ハルケギニアの誓約者   作:油揚げ

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第十話 心の在り方

 

 

「じゅ、十年前に被害にあった子供の骨かしら……」

 

 口元を抑えてルイズは振るえる声で呟いた。

 

「……それにしては新しい」

「ああ、それに血の臭いの説明がつかない」

 

 タバサとジンガが理論と本能の両方から、骨は新しいものだと判断する。

 

「帰ったのではないのかね?」

 

 その時、洞窟の奥からつい最近耳にした野太い声が響き渡る。一行が声がした方向を振り向くが、明かりの届かない場所にいるのか、ラルカスの姿は見えない。

 

「この骨はなんですか?」

 

 ナツミが一同を代表して姿が見えぬラルカスへと尋ねる。しばしの沈黙が辺りを支配した後に、返事が帰ってきた。

 

「……このあたりに住む、サルの骨さ」

 

 タバサはその返事を聞くとゆっくりと、洞窟の奥にいるであろうラルカスに杖を向け、ナツミに代って決定的な言葉を彼へとぶつけた。

 

「子供さらっていたのは、あなた」

 

 一瞬の沈黙の後、風を切る音と共に洞窟を照らす光を反射する何かが無数にタバサ達に襲い掛かる。

 ラルカスの返事はウィンディ・アイシクルであった。タバサも得意とする魔法でもある。

 氷の矢が一同を貫かんと迫る中、反応できたのはジンガ、ナツミにタバサであった。ジンガ、ナツミがそれぞれ拳とデルフで氷の矢を防ぎ、タバサは素早くその場から離れた。

 

「相棒!ほんとに久しぶりだぜぃ……。頼むから戦い以外でもせめて喋れるようにしてくれよ……。俺はもう寂しく淋しくて……」

「はいはい、後から幾らでも聞いてあげるから今は余計な事は言わないで!」

 

 あまりに鞘から出さずにいた為か、若干キャラが変わりつつあるデルフを一蹴して正面のラルカスにナツミは集中した。ひでぇと言うデルフの嘆きは暗闇に溶けるように掻き消えた。

 ラルカスはそんなナツミには目もくれず、さらにウィンディ・アイシクルを唱え、明りを灯すタバサを狙う。

 タバサも明りは消すまいと防御魔法を使わずに対処するが、それを見越していたラルカスの計算された魔法の使い方によって杖を後方へと弾かれた。その瞬間、瞳にべったりと黒い絵具を塗りつけたような闇が辺りを覆う。

 

「きゃあ!」

 

 ルイズが突然の闇にたじろいだ。その驚く様がおもしろいのか、ふごふごとラルカスは人ならざる声で笑い声の様なものをあげる。

 

「ぐふぉふぉ、そいつを知られたからには生かして帰すわけにはいかないな。残念だが、彼女たちと同じ喋れぬ骸になってもらう!」

「やれるものならやってみろ!」

「そんな勝手言い草に素直に応じると思ってるの!」

 

 暗闇を払うがごとく、ジンガとナツミはラルカスへと戦いの構えをとり、大声を張り上げた。

 

「この暗闇でも戦意を失わぬか、敬意に値するな。だが、ただの人間がこの私に勝てるはずはない……。この身には人間ではありえぬ利を備えているのだからな」

 

 そう言うとラルカスは戦いの構えをとっている二人には目もくれず、タバサへと襲いかかった。いくらトライアングルクラスの卓越したメイジであるタバサと言えどその身は十五の少女そのもの、頑健極まりないミノタウロスの攻撃に耐えれるものではない。

 

「まず、第一の利。それはこの暗闇だ。闇はこの体の友、狩りを助けをわが身をも外敵から守ってくれる!」

 

 言いながら、ラルカスはタバサへと大斧を振り下ろす。タバサの暗闇に包まれた瞳は自身の危機を映すことはなく、なにも分からないままに彼女は頭から両断された。

 

