IS×仮面ライダーW 〜二人で一人の探偵達+αが転生しました〜   作:prototype

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捏造設定アリ。


第十六話

「んじゃ、そういう訳で、ちょっと行ってくるわ。」

 

「ええ!?ちょっと待てよ翔太郎、そういう訳ってなんだよ!」

 

「だーかーら、シャルルは女で、俺たちの情報を盗もうとしたスパイで、何か事情があるみたいだから、フランスに行くんだよ。分かったか?」

 

「何か色々飛んでるよな!?第一何で今から!?」

 

「夜が一番出やすいんだよ。 早く解決するに越したことはないし、手続きも面倒だからな。」

 

昼間だと人目につく。何とか飛行機に乗れりゃ、そこまでだ。この時代の携帯ってのは飛行機の予約も取れるんだな。

 

「………でもさ。あんまりこういうこと言いたく無いんだけど、シャルルってスパイなんだろ…?誰かに言った方がいいんじゃ無いか?」

 

「それでも、だ。シャルルを助けるって言ったのは来人だ。俺はアイツを信じる。フランスに行って収穫がなきゃ、改めてそうするさ。」

 

「信じる、か。分かった!翔太郎、何か手伝えないか?」

 

「おし、そう言うのを待ってたぜ。これをお前に貸す。」

 

そうして俺は、懐からフロッグポットを取り出した。

 

「これの使い方は知ってるよな?お前にはこれで、俺たちがいないことを誤魔化して欲しい。」

 

「わ、分かった!やってみる!」

 

「あと、取り敢えずシャルルのことは面倒見てやってくれ。」

 

そして俺は、荷物をまとめ終わると、クローゼットを開ける。中には沢山の帽子が掛かっている。

 

「帽子を被るって………本気なんだな翔太郎?」

 

「勿論さ。じゃ、行って来る。」

 

選び抜いた一つの帽子を被り、部屋の外でフィリップと合流すると、IS学園の正門に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「何処に行くつもり?」

 

 

ちょっと見積もりが甘かったか?監視カメラの視界を塞ぎ、デンデンセンサーでセキュリティをすり抜けた。

 

 

 

………まさか生徒会長に会うなんてな。

 

 

「生徒会長、悪いが通してもらうぜ。」

 

「僕達には、やらなきゃならないことがある。」

 

「もしかして転校生のことかしら?ま、何でも良いけれど、風紀を守るのも私の仕事よ。こんな夜中に外出なんて。」

 

 

風紀ねぇ、人の部屋に忍びこんで、水着エプロンになってた奴に言われるとは思わなかったな。

 

「ま、どうしてもと言うなら。」

 

更織楯無生徒会長は、俺たちの前に立ち塞がり、ISを展開した。

 

「お姉さんが相手してあげるわ。」

 

「フゥー、やるしか無いか。行くぞフィリップ。」

 

「ああ。」

 

腰にWドライバーを装着する。そしてメモリを構える。前の世界で数え切れないほどした動作だ。

 

「いい機会ね、そのベルトの力、見せてもらうわ!」

 

『CYCLONE!』 『JOKER!』

 

「「変身!!」」

 

『CYCRONE!』 『JOKER!』

 

「いくわよ!」

 

俺たちがWに姿を変えると、生徒会長はISで飛び掛かって来た。だが俺たちはそれを軽くいなす。

 

今は真夜中、流石に銃器をぶっ放すようなことはしないらしい。

 

「翔太郎、油断は禁物だ。彼女はロシアの国家代表。たとえ銃器を使えなくても、厄介だよ。」

 

「分かってるって!」

 

『METAL!』

 

『CYCRONE!』『METAL!』

 

相手が近接だってなら、こっちもだ。

 

「ふぅん、そうやってカラダの色ごと戦い方を変えるのね。面白いわ!でも………」

 

「何!?」

 

俺たちのメタルシャフトの口撃は、会長のISの水のヴェールに防がれた。

 

「これが私のIS、『霧纏の淑女(ミステリアス・レイディ)』よ。如何かしら?」

 

「なるほどね。水を操るって訳か。」

 

だけど、水を操る相手と戦ったのは初めてじゃねえ!

