あれ? これって『ラブライブ!』だよね   作:片桐 奏斗

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図らずしもジャスト一ヶ月後になってしまった件について……。


本当はもう少し早めに投稿するつもりだったのですが。
DDONとか仕事とか、スプラトゥーンとかで忙しかったのですよ(自業自得という)


第24話 ラブライブ?

 『これからのSomeday』もかなりの視聴数を記録し、『μ’s』は少しずつ人気を上げていった。マネージャーである私の特殊な情報網を持ってして感想や評価を仕入れていると、彼らのグループが人気急上昇スクールアイドルとしてピックアップされてるところだってさ。

 このままだと、アイドルショップに『μ’s』のグッズが並ぶ日も近いかも知れない。だけど、何時になるかがわからない。いくら鰻登りで旬な『μ’s』であっても、いつまでも勢いだけで上りあがっていける程、この世界は甘くない。

 だったら、今のこの勢いがあるうちにもっと波に乗っていきたい。

 

 そこで私はある一つの方法を思い付いた。

 情報収集してる間に耳に入り込んできた単語。前世の記憶がある自分は絶対にこの大会に『μ’s』を出したい。そうでなくては『ラブライブ!』でないし、これを無くして『ラブライブ!』は語れない。

 

「ラブライブ……?」

「そう。わかりやすく例えるとスクールアイドルの甲子園かな。出場可能なグループはランキングの上位二十組のみで、スクールアイドルの頂点を決定付ける大会。今が旬なスクールアイドルで盛り上がる事間違いなしと言われているんだよ」

 

 仕入れた情報を部室に集合しているメンバーに公開する。

 アイドルに詳しい花陽とにこ先輩の二人の食い付きが異常なまでに強かった。マネージャーとして一つの意見としてあげただけなのだが、二人はやろう。と肯定的なスタンスでいた。

 

「いいんじゃない。にこは悪くないと思う」

「まさにアイドル界に革命を起こす夢のイベントじゃないですか。やりましょう! チケット販売日はいつでしょうか? 初日特典は……」

 

 口ではそこまで興味がある振りをしていないにこ先輩だけど、目には闘志が秘められており燃えていた。反対に同じく興味を示している花陽だが、彼はまったく違う方面での興味だった。にこ先輩は出場者として、花陽は観客としての心構えでいた。

 

「もしかして花陽君、見に行くつもり?」

「当たり前です! これはアイドル史に残る一大イベントですよ。見逃せません」

「アイドル関係になるとこれだもんな」

「凛はこっちのかよちんも好きだけどね」

 

 アイドルのことになると真剣な顔付きになり、キャラがブレまくっている花陽を見ながら呟く一年生組。

 真姫は「いつもこんな感じで喋れたら良いのに」と呆れていたが、本当に嫌がってはいないので仲は相変わらずいいのだろう。凛は良すぎる気がしてならないけどね。いつかホモ扱いされても知らないよ。

 

「なんだ。俺はてっきり皆で頑張って出場しようって言うのかと」

「しゅ、出場!? そ、そんな恐れ多いです」

「キャラ変わりすぎ」

「凛はこっちのかよちんも好きにゃー」

 

 だから、ホモ扱いされ……げふんげふん。何でもないです。

 

「でも、せっかくスクールアイドルしてるんだったら、目指してみるのも悪くはないんじゃない?」

「ってか、目指さないとダメでしょ!」

「そうは言っても現実は厳しいと思うよ。大体、上には上がいるんだから今から目指してもねぇ」

「そう……ですよね」

 

 現在の『μ’s』のランキングではラブライブに出場することは不可能であろう。上位二十組なのだからかなりの組は出場出来るじゃんと思うかもしれない。だが、私は知っている。『μ’s』に一票が入った最初の頃、ランキングでは999位と表示されていたことを。

 要するに999組のスクールアイドルが二十という枠を狙いに掛かるのだ。スクールアイドルのトップ二十がラブライブに出れる。余りにも倍率が高過ぎると思わないこともないが、妥当な線だと思う。ラブライブに出るためにはそれぐらいの実力が必要。ラブライブに出場するための登竜門だと思えば俄然やる気は出る。ただし、狭き門となるけれど。

 

 

 ――でも、私は皆なら叶えられると思っている。

 

「でもね。『μ’s』って今、急上昇ピックアップスクールアイドルに選ばれているんだよ。だから出来ないことはないと思うんだ」

 

 そう言って、ランキング画面を見せる。

 順位が三桁から二桁へと変動していた。この調子でいけば二十位どころか一位だって夢じゃないかも知れない。その頂点に立つのは絶対的な王者だけれど。

 

 男にしては長めの真っ黒な髪をたなびかせながら、キレのあるダンスを披露し、低く整った歌声で同性をも魅了する少年――『統堂 英玲奈(とうどう えれな)』。

 栗色のちょっと天然掛かった髪が特徴的で、言動の節々から癒し系な印象を与える男の子。彼――『優木(ゆうき) あんじゅ』の王子様フェイスにやられる少女は多いと聞く。

 そして、リーダーの『綺羅(きら) ツバサ』。

 彼は『A-RISE』の中でも別格の才能の持ち主。

 液晶越しでしか会った事はないけれど、彼の持つオーラはそんじょそこらのアイドルにさえ負けない。力強いものを秘めている。

 一言でいえば“持っている者”。悪いことを言うようで申し訳ないんだけど、彼を一目でも見た後に他のアイドルを見たら“持っていない者”として評価が出来ない。無論、『μ’s』の誰であっても。

 

 ――けど、諦めたくない。認めたくない。

 何より『A-RISE』に負けたくない。『μ’s』が好きで、メンバーが大好きだから。

 

 

(それに『A-RISE』に勝ちたい理由も出来た――)

 

 パソコンのディスプレイには、こう書かれている。

 

『新しい曲、格好良かったです』

『メンバー七人に増えたんですね。いつも一所懸命さが伝わって大好きです』

 

 『μ’s』のこれからを期待してくれているファンを裏切りたくない。だから、一生懸命やるんだ。そんで、『A-RISE』に笑顔で勝つ。

 それが私の……今の夢。

 

 

 




次回は3バカの勉強……ではなく、オリジナル展開を予定しています。


いえ、若干間違えました。
次回からはオリジナル展開+(にこを除く)三年生加入編となっています。



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