが、吹っ飛ばされている途中でも黒い戦士は再び銃口の面を前にしてエネルギー弾を放つ。
直人は防御が間に合わずエネルギー弾をくらうが、決して怯まずそのまま走り、かなり早く黒い戦士に接近し右拳を黒い戦士に当てて地面に沈める!
「ガハッ・・・!?」
肺から空気が漏れたような声が黒い戦士から漏れる。
直人は更に、黒い戦士の首元を掴んで上に投げ、落ちてきた所にもう一発のパンチを当てて吹き飛ばす!
パンチは顔面に当たり、吹き飛んだ黒い戦士は地面に倒れる。
「・・・つ、強い・・・これが仮面ライダーキバ・・・か。
強さも実戦経験も戦闘センスも全てが・・・私の上を行っている。
その段階に行くには、私は
ブツブツと言いながら、黒い戦士は起き上がる。
「だが、今回は勝つことが目的ではない・・・・・・」
黒い戦士は、バックルから紫色のデバイスを抜き、左側のスロットに入れて、スイッチを押す。
《ガシャット!キメワザ!》
電子音声の後、黒い戦士の右足にエネルギーが集中する。
直人も、ウェイクアップフエッスルを取り出し、キバットに吹かせる。
「ウェイクアップ!」
フエッスルの音色が響き、ダークネスムーンブレイクが発動、夜になる。黒い戦士はスロットのスイッチをもう一回押す。
《MIGHTY CRITICAL STRIKE!!》
二人は右足を前に出してキックの体制を取り、そのままぶつかる!
爆発を起こし、両者は着地。だが、黒い戦士の方は膝をつき、直人は立っている。
空も元に戻る中、黒い戦士は右手の武器に入れていたデバイスを取り出す。すると、キバの絵とタイトルが自動で現れた。
「完成した・・・!」
喜ぶ黒い戦士。しかし、その決定的な隙を直人は逃すはずもなく。
直人はトドメを差すつもりで、地を蹴って一気に接近し飛び蹴りを当てる。
黒い戦士は、先程出来たばかりのデバイスを手放して吹っ飛ぶ。
デバイスは放物線を描きながら落ちていき、直人がキャッチした。そのデバイスはよく見るとゲームソフトのようであり、キバの絵とタイトルが書かれている。
「チィ・・・仕方ない」
黒い戦士はエネルギー弾を複数発射して煙をたたせ、その煙に紛れて逃走した。
直人も深追いせず、変身を解いて戦いは終わった。
「「直人さん!」」
戦いを見守っていた調と切歌が、直人に駆け寄る。その表情は未知の敵との戦いによる不安だ。
「僕は大丈夫、心配かけてごめんね」
直人は二人を安心させるように、頭を優しく撫でる。
「良かった・・・・・・直人さん、手に持ってるそれは何ですか?」
「あの黒い戦士は、これを作るためにキバの戦闘データを欲していたみたいでね。完成したみたいだけど、今はこうして僕の手にある」
「・・・これ、幻夢コーポレーションのゲームソフトに似てるデスね」
「幻夢コーポレーション・・・確かに似てる」
「それってあの日本最大のテレビゲーム開発会社の?」
「はいデス。幻夢のゲームは、私も調もよく遊んでるデス!」
「そうなんだ・・・」
三人は、直人が手に取ったデバイスを見る。キバの絵に、タイトルはこう書かれていた。
『
ーーーーーーーーーー
「いっぱい遊んだデスね・・・ハプニングはあったデスけど・・・。直人さん、今日はありがとうデス!」
「直人さんと切ちゃん、そして私の三人で遊べて・・・すごく楽しかった。ありがとう」
「良かった。僕も二人と一緒に遊べて楽しかった」
三人で並んで歩き、直人は二人を送っていく。自宅で別れて、直人も帰宅。三人のデートは、こうして終了した。
数日後の夜、クリスもクロードも寝ている時間帯だが、直人は起きていた。
机に座って資料を見ており、複数枚の資料の紙が置かれている。
資料に書いてあるのは、情報屋のファンガイアに依頼して集めてもらった幻夢コーポレーション及びその周辺の情報だ。
「バグスターウィルス・・・ライダーガシャット・・・仮面ライダー・・・ゼロデイ・・・衛生省・・・」
手に入れた情報を一つずつ整理していく。そんな直人に寄ってきたキバットが言う。
「直人、このバグスターってやつの事を皆に話さないのか?」
「うん、すぐには話さない。皆はシンフォギア装者としての・・・僕は魔皇としてやるべき事があるから、これ以上の負担をかけるのは良くない。それに・・・」
「それに?」
直人はデバイス・・・ドキドキ魔界城キバガシャットを手に取る。
「このキバのデータが入ったガシャットを、本当に必要としている人に・・・そう遠くない内に会える・・・そんな気がするんだ」
真剣な表情で、確信に満ちた言葉を言った。
その言葉に違わず、直人はガシャットを駆使しバグスターウィルスと戦う戦士と出会いを果たし、共に戦うことになる。
二人の戦士が出会う日は、近づいている。
読んでくださり、ありがとうございます。
この話は後に書く予定の、ノベル大戦にも関係する話でもあります。
ゲンムが現れ戦い、直人が仮面ライダーキバのガシャットを手に入れました。
キバとエグゼイドが共闘する話は、まだかかりますが必ず書きますのでお待ち下さい。