IS×仮面ライダーW 〜二人で一人の探偵達+αが転生しました〜   作:prototype

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第七話

「それでは!織斑一夏君のクラス代表就任を祝して!」

 

 

「「「「「「カンパ〜イ!!」」」」」」

 

 

「おめでとう織斑君!」

 

 

「あ、ああ、ありがとう。」

 

 

試合の翌日。一夏がクラス代表になった話を千冬さんから聞くと、すぐにパーティーの話が出て今に至る。全く、女子学生の行動力には驚くぜ。

 

 

「はいはーい!新聞部でーす!話題の男性操縦者をインタビューしにきたよー!」

 

 

ドアの方から元気な声が聞こえた。リボンの色を見るに上級生だな。新聞部か、ま、来るだろうな。

 

 

「私は、二年生の黛 薫子。早速だけど織斑一夏君から順番に色々聞かせてもらうよ!織斑君、クラス代表として、何か一言!」

 

 

「え!?え〜と、その、頑張ります!」

 

 

「え〜、もっと何かないの?」

 

 

「自分、不器用ですから。」

 

 

「うわ、前時代的!」

 

 

色々と突っ込みどころがあったが、一つ言うなら、一夏はかなり器用だな。……女性関係以外。

 

 

「じゃあ適当に捏造するとして、質問です!君達三人は随分仲が良いけど、中学校同じなの?」

 

 

「同じは同じですけど、それ以前に、翔太郎と来人は家に住んでましたから。」

 

 

「え!?家って織斑君の家に!?一緒に!?」

 

 

「はい。そうですよ?」

 

 

まあ、中学生三人が同居って普通ないもんな。

 

 

「織斑君達って同居してたんだって!」「何も無かったはずがないわ!今すぐ情報を集めるのよ!」「禁断の三角関係……!妄想が捗るわ!」

 

 

「おい待て、なんか聞こえたぞ!そんな関係ねぇからな!」

 

 

人の趣味に口出すのはアレだが、流石に駄目だろ。

 

 

「フ、良いネタが手に入ったわ!じゃあ次は翔太郎君!何か、この学園で生活する上で、意気込みやメッセージをどうぞ!」

 

 

お、次は俺か。意気込みねぇ……。

 

「ま、ここに来ちまった以上、精一杯頑張るつもりだ。それと、メッセージだが、もし何か困ったことや事件があれば何時でも相談してくれ。どんなことでもハードボイルドに解決してやるぜ。」

 

 

帽子が無いのがちと寂しいが、決まったな。

 

 

「フッフッフ、左君は探偵みたいで、ハードボイルド?と。」

 

 

「今ハテナつけましたか先輩!?」

 

 

何故だ!責めてこの世界ではハードボイルドを目指そうとしてるってのに!

 

 

「翔太郎、君はハードボイルドにはなれないよ。何せ完成された『ハーフボイルド』だからね。」

 

 

「まあ、翔太郎だからな。」

 

 

「うるせぇぞお前ら!」

 

 

「おお!いいね園咲君!そのフレーズ頂き!」

 

 

不味い!このままでは全校生徒に伝わってしまう!

 

 

「先輩!それ記事に書かないで下さいよ!」

 

 

「ええ〜!勿論使わせもらうよ!」

 

 

畜生!

 

 

「次は園咲君!何かあるかな?」

 

 

「僕か。う〜ん、とりわけ何かある訳じゃないかな、でも、三年間、同じ学園の生徒として仲良くしていきたいな。」

 

「う〜ん、テンプレだねぇ。あ!園咲君!試合で使ってた武器について聞きたいな!私は整備科なんだ!」

 

「メモリガジェットのことかい?見せてあげるよ。そうだな…。これにしよう。」

 

 

『FROG』

 

 

「おお!カエル!確か、声を出してた奴だよね?」

 

 

ガジェットか。俺は、中学の頃にはフィリップにもらってたからな。IS用に調整してるのは予想外だったが。

 

 

「一夏。何か言ってくれ。」

 

 

「何かって言っても、ええと、こんにちは!」

 

 

「ありがとう。翔太郎!」

 

 

「ん?」

 

 

「誰の声がいい?」

 

 

「声か…。千冬さんでいいんじゃないか?」

 

 

一番わかりやすいだろうしな。

 

 

「わかった。」

 

『こんにちは!』

 

 

フィリップが少し弄ると、やたらテンションの高い千冬さんの声が聞こえた。キャラが違い過ぎるな。

 

 

「千冬様だ!」「すごぉい!そんな声一生聞けないよ!」「素晴らしい!新しい千冬様像の誕生だよ!」

 

 

流石の人気だな。

 

 

「すごいね!私も一台欲しいな!記事捏造し放題!」

「私も欲しい!」「園咲君!」

 

