やはり比企谷八幡は捻くれている。   作:秋乃樹涼悟

22 / 34
21話読み返していて気づいたのですが本来は、腐った目のはずが死んだ目になっていました。

死んだ目になったのは僕なのですが…。


この間同僚に言われました。
「お前、目ぇ死んどるぞ」




働きたくないなぁ。


結局、一色いろはは。

雪ノ下先輩と結衣先輩とせんぱいは3人で、どこかへ行ってしまった。

 

私と小町ちゃんは暗くなった道をとほとほ歩く。

 

やっぱり私は奉仕部ではないんだ。

私の気持ちがあの時から変わっても、学年が上がっても、結局それは変わらない。

 

唐突に小町ちゃんが口を開く。

 

「いろは先輩、小町たちもどこかでちょっとだけお話しません?」

 

私を気遣ってくれているのだろうか。

それとも小町ちゃんもどこか似た想いがあるのだろうか。

 

「じゃあ私のお気に入りのお店でしよう。ここから割と近いんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お店に入り紅茶を注文する。

ふたりで窓際の席に座っている。

 

窓からは、月明かりに照らされたアザレアが咲いている。

 

「お兄ちゃんね、奉仕部に入ってから変わったんですよ。昔は今よりもずっと、腐っててバカでした」

 

アザレアを眺める小町ちゃんはなんだか色っぽい。

小町ちゃんも、小町ちゃんなりの立ち位置でせんぱいをずっと見てきたのだろう。

 

「小町ちゃん、ブラコンだね」

「そうかもしれませんね。…」

 

紅茶を手に取りブラコンを認める小町ちゃん。

やっぱり兄妹だなぁ。

 

「小町ちゃん、せんぱいのこと好き?」

 

なんで、私はそんなことを聞いているのだろう。

自分でもよくわかっていない。

 

「好きですよ。…いろは先輩はどうですか?」

「好きだよ。目と根性は腐ってるし、鈍感だし、露骨に嫌そうな顔するし、たまににやにやするしキモいけど、好きだな」

 

こんなことをせんぱいの妹に話すことになるとは。

けど、誰にも言わなかった気持ち。

誰にも言えなかった気持ち。

 

どうしてだろうか。胸の奥からせり上がってくるこの気持ち。

泣きたいけど、泣きたくない。

 

やっぱりどこか、ずっと苦しかったのかな。

 

「いろは先輩、お兄ちゃんのことが好きなら、もっと頑張らないといけません。

…お兄ちゃんは、大切ものの掴み方はわからないけど、離し方は知ってるんだよ。なぜか」

 

紅茶の入っていたカップには、薄い三日月が浮かんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日は生徒会の仕事溜まっていて、奉仕部へは行けなかった。

 

副会長さんも書記ちゃんももう帰ってしまって私ひとり。

小町ちゃんは今日いないし。

私もせんぱいと同じぼっちですね。

 

さっき買ったはずのマックスコーヒーからは雫が垂れていて、冷たくなくなってしまった。

 

唐突にドアが開く。

 

「失礼するぞ」

「平塚先生、ノック出来ないと男の子にモテないですよ」

 

くわえ煙草で登場って男子的にどうなんですかね?

 

「そんなことはどうでも…どうでも…すまん直すよう精進する」

 

なんかちょっと落ち込んでる…

やばい、地雷踏んだ。

いつもはちょっと怒るくらいなのに。

 

またなんかあったんだろうな。

 

「今日来たのは奉仕部についてだ」

 

さっきとは打って変わって真剣な表情。

 

「昨日雪ノ下と話したんだが、奉仕部は今学期をもって活動を終了しようという話になっている。もちろん、まだ決定ではない」

 

多分昨日3人で話したことはそれだったんだろうな。

 

「どうしてそれを私にするんですか?」

 

私は奉仕部ではないのに。

 

「…どうしてかな。ただ君にとっても大事なものだろうと思ったのでな」

「…先生は一番長くあの3人を見てきたんですよね」

 

私が奉仕部を知る前から。

 

「ああ。雪ノ下も比企谷も、だいぶ変わった。初めはふたりとも馴れ合いを嫌っていた」

 

せんぱいに関しては嫌われていたんだと思いますけどね。

 

「君が初めて依頼したときは一番大変だったな」

「まあちょっと空気はよくなかったですよね」

 

なんか懐かしいな。まだ1年も経ってないんですけどね。

 

「いつか比企谷にも言ったが、私はいつまでもお前たちを見てやれん。だから、私が見ていられるうちに、自分の足で立って歩けるようになってほしい。無論君もだ、一色」

 

先生、こういう時はカッコいいんですけどね。

先生が男なら私惚れちゃってたかもしれないまであります。

 

「先生、生徒会長一色いろはを舐めないで下さい」

 

平塚先生やせんぱいに手を引かれなくたって歩きます。

 

まあせんぱいには手を引かれたいですけどね♪

 

「…頼もしいな」

 

平塚先生の顔は、巣立ち行く我が子を見送る親のような顔をしていた。

 

 

 




最近不調です。

話が浮かばないし、なんか噛み合ってない文章とかあるし。

すみません。今回はちょっと少なめです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。