IS×仮面ライダーW 〜二人で一人の探偵達+αが転生しました〜   作:prototype

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つい長くなってしまった………
転校生の登場です。


第十三話

「「「転校生?」」」

 

 

「そう!今日うちに転校生が来るんだって!しかも二人!」

 

 

この時期に転校生か。前は鈴だったから安心っちゃ安心だったが、スパイの警戒もしなきゃならないな。

 

 

「その転校生について、他に何かないかい?」

 

 

「確か、フランスとドイツの代表候補生って聞いたよ〜。」

 

 

「 へぇ、流石のほほんさん、情報が早い。」

 

 

「えへへ〜。」

 

 

「あ、左君!話は変わるけどさ。この前はホントにありがとう!」

 

 

「ん?いや、良いってことさ。」

 

 

「?翔太郎、何かしたのか?」

 

 

「それがね〜!左君、私の無くしたぬいぐるみ見つけてくれたの!頼んで正解だったわ!」

 

 

「へぇ〜、新聞部の先輩に言ってたこと、本当にやってるんだな。」

 

 

「まぁな。」

 

 

依頼は大体、物探しや喧嘩の仲裁なんだけどな。最近は依頼が増えてるから喜ばしいぜ。

 

 

「それでね、今日朝、左君にクッキー焼いてきたの!お昼に食べて!」

 

 

「おお!ありがたく貰うぜ!」

 

 

今はまだ、探偵ごっこ、て感じだが。いろいろ片付いたら、事務所でも開くか?

 

 

「諸君、ホームルームの時間だ。席に着け。」

 

 

教室に入ってきた千冬さんの呼びかけで、全員が席に着く。

 

 

「だいぶ噂になっていますが、今日はこのクラスに転校生がいます!入ってきて下さい!」

 

 

山田先生に呼ばれて入ってきたのは、小柄な銀髪の少女と、金髪の………男!?

 

 

「フランスから来ました。シャルル・デュノアです。」

 

 

「男………!?」

 

 

「はい。僕と同じ境遇の子がいると聞いたので、急遽転入することになりました。」

 

 

「……………キ、」

 

 

何か不味いなこれは。

 

 

「?」

 

 

「「「「「キャアアアアアアア!!!」」」」」

 

 

「うおおおおお!?」

 

 

うちのクラスの女子はこんなにでかい音が出せたのか!?

 

「男子よ男子!四人目!」「守ってあげたくなる系の!」「お姉ちゃんって呼んで!」「今年は園咲×デュノアね!」

「いや!左×デュノアも!」「織斑君を忘れないで!」

 

 

俺は何も聞いてない。聞いてないぞ。それにしても男子か。………警戒しておくに越したこたぁないな。

 

 

「静かにせんか。まだ自己紹介が残っている。山田先生、どうぞ。」

 

 

「わかりました。ラウラさん、自己紹介してくれるかな?」

 

 

「………………………」

 

 

何だ?随分無愛想なやつだな。可愛い顔してんのに。そういえばコイツ、大道のところのクロエって奴に似てるな。考えすぎか?

 

 

「ラウラ、挨拶をしろ。」

 

 

「はい教官。」

 

 

千冬さんの言うことは聞くのか。教官ねぇ…また何かありそうだな。

 

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。」

 

 

「えっと、あの、それだけ?」

 

 

「以上だ。」

 

「えっと、ボ、ボーデヴィッヒさん?」

 

 

山田先生の声を無視し、そいつは一夏の席へ向かった。

 

 

「貴様が織斑一夏か?」

 

 

「え?あ、ああそうだけど。」

 

 

確認を取ると、ラウラ・ボーデヴィッヒは手を振りかぶった。アイツ……!間に合うか?

 

パシッ!

 

「!」

 

 

「いきなりとは、穏やかじゃねぇな?お嬢さん。」

 

 

「離せ!」

 

 

「別にいいが、何度やっても俺は止めるぞ。」

 

 

「フン!織斑一夏!私はお前を教官の弟などとは認めない!」

 

 

そう言って、ラウラ・ボーデヴィッヒは空いてる席に着いた。一夏絡みでもあるのか?

