一条家双子のニセコイ(?)物語   作:もう何も辛くない

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第21話 ハンカチ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…あ!」

 

 

「陸坊ちゃん?どうかされたんですかい?」

 

 

香港から戻ってきた陸は、早速次の日の朝、学校に行くべく準備を進めていた。

顔を洗い、制服に着替え、今は居間で楽の作る朝食を待っていたのだが、不意に陸は目を瞠りながら声を上げた。

 

傍にいた竜が陸に声をかけるが、何かを考え込んでいる陸にはその声は届かない。

 

 

(あれ…。あ、やばっ。仕事のせいですっかり忘れてた!)

 

 

目を見開いたまま、陸はさぁーっ、と顔を青くする。

 

 

(約束…、過ぎてるじゃん!いや、仕方ないこととはいえ…、き、今日でも大丈夫か?)

 

 

陸は、香港に言っていたことによりすっかり忘れていた約束を思い出したのだ。

その約束はすでに陸の手によって破られてしまったのだが…、今からでも謝罪と共に、約束していたあることをしてあげたい。

 

しかし、今日中にそれを成し遂げるには時間がなさすぎる。

ましてや、朝食を食べてからでは絶望的である。

 

 

「竜!俺はもう出る!楽にも言っておいてくれ!」

 

 

「えぇっ!?あ、坊ちゃん!?」

 

 

竜だけでなく、居間にいる全ての男たちが驚く中、陸は大慌てで鞄を手に取って居間を出る。

そして、すぐさま玄関で靴を履いて乱暴に扉を開け放つ。

 

 

「行って来まーす!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凡矢理高校、1-C組教室。

ホームルーム開始まで残り五分。だが、ほとんどの生徒は席に着かず、それぞれのグループで固まって会話に花を咲かせていた。

 

しかしそんな中、一人だけ他の人たちとは真逆な雰囲気を醸し出している人物がいた。

 

 

「小咲…。あんた、最近元気ないわね。いや、大体原因は予想ついてるんだけど…。中学の時はそこまでひどくなかったわよね?」

 

 

「うぅ~…。そうだけど…」

 

 

その人物とは、今、席に着いたまま後ろを向いて問いかけたるりに、弱弱しい声で答えた小咲である。

るりの視線を受けている小咲は、机に額を乗せ、目線を床に落としている。

 

さて、小咲が何故、こんな状態になっているかというと…。

 

 

「一条弟君、今日もまだ来てないわね。兄の方がもういるってことは、今日も休みかしら」

 

 

「…うぅ~」

 

 

まだ、教室に姿を現していない陸である。

るりの言葉に、小咲は小さな声で唸ってしまう。

 

 

「一条弟君の事といい、その鍵の事といい…。あんた、今年は濃い一年を過ごしてるわね」

 

 

「…」

 

 

このるりの言葉に、小咲は何も返すことができなかった。

小咲がこうなっている理由は、ただ陸が学校に来ていないという訳だけではない。

 

今も小咲が鞄の中に入れている、小さな鍵のことも今の小咲の状態に拍車をかけていた。

 

 

『…俺達四人。十年前に何か約束をしてるんだ』

 

 

楽の口から出た言葉。

千棘や楽、一週間ほど前、陸が休みだしてから入れ違いで転校してきた万里花、そして今日未だ来ていない陸、そして小咲。

昔、短い期間ではあるが、出会い、そして遊んでいたという。

 

それだけではなく、楽のペンダントは十年前、結婚の約束をした女の子にもらったものらしいのだが、その約束の女の子が自分かもしれない。そんな可能性をつい先日、小咲は聞いたのだ。

 

 

「…あんた、気にし過ぎよ。あんたが今好きなのは、一条弟…、陸でしょ?」

 

 

「そう…だけど…」

 

 

るりの言う通り、気にしすぎなのかもしれない。

だが、それでも小咲には衝撃が大きすぎた。

 

るりは、まだ項垂れている小咲を見て小さくため息を吐く。

自分とて、こうして小咲を元気づけるために先程の言葉を言ったのだが、驚きは小さくない。

 

今は陸のことが好き。それは小咲にとっては変わらない。恐らく、これからもそうあり続けていくだろう。

だが昔は、もしかしたら楽のことが好きで、そして再会したら、結婚をしようと約束したかもしれない。

自分だったら、どう思うだろう。多分、小咲程ではないが悩んでいただろうとるりは思う。

 

もし、本当にその約束の女の子が自分だったら…。昔を捨てるか、今を捨てるか。

 

 

(…何でこんな時に弟君はいないのよ)

 

 

陸がいれば、少しは変わっていたかもしれない。

そう思いながら、扉に目を向けるるり。

 

