IS×仮面ライダーW 〜二人で一人の探偵達+αが転生しました〜   作:prototype

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ネクロムが動くのが早く見たい今日のこの頃


第二十九話

青い波動と共に姿を変えたセシリアは、先程の焦った様子も無く、ゆっくりと翔太郎達に向かって振り返る。

 

 

「嘘…だろ…?」

 

 

「あれ?本人の意識は関係無いのか‥ふーん。」

 

 

「………………!」

 

セシリア…トリガー・ドーパントは、自らの象徴でもある右腕の銃を束と翔太郎に向けると、そこから青い光弾を放った。

 

「うおっとぉ!」

 

「クソっ!やっぱり暴走か!」

 

 

射線上にいる、束、翔太郎、ゴーレム改はそれぞれ散会する。Wのメモリでも、火力だけならピカイチなメモリだ。ISだろうとダメージは大きい。

 

そして、混乱した場面に二人目の乱入者が現れた。

 

 

 

「師匠?これは…どういうこと…!?」

 

 

先程から千冬の指示でセシリアを追いかけていた簪である。

 

 

「簪!?なんでこうもこっちに来る!兎に角今は逃げろ!巻き込まれるぞ!」

 

 

「セシリアは何処に?ここに居るはず…!」

 

「あの青いのがセシリアだ!暴走してる!」

 

 

翔太郎は何時でも簪を庇えるように、簪の前へ立ち塞がる。その間トリガー・ドーパントはゴーレム改に射撃を繰り返していた。

 

「じゃあ、セシリアから聞いてない?」

 

 

「ああ?何をだ!」

 

 

「一夏がやられた。」

 

 

「っ!クソっ!」

 

 

簪を抱え、流れ弾を回避する翔太郎。

 

 

「一夏がやられたってことは、今福音はどうしてる!?」

 

 

「来人さんとシャルロットが戦ってる。私はセシリアと師匠を呼びに……」

 

 

「へぇー、いっくんが落ちたんだ。思ったより早かったな?」

 

 

「思ったよりだと?…これも想定通りだと言うつもりか!」

 

 

「ひ・み・つ♪さて、ちょっと用事が出来ちゃったかな?メモリは惜しいけど…。っとっと!危ない危ない!」

 

 

飛んで来る流れ弾を苦も無さげに躱しつつ、篠ノ之束は人参型のロケットを呼び出し、乗り込む。

 

 

「!待ちやがれ!」

 

 

「バイバーイ!」

 

翔太郎が、スパイダーショックに対応する発信機を投げるも、それは虚しく空を切った。

 

ゴーレム改はそのまま留まる。時間稼ぎをするようだ。

 

 

「クソっ逃した!……簪、お前は戻るんだ。俺もこの状況をどうにかして、セシリアと戻る!」

 

 

「………ダメ。」

 

 

小さいがはっきりとした声で簪が言うと、翔太郎に抱えられた状態を脱し、簪がISを展開させた。

 

 

「私も戦う。」

 

「何言ってんだ!お前のISは武装が無い!それに試合とは訳が違うんだぞ!」

 

「………!」

 

翔太郎が言い終わるより早く、簪はゴーレム改に突撃すると、ゴーレム改の攻撃を躱しつつ、その拳でゴーレム改の頭部を捉えた。すかさず回し蹴りに繋ぐと、ゴーレム改が

堪らず吹き飛んでいく。

 

 

「…私に格闘を教えたのは師匠。………不満?」

 

「…危なくなったら、必ず逃げろ。いいな?」

 

「…うん……!」

 

 

翔太郎の言葉を聞き、ゴーレム改に追撃すべく、簪が飛ぶ。その顔には抑えきれない嬉しさが滲みでていた。

 

 

「…はっ、生意気言ってくれるようになったもんだな。」

 

翔太郎の脳裏に浮かぶのは、愛する街を託した馬鹿弟子。

 

 

『おっさん!俺を弟子にしてくれ!』

 