 

「翔太郎、僕の側を変えるよ?」

 

「ああ!お熱いのを、かましてやるぜ!」

 

『HEAT! 』

 

『HEAT! METAL!』

 

「また変わった………」

 

「行くぜ?」

 

再びメタルシャフトを手に会長の方へ飛ぶ。会長の水のヴェールが厚くなるが、そんなことは関係無い。

 

「!蒸発した!?」

 

「おおりゃああ!」

 

「キャア!」

 

『METAL!MAXIMUMDRIVE!』

 

一撃を与えて吹き飛ばすと、今度は必殺技の準備だ。

 

「「メタルブランディング!!」」

 

「くっ!」

 

地面を滑るように移動し、メタルシャフトを思い切りぶつけるーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「………え?」

 

 

ことは無かった。

 

 

「会長さん、これでいいか?」

 

「へ?ど、どういうこと?」

 

「いや、今回は勝ちってことで。じゃ!」

 

会長には、倒せとも何も言われなかったんでね。ま、ここで突っかかるほど、器は小さか無いだろ。

 

俺達は変身を解除すると、悠々と門から出て行った。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「負け、か。」

 

更織楯無はそのまま場に突っ立っていた。

 

今回の戦い、自分は決して全力では無かった。音をあまりたてずに戦う、と言うことは、自分のISの武器である水を生かしきれない。

 

本来なら、たとえ蒸発させられたところで、その水蒸気を利用し、爆発を起こすことだって出来る。相手が飛べない以上、空中から銃器を使えば楽勝だろう。

 

しかし、いくらハンデがあっても負けは負け。思えば楯無を継いでから、自分が負けたのは初めてかもしれない。

 

「ふぅ、ま、ちょっとは大目にみてあげますか!」

 

「何がちょっとですか!結局逃げられちゃったじゃないですか!」

 

「げっ、虚ちゃん!」

 

「げっ、とは何です!さあ会長、彼等のフォローのための準備しますよ!」

 

「はいはい分かってますよ〜と。さて、大企業をどう相手にするか、楽しみに見させてもらうわよ、二人共!」

 

「かっこよくキメてる暇があるなら、仕事を増やしても良さそうですね?」

 

「ええ!?それは勘弁してよ虚ちゃ〜ん!」

 

 

そうして更織楯無は、いつものように生徒会室に戻るのだった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

何とかIS学園を抜け出した俺たちは、真っ直ぐ空港に向かった。IS学園には、各国の重要人物も大勢くる。よって、空港もそう遠くはないってことだ。追っ手は気になるがな。

 

「ふぅー、何とか抜け出せたか。」

 

「翔太郎、これを。」

 

「ん?」

 

 

フィリップに渡されたのはサングラス。なるほど、一応の変装か、この顔は世間に割れてるしな。見せるのは審査の時だけでいいか。

 

 

そうして俺たちは、フランスに着いた時ちょっと周りの目を引いたが、何とかフランスに辿り着くのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フランスに着き、ひとまずの拠点とするホテルに着いた俺たちは、行動を開始した。

 

行動と行っても、取り敢えず、新聞社の人に聞き込みをすることだ。え?フランス語を喋れるのかって?当たり前だろ?

 

フィリップの検索で、デュノア社が真っ黒だってのは分かってる。だけど分かってるだけだ。証拠もないから、これだけではデュノア社を相手に出来ない。だから、こうやって証拠を探しているんだ。

 

その間フィリップは、ひたすらネット、図書館、【本棚】などから、デュノア社に関することを調べている。

 

篠ノ之束のリスクもあるのに彼処までやるってことは………案外シャルル……いや、シャルロットに惚れでもしたか?………いや、若菜さんの時程ではないな。

 

勿論、一日二日で出来ることじゃない。

 

気がつけば、フランスに来てから四日ほど経過していた。

 

収穫はそこそこ。しかし、会社一つ相手にするには足りないな。

 

「申し訳ありません、私、私立探偵の照井 竜と申します。こちらのアンドレさんにお会いしたいのですが……」

 

俺やフィリップは、顔は勿論、名前も広がってるからな。悪いな照井、借りてるぜ。

 

