To spirits world
かつてソウル・ソサエティを救った死神代行がいた。その死神は仲間を護ることを信念にして刀を振るってきた。彼の名は黒崎一護。今も死神代行として活躍している人間だ。
現世・空座町
「だあーーーー!重霊地ていうことはわかってるけど、何でここは虚がこんなにも多いんだ!」
一護は虚の大量発生に嘆いていた。それもその筈、一護は人間で日常生活を営まなければいけないのだ。要するに、大学の講義の途中で呼び出されて少々いらついていたのだ。だがこの町にも死神業を本職とする死神はいる。ただ、その死神が予想以上に使えなかったので一護が呼び出されている。
こんなにも呼び出されて大学の単位をとれるか心配しながら続々と出てくる虚を斬り伏せていく。もう日常と化しているので、虚退治の無い日の生活を諦めていた。
虚退治に来てから数分後、ほとんどの虚を消滅させていた。やはり、これは一護の実力が凄まじいことを示している。
「もう、こんなところだろ。あとは、あいつらに任せても大丈夫だよな?」
この町の担当である死神2人を思い浮かべると、一護は少し不安だった。結局、任せてられないと思い最後までやることにした。
悲しいかな、その決断が悪い方向へと進んでいく。
「何でこうなるんだよ…俺が何か悪いことでもしたのか。」
一護がそう漏らす原因となったのは、空に黒い亀裂が入り、そして割れた。その割れた空間からは巨大な体躯の奇怪な仮面を着けた化け物が現れた。愚鈍で大きな虚は巨虚という。今回のそれはその中でも最下級のギリアンクラスだ。それでも、通常の虚とは比較にもならないほどの霊圧を持っている。
「はあ、めんどくせえ…一撃で終わらせるか。」
一護はやれやれという感じで正面に向かい合った。そして自らの得物である斬月をただ片手で振り下ろすのみである。それに気づいた巨虚は襲いかかろうとしたが、それよりも早く体を真っ二つにされていた。
「一丁あがりっと。」
巨虚を倒した当の本人は何もなかったかのように残りの虚を倒し始めた。それもそうだ、かつて彼はその最上級を倒しているのだから。しかし、今回はいつもと様子が違った。一護は割れた空間の中のから何か光った気がした。気になって見てみると…
「崩玉…なのか、あれは。」
空間の中にあったのは不気味な光を出す玉、正しく崩玉だった。しかし、ここで一護は疑問に思った。崩玉とは、周囲の人の心を取り込みそれを具現化させるもので、とても危険なものだ。だが、かつてソウル・ソサエティを裏切った人物が持っているはずだ。なら、ここにある崩玉のようなものは一体なんなのであろうか?
どうも気になってしまって空間の中を覗こうとしたのが運のつきだった。次の瞬間、その崩玉がいきなり強く輝きだした。それと同時に一護が空間の中へと吸い込まれていく。
「くっそ、逃げらんねえ!こうなったら、卍…」
しかし、一護が力の解放を行う前に空間に飲み込まれてしまった。これ以降、死神代行黒崎一護の姿を彼のいた世界で見た者はいなかった。
中々いいアイデアが出てこなくて申し訳ございません。しかし、このような展開にしないとこれからのストーリー的に詰まってしまう可能性がありました。ご了承ください。