「っ!?」

 

 だが、それはラルカスの頭の中だけの事であった。彼の目にも止まらぬ速さでナツミがタバサを抱えて、その窮地を救っていたのだ。ガンダールヴの身体強化の恩恵は、感覚をも鋭敏にし、この暗闇での迅速な行動を可能にしていた。

 

「ほぅこれは驚いた。この闇でもそこまで動けるか」

 

 自らの利が一つ失われたにも関わらずラルカスの余裕の態度は変わらない。ラルカスは地面深くにめり込んだ大斧を引き抜ぬこうとしたが、その隙を逃すナツミでない、右手に握るデルフを横薙ぎに振る。

 その直前デルフが大声でナツミへと注意を飛ばす。

 

「相棒!気をつけろっ!」

「えっ?」

 

 注意もむなしく振るわれたデルフは、狭い洞窟の壁へとぶち当たる。普通ならそこで抜けなくなるほど突き刺さるはずが幸か不幸か、ガンダールヴとして強化されたナツミの腕力はなんとか振りぬくことに成功する。

 だが、本来の威力の何分の一にしか過ぎないその斬撃は、鋼鉄以上の硬さを誇るミノタウロスの皮膚を傷つけることは叶わなかった。

 

「っ!」

「ちっ相棒!悔しいがこの狭い洞窟じゃあ、俺みたいな大剣を振るうのは無理だぜ……」

 

 デルフの言葉にナツミは腰に指した愛剣サモナイトソードを引き抜こうとしたが、それはジンガとルイズに止められた。

 

「姉御!」

「やめて!そんなの使ったら私たち生き埋めになっちゃうわよ!」

 

 その言葉にナツミはサモナイトソードを引き抜くをやめる。もちろん普通の剣としても使えるが、無意識に力を放ってしまっては事だからだ。誓約者となって一年以上も経つが未だに彼女は細かい魔力の扱いはあまり得意ではない。

 

 そんな事を知らないラルカスは、大剣でも傷つかなかった自分に中程度の長さしか持たない剣では役に立たないとルイズとジンガが判断したと誤解する。

 本気でサモナイトソードを使われては自分がひき肉になることを彼は知らない。

 

「その程度の攻撃は効かないぞ。これが二つ目の利だ。大砲ならいざ知らず、人が携行可能な武器ではこの皮膚は傷一つかんぞ?」

 

 大剣が効かなかったことに気を良くしたのか、ラルカスは聞いてもいないのに一人でべらべらと喋りだす。その言葉を確認するように、今度はジンガが飛び出した。鍛え抜かれた彼の前ではこの程度の闇は障害には成りえない。

 

「なら試してやる!」

 

 ストラを十分に込めた渾身の一撃がラルカスの胸を打つ、打つ、打つ、打つ。大岩すら粉砕するジンガの拳を何度も受けながらもラルカスは僅かに体を揺らすばかりで決定的なダメージを与えていないのは明白であった。

 

「ちっ硬え!」

「ふむ、高位のメイジのエアーハンマーすら凌駕する攻撃を腕力のみで生み出すか、興味深い。だが、それだけだ。ただの打撃で私を倒せるとは思わぬことだ!」

 

 こちらの番だ、とでも言うようにラルカスは大斧をナイフを扱うがごとく軽やかに振り回す。ジンガは非戦闘員の方へラルカスが向わぬように立ち回りつつも、大斧を掠らせもせずに避け続けた。

 

「ふんっ、闇を見通す目も驚きだが、身のこなしも中々だな!だが、避けるばかりではこの私を倒せんぞ!」

 

 その言葉に生来の負けん気が刺激されたのか、ジンガはラルカスの攻撃を避けつつも、隙を見ては攻撃を織り交ぜる動きにシフトする。だが、悲しいかなラルカスはそれに堪える様子は見られない。

 

「無駄なことを!」

「無駄かどうかはこれを喰らってから言いやがれ!」

 