それと同時に、チャイムが鳴り響く。ホームルーム開始時間だ。

 

そして、またそれと同時に…、るりは大きく目を見開いた。

 

 

「…小咲、来たわよ」

 

 

「…え?誰が?」

 

 

小さく声を出するりに、小咲は項垂れた体勢そのままで聞き返す。

チャイムが未だなり続ける中、るりは小咲の問いかけに短く答えた。

 

 

「一条弟君」

 

 

「…え?」

 

 

ぴくり、と小咲の体が小さく動き、直後小咲は体を起こしてるりが見ている方の扉に目を向ける。

 

 

「あ…!」

 

 

走ってきたのだろう、やや息を切らし、額の汗を腕で拭いている。

 

一週間休み続けていた陸が、ようやく戻ってきたのだ。

 

 

 

さて、陸が一週間ぶりに戻ってきたことを喜んでいた小咲。

陸が学校に来なくなってから、ずっと会いたいと思ってきた。喜びを感じないわけがない。

 

一時間目の授業中、教師の話をそっちのけでずっと、陸になんて話しかけようか考え続けていた小咲。

 

知っての通り、小咲は基本奥手である。思い人に、積極的に話しかけることは基本、出来ない子だ。

それが災いしてしまい、小咲は一時間目後、二時間目後、三時間目後の休み時間、陸に話しかけることができずに過ごしてしまう。

 

そして今。昼休みなのだが、それでも小咲は陸に話しかけることができず、それどころか、陸は万里花と話している始末である。

 

 

「お久しぶりです、陸様。お会いできてうれしいですわ」

 

 

「マリー、だよな?久しぶりだなー。ずいぶんおしとやかになったもんだな?」

 

 

「ふふ。陸様こそ、あの時からは考えられないほど、活発になっておりますわよ?」

 

 

互いに笑みを浮かべながら会話に花を咲かせている二人。

それを見つめる小咲の胸に、ちくりと痛みが奔る

 

 

「お、陸。一緒に弁当食おうぜー」

 

 

「あぁ。すぐいk「楽様ぁあああああああああ!!」」

 

 

陸と万里花が話していると、そこに楽が入り込んで陸を昼食に誘う。

陸が楽に返事を返そうとするが、途端万里花が楽の名を呼びながら弾丸のごとく楽の元へと突っ込んでいく。

 

 

「ごふぅっ!?」

 

 

「楽様!ぜひ私もご一緒させてくださいませ!三人で昔話に花を咲かせましょう!?」

 

 

万里花は、どこか挑発的な笑みを千棘に向けながら楽に言う。

その笑みを向けられた千棘は、ムッと唇を尖らせるが、何も口にしない。

 

 

「あ…、橘?楽が、死にそう…」

 

 

睨み合う千棘と万里花。そして、楽の危険を報せる陸。

楽は、万里花の体当たりを受け、なおさらに万里花が楽の腹に頭を押し付けているため呼吸困難に陥っている。

 

 

「ぐ、ぐふぅ…」

 

 

「あら…」

 

 

「ら、楽!?」

 

 

陸の言葉を受け、ようやく万里花が頭を離して楽から少し離れた。

途端、楽はうめき声を上げながら崩れ落ちる。

 

万里花は片手を口元に当てて声を漏らし、千棘は焦ったように楽に呼びかける。

 

 

「…」

 

 

そして陸は、呆れているのか笑っているのか。どちらかわからない微妙な表情を浮かべながら三人を眺めている。

 

 

「…」

 

 

「あんたは行かないの?」

 

 

その間、楽しげにやり取りをしている陸たちを見つめていたのは、昼食をとっている小咲とるり。

るりが、何か物欲しげに陸たちを見つめている小咲に問いかける。

 

 

「…私、覚えてないし、覚えられてないから」

 

 

悲しげに、視線を落とす小咲。その視線の先には、まだたくさん残っている弁当箱があった。

小咲は箸でご飯を掬い、口の中に入れながら陸を見る。

 

陸は、千棘と万里花の口論、そして二人に挟まれてあたふたしている楽を見て目に涙を浮かべながら笑っていた。

 

 

「…」

 

 

小咲は、箸をケースに仕舞い、弁当箱に蓋をして鞄に入れる。

 

 

「小咲、まだ残ってるわよ?」

 

 

「うん、でも食欲ないから…。ちょっとお水飲みに行ってくるね?」

 

 

まだ、小咲の弁当にはたくさん料理が残っていた。

だが小咲は食欲がないと言って、弁当箱を鞄に仕舞うと教室を出て行ってしまう。

 

