D-HEROと共に戦うデュエリスト   作:無言の短パン

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ユベントス、二冠おめでとーーーー!!
いやー、ユベントス強いですね!特にブッ○ォンは最高ですね!
自分が夢みた三冠まであとちょっとです。
レアルには絶対に勝って欲しいです!
頑張れユベントス!!
それでは本編のスタートです。


神に匹敵する力。三幻魔の脅威!

 カイザーが消滅した後、十代はユベルと決着をつける覚悟を決めた。

 そして俺達、翔、クロノス先生は十代を説得して付いて行くことになり、三沢とタニアはこの世界に残ることになった。

 三沢は分かれる直前まで十代を励まし続けていた。そして最後に硬い握手を果わして分かれていった。

 

 ……改めて思うけど、やっぱり三沢はいい奴だな。厳しいようで優しく十代を支えてさ。

 もし、もしもあの場に三沢が居れば……あんな事にはならなかったかもしれな。

 まぁ、あの時に十代達と別れたお陰で、三沢は自分の成すべき事を見つけられたんだ。

 そんな事を言っても、何も変わらないよな。

 三沢……またいつかどこかの世界で会えたら、嬉しいよ。

 

 

 

 扉の先の世界は地面が雲みたいにふわふわしていて、辺りが黒い霧で覆われた変な所だった。そこをひたすら進んで(万が一のためにセームベルたちはデッキに回収している)、光に包まれている変な建物を見つけてその中を探索して、エレベーターみたいな乗り物に乗って、俺たちはユベルがいる場所までたどり着くことができたんだ。

 そして幾つかの問答の後、十代とヨハンのデュエルが始まった。

 

 十代とヨハンのデュエルは一進一退の攻防だった。

 そして今は十代のラストターン。

 十代は葛藤の末、覇王の力を支配してでも自分の正義を貫き、大切なものを守ると宣言して超融合を発動した。

 自身の場のネオスとヘルヨハンの場のダーク・レインボー・ドラゴンを超融合し、レインボー・ネオスを融合召喚した。

 最初にこれを見た時は、よし勝ったって思ったよ。

 だって、ネオスとレインボー・ドラゴンが超融合だぜ。勝てないと思う方がおかしいよ。

 ……結局これは、ユベルが仕組んだシナリオの上で踊らされていただけであり、ユベルのトラップコンボで超融合を奪われて、互いのライフを0にされてしまった。

 その後、十代は今度こそユベルと最後の決着をつけにユベルが待っている空高くへ昇って行き、その後翔とおじゃまイエローも十代の戦いの結末を見届けるために、後を追って空高くへ上って行ってしまった。

 そして翔が行った直後だった。

 

「久しぶりだな、ヨハン。クロノス先生」

 

 何処からかそんな声がした。

 声のした方を見てみると、そこにはとんでもない奴がいた。

 

「なっ、貴方は!」

 

「プロフェッサー・コブラ!!生きていたのか!」

 

 そう、そいつは本田君レベル100こと、プロフェッサー・コブラだった。

 コブラ……あの高さから幻想を見ながら落ちたのに、生きてたんだな。

 まぁ、遊星と満足はさらに高い所から落ちたのに生きてたし、あの程度でデュエリストが死なないのは当然か。

 

「プロフェッサー・コブラ。何故貴方がここに!?」

 

「決まっているだろう、リックを生き返らせるためだ。あのお方は私に、もう一度だけチャンスを与えてくれた」

 

 リック……コブラの大切な存在で、交通事故で死んでしまった少年。

 こいつが動く理由はそれ以外ないし、当然か。

 だが、それと今俺たちの目の前にいる事と何の関係が?

 というかこいつまさか、まだユベルの事を信じてるのか?