 

 

「ゴホン!今日はISの実習だ。速やかに着替えてグラウンドに集合するように。織斑、左、園咲はデュノアの面倒を見てやれ。」

 

 

「わかりました。」

 

 

転校生は謎だらけ、か。まあ、片方はすぐに解決しそうだが。

 

 

「ええと、左君と、園咲君、それと織斑君でいいかな?僕は……」

 

 

「ああごめんデュノアさん!自己紹介は後にしてくれ!翔太郎!来人!行くぞ!」

 

 

「わかってるって。悪いな、今は急ぎでね。」

 

 

「………?どうして?」

 

 

「どうしてって、女子が着替えるだろ?」

 

 

「………あ!そ、そうだね!急ごうか!」

 

 

はあ………怪しいなんてもんじゃないぜ。ま、後でじっくりかな。

 

 

「翔太郎!早く来いよー!」

 

 

「ああ。今行く。」

 

 

そうして更衣室まで歩いて行くと、女子の大群に遭遇した。若干鼻息が荒い。

 

 

「見つけた!転校生よ!三人も一緒だわ!」

 

 

「不味い!見つかった!」

 

 

この学校、珍しいのはわかるんだが、流石に集まりすぎだ。最近やっと穏やかになったと思ったが、転校生が狙いか。

 

 

「ど、どうしてこんなに人が!?」

 

 

「そりゃ俺達が男子だからだけど……?」

 

 

「!そ、そうだよね!男子だもんね!」

 

 

ハァ………。どうにかなんないのか?

 

 

「翔太郎、二手に別れた方が良さそうだね。」

 

 

「ああ。一夏!デュノアさんを頼むぞ!」

 

 

「!分かった!こっちだ!デュノアさん!」

 

 

「う、うん!」

 

 

「転校生が行ったわ!」「織斑君と手え繋いでる!」

 

 

案の定、女子生徒達の大半は一夏達の方に向かった。悪いな一夏。

 

 

「俺達も行くぞ来人。」

 

 

「もちろんそうだけど、どうするつもりだい?」

 

 

ファンが多いのは嬉しいが、千冬さんの怒りは買いたくないんでな。

 

 

「跳ぶか。来人。」

 

 

「そんなことだと思った………」

 

 

俺はフィリップを担ぐと、思い切り窓から飛び降りた。

 

 

「えええええ!?ひ、左くーん!?」

 

 

「来人きゅんが!大丈夫なの!?」

 

 

「大丈夫だぜ!」

 

 

「!これは!ワイヤー!?」

 

 

やっぱりメモリガジェットを常備していて正解だったな。俺はスパイダーショックを使って、上階から安全に飛び降りた。

 

 

「さ、行くぞ。」

 

 

「ああ。」

 

さて、一夏達は大丈夫かね?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

案の定一夏達は遅れたが、授業が始まった。

 

………やっぱりISのスーツってのは過激だな。ある意味ISが女性専用なことで、犯罪が防げてるのかもな。例外がもういるが。ちなみに俺とフィリップのスーツは、一夏のを参考にフィリップが作った物だ。クラス代表決定戦の時は、仕方なく学園の予備のを使ったが、流石にキツイし動きにくいからな。

 

 

「では、授業を始める。まずは、そうだな………。オルコット、凰、前へ出ろ。模擬戦をしてもらう。戦闘の実演だ。」

 

 

呼ばれてセシリアと鈴は前へ出る。

 

 

「ハァ……まるで見世物ですわね。」

 

 

「気は乗らないけど、やるしかないわね。」

 

 

二人はあまりやる気じゃあなさそうだな。ま、セシリアも鈴も、ISの戦闘でいろいろあったからな。

すると千冬さんは、何やらセシリアと鈴に耳打ちした。それを聞くと、セシリア達は目の色を変えた。

 

 

「やはり、ここはイギリスの代表候補生である私の力を示さねばなりませんわ!」

 

 

「さあ!やるわよセシリア!絶対負けないから!」

 

 

鈴のは多分一夏絡みだろうが、セシリアは何を言われたんだ?何故かすげえ見つめられてるんだが。

 

 

「おいお前達、勘違いするな。お前達の相手は別にいるぞ。」

 

 

「「え??」」

 

 

「わわわわー!ど、退いてくださーい!」

 

 

空から山田先生が落ちてきた!? デジャブ………そうか!一夏の入学試験だ!たしかあの時も………って一夏が危ねえ!

 

 

「へ?」

ドォォォォォン!

 

 

アイツ…!まともに!

 

 

「大丈夫か一夏!」

 

 

「俺は大丈夫だ!」

 

 

「そうか、良かっ………」

 

 

一夏の返事が聞こえて一安心したが砂埃が晴れると、一夏の手元を見ると、とんでもないがことが起こっていた!

 

 

「一夏!自分の手をよく見ろ!」

 

 

「手?そういえば何だか柔らか…ってああああ!?」

 

コイツ!どさくさに紛れて山田先生の胸を掴んでやがる!?………どうしてこうなった!?