「アンドレさんですね。少々お待ちください。」

 

 

アンドレさんと言うのは、フィリップが見つけてくれた、数年前からデュノア社の不正を糾弾する記事だけを書いている。所謂ジャーナリストだ。

 

その記事自体の内容も、フィリップが検索したものと一致したのだった。何か情報が手に入らないかと、今回、直接会うことにしたのだ。

 

 

「俺に用とは。何の用だ若いの。」

 

出てきたのは、少々強面の身長185センチくらいの男だった。

 

 

「単刀直入に言わせてもらいます。あなたはデュノア社を堂々と糾弾する記事を書いていますね。他のジャーナリストが、おそらく権力を恐れて書かないような内容を。」

 

 

「フン、真実を伝えるのが俺たちの役目だろう?俺の母国で犯罪など認めてたまるか。」

 

 

「だとしても、貴方がここまで執拗にデュノア社を糾弾する理由は一体なんなのですか?」

 

 

「ここでは話し辛い。少し待っていろ。」

 

 

そう言うと、アンドレさんは奥の方で何やら手続きを済ませ、俺を自分の車の元に案内した。

 

 

 

 

車でアンドレさんに連れてこられたのは、小さなアパートだった。

 

「ここは俺の家だ。ここなら話せるぞ。確か、左 翔太郎だったか?」

 

「バレてました?」

 

 

「当たり前だ、人を見る目くらいある。どうせシャルロットのことだろう。」

 

 

「そこまで知ってる何て………本当に一体何者なんだ?」

 

 

「ただのしがないジャーナリストだよ。」

 

 

どうやらよっぽどデュノア社にご執心らしい。内密にされてるだろうシャルロットのことも知っていた。もしかしたら……

 

「?………これは?」

 

 

取り敢えず部屋を見渡すと、片付いた棚の上に乗る写真立てが目についた。

 

三人の人間が写っている。左の男はアンドレさん、真ん中のは、アンドレさんと同じくらいの男性、そして、シャルロットによく似た女性だった。

 

 

「………そこに写っているのは、俺の昔の友人さ。」

 

 

「貴方以外の二人は……」

 

 

「片方は今のデュノアの社長、アランだ。名前くらい知ってんだろ?」

 

なるほどね。じゃあ………

 

 

「これがシャルロットの母親ですか?」

 

 

「ああ、ジゼルだ。シャルロットにも、赤ん坊だった頃に会ってる。俺たちは親友だった。アイツが、アランが金目当てに結婚するまではな。」

 

 

そう言うと、アンドレさんの顔は怒りと哀しみが混じったような顔になった。

 

 

「アランは変わっちまった。ジゼルを捨て、会社をでかくした。だが調べてみれば不正だらけだ。裏取り引き、脱税、今回に至ってはシャルロットまで利用しやがった……!」

 

 

何だか生々しい話になってきたな。

 

 

「お前、ここまで来たってことは、シャルロットがIS学園でしてたことを知ったんだろ? 頼む!俺に変わって、デュノア社の罪を暴いてくれ!」

 

 

「はい。もとよりそのつもりです。そこで何ですが、何か不正の証拠になるようなものはありますか?」

 

 

「………すまない。自分の記事に書いたので手一杯なんだ。」

 

 

「では、他に心当たりは?」

 

 

「……………そうだ!ジゼルの家だ!アイツも何か調べていたかもしれない!………いや、ダメか。家の場所は分からん。空き家はこの近くに沢山ある。探すのはとても無理だ。」

 

 

「ああ、大丈夫です。ちょっと時間をかければ、直ぐに見つかりますから。」

 

「どういうことだ?」

 

 

「頼りになる相棒の力を借ります。では、アンドレさん、解決出来たら、また連絡します。」

 

 

「よく分からんが、頼んだぞ。シャルロットを自由にしてやってくれ。」

 

 

「ああ。」

 

 

そうして俺は、フィリップに検索させるべく、ホテルに戻るのだった。




次回でデュノア社関連は終わりにします。

楯無はそんなに弱くない!と言われそうで怖い。


追記
翔太郎が照井を名乗る場面に文書追加

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