 それまで胴体を狙っていたジンガの拳が、今までとは違う軌跡を辿る。今までと変わらぬ力強い拳はまるで蛇の様にラルカスの防御をすり抜け、突き刺さるようにその身を打つ。

 

「があああっ!?」

 

 ミノタウロスの体を得てから初めて受ける外傷による痛みにラルカスは悲鳴をあげる。

 その左腕は肘関節からあらぬ方向を向いている。

 

「どうだ!皮は硬くたって、関節までは同じとはいかないよな!!」

「うごあああああ!!」

 

 痛みからか、完全に理性を無くしたラルカスは瞳を赤く光らせ、口から涎を滴らせながら、ジンガへと大斧を叩き込む。だが、先から危なげなく攻撃を躱していたジンガに、今更な大振りが当たるはずもなく、難なくジンガはそれを躱した。

 斧は洞窟の地面へと突き刺さり、それまで高い位置にあったラルカスの頭が低い位置へと移る。

 ジンガはすかさずその鼻っ柱に右の正拳をお見舞いした。

 

「ぶっほおおおおおっ!!」

 

 感覚器官たる鼻はあらゆる生物に共通の弱点だ。ラルカスは鼻から血を撒き散らせて仰け反った。だが、ジンガも力を込めた攻撃の後は、多少のタイムラグが生まれると、ナニカに侵されながらも騎士としての経験がラルカスを半ば無意識に動かし、すぐさま反撃の魔法を放とうとした。

 だが、それはジンガの常識では考えられない二撃目により中断された。

 

「ウォルガアアアアア!??」

 

 繊細な骨が集まる指を大斧の柄ごと粉々に破壊され、思わず呻き大斧を取り落とす。

 ジンガの目にも留まらぬ二撃目それは

 

ダブルアタック。

 

 研鑽を積んだ一部の戦士が可能にする移動、道具の使用などを犠牲にした神速の攻撃法。

 ジンガは鼻っ柱を手酷く打たれたラルカスがすぐさま反応できないと拳士としての感から感じると、それまでラルカスの攻撃を避けるために敢えて残していた余裕を全て攻撃へと転化させていたのだ。

 

「うるっろろろおろおおおおおお!!!」

 

 ラルカスはあまりの痛みに逆にその痛みを感じなくなったのか、血を鼻から撒き散らせながら乱暴に頭を振るう。

 目は先程よりも更にらんらんと赤く輝き、昨晩は感じた知性を一切感じさせない。

 

「オレ……オマエラ……クウ!」

 

 ラルカス……いやもはやミノタウロスそのものとなった彼は、牛のそれとは全く異なる牙をむき出しにして片言の言葉を漏らしている。折れた左右の手などお構いなしにジンガへと食らいつくように飛び掛かる。

 そこには先程の戦いではあった騎士としての戦略はすでに失われていた。単調すぎる攻撃をジンガは僅かなステップを繰り返し、難なく避ける。その顔はいつになく真剣であった。

 

「……これで終わりだ!シシコマ、獅子奮迅(ししふんじん)!!」

 

 彼が唱えられる中級までの召喚術のうち、唯一の攻撃力強化が可能な憑依召喚術を己へとジンガは使用した。本能から脅威を感じたのか、ミノタウロスはそれまで以上に苛烈に攻撃をしてくるが、言うまでもなくそんなものは当たらない。

 業を煮やしたミノタウロスが両手を思い切りジンガの頭へと振り下ろす。

 それを待っていたようにジンガは後ろへ下がり、攻撃を回避し先のまき直しの様にその鼻っ柱に憑依召喚で得た力の全てを叩き込むがごとく拳を振りぬいた。

 だが、同じ攻撃を、しかも手痛くやられた一撃をミノタウロスが覚えていないわけがなかった。なんとか両手を持ち上げて防御をしようとミノタウロスは試みるが轟音とともにミノタウロスは壁へと叩き付けられていた。