『おっさんは年だろ?もう引っ込んでていいぞ!』

 

『俺はアンタの弟子だぜ?俺のこと信用してくれよ!』

 

『風都は……俺たちが守る。安心して逝けよ…おやっさん…』

 

 

頭を振り、雑念を振り払う。飛んで行く簪の背を見送った後、目の前の青い異形に目を向ける。

 

 

「セシリア…すぐ助けてやるからな……!」

 

「……………!」

 

 

ゴーレム改が離れたことで、トリガー・ドーパントは翔太郎に狙いを定める。

 

 

(照井からトリガー・ドーパントの事は聞いてるが………、ジョーカーにトライアル以上のスピードは出せねえ。弾を避けつつ近付くのは無理だ………だったら!)

 

 

セシリアがドーパント化すると言う予想外の事態が起きたものの、翔太郎離れた何十年もドーパントと戦ってきたベテラン中のベテランだ。

ドーパントの相手なら、彼とフィリップに勝る経験者はいない。

 

 

つまり、彼の決断には迷いが無いのだ。

 

 

 

「うおおおおおおお!」

 

 

翔太郎は全力で走り始める。最低限の防御だけをして、ドーパント目掛けて突撃する。

 

 

「……………!?」

 

 

『JOKER!』

 

「これで決まりだ……!いくぜ!」

 

 

翔太郎の捨て身の行動に、ドーパントの動きが一瞬戸惑ったように止まる。その隙は翔太郎には大き過ぎた。

 

 

『JOKER! MAXIMUM DRIVE!』

 

 

「ライダーパンチ!」

 

「………………!!」

 

翔太郎は跳躍しながら拳を構え、ドーパントの胴体に炸裂させたのだった。

 

 

「セシリア!」

 

ドーパントの体が爆発する。すかさず翔太郎はその中からセシリアを助け出したのだった。

 

 

「んっ……!え?わ、私はい、一体?」

 

 

「済まねえ!俺が不甲斐ないばっかりに!」

 

 

「あ、頭を上げて下さい!私がまたご迷惑をおかけしましたのに……!」

 

 

「いや、メモリのことを説明しなかった俺の責任だ。済まねえ!」

 

 

「ですから謝罪はこちらの……!」

 

「いや、俺が……!」

 

 

「………師匠、もういい?………終わったなら加勢してほしい……」

 

 

危うく無限ループに嵌りかけていた翔太郎とセシリアに、簪が声をかけた。

 

 

「あ、済まねえ。今行く!セシリア、少し待っててくれ。」

 

「分かりましたわ。」

 

翔太郎は腕の中のセシリアを地面に下ろすと、簪の元へ駆け出した。

 

「簪!俺の攻撃の届くところまで落としてくれ!」

 

 

『JOKER! MAXIMUM DRIVE!』

 

 

「…はあっ!」

 

簪が両手を組み、思い切りゴーレム改に振り下ろすと、ゴーレム改が地面目掛けて落下していった。

 

 

「ナイスだ…!もういっちょ行くぜ……!ライダーキック!」

 

 

ゴーレム改に翔太郎の飛び蹴りが命中し、機体が爆散した。

 

 

「助かったぜ、簪。これで一安心……じゃねえな。一夏が落ちたって言ってたよな!?」

 

変身を解除しながら、翔太郎が言う。同じく簪もISを解除し、空から降りてきた。

 

「…うん。急いで戻らないと……!」

 

 

「よし分かった。セシリア、ちょっと失礼するぜ。」

 

「え?ひ、ひゃあ!」

 

「よし行くぞ!」

 

 

翔太郎はセシリアを抱えると、ブリーフィングルームに向かって走り出した。

 

簪も後に続く。

 

(師匠…ボロボロなのにナチュラルにお姫様抱っこ……。…また後で謝り合いになりそう……)

 

 

割と呑気なことを考えながら。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

翔太郎、セシリア、簪はなんとかブリーフィングルームに辿り着いた。

 

 

「遅いな、何をしていた。……随分ボロボロだな。」

 