教室を出る際、小咲がちらりと千棘と万里花を宥めようとする陸を見たのをるりは見逃さなかった。

 

教室を出た小咲は、廊下を歩いていた。

水を飲みに行くと言って出た小咲だが、向かうは水道のある方とは逆方向。

 

階段を上がって屋上へと出る小咲。

外へ出た瞬間、強い風が小咲の髪を揺らす。

 

 

「…」

 

 

小咲は屋上を歩き、柵に両腕を乗せて空を見上げる。

 

 

(陸君…、やっぱり、忘れちゃってるよね…)

 

 

小咲が思うのは、今も教室で楽たちと話しているであろう陸の事。

 

 

(一週間、休んでたんだもんね…。しょうがないよね…)

 

 

きっと、陸はすっかり忘れているだろう。

自分との約束、あの時、千棘の誕生日パーティに行く途中で約束した、あの事を。

 

 

(…おめでとうって、一言だけでも、欲しかったなぁ)

 

 

プレゼントはいらない。そこまで求めていない。

だが、一言、誕生日おめでとうとだけでも言ってほしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いやぁ~、悪いな陸。手伝ってもらっちゃって」

 

 

「あぁホントだよ。俺、放課後大事な用事があったのに」

 

 

すでに、授業は終わって放課後。日も傾いて、紅に染まっている空の下、学校の飼育所に陸と楽はいた。

何でも、今日は千棘が早く帰らないといけない用事があるらしく、陸が手伝いに引っ張られたのだ。

 

こういう時、我先にと楽についていく女の子、万里花がいるのだが彼女も千棘と同じく用事があると言って、ぽろぽろと涙を流しながら迎えのリムジンに乗って去っていった。

 

 

「そういえば、お前今日は朝食食べずに家出たんだっけ?もしかして、用事ってそれに関係してることなのか?」

 

 

「ん、あぁ。まあそんなとこ。じゃ、楽は帰ってろよ。俺、ちょっと学校で忘れ物をしたからさ」

 

 

楽の返事も待たず、陸は置いてあった鞄を持って駆けだす。

 

本当ならば、帰りのホームルームを終えてすぐにその用を済ませていたはずなのだが、思わぬ障害(楽)の乱入のおかげで予定が狂ってしまった。

 

 

(もう、帰ってるかもな…)

 

 

玄関から校舎内に入り、様々な場所に顔を出す陸。

 

図書室、理科室、家庭科室、まさかとは思ったが職員室にも顔を出す。

 

だが、そのいずれにも陸の目的の人物の姿はなかった。

 

 

(…最後に教室を見て、いなかったら明日にするか)

 

 

陸は、そう心に決めながら階段を降り、1-C組の教室を覗く。

 

 

「あ…」

 

 

C組の教室、窓の方から数えた方が早いその席に、陸の探していた人物は座っていた。

視線を落とし、何故か悲しげな雰囲気を纏ったその人物は、誰かを待っているかのようにじっと身動きせずに座っていた。

 

 

「小咲」

 

 

「え…」

 

 

陸が探していた人物、小咲は陸に声を掛けられると、一瞬はっ、と目を瞠るとすぐに扉の方へと視線を動かす。

 

 

「ここにいたのか。いや、教室にいなかったら帰ろうと思ってたけど、良かった」

 

 

ほっ、と安堵の笑みを浮かべながら陸は席から立ち上がってこちらを見つめる小咲に歩み寄る。

 

 

「陸君、どうしてここに…?」

 

 

「ん?あれ?小咲、忘れてる?」

 

 

不思議そうに首を傾げて問いかける小咲を見て、陸はまさか覚えているのは自分だけなのかと疑問を浮かべる。

 

 

「いや…、まあ遅くなっちゃったけどさ…。やっぱり約束したから…これ」

 

 

「あ…」

 

 

陸は、言いながら鞄をごそごそと探って、中から小さく包装されたものを取り出し、小咲に手渡す。

 

陸から放送された何かを受け取った小咲は、思わず小さく声を漏らした。

 

 

「誕生日、おめでとう」

 

 

「っ…、おぼ、えて…」

 

 

小咲は、もうすっかり忘れられているものだと思っていた。

今日、こうして陸を待っていたのだが、期待と同時にその心の大半は来ないだろう、という諦めが占めていた。

 

だが、陸は自分の誕生日を覚えていて、こうして来てくれた。

言葉だけでなく、プレゼントも持ってきてくれた。

 

 

「いや…、ごめんな。覚えていたわけじゃなくて、正確には思い出した、なんだけど…」

 

 

「ううん…、嬉しい…。ありがとう、陸君…!」

 

 

