やはり比企谷八幡は捻くれている。   作:秋乃樹涼悟

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久々の更新。
皆さんお待たせしてすみません。
待っていてくれているかはわからないですけど…

更新していない間に感想をいただいて、お身体に気をつけてください。などの温かな言葉をかけて下さった方々、ありがとうございます。

こんなダメでアホで目が死んでいるダメなぼっちの僕にそんな温かな言葉をかけてくれるなんて。

これからもぼちぼち更新していきたいです。
頑張ります。


奉仕部は変わらない。

授業が終わり奉仕部へ向かう。

その足取りはどことなく軽い。

 

昨日は生徒会の仕事で行けなかったんですから今日は奉仕部でだらだらしちゃいます。

 

雪ノ下先輩の淹れた紅茶を飲んで結衣先輩たちとお話して、せんぱいをいじめないと。

 

せんぱいをいじめるのは楽しいですから。

雪ノ下先輩もよくいじめてますけど、楽しそうですし。

 

 

 

奉仕部のドアをノックする。

中から雪ノ下先輩の声が聞こえてきた。

 

私はなるべく静かにドアを開けて中に入った。

 

「お疲れ様でーす!」

「こんにちは、一色さん」

「いろはちゃんやっはろー」

「おう」

 

雪ノ下先輩は相変わらず綺麗な佇まい。

結衣先輩は相変わらず元気で可愛い。

せんぱいは相変わらず素っ気ないあいさつ。

 

いつもとそんなに変わっていない。

むしろせんぱいにはもうちょっと変わってほしいまであります。

 

こんなに可愛い後輩が来たんですからちょっとくらい嬉しそうな顔してもいいと思うんですけど。

 

「一色さん、紅茶はいかがかしら?」

「ありがとうございます。昨日来れなくて雪ノ下先輩の紅茶が恋しかったところなんですよ」

 

まあひとりで飲むMAXコーヒーもそれはそれでいいんですけどね。

 

「そこまで言ってくれるのは嬉しいわ。…あれなんて、いつも素っ気ないもの。由比ヶ浜さんは喜んでくれるけど」

 

雪ノ下先輩はあれをチラッと見ながらわざとそんなことを言った。

…なんか妻の夫に対する愚痴みたいな言い方。

新婚を過ぎて落ち着いてきた夫婦みたいな感じでなんか嫉妬します。

 

雪ノ下先輩にはせんぱいを渡せません。

でも紅茶は渡してもらいます。

えへへっ。

 

「あれってのは誰のことなんですかね?…別にそんな素っ気ない態度は取ってないだろ」

「由比ヶ浜さん、あれがなにか戯言を言っているのだけど、どうすればいいのかしら?」

 

なんか雪ノ下先輩、キャラ変わってない?

まあせんぱいをいじめるときの雪ノ下先輩は面白いですけど。

 

「まあヒッキーはダメでアホで目が腐ってて捻くれてるからどうしようもないよ」

 

結衣先輩はやれやれと言った感じでせんぱいを貶した。

結衣先輩もちょくちょく貶しますよね。

 

「由比ヶ浜、おまえにアホと言われるほどアホじゃない。それ以外は否定しないが」

 

その他は否定しないんですね。流石の捻くれぼっち。

 

「私だって総武高受かったんだからね!」

「由比ヶ浜さんがなぜ受かったのか、もはや総武高校の七不思議のひとつね」

 

神妙な顔でやんわりと酷いことを言う雪ノ下先輩。

このふたりも仲良いですよね。

 

「ゆきのん酷すぎ!」

「結衣先輩裏口入学疑惑です。生徒会としては見逃せないですね」

「生徒会に目を付けられた!っていうかそんなことしてないし!」

 

結衣先輩をいじるのも楽しいですね。

 

「由比ヶ浜、もう諦めろ。自首した方がいい、楽になるぞ」

「そうよ由比ヶ浜さん。今ならまだ間に合うわ」

「結衣先輩、話は生徒会室でお聞きしますのでご同行願います」

 

