IS×仮面ライダーW 〜二人で一人の探偵達+αが転生しました〜   作:prototype

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チェイス………
ブレンのように追悼イベントが無いってことは、期待していいんだろうか?
次回予告のマッハが普通にカッコイイ。



第十四話

「はい!翔太郎さん!」

 

 

「お!旨そうだな!」

 

 

時刻は昼飯時、天気も良い。一夏の提案で、屋上で飯を食うことになった。

メンバーは、俺、フィリップ、一夏、鈴、セシリア、シャルル、簪だ。シャルル以外はいつものメンバーだな。

 

そして、遂に俺は、セシリアの手料理を食うことになったのだった。

 

 

「んじゃ、いただきます、と………………」

 

 

セシリアのサンドウィッチをゆっくり口に運ぶ。そして………

 

 

「………ぐっ!」

 

 

頭と舌に電流が走った。

 

 

「あの、如何ですか?翔太郎さん!」

 

 

 

 

 

 

 

何だこれはこれは本当にサンドウィッチなのかいやおかしいだろ俺の知ってるサンドウィッチにここまでの香辛料が入ってる訳がないしかも何だこの花みてえな香りはまさか芳香剤でも入れたのか具の一つ一つがまともな味をしていないってどうやって作るんだよ俺が食べたのはサンドウィッチのはずだ食感しか似てないってどういう(以下長いので略)

 

 

 

 

「翔太郎さん?」

 

 

「ん?セシリアはサンドウィッチ作ったのか?良かったら貰ってもいいか?」

 

 

「ああ一夏さん。別に構いませんわ。どうぞ。」

 

「ありがとう。いただきます………………うっ!?」

 

 

「どうかしましたか?」

 

 

「いや、えっと、その、」

 

 

「一夏………」

 

 

一夏にこれだけは伝えておかなくちゃな。

 

 

「翔太郎!大丈夫なのか!」

 

 

「いいか一夏。男の仕事の八割は決断だ。それ以外はオマケみたいなもんだ。俺の決断を見届けろよ………」

 

「おい翔太郎、そんな遺言みたいな…………」

 

 

「セシリア………サンドウィッチ、全部貰えるか?」

 

 

どんなものだろうが、レディの手料理を残すなんて、俺には出来ないんでね。

 

 

「!気に入っていただけましたか!?幾らでもどうぞ♪」

 

 

「ああ………ありがとう………」

 

 

「翔太郎!お前まさか………」

 

 

「一夏、これが俺の決断だ………うおおおおおお!!」

 

 

俺は叫び声と共に、サンドウィッチを一気に飲み込んだ。酸味、苦味、辛味、石鹸みたいな何か、色々なものが喉を通っていった。

 

 

「後は任せたぜ………一夏。」

 

 

「翔太郎!しっかりしろ!翔太郎、翔太郎ぉぉぉ!」

 

 

そこから先のことは、記憶にない。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「はっ!?」

 

 

俺が目を覚ますと見知らぬ………いや、クラス代表決定戦の時も見たな。真っ白な天井が広がっていた。

 

 

「翔太郎!」 「翔太郎さん!」

 

 

声のする方を見ると、一夏にフィリップ、セシリアが集まっていた。

 

 

「申し訳ございません翔太郎さん!わ、私の料理でこんなことに……」

 

 

「いや、いいさ、俺が食べたかったから食べたんだ。ありがとな。」

 

 

そう言うとセシリアは目に涙を浮かべる。

 

 

「どうしても自分が許せないなら、いつか美味い手料理を作ってくれ。な?」

 

 

「………はい!」

 

 

「君の無茶はわかっているけど、流石に料理で死なないでくれよ?翔太郎。」

 

 

「わかってる。今回のはただの俺の意地だ。ところで今何時だ?」

 

 

「午後の授業は終わってしまったよ。これからいつもの練習に行くところだ。」

 

 

そんなに長い間気絶してたのか。恐ろしいな。

 

 

「そうか、じゃ、行くか。」

 

 

「お、おい、大丈夫なのか翔太郎?」

 

 

「生憎体は頑丈なんでね。行くぞ。」

 

 

正直体動かして、味を忘れたいのは秘密だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナに着くと、鈴、簪と、新しくシャルルがいた。

 

 

「あ、翔太郎、生きてたのね。」

 

 

「………大丈夫?師匠。」

 

 

「これで全員だね!」

 

 

上から鈴、簪、シャルルだ。ちなみに簪は俺のことを師匠と呼ぶ。何でもフィリップから色々聞いたらしい。何吹き込んだんだか。

 

 

「さ!始めようぜ!」

 

 

一夏の声で、練習が始まる。基本的には代表候補生組が一夏を鍛える。俺は一夏やセシリア、簪に格闘を教えたりしている。フィリップはアドバイザーだ。

 

 

ま、師匠と呼ばれたって何したって、俺達はまだISに関してはど素人だ。お互いに技術を磨き合うってのはいいことだな。

 

 

今回は、シャルルという新しいメンバーがいる。聞けば、シャルルの専用機は、フィリップの『ラファール・リヴァイヴ』のカスタム機らしい。おかげでフィリップはシャルルに付きっ切りで教えを受けてる。アイツ、あんなんでこの後大丈夫なのか?