 だが、衝撃はそれだけではない、すぐさま胸に腹に顔に数える暇もないほどに衝撃が彼を襲っていた。

 

 ジンガは肩で息をしながらも、自分が行った行動の結末をしっかりと見ていた。ただでさえ膂力に秀でたジンガが身体強化を施せばその拳は鋼鉄をも粉砕する。それを証明するような体中をどす黒く腫れさせた屍がそこには転がっていた。

 鼻は顔に埋まる程に陥没し、体のところどころに見られる黒い痣は内出血を物語っていた。ミノタウロスの象徴と言っても良い角も右のそれは半ばから失われている。

 悪魔などは今まで何度も殺したことがあるジンガだったが、昨晩少ししか話していないにしても元人間と聞いていたラルカスを殺めたことに心を痛めたのか苦々しい顔をしていた。

 その様子を受け、一行にも重い空気が流れる。

 

 皆は誰ともなしに無言でその場を後にする。夜目が効くジンガが先頭になり、その後ろタバサがナツミに拾ってもらった杖で再びライトを唱えて辺りを照らし、シルフィード、ルイズそして殿をナツミに一向は洞窟の出口に向った。

 ミノタウロス―ラルカス―の変わり果てた姿を通り過ぎて行く。ルイズが通り過ぎた後、躊躇いつつも後ろを振り返った。

 

 突然、ワルドに刺されたナツミの姿がルイズの脳裏に再生される。

 

 なぜなら、死んだと思われたミノタウロスが音も無くナツミの背後で立ち上がったからだ。先程の重い空気を引きずっているのかナツミにそれを気付いた様子はない。

 

「ナツミ!後ろ!」

「ーっ!?」

 

 だが、その言葉に反応し、ナツミが振り向いて反撃するまでの時間は無い。今の彼女はデルフを背に背負っており、ガンダールヴの身体強化の恩恵を受けていないのだから。

不味い、とナツミが感じて、とっさに誓約者の力を開放しようとしたとき、辺りが光に包まれた。

 

―――っ

 肉を切り裂く音が洞窟内に響き渡る。

 ナツミの目の前のミノタウロスには五本の聖剣が突き刺さっていた。それを確認するなり、ナツミが後ろを振り向くとルイズがサモナイト石を持って目を見開き息を荒げていた。

やがてミノタウロスに突き刺さったシャインセイバーは送還され空気に溶けるように消えていく、すると傷口を塞いでいた剣が消えたことでミノタウロスから夥しい血液が溢れ出し、ミノタウロスの巨体は地面へと吸い込まれるように倒れる。

 それを見てルイズはぶるぶると震えだした。

 

「……」

 

 すっとナツミは無言でルイズをその胸に抱く。

 ルイズは一瞬それを拒むかのように体を強張らせたが、ナツミはそれにはお構い無しに抱き続けた。やがてルイズはしゃっくりを一つあげると、それをきっかけにしてかわんわんと泣き出す。

 

「うう、ひっく、ううええええ……」

「……」

 

 頭を撫でるだけでナツミは敢えて何も言わず、涙で服を濡らされるままにしていた。

 

 

「……ひゅっ、ごふぅ……」

 

 息が掠れたような音がミノタウロスから響く、皆が驚き振り向くが、ミノタウロスは既に立ち上がる体力すら無いのか、首だけをこちらに向ける。

 

「……あ、りがとう。私を止めてくれテ、……」

 

 ミノタウロスは瞳は襲って来た時はまるで違う理性の光を放っている。だが、その光は時折、濁った光をも湛えているようにナツミには見えていた。

 

「…グ、ルル、……トドメを、サシテく……れないか?モウ、……グルウ!」

 

 獣の様な声をあげたり、人間らしい言葉を話したりと徐々に彼の言葉は安定しなくなってくる。その様子にせめて願いは叶えようとタバサが一歩前へ出る。だが、その行動はナツミによって防がれた。