どうやら、本当に小咲の誕生日のことを陸は忘れていたようだ。

だが、それでも思い出し、そして自分の所にお祝いに来てくれた。

それが、小咲にとって何より喜ばしい事だった。

 

 

「…中、見ていい?」

 

 

「っ、あ、ここではダメだ。帰ってからにしろ」

 

 

「えぇ!?何で?」

 

 

「…慌てて買ってきたものだから、大したものじゃないんだ。ガッカリするところ見たくない」

 

 

「そ、そんなことないよ!」

 

 

陸は、きっとがっかりすると繰り返し言うが、小咲は絶対にそんなことはないと断言できる。

 

だって、何でもいいのだ。陸が、プレゼントしてくれた。それだけで、今の小咲には十二分に幸せなのだから。

 

 

「ともかく!帰ってから開けろよ!じゃあ、俺は帰るから!」

 

 

「あ、陸君!一緒に…」

 

 

一緒に帰ろう、という言葉を言い切る前に陸はさっさと行ってしまった。

 

置いてかれた、という結果になってしまったが、小咲の中には悲しいという感情は湧いてこなかったそれどころか先程の陸の表情、頬を赤らめて、恥ずかしいと感じていることがすぐにわかるような格好で去っていった陸を思い浮かべ、小さく吹き出してしまう。

 

 

「小咲」

 

 

「え、るりちゃん?」

 

 

自分も帰ろうか。そう思い、陸からもらった包装物を鞄に大切に入れようとした時、教室の前の廊下でるりの姿を見た。

小咲は、包装物を入れようとした手を止めると、鞄を持ってるりに歩み寄る。

 

 

「帰ってなかったの?」

 

 

「ええ、図書館にいたのよ。それにしても…」

 

 

てっきり帰ったと思っていたるりがまだ残っていた。

驚いている小咲の前で、るりは小咲が握っている包装物に目をやる。

 

 

「良かったわね、小咲。プレゼント」

 

 

「え…、え!?み、見てたの!?」

 

 

「ええ。小咲と帰ろうかと思ってきたら、あんたと一条弟君が話してて。隠れて見てたの」

 

 

先程のやり取りを見られていた。小咲は頬を染め、目を見開きながらるりに問いかける。

 

 

「ど、どこから!?」

 

 

「『ここにいたのか。』から」

 

 

「最初からじゃない!!」

 

 

どこから見ていたのか、聞いて見れば何と最初からだと答えるるり。

別に、聞かれて恥ずかしい会話をしていたわけでもなかったのだが、小咲は羞恥にさらに頬を染める。

 

 

「それより小咲。それ、開けてみなさいよ」

 

 

「え…。でも、陸君は帰ってからって…」

 

 

「今ここに彼は居ないわ。あんただって気になってるんでしょ?さっさと開けなさい」

 

 

陸の、帰ってから開けろと言う言葉を守ろうとしていた小咲だったが、るりの言葉に考え直す。

 

今ここに陸は居ない。ここで小咲が包装を開けても、陸はわからない。

 

 

(開けて、いいのかな…?)

 

 

握る包装物に視線を落とす小咲。もう一度、考える。本当に、開けていいのか。

 

 

(いい、よね…?)

 

 

だって、陸は今いないのだから。

開けたい。陸が何をくれたのか、気になって仕方がない。

 

 

(ゴメンね、陸君…!)

 

 

心の中で、陸に謝罪してから小咲は包装を開ける。

包装を開くと、中には…。

 

 

「これ…」

 

 

「ハンカチ、ね」

 

 

可愛らしい、桃色のシンプルなハンカチが入っていた。

 

 

「なぁ~んだ。指輪でも入ってるのかと期待してたのに~」

 

 

「そ、そんなわけないでしょぉ~!」

 

 

るりはハンカチから視線を逸らすと、つまんなさげに息を吐いてそんなことを言う。

小咲がその言葉に憤慨して言い返す。

 

 

「でも、良かったじゃない。期待してなかったんでしょ?プレゼント。大切にしなさいよ」

 

 

「…うん」

 

 

先程のつまんなさそうな空気から一変。るりは小咲に真剣な眼差しを向けて言い放つ。

小咲も、陸からもらったプレゼントを無碍に扱おうなど思っていない。

 

もらったこのハンカチ、ずっと、大切に使おう。

小咲は心の中で、そう誓うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




おまけ

「おい!開店前で悪いが、ちょっと品物みせてくれ!」


「え…、陸坊ちゃん!どうしたんですかこんな時間に!?」


「いいから!とっとと中に入れてくれぇ~!!」


朝早く、周辺の住民はある開店前の雑貨屋の扉をどんどん叩きながら叫ぶ少年の姿を見たという…。

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