 

「嬉しいけど、これは駄目だね。これも他のガジェットも、武器になったり、悪戯の道具になることもあるからね。おいそれとはばら撒けないな。」

 

 

「それは残念。あ、そうそう、せっかくだし写真が撮りたいな。セシリアちゃんっている?」

 

 

「ここにいますわ。」

 

 

先輩の声に応じて、セシリアが出てきた。

 

 

「じゃあ並んでくれる?今回の試合のメンバーで一枚!」

 

 

「写真は後で貰えますか?」

 

 

「もちろん!」

 

 

「!感謝しますわ!」

 

するとセシリアはすごい早さで俺の隣に着いた。顔が少し赤い。俺に惚れでもしたか?フッ、やめだ、虚しくなってきた。

 

 

「それじゃ行くよ〜!35×51÷24は?」

 

「え、何その「74.375だね。」って来人はやっ!」

 

 

「正解!」

 

 

その後もパーティーは続き、千冬さんの登場で幕を閉じるのだった。

 

 

後日の記事とフィリップの話によって、俺が『ハーフボイルド』で定着するのは別の話だ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

翌日。

 

 

「左君!聞いた?今日転校生が来るんだって!」

 

 

「転校生?」

 

 

教室に入ると、なにやら騒がし勝ったので近くの女子に聞くと、こう言われた。この微妙な時期に転校生?

 

 

「その転校生のことについて、他に何か知らないかい?」

 

 

「なんでも、中国の代表候補生なんだって!」

 

 

「中国の………てことはアイツか?」

 

 

同年代の代表候補生はあらかた調べてある。俺たちを狙ったハニートラップを警戒したからな。(俺にハニートラップなんか通用しないと思うがな。)その中によーく知ってる人物もいた。

 

 

「どう思う、来人。」

 

 

「多分、君の想像通りじゃないかな翔太郎。彼女ならやりかねない。」

 

 

そうだよなぁ、アイツなら無理矢理転入するくらいやりそうだよな。

 

 

「転校生?」

 

 

お、一夏か。

 

 

「クラス代表、ちょっとこっち来な。」

 

 

「翔太郎。やめてくれよその呼び方!」

 

 

そんなこと言ったって事実だからな。

 

 

「転校生の話は聞いたな?」

 

「ああ。それなんだけど、中国の代表候補生なんだって?なんか嫌な予感がするんだが。」

 

 

「多分その予感は当たりだな。アイツが来るかもだ。」

 

 

「そうなのか……。」

 

 

「で、話は変わるが、今後のトレーニングのことだ。」

 

「えっ!翔太郎手伝ってくれるのか!?」

 

 

「そりゃそうだ。この前の試合はお互い敵同士だったが、お前はクラス代表で俺たちはクラスメイト、そりゃ協力するさ。それに、セシリアも協力してくれるとさ。」

 

 

昨日のパーティーの時に頼んでみたら快諾された。基礎能力じゃ彼女がピカイチだからな。

 

 

「おりむーが勝つとみんなが幸せだからね〜!」

 

 

話をしてるとのほほんさんや数人の女子が割って入ってきた。

 

 

「みんなが幸せ?」

 

 

「クラス対抗戦の優勝クラスには、食堂のデザートのフリーパスが贈呈されるんだよ!」

 

 

なるほど、そりゃ美味しい話だな。

 

 

「大丈夫!織斑君なら勝てるよ!専用機持ちのクラスはウチだけなんだから!」

 

 

「その情報、古いよ!」

 

 

ドアの方から声が聞こえると、そこには見覚えのある小柄な少女がいた。

 

 

「二組も専用機持ちの私がクラス代表になったわ!そう簡単には勝てないわよ!」

 

 

「何やってんだ?鈴。全然似合わないぞ。」

 

「変わらないね鈴ちゃん。」

 

「やっぱりお前だったか。元気だったか?」

 

 

あ、ズッコケた。

 

 

「あ、アンタ達!他に言うことないの!?」

 

 

「俺はちゃんと反応した方だろ!」

 

 

「おい」

 

 

「何よ!今取り込んで…」

 

 

スパァァァン!

 

 

「もうホームルームの時間だ。」

 

 

「ち、千冬さん……。」

 

 

「織斑先生だ。早く自分の教室に戻れ。」

 

 

「くっ!覚えてなさいよアンタ達!」

 

 

相変わらず威勢のいい奴だ。そうか、アイツがクラス代表か、こりゃ面白くなりそうだな。

 

 




ということで鈴の登場でした。
そろそろ物語を動かしていこうと思います。

後、凄まじく今更ですが、お気に入り100件突破しました!皆様ありがとうございます!感想もドンドンどうぞ!


12/12ちょっと台詞、行間修正

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