部屋の中では、若干不機嫌そうだが、心配したような声色の千冬と、心底不安そうな顔の山田麻耶がいた。

 

 

「……ま、ちょっとな。後で説明する。一夏は?」

 

翔太郎はセシリアを近くの椅子に座らせ、機器類を眺めた。

 

二機のラファールの健在を確認し、少し翔太郎は安心した。

 

「ちょうど戻ってきた。医務室にいる。しかし、状況はどちらも芳しくない。」

 

 

「どちらも?福音にも動きがあったのか?」

 

 

「ああ………今ちょうど園咲とデュノアが交戦している福音は『第二次移行(セカンド・シフト)』した。」

 

 

「セカンドシフト?こんなタイミングで……、篠ノ之束と無関係とは思えねえな。」

 

 

「……彼奴は逃げたか。」

 

 

「済まねえ。」

 

 

「気にするな。そう易々と捕まるなら苦労はしない。後で束のことは聞かせろ。今は福音だな……」

 

 

「ああ。どうするつもりだ?」

 

 

「園咲達には此方に引き付けるように言ってある。」

 

 

「………周りの避難は?」

 

 

「済ませた。織斑がやられ、篠ノ之は精神的に追い詰められている。おまけにオルコットもダウンだ。陸上から離れていては応援も送れん。」

 

 

「はあ……厳しいな…。」

 

 

「まったくだな。園咲達からの連絡を待たねばならない。ああ、それと。お前とオルコットは医務室で休んでいろ。ベッドは空いてるからな。」

 

 

「いや、そういう訳には…」

 

 

「黙って従え。いくら私より年上(・・)だろうが今は教師と生徒だ。生徒を戦場に出すのも癪だと言うのに、怪我人まで駆り出せるか。」

 

 

千冬の年上という単語に、それを聞いていた翔太郎以外の人間はきっと聞き違いか何かだと考えた。

 

 

「ハァ……今は休め、か。織斑先生、やばくなったら俺は止められてもでるぜ。行こうセシリア。」

 

 

翔太郎はセシリアに肩を貸すと、医務室に向かって歩いて行った。

 

 

「山田先生、園咲達の現在地を。」

 

 

「あ、はい!此方です!」

 

 

千冬の声に応じて、目の前のディスプレイに二機の位置が表示される。

 

 

「間も無くだな。凰、ボーデヴィッヒ、準備はいいか?」

 

 

『いつでもOKよ!』

 

『同じくです。教官!』

 

 

「そうか。合図を待て。」

 

 

千冬はそう言うと、テーブルの上のコーヒーを一口含んだ。

 

 

「あ、あの……織斑先生?」

 

 

「何ですか。」

 

 

「織斑くんの所に行かなくても良いんですか?」

 

 

「………確かに心配はしています。………だが私が今の彼奴にしてやれるのは、こんなことばかりです。だからこそ、ここを離れる訳にはいかない。」

 

「す、すいません!」

 

 

「良いんです。それに………彼奴を信じていますから。」

 

そう言う千冬の表情は穏やかだが、すぐにいつものキリッとした表情に変わる。

 

 

ブリーフィングルームの三人は、刻々と此方に近付くISの反応を、緊張した目で見つめていた。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

一方海上。そこでは緑と橙のISに身を包んだフィリップとシャルロットの二人が、福音と交戦を続けていた。

 

 

「まさかセカンドシフトとはね……まずいな…」

 

 

ちょうど翔太郎がドーパントと化したセシリアと戦っている時、彼等が追い詰めていた福音に変化が起きた。

 

 

装甲の形が変わり、背中から光の翼の生えた姿。フィリップ達が見せられた福音の資料には、当然ながら変形機能など記されていなかった。

 

 

「ISが暴走するだけでも前代未聞なのに…セカンドシフトまで………」

 

 

フィリップ達からすれば、一夏達、そして自分達がやっと追い詰めた福音が、全回復した上にパワーアップしたのだ。

 