 右手はルイズを抱いたまま、左手でタバサを制する形をとるナツミ。

 タバサが止まったのを確認すると、ナツミはミノタウロスへと左手を向ける。

 

 蒼い光が溢れだし、召喚術の術式を構築する。その光の中から鹿の様な生き物が姿を現した。その名はジュラフィム。幻獣界(メイトルパ)に生息する珍しい幻獣。風の森の聖獣とも言われ、他の生物を癒すことに長け、特に心を癒すことを得意とする優しき召喚獣の姿があった。

 

「姉御……何を?ってまさか!?」

 

 ナツミがミノタウロスの治療をすると思ったジンガが、それを止めるべく大声をあげる。

だが、ナツミはその声に軽く首を横に振った。

 

「ううん。ジュラフィムでもこの傷を治すのは無理だよ……。もうこの人は体に残った僅かな力を振り絞ってるだけ……ジュラフィム、お願い」

 

 ナツミが促すとジュラフィムはミノタウロスへ近づいた。ジュラフィムが目を閉じると緑の光がミノタウロスを包み込む、徐々に光が収まるとそこには相変わらずの血に塗れたミノタウロスが倒れている。

 ジュラフィムはそこでナツミと視線を合わせると、自分の役目はここまでというように静かに送還されていった。

 

「うぐっ、こ、これは?」

 

 ミノタウロスは傷が癒えていないにも関わらず、驚きの声をあげていた。そんなミノタウロスにナツミは声をかけた。

 

「どう気分は」

「こ、これは……君のおかげか、ごほっ!、頭の中の靄が晴れたようだよ。ありがとう…」

 

 何故かミノタウロスはナツミへと心の底から礼を言いだした。

 

「君は一体……ぐっ!」

 

 ミノタウロスは痛みを堪えながらも、ナツミへと問いかけた。

 

「ジュラフィム。こことは別の世界に住む、心を読み癒すことができる幻獣です」

「心……そうか、私の中に……す、住むあれを滅ぼしてくれたの……だな」

 

 ナツミの話す内容には彼には解せぬ言葉もあったろうが、命が僅かとなった彼は敢えて それを聞くことはせずに、自分に重要な事だけを理解した。

 ナツミが話す内容に、タバサは何故か目を見開いていた。

 

「三年程前からだったか、よく夢を見るようになった……」

 

 もうろくに目も見えないのか、ミノタウロスいやラルカスはとうとうと語りだす。

 自分の心が徐々にミノタウロスに侵されたいったことを、数か月に一度、人間を無性に腹に納めたい欲求に襲われ、それが徐々に強くなっていったと。

 

「夢だと思った光景は、実際に私が行なったことだった」

 

 意識が遠のき、気付けば子供の骨が辺りに散らばっていることが多くなっていった。

 

「……情けない話だが、怖くて自らの命を絶つことはできなかった、色々な薬を調合して、心に住まうミノタウロスを追いだそうと試みたよ」

 

 それらは全て徒労となった。

 

「だが、これでやっと死ねる……ありが、とう、そしてすま、ない」

 

 いよいよ命の灯が消えかかってきたのか、ラルカスは途切れ途切れにしか言葉を話せなくなっていた。泣き声からルイズのことに気付いたのかラルカスは最後の力を振り絞って声を出す。

 

「私は、ば、けものだ。気に、することは、……ない。やさ、し、い、おじょ、…さん」

 

 その言葉を最後に彼が喋る事は無かった。

 

 

 

 

 

 

 無言の中、シルフィードを含む一行はワイバーンに背に乗り、トリステインへと向かっていた。ルイズは未だにショックから脱しておらずナツミにしがみ付いていた。

 タバサはタバサでナツミを睨む……とは少し違うが思いつめたような瞳で見ていた。

 

 

 そんなナツミの手はトリステインに着くまで優しげにルイズの頭を撫で続けているのだった。

 

 


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