 

 

「あ、あの、織斑くん?こ、こういうのはまだ早いと言うか、あ、でもこのままだと織斑先生が義理のお姉さんってことで、それはそれでいいかもなんで……」

 

 

「一夏、お前!なんて羨まし…ゲフン!何つーことを!」

 

 

「ご、ごごごめんなさい!!」

 

 

「り、鈴ちゃん落ち着いて!一夏は生身なんだよ!」

 

 

「話しなさい来人!一夏………!よりにもよって!そんな巨乳に!」

 

 

「翔太郎さん!」

 

 

「何だ!」

 

 

「あ、貴方が望むなら、わ、私は「静かにせんか!」うう……」

 

騒がしくなったグラウンドを一言で………。流石ってとこだな。セシリアは何が言いたかったんだ?

 

 

「オルコット、凰、お前達の相手は、山田先生だ。二対一でいい。すぐに始めろ。」

 

 

「二対一ですか?私達は代表候補生なのですよ?」

 

 

「悪いけど、すぐ終わっちゃうわね。」

 

 

「安心しろ、お前達では直ぐ負ける。」

 

 

「!………へえ。面白いじゃない。」

 

山田先生か。正直強くは見えないが、教師になっている以上、実力はあるはずだ。お手並み拝見ってところだな。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「これがIS学園の教員だ。以降は敬意を持って接するように。」

 

 

結果から言えば、山田先生の完勝だった。生徒の中には感嘆の声を出す奴がいたほどだ。

セシリアと鈴も決して弱くは無いんだが、いかんせん連携がとれてないのが難点だな。

 

 

あ、それと試合中に、デュノアが山田先生のIS、フィリップが使っていた『ラファール・リヴァイヴ』の解説をしていた。

なるほど『デュノア』ね。益々怪しいな。フィリップも薄々気付いてるだろう。何かしら策は講じて置くか。

 

 

「それではこれより、ISの歩行訓練を始める。専用機持ちは指導に回れ。ISは全部で六機。『打鉄』と『ラファール・リヴァイヴ』、好きな方を選べ。」

 

 

「織斑先生、僕達は何をすれば?」

 

 

「お前達には歩行訓練は必要無いだろう。他のグループの補助に回れ。」

 

 

「わかりました。」

 

 

「織斑君!私に教えて!」「デュノア君!」

 

やっぱり男子の方に行くか、でもこんなことを認める千冬さんじゃ無いよな。

 

 

「何をしている!出席番号順に整列しろ!」

 

 

千冬さんの声で、生徒は並び、均等に割り振られた。一夏や、デュノアのグループになった奴は、露骨にテンションが上がっていたな。

 

「さて、俺達も見回るとしようぜ。来人。」

 

 

「そうだね翔太郎。」

 

 

セシリアのところは問題無し。セシリアの解説は理屈だらけだが、グループのメンバーは中々勤勉だったようで、話に着いて行けていた。

 

 

鈴のところは少しアレだな。鈴は感覚でやる奴だから、教えるのには向かないのかもな。取り敢えずグループのメンバーに、フィリップと俺がコツを解説した。

 

 

一夏のところは思ったよりいい感じだ。篠ノ之箒と同じグループなのが心配だったが。何だかんだアイツも練習漬けだったからな。練習の仕方はわかってるんだろう。

 

 

デュノアのところも問題無し。多分見た中では一番だな。わかりやすい解説、紳士的な態度。どれも好印象だ。

 

 

ボーデヴィッヒのところは、一番酷かった。グループのメンバーが練習している中、ボーデヴィッヒは我関せずといった風に、あたりを見回していた。仕方なく注意したが、返って来たのは、「私はこんな低レベルな遊戯のためにここに来た訳ではない」と言う言葉だった。流石にボーデヴィッヒのグループのメンバーをそのままにしておけなかったので、ボーデヴィッヒのメンバーは俺とフィリップが担当した。ボーデヴィッヒは終始無言だったが。

 

 

 

「ではこれにてISの歩行演習を終了する。速やかに着替え、次の授業に遅れることのないように。解散!」

 

 

そうして授業は終わった。帰り際、フィリップと一緒に織斑先生に一つ頼み事をして、俺達は戻っていった。

 

 

シャルルとは改めて自己紹介しあい、お互い名前で呼ぶことにした。まあ、気楽だしな。

 

 

そして今日は気分がいい!何故なら………

 

 

「翔太郎さん。実は今日私、サンドウィッチを作ってきましたの。もしよろしければ一緒にランチを……」

 

 

「おお!マジか!ありがたく頂くぜ!」

 

 

セシリアの手料理!フフン、ああ、昼飯が楽しみだぜ!

 

 

 

 

 

 

 

 




如何でしたか?
もうすぐドライブも最終回ですね。
vシネでマッハとダークドライブに期待してます。



12/12ちょっと台詞、行間修正
8/17 誤字修正

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