 

「チャンスだと。一体どういう事だ!?」

 

「ここにいる全員を一人残らず片づければ、今度こそリュクを蘇らせて頂けるとな!!あの方は貴様らが生き残っている事が、余程目障りなようだぞ。……さぁ、デュエルだ!!」

 

 そう言ってコブラはデュエルディスクを構えた。

 おいおい、なんだよその無茶苦茶な理由は!……て、ユベルの理由が無茶苦茶何て今更か。

 結局これも、自分と十代のためなんだろうな。

 

「何を言っているんだ……忘れたのか!あんなに尽くした貴方に対して、ユベルが行った仕打ちを!!」

 

「馬鹿め。あれはあのお方の期待に応えられなかった、私の落ち度だ。だが今度こそは失敗などしない。確実にお前達を仕留めてやる」

 

「プロフェッサー……貴方だって本当は気づいている筈だ!ユベルが貴方との約束を守る気などない事ぐらい」

 

「黙れ! お前に私の何が分かる!! もう私は、あのお方に頼る以外の道などないのだよ!!さぁ、今すぐデュエルだ!!デュエルに応じないと言うのならば、力尽くでお前達を亡き者にするぞ」

 

 よし、デュエルをするしかないな!!

 コイツ、ヤバいぐらいマッチョで強かったし。リアルファイトだと、俺・ヨハン・クロノス先生じゃ、一瞬で殺られる!

 

「口で言っても分からないみたいだな。……仕方ない。あんたの目を俺が覚まして、うっ!?」

 

 ヨハンは胸を押さえて苦しそうに、その場にうずくまった。

 これは無理そうだな。そもそもヨハンはデッキを十代に預けてるのを忘れてるな。

 クロノス先生は今はデッキを持ってないし……ここは俺が相手しないといけないみたいだな。

 そもそも、こんなシナリオは俺が知っている話の中ではなかった。

 俺がこの世界に来たせいで、こんな事が起こったとしか思えない。

 間違ったシナリオは俺が正してやるよ!!

 

「ヨハン、あんまり無理はするな。それにお前は十代にデッキを預けただろ。デッキ無しでどう戦うんだよ。……ここは俺に任せてくれないか?」

 

「!! そう、だったな。……済まない、お前に任せたぞ」

 

「あぁ、任された。クロノス先生も良いですか?」

 

「本来ならば、私が率先して戦わなければならないノーに……申し訳ないノーネ」

 

「気にしないでください。貴方もデッキを持ってないんですから」

 

「おじさん……勝ってね。負けたらやだよ」

 

「頑張ってください」

 

「未来さんなら絶対に勝てるです」

 

「私たちが信じてるんだから、間違っても負けるんじゃないわよ」

 

「気をつけてね〜、そいつ色んな意味で危ないよ」

 

「あぁ、知ってる。心配しなくても、俺は大丈夫だから。……さぁ、やろうぜおっさん」

 

 俺はデュエルディスクを構えた。

 

「ふん、まず貴様が相手か……いいだろう、瞬く間に片付けてやる。さぁ、行くぞ!」

 

「「デュエル!!」」

 

 

 

「先行は貰う。俺のターン、ドロー。……ダイヤモンドガイを守備表示で召喚。さらに、ダイヤモンドガイの効果発動。……引いたカードは通常魔法、デステニー・ドロー。次のターンにこいつの効果発動が決まったぜ」

 

 コブラのデッキは爬虫類主体のヴェノムデッキ。攻撃力が低いD-HEROだと苦戦は必至だ。

 ここはデュエリストとしての腕の見せ所だな。

 

「俺はさらに、カードを2枚伏せる。これでターンエンド」

 

 

 

「ではいくぞ。私のターン、ドロ―。……手札から永続魔法、トライアングル・フォースを発動。このカードの効果により、デッキから2枚の同名カードを発動する」

 

 トライアングル・フォース。確かユベルがハモンを呼び出すのに使ったカードだったな。

 だが、特に効果もない永続魔法を並べて、いったい何をするつもりなんだ?