ラファールにフィリップ作の使い捨ての強化ブースターをつけて、長距離の移動を可能にしたフィリップ達のIS。

 

よって、ある程度のエネルギー残量はあるものの、セカンドシフトした福音には少々心もとないのが現状だった。

 

二人は千冬からの命令で、少しずつ陸上に福音を引きつけている。

 

 

「シャル!まだ平気かい!?」

 

「まだまだやれるよ!」

 

 

二機のラファールがマシンガンを連射する。

福音の光翼に不用意に近付くと、囲い込まれ、零距離射撃を受ける。よって二人は中距離での戦闘を余儀なくされていた。

 

 

そんな中、フィリップは一度自分のISのデータを眼前のディスプレイに表示する。

 

 

 

(やはり僕の方がエネルギー残量が厳しいか…。訓練機を無理矢理使っているのだから当然か………)

 

 

福音から放たれる光弾を躱し、フィリップは思案を続ける。

 

 

(もしエネルギーが切れそうになったらその時は………)

 

 

フィリップの頭に浮かぶのは、実の母親の他にもう一人、母と呼んだ女性。その女性が姿を変えた、緑の異形。

 

 

(だが流石にリスクが高すぎる…!シャルを巻き込んでしまうかもしれない……!)

 

 

セカンドシフトを果たした福音の機動性、攻撃性は予想以上で、フィリップにその最後の手段を考えさせるのも無理は無かった。

 

 

「シャル、もうすぐ指示のあった距離だよ。鈴ちゃん達が応援に来るはずだ。もう少しの辛抱だ。頑張ろう!」

 

 

「うん!信じてるよ、フィリップ!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「私は………何の為に………」

 

篠ノ之箒は旅館を離れ、海岸近くで福音のいるであろう方向を見つめつつ、一人座り込んでいた。

 

 

思い起こすのは、一夏に庇われ九死に一生を得たあの時。自分なら出来ると思った。好きにはなれないが、間違いなく天災である姉の、第四世代のISと、白式がいたのだ。たとえ軍用のISだろうが、負けるはずは無かった。

 

 

負けるはずは無かったのだ。

 

 

「こんな……筈では………」

 

彼女がこんな所にいるのは、単に意識のない一夏、その姉たる千冬、また一夏と親しい友人達と一緒にいる勇気が無かったからだ。

彼女の脳裏には、一夏が堕ちていく様がありありと浮かぶ。

 

間違いなく自分の所為だ。だけど彼女の頭では葛藤があった。その事実を認めたくは無かったのだ。

 

そして、そんな自分を恥じる気持ちもある。

 

 

「くっ…!ふっ……!」

 

考える内に涙が溢れてくる。そしてふと手に巻いてある紅椿の待機形態が目に入った。

 

 

「っ!こんなもの…!」

 

 

海に投げ捨ててしまおうと、思い切り振り被る。

 

 

「……………!」

 

しかし、箒はそれのもう一つの使い方に気付いた。

 

腕の部分に部分展開し、ブレードを取り出す。

そしてそのブレードの刃先を自らに向けた。

 

「…私に……生きる価値など……!」

 

 

そしてそのブレードを思い切り振り被り……

 

 

自分の腹目掛けて突き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「っ!」

 

 

「あっぶねえ…。」

 

 

 

医務室にもどこにもいない篠ノ之箒を探して来てみれば………まさかここまで追い詰められてるとはな。我慢して走ってきた甲斐はあったな。

 

お陰でブレードにやられてスタッグフォンがオシャカだ。

 

 

「………何故だ。」

 

 

「あ?」

 

 

「何故だ!お前達は私が死ぬことさえ許さないというのか!」

 

 

「………相変わらず何でアンタに恨まれてるんだかわからねえが、少なくとも俺の前で自殺なんか誰だろうと許さねえぞ。」

 

 

「………!」

 

 

「なあ、篠ノ之箒、一夏のことで自分を責めるなとは言わねえが、他に何かやり方はあるだろ?」

 

 

