ネタが浮かばなくて大変です。
由比ヶ浜の誕生日会の様子は今回ほとんどありません。
ドラマCDを聞いてなんとか書こうととは思ったのですが無理でした。
ちょっとシリアスになります。
退屈な授業が終わり、奉仕部へと向かう。
カラオケに行く前に一度奉仕部へ集まることになった。
カラオケに集合でもいいんじゃないかとは思うのだが、みんなが集まるのに時間がかかるとのことだ。
奉仕部のドアを開けようとするも開かなかった。
いつもは雪ノ下が一番に来ていて、ドアは空いているはずなのに。
イタズラでしめられていると思い、中の人の気配を探すも気配は感じられなかった。多分。
奉仕部の前で待っていると雪ノ下が鍵を持ってやって来た。
「ごめんなさい。今開けるわ」
雪ノ下の様子がどこかおかしい。
なにかあったのだろうか。
「雪ノ下、なんかあったのか?」
「いえ、ただ今日も死んだ目を見る事になると思うと、ね」
「そのちょっといい笑顔やめろ」
なんだよ。心配して損しちゃったじゃんかよ。
前の俺ならそんな事を聞いたりしなかっただろうな。
いや、変わったのは俺たちの関係なのかもしれない。
「中に入りましょう。紅茶を入れるわ。…由比ヶ浜さんの誕生日会が終わった後、話すわ」
紅茶を差し出す雪ノ下の顔は、どこか悲しそうな表情だった。
「すみませーん。遅くなりました」
「やっはろーです」
雪ノ下とふたりで紅茶を飲んでいると小町と一色がやって来た。
「こんにちは小町さん、一色さん」
「おう」
「いやぁ、生徒会の仕事がちょっとあったんですけど思ったより早く終わってしまって。これならカラオケ集合でもよかったですね」
まあ仕事が早く終わるに越した事はない。
なんなら仕事なんてしたくない。
だから働きたくない。
社畜は哀れである。
だから俺は働かない。
大学でもだらだらしてやる。
「せんぱいは相変わらず目が死んでてキモイですね」
「そのちょっといい笑顔やめろ。お前も雪ノ下みたいになってきてるぞ」
さらっと人を貶して笑顔って酷くない?酷いよね?
しかもなかなかの笑顔。
「え?私も雪ノ下先輩みたいに美少女ってことですか?恥ずかしいですね。
っは‼︎もしかしてそうやってまた私を口説こうとしてますか⁉︎妹さんが居る前でくどかれるとはちょっと恥ずかしいのでふたりだけのときにして下さいごめんなさい」
「…何回目だよ振られるの」
理不尽すぎるでしょ。せめて告白してから振られたいまである。まあ告白なんてしないけどね。
「…ごみぃちゃん、よく聞いて。全然断ってないから。むしろ逆だから…」
「比企谷君が振られるのはどうでもいいのだけれど、紅茶、冷めるわよ」
雪ノ下は傷心の俺よりも紅茶の方が気になるらしい。
ちょ、ちょっとは慰めてもいいんじゃないでしょうか?
「やっはろー」
「こんにちは由比ヶ浜さん」
やっと由比ヶ浜が来ましたよ。
由比ヶ浜が三浦たちとおしゃべりしてる間に俺がどれだけいじめられたと思ってるんだ。
「ではそろそろ行きましょうか」
「うん!」
「…暑苦しい」
由比ヶ浜は嬉しそうに雪ノ下にくっついている。
嫌がる割には拒絶しない。
というかほんとは嫌でもないんじゃないか?
「…いろは先輩も大変ですね」
「わかってくれる?小町ちゃん」
カラオケに行く途中、一番大事なことに気付いた。
「なあ、今日は戸塚来ないのか?」
「さいちゃん部活が忙しいんだって。最後の大会近いし、仕方ないよね」
…なんだと、と、とつ、と、戸塚がこない、だと。
なんて日だ!せっかくの誕生日なのに…
いや、俺の誕生日じゃないけど。
カラオケに着き、早速誕生日のお祝いをすることになった。
「結衣さんお誕生日おめでとうございまーす‼︎
イエーイドンドンパフパフ」
「ありがとう!」
由比ヶ浜は嬉しそうに笑っている。
1年前にも見た笑顔。
俺たちは、これからどうなるのか。
俺たちは、いつまで一緒に居られるのだろうか。
「でわでわ早速ーー」
「う〜ん!楽しかった。みんな今日はありがとね」
「いえいえ、小町たちも今日は楽しかったです」
気がつくと誕生日会は終わっていた。
去年と同じように最後は結局歌っていた。
「そろそろ帰りましょうか」
「そうだね。明日も学校だしね」
去年はこの後更にゲーセンに行って余計に遅くなったが、今回は誕生日会を始めるのが遅くなったため、遊ぶ流れはなくなったようだ。
それはそれで早く帰れるからいいのだが、結局この後話があるのだろう。
「比企谷君、由比ヶ浜さん、この後少しいいかしら?」
「…うん」
「ああ。…小町は先に帰っててくれ。遅くなるようなら連絡する」
由比ヶ浜も、雪ノ下の顔を見てなんとなく察したのだろう。
いつかのバレンタインの日のような顔をしている。
「わかった」
「じゃあ私もそろそろ帰りますね。でわでわまた明日です」
なんとなく、ふたりに申し訳ないような気持ちになる。
でも、おそらくこれは俺たち3人の事なのだ。
「近くに喫茶店があるからそこで話しましょう」
喫茶店に入り紅茶を注文し沈黙。
俺も由比ヶ浜も、雪ノ下から口を開くのを待っている。
辺りはもう暗く、20時を過ぎようとしている。
目の前に置かれた紅茶を手に取り口へと運ぶ雪ノ下。
静かに紅茶をテーブルに置き話し始めた。
「部室の鍵を取りに行ったとき、平塚先生と話した事なのだけれど…奉仕部は、今学期で活動を終えようという話になっているわ。もちろん、まだ決定はしていないわ。
ふたりとも、よく話すようにとのことよ」
「今学期ってことは、夏休みまでってこと?」
「そうよ、由比ヶ浜さん」
理由としてはやはり進路関係だろう。
それに、早い人たちはもう今年には合格をもらえるのだ。
OA入試?だかなんだかよく知らんが一般なんかよりも全然早い。
夏休みを面接の練習に当てる必要もあるだろう。
もう俺たちは受験生なのだ。
「そもそも、この奉仕部の必要性自体はそこまでないのよ。私が奉仕活動をするための部活だった。そこへ捻くれた目の死んでいる比企谷君が強制入部させられて、そして由比ヶ浜さんが加わった」
なんか真面目な感じで貶されちゃったんですけど、俺。
しかも突っ込んで良さそうな雰囲気じゃないから余計困る。
「で、でも、奉仕部はテニス部とかサッカー部とかみたいに最後の大会とかないじゃん。だったらもうちょっと続いてもいいんじゃ」
「だからよ。いつまでもこのままじゃ、だめなのよ。
…もう、受験生なのだし。この話はまた明日にしましょう。今日はもう、帰りましょう」
熱々だった紅茶からは、伸びていたはずの湯気がもう消えてしまっていた。
夜中で仕上げようとしたら寝落ちしてました。
よくあるよねー。
それあるー。
次回は多分いろはす視点です。
でわでわ。