 ハモンを召喚……する筈はないし。非常食でも使うつもりなのか。

 

「奴の場に永続魔法が3枚だと。……おい、まさか!」

 

 いやヨハン、流石にそれはない。

 いくら本田君レベル100とはいえ、幻魔を操れるわけが……

 

「3枚の永続魔法を糧とし……いでよ、降雷皇 ハモン!!」

 

 上空からコブラのフィールド目掛けて、巨大な雷が落ちてきた。そしてその中から降雷皇 ハモンが現れた。

 そう言えば、ハモンが影丸に召喚された時は、何故か氷の中から出て来たな。

 降雷皇なのに氷の中から出現とは……謎だな〜。

 

 

「何です。この巨大なモンスターは?」

 

「だだデカイだけじゃない。アイツからはとてつもない力を感じるわ」

 

「あんなモンスター、聞いたことも見た事もないよ」

 

「私はどっかの砂漠で見た記憶があるよ。でもその時は、別の奴が使ってたんだけど……」

 

「マンマミーア。なぜプロフェッサーが幻魔を!?」

 

 

 ……はっ、しまった! 余りに衝撃的で軽く現実逃避しちゃってたよ。

 本当に何でコブラがハモンを操れてんだよ!?

 

「さぁ、バトルだ!ハモン、奴の場の雑魚を蹴散らせ!失落の霹靂!!」

 

 ハモンは口から、巨大な雷を空に向けて放った。それは大量の落雷となり、俺の場に降り注いだ。

 ダイヤモンドガイはその落雷をくらって、一瞬で破壊された。

 

「この瞬間、ハモンの特殊効果発動!ハモンが戦闘でモンスターを破壊した時、相手に1000ポイントのダメージを与える!さぁ、地獄の贖罪をくらえ!」

 

 ハモンの雄叫びと共に空から落雷が俺に直撃した。

 

「ぐわぁあああーーー!!?」

 

 ……おいおい、嘘だろ。これが1000ポイントのダメージかよ。

 こんなの何発もくらったら……。

 

「バカな。……幻魔の内の1体を、完全に操っているだと……」

 

「くっ!伏せカード発動、デステニー・シグナル。このカードの効果により、デッキからD-HEROダガー・ガイを特殊召喚する。そして更に、ダイハードガイの効果発動!このターンに破壊されたD-HERO 1体を、次の俺のスタンバイフェイズに復活させる。やれ、ワンダー・アライブ」

 

 ダイヤモンドガイがいた場所に黒い歯車が現れた。

 この効果は俺の世界では、ダイハードガイが場にいる状態で破壊された時にしか使えないんだが……ダイハードガイの効果も変わってたのに最近気がついたよ。決して、ダイハードガイの存在を忘れていた訳じゃない。

 たまにだけど召喚してたよ、うん。

 

「私はカード3枚伏せる。私はこれでターンエンド」

 

 

 未来

 D-HERO ダイハードガイ

 伏せカード 1枚

 手札 3枚

 ライフ 3000

 

 

 コブラ

 降雷皇 ハモン 攻撃表示(4000)

 伏せカード 3枚

 手札 1枚

 

 

「俺のターンドロー!この瞬間ワンダー・アライブの効果発動!蘇れダイヤモンドガイ。」

 

 場の歯車が回り出して、その後歯車が消えるのと同時にダイヤモンドガイが復活した。

 

「墓地のデステニー・ドローの効果発動、さらに2枚のカードをドロー!更に、ダイヤモンドガイの効果発動。引いたのは通常魔法、ドクターD。次のターンにこのカードの発動が決まった。さらにディスクガイを通常召喚。……そして、3体のD-HEROを生贄に、来いドグマガイ!」

 

「攻撃力3400か。中々良いモンスターだが、ハモンには遠く及ばないぞ」

 

 遠くって、600ポイントしか違わないんだけどな。

 舐めやがって! 目にもの見せてやる!

 

「慌てるなよ、俺はさらにフィールド魔法、ダーク・シティを発動。……さぁこれで舞台は整った、バトルだ!ドグマガイ、ハモンに攻撃だ!渾身のデス・クロニクルを浴びせてやれ!!」

 

「了解した。行くぞ!」

 

 ドグマガイは空高くへ上昇し収納していた剣2本を同時に出した。そして急降下の勢いをつけてハモンに斬りかかった。

 今日のドグマガイはやる気に満ち溢れてるな。

 

「させるか!伏せカード発動、グラヴィティ・バインド 超重力の網!このカードの効果により、レベル4以上のモンスターはバトルを行えない。よってドグマガイの攻撃は不発だ」

 