「五月蝿い!お前に何が分かるんだ!もう私には……私が一夏にしてやれることは………これしか………!」

 

 

「何を馬鹿なことを言ってやがる!一夏がそんなことして喜ぶとでも思ってんのか!?」

 

 

「ふっ……一夏はどうせ私のことなど気にせんだろうさ、これはただの自己満足だ。」

 

 

随分拗らせてるな……、もしかしてコイツ………

 

 

「篠ノ之箒、一夏がお前のことを気にしてないって、本気で思ってるのか?」

 

 

「何?」

 

 

「一夏と暮らしてる時にな、お前の話は何度も聞かされたよ。初めての親友だとか、会えなくて寂しいだとかな。学園に入った時だって、すぐにお前に会いに行ってた。」

 

 

部屋割りが初めて決まった時の騒動の時も、一夏は最後まで心配してたし、最近教室に姿を見せなかった時も、千冬さんに相談してたらしい。

一夏にとって篠ノ之箒は間違いなくどうでもいい存在ではないな。

 

 

「…………一夏が……!」

 

 

ああ成る程、反応でわかった。

 

篠ノ之箒は、一夏に惚れてるのか。

 

道理で恨まれる訳だ。一夏の横には俺たちがいたからな。普通じゃあないかもしれないが、風都にいた時も、こういう事件は結構あった。その度に恋ってもんは恐ろしいと感じたもんだ。

 

 

「今あんたがやるべきことは、本当に自己満足の自殺か?」

 

「……………!」

 

 

「今すぐ答えは出せねえだろう。考えておいてくれ。それと……何だ、悪かったな、気づけなくて。」

 

 

女を傷付けるような男で何時までもいたくないんでな。

今はこんなところか、これで変わるとは思わない。恐らく思い続けてきた時間が時間だからな。

 

それにしても一夏……罪作りな奴だ。目が覚めたら覚悟しやがれ!

 

 

 

さっさと起きろよな…ったく。今日は流石に俺も疲れたぞ……

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ここは……どこだ?

 

 

俺、確か…箒を庇って………、もしかしてここがあの世なのか?

 

 

『それは違うよ、ちょっと近いかもだけど……』

 

 

「誰だ?」

 

俺の目の前には、白いワンピースを着た女の子が立っていた。

 

『あなたは力を欲しますか?』

 

 

「え?何だよいきなり!」

 

何を言ってるんだ?

 

 

『欲しますか?』

 

 

「そりゃ、あればいいだろうけど………っというか、ここがあの世じゃないなら夢か何かなのか?」

 

 

『力がいるの?』

 

 

「んー、よく分からないだけど、皆を守るためになら欲しいけど……。どんな力なんだよ?」

 

 

『力は力だよ。』

 

 

そう言うと、いかにも騎士って感じの人が出てきた。いや、人じゃない……あれは…白騎士?雰囲気が千冬姉に似ているような……。

 

 

『力はあくまで力。どう使うかは貴方次第。』

 

白騎士と少女はじっとこっちを見てる。

 

『君はちゃんと使いこなせる?』

 

 

何だか試されてる……のか?

 

力か。昔の俺なら変な自信だけ持って直ぐに飛びついてたな。

 

「それは分からない。でも、やり残したことがある。仲間を守りに行きたい。力を貸してくれ。」

 

結局欲しがるんだから、俺もあんまり変わってないのかもしれないけど。

 

 

『なら、行ってあげなくちゃね?』

 

 

女の子がそう言うと、後ろに白い光の穴が開いた。あそこから出るのか?

 

 

『ああ、忘れてた。』

 

 

「まだなにか?」

 

 

『この子も連れて行ってあげて?きっと貴方の仲間の役に立つ。』

 

 

「この子?」

 

 

後ろの白騎士のことか?

と思ってたら、ズボンの裾を引っ張られる感じがした。

 

 

 

『ギャオオオオン!』

 

 

………恐竜?

 

 

 




如何でしたか?


次回で福音戦は終わりそうです。


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