結衣先輩完全アウェー。

 

「いろはちゃん、刑事みたいなこと言ってるし…」

「あ、由比ヶ浜が拗ねた…」

 

頬を小さく膨らませて廊下の方を見る結衣先輩。

なんだろう、可愛い。

こ、これが天然なのか⁉︎

 

「由比ヶ浜さん、これは全部比企谷君が悪いのよ」

「さらっと俺に罪を押し付けるやめてもらえますかね?」

「せんぱい、責任とってもらわないとですね」

 

流石せんぱい。簡単にアウェーになりますね。

 

「…ヒッキーのバカ、ボケナス、八幡」

 

せんぱいを睨みつけながら罵倒する結衣先輩。

 

「全部俺かよ…あと、八幡は悪口じゃねー。雪ノ下もいらんことを吹き込むな」

 

いいな。私も今度せんぱいをいじめるときは使おう。

さらっと八幡って呼べるし。

 

「バカでボケナスの八幡のことはどうでもいいのだけど、小町さんは今日はどうしたのかしら?」

 

雪ノ下先輩まで八幡って…

羨ましいです。

 

「雪ノ下、お前何気にそれ気に入ってるよな…」

 

何度か言われてるようですね。むむっ。

せんぱいももう抵抗するの疲れたようです。

 

「そういえば小町ちゃん、今日来てないよね」

「今日は一緒帰りながら夕飯の買い物するって言ってたのになぁ」

「せんぱいってほんとシスコンですよね。…これだからバカでボケナスの八幡は…」

 

八幡って言えた♪

ちょっとドキドキした。

 

「お前まで言うのかよ…」

 

せんぱいをいじめるのが楽しすぎてやばい。

私が楽しんでいるとせんぱいのケータイが震えるのが聞こえてきた。

 

「…小町からだ」

 

小町ちゃんからのメールを読むせんぱいの頬は少しだけ上がっている。

 

「せんぱい、なに小町ちゃんからのメール読んでニヤニヤしているんですか?」

「いや、別にしてないだろ」

「由比ヶ浜さん、通報してもらえるかしら?今度は間違えないでね」

「うん!えっと、ゼロイチニーゼロっと」

「由比ヶ浜さん、それはフリーダイヤルよ…」

 

結衣先輩は面白いですね。

でももしものときは大変そう。

 

「せんぱい、小町ちゃんからのメールはなんだったんですか?」

 

それとなく机に肘をついてせんぱいに近づく。

私の顔が近くにあることに気が付いてちょっとビックリしてましたけど。

 

「お前みたいにあざといメールだよ」

 

せんぱいに見せてもらった。

 

『お兄ちゃん、奉仕部行けなくてごめんね☆

さっきクラスの子達にカラオケ誘われちゃって…

小町がいないとお兄ちゃん寂しがると思うけど我慢してね☆

っあ。今の小町的にちょーポイント高い♪

 

それと、夕飯の買い物は小町が後でしとくから大丈夫だよ。楽しみにしててね!

 

お兄ちゃんの大好きな小町より。テヘペロ☆』

 

…。

 

「せんぱいはなんて返信したんですか?」

「わかった。ってした」

「素っ気な!」

 

小町ちゃんはあざとすぎ。

 

「これくらいがいいんだよ。素っ気ない方が愛を感じるんだと」

「それは歪んだ兄妹愛ね」

「ヒッキーも小町ちゃんも大概変だよね…」

 

小町ちゃんが羨ましいな。

 

 

 

 

 

 

部活が終わって、今日は奉仕部が解散となった。

雰囲気はいつもと変わらなかった。

昨日もなにか話していたんだろうな。

 

せんぱいたちは、残された時間を大切に過ごそうとしていた。

多分、わかっているのだろ。いつまでもここにいてはいけないと。

 

 




なんかこの間のちょっとしたシリアスな感じがあんまりなかった気がします。
最後にちょっと足しましたけど、大丈夫ですかね?

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