 ドグマガイはグラヴィティ・バインドに邪魔されて、攻撃を中断させられた。

 そして急降下の勢いは止まらず、地面に激突した。

 

「大丈夫か、ドグマガイ!……あんた、ダーク・シティの効果を知っていたのか?」

 

「知らん。だが、攻撃力の低いモンスターで攻撃して来るならば何かあると勘ぐるのが当然だろう。あまり私を舐めるな」

 

「一筋縄じゃいかないって事かよ。カードを一枚セット、これで俺はターンエンド」

 

 強いな。只でさえコブラは強いのに、幻魔を操ってるなんて。

 気を抜いたら、あっと言う間に殺られる。

 

 

 

 未来

 D-HERO ドグマガイ 攻撃表示(3400)

 伏せカード 2枚

 手札 2枚

 ライフ 3000

 

 フィールド:ダーク・シティ

 

 コブラ

 降雷皇 ハモン 攻撃表示(4000)

 グラヴィティ・バインド 超重力の網

 伏せカード 2枚

 手札 1枚

 

 

 

「私のターンドロー!」

 

「この瞬間、ドグマガイの特殊効果発動! お前のライフポイントを半分削らせて貰う!いけ、ライフ・アブソリュート!」

 

 コブラのライフはライフ・アブソリュートのによって半減し、2000ポイントになった。

 

「やってくれるな。……私は伏せていたデルタ・バリア2枚を同時に発動!」

 

 デルタ・バリア。こいつもウリアを呼び出すのにユベルが使ったカード。

 あれ、確かこのカードにも発動時に、どっかから同名カードを発動させる効果があった筈だけど。……使わないつもりか?

 

 

「永続罠が3枚。……まさか!嘘でしょ。別の幻魔を呼び出すつもりなの!」

 

 

「行くぞ、3枚の永続罠を糧とし……現れろ、神炎皇 ウリア!!」

 

 コブラの場に巨大な火炎の柱がたち、その中から神炎皇 ウリアが現れた。

 あっさりとウリアまで出されちまった……これはかなりヤバイな。

 

 

「そんな、一体だけでも凄く強いのに。それが2体も」

 

「いくら未来さんといえども、こんなの手に負えるはずないです」

 

「う〜ん〜。ライライの実力なら〜、2体までならギリギリなんとか出来ると思うよ〜。2体までなら……ね。そう思わないアルル〜ン。……あれ、アルルン?(……あれれ〜、何処にもいないな〜。一体何処に)……あっ!……」

 

 

「ウリアの特殊召喚成功時に、ドグマガイを対象に永続罠、安全地帯を発動! このカードの対象モンスターは相手のカード効果の対象にならず、戦闘と相手のカードの効果では破壊されなくなる。ただし、対象モンスターは相手にダイレクトアタックができなくなる。そして、このカードがフィールドを離れた時、対象のモンスターは破壊される」

 

「ほぅ、少しは分かってるじゃなか。ウリアの特殊効果発動! 1ターンに1度、相手の場に伏せられている、魔法・罠カードを破壊出来る。また、この効果の発動に対して魔法・罠カードは発動できない。ウリアよ、奴の残った伏せカードを焼き尽くせ!トラップ・デストラクション!」

 

 伏せカード(デステニー・ミラージュ)はウリアの炎に焼かれて消滅した。

 危なかった。効果発動の前に使っといて良かった。

 

「ウリアの攻撃力は私の墓地に存在する永続罠の数×1000アップする。私の墓地に存在する永続罠は3枚、よって攻撃力は3000だ!……私はさらに、フィールド魔法、失楽園を発動。新たなフィールド魔法が発動した事で、貴様のフィールド魔法は消滅する」

 

 ダーク・シティは崩壊していき、場は不気味なフィールドに変化した。

 失楽園。確か効果は、幻魔が自分の場に存在する時に、ドローフェイズのドローが2枚になるだったかな?

 

「失楽園の効果発動!1ターンに1度私の場に幻魔が存在する時に、私はデッキからカード2枚をドロー出来る」

 

 マジで!えっ、嘘、そんな効果だったか!!?

 やっべーー、実質マイターン3枚ドローって事じゃねーかよ!