 

 

「師匠。ISを。」

 

 

「お、簪か。模擬戦か?」

 

 

簪は静かに頷く。簪の専用機、『打鉄弐式』はフィリップが開発を手伝っている。学年別トーナメントには間に合うらしい。と言うことで、今は俺と『打鉄』をシェアしている。

 

 

「ちょっと待ってろ………よっと、よし、いいぞ。」

 

 

俺は『打鉄』を簪に渡す。ぶっちゃけ今の調子じゃ、あまりいい特訓にはならんだろうからな。

 

 

「行くわよ簪!」

 

 

「うん……!」

 

 

相手は鈴か。簪は腕がいい。総合的なISの腕なら、俺達の中で一番だな。ま、今のところだが。簪も専用機が出来たら化けるだろうし、学年別トーナメントが楽しみだな。

 

 

そんなことを考えている時だった。

 

 

「織斑一夏!私と戦え!」

 

 

アリーナの入り口あたりで声を上げたのは、黒のISを纏ったラウラ・ボーデヴィッヒだった。

 

アリーナにいる俺達全員の視線が二人に集中する。

一夏の答えは……

 

 

「嫌だ。戦う理由がないね。一緒に特訓したいなら別にいいぞ。」

 

 

「お前に無くとも私にはある。お前がいなければ織斑教官は傷つかなかった!」

 

 

「!」

 

 

マズイな。

 

 

「一夏、真に受けるな。頭に血が上ったらお終いだ。」

 

 

「………わかってる………」

 

 

「フン、腰抜けめ。ならば………」

 

 

そう言ってラウラは肩の砲身をこっちに向ける。

 

 

「戦わざるを得なくしてやる!」

 

 

そして俺に向かって弾を発射した。

 

 

だが、弾が俺に当たる事はなかった。

 

 

「いくら何でも、生身の人間に武器を向けるなんて………それなら、僕達にも考えがあるよ!」

 

 

シャルルだった。瞬時にシールドを展開し、俺を守ってくれたのだ。

そしてシャルルの言葉に応じ、この場の一夏を除く全員が武器を構える。

 

 

「まさか、この場の全員に勝てるなんて思ってないよね?」

 

 

「ありがとなシャルル。助かったぜ。」

 

 

「チッ!今日のところは退いてやる。次はない!」

 

 

捨て台詞を吐くと、ラウラはISを収納し、戻っていった。

 

皆もその後、特訓をする気にはならず、なんとも言えない雰囲気で解散となった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「フィリップ、どうだったシャルルは。」

 

 

「そうだね。印象は悪くない。しかし、それ以上に怪しい点が多過ぎる。」

 

 

「やっぱりか……」

 

 

俺とフィリップは部屋に戻り、俺は荷物を片付けていた。何故かと言うと、俺はこの部屋から引っ越すからだ。

 

 

俺とフィリップは、シャルル・デュノアを警戒した。このタイミングで見つかった男性操縦者、と言うだけでも十分怪しい、さらにシャルルの言動、行動には、少し不自然な部分があった。

 

 

そこで俺達は、今日の実習の終わり際、千冬さんに頼んで部屋割りを変えて貰った。本来、一夏とシャルルが相部屋だったところを、シャルルとフィリップに変えて貰ったのだ。もしかしたら、スパイ行為かなんかの証拠がつかめると思ってな。

 

 

「まあ、任してくれ給え翔太郎。」

 

 

「頼むぜ。フィリップ。」

 

 

今日命を救ってくれた相手を疑うってのは少し心が痛む。が、もしシャルルがスパイなら、下手をすれば俺達三人全員が何かしらの被害を受ける事もある。心を鬼にしなくちゃな。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

僕が翔太郎を見送ってしばらくすると、シャルル・デュノアが部屋にやって来た。

 

僕の役目は、おそらく性別を偽っているであろうシャルル・デュノアの正体と目的を暴くこと。と言っても、正体の目星はある程度付いている。

 

シャルロット・デュノア

 

僕が検索した同年代の代表候補生の中でも、特に警戒すべき、企業関係者だ。

シャルロット・デュノアは、ISの世界シェア第三位の企業、デュノア社の令嬢だ。しかも愛人の子であるらしい。

もし、シャルル・デュノアがシャルロットなら、おそらく複雑な事情が絡んでいそうだ。

 

しかし、僕がこの役目を引き受けたのは、そう言ったことに同情せず、シャルルの処遇を決めるためだ。

翔太郎は、彼の美徳ではあるが優しい。一夏もそうだ。たとえ印象が良くても、腹の内がわからない以上、彼等の優しさは危険だ。翔太郎もわかってるんだろう。そういうところがハーフボイルドなんだろうけどね。

 

 

「ルームメイトは来人だったんだ。これからよろしく!」

 

 

「こちらこそよろしく。」

 

 

と言っても、いきなり疑いを向けても、シラを切られるだけだ。ならば行動に移すのを待つだけ。シャルル・デュノアには悪いが、すでにガジェットで監視を付けてある。

 

 

「ところでシャルル。ラファールのことで聞きたいことがあるんだけど。」

 

 

「フフッ、来人は本当に勉強熱心だね。僕に教えられることなら何でも教えるよ!」

 

 

やはりシャルル・デュノアのこの態度は演技のように思えない。しっかりと見極めなきゃね。

 

 

 

 

 

 

 




全体的な動きが少ない十四話。
翔太郎が1日で二回も死にかけてる件について。


12/12ちょっと台詞、行間修正

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