 さっさと処理しないと、マジでヤバイな。

 

「さぁ、バトルだ!ハモン、ドグマガイを攻撃しろ!失落の霹靂!」

 

 ドグマガイをハモンの落雷が襲った。

 

「ぬぅうー!」

 

「ドグマガイは安全地帯によって守られてる!」

 

「だが、ダメージは受けてもらう」

 

「ぐうぅっっ!!」

 

 俺はハモンとドグマガイの攻撃力の差、600ポイントのダメージを受けた。

 

「私は永続魔法 フィールド・バリアを発動し、これでターンエンド」

 

 

「フィールド・バリア。フィールド魔法を破壊から守り、互いにフィールド魔法を発動させなくする、まさにフィールド魔法を守るバリア」

 

「これでは、あのフィールド魔法はそう簡単に破壊できなくなってしまったノーネ」

 

 

 

 未来

 D-HERO ドグマガイ 攻撃表示(3400)

 安全地帯(対象:ドグマガイ)

 手札 2枚

 ライフ 2400

 

 フィールド:失楽園

 

 コブラ

 降雷皇 ハモン 攻撃表示(4000)

 神炎皇 ウリア 攻撃表示(3000)

 フィールドバリア

 手札 1枚

 ライフ 2000

 

 

「俺のターン、ドロー。……墓地に存在するドクターDの効果発動! ダイハードガイをゲームから除外する事で、ディスクガイを蘇らせる。ディスクガイが墓地から復活した事で効果発動、デッキからカードを2枚ドロー」

 

 ……ダメだ幽獄の時計塔はフィールド・バリアで発動出来ず。D-チェーン、融合、終わりの始まりの3枚は今は使えない。

 今は守るより、少しでも奴のライフを減らした方がいいな。

 

「バトル! ドグマガイでウリアを攻撃!デス・クロニクル!」

 

「ぬぅ!」

 

 ドグマガイの攻撃でウリアは破壊された。

 そしてコブラは攻撃力の差、400ポイントのダメージを受けた。

 

「さらにカードを1枚伏せる、これでターンエンド」

 

 

 

 未来

 D-HERO ドグマガイ 攻撃表示(3400)

 D-HERO ディスクガイ 守備表示(300)

 安全地帯(対象:ドグマガイ)

 伏せカード 1枚

 手札 4枚

 ライフ 2400

 

 フィールド:失楽園

 

 コブラ

 降雷皇 ハモン 攻撃表示(4000)

 フィールドバリア

 手札 1枚

 ライフ 1600

 

 

「ウリアを倒した程度で調子に乗るなよ。ドロー!」

 

「この瞬間 ディスクガイを生贄に、罠カード 闇霊術 「欲」を発動!こいつは魔法カードを見せれば無効に出来るがどうする?」

 

「くっ。今、私の手札に魔法カードはない」

 

「なら、闇霊術の効果発動、デッキからカードを2枚ドローさせて貰う」

 

 よし、上手くいって良かった。

 

「それがどうした!私はウリアの特殊効果を発動。ウリアが墓地に存在する時、手札の罠カード1枚を墓地へ送る事でウリアを復活させる事が出来る。私は手札の永続罠カオス・フォームを墓地へ送る事で、蘇れウリアよ!

 

 巨大な火柱を上げて、再びウリアがその姿を現した。

 そう言えばアニメのウリアには蘇生効果が有ったな。くそ、すっかり忘れてた。

 

「そしてさらに新たな永続罠が墓地へ送られたことで、ウリアの攻撃力は上昇し4000になるぞ。さらに失楽園の効果発動、カード2枚ドロー!」

 

 

「攻撃力4000が2体……状況は最悪だな」

 

「……ちょっと待って。確かげんま?には、あと一体青いヤツも居た気がする。うん、絶対いた!」

 

「嘘でしょ。あんなのがまだ残ってるの」

 

 

「さぁ、バトルだ! 失落の霹靂!」

 

 

「「ぐぁぁあー!!」」

 

 ハモンの攻撃でドグマガイは破壊されないが、俺は再びその差600ポイントのダメージを受けた。

 ドグマガイも破壊こそされないけど、何発もハモンの雷を受けてボロボロだ。

 

「さて、さらにウリアで攻撃!と行きたい所だが……ウリアが復活したターンに私の場に他のモンスターが存在する場合は攻撃を行えない。私はカードを1枚伏せ、これでターンエンド」

 

 

 

 

 未来

 D-HERO ドグマガイ 攻撃表示(3400)

 安全地帯(対象:ドグマガイ)

 手札 6枚

 ライフ 1800

 

 フィールド:失楽園

 

 コブラ

 降雷皇 ハモン 攻撃表示(4000)

 神炎皇 ウリア 攻撃表示(4000)

 フィールドバリア

 伏せカード 1枚

 手札 2枚

 ライフ 1600

 

 

 

「俺のターンドロー!」

 

 一時休戦か。良いカードを引いたな。だが、まだ発動タイミングじゃない気がする。

 取り敢えず、このターンで発動するのは止めておくか。

 

「ドグマガイを守備表示に変更してカード3枚を伏せる、これでターンエンド」

 

 耐え続けてれば、必ずチャンスは来る。ドグマガイ、もう少しだけ耐えてくれ!

 

「どうした、それで終わりか!いよいよなす術が無くなって来たようだな。……ドロー!さらに失楽園の効果発動、2枚ドロー!……ハッハッハッハ!!どうやらこのデュエルの勝敗は、私の勝利のようだ!!」

 

「何だと!?」

 

 まさか、安全地帯を破壊するカードを引いたのか。

 マズい。トラップ・デストラクションで、3枚の内のあの伏せカードを破壊されたら負ける。

 しまったー。一時休戦を発動してれば良かった!

 

「私はエターナル・リバースをウリアに装備。そして、エターナル・リバースの効果発動。このカードは相手の場の魔法・罠カード1枚をセットした状態に戻す効果を持っている。貴様の安全地帯をセット状態に戻して貰おう!」

 

 どうする事も出来ず、安全地帯をセット状態にした。

 フィールドから離れてはないからドグマガイは場に残るが……圧倒不利に変わりないな。

 エターナル・リバース。ユベルが使ったカードで確か今の効果以外にも、墓地へ送る事で装備モンスターを破壊から守る効果を持ってた気がする。

 

「そしてウリアの効果発動。一番右の伏せカードを破壊しろ!トラップ・デストラクション!」

 

 伏せていたカードは、焼き尽くされて破壊されてしまった。

 

「さらに手札2枚を墓地へ送り、魔法カード、幻魔の殉教者発動!このカードは私の場にハモンとウリアが存在する時に、手札2枚を墓地へ送ることで発動する事が出来る。私の場に幻魔の殉教者トークン(悪魔族・闇・星1・攻守0)3体が特殊召喚される」

 

 幻魔の殉教者。俺の世界ではハモンかウリアが場に存在する時に、手札全て墓地へ送って発動だったが、ここでは手札2枚か。

 最後にコブラの手札に残った1枚は当然、あのカードなんだろうな。

 じゃなきゃ、場に3枚のザコトークンが攻撃表示で残るからな。

 

「そして3体の幻魔の殉教者トークンを生贄に……現れよ、幻魔王 ラビエル!!」

 

 殉教者トークン3体が、コブラのフィールドに突如として現れた巨大な闇の渦に吸収されてしまった。そしてその渦の中から、ラビエルが現れた。

 あぁ、遂にラビエルまで出てきちゃった。これで三幻魔が揃い踏みか。

 

「遂に、ラビエルまで。……教えてくれ、プロフェッサー・コブラ!なぜ貴方がここまで3幻魔を自在に操れるのかを!」

 

「そんなに知りたいか。ならば教えてやる、これを見ろ!」

 

 そう言ってコブラは両手に付けていたグローブを外すして、そのまま両手を見せ付けてきた。

 その両腕は禍々しい物になっていた。あれって確か。

 

「何あの腕?」

 

「気持ち悪いです」

 

「それはユベルの」

 

「あぁそうだ、これはあの方から新たに授かった力の証だ。この力があればあの三幻魔すらも、いとも容易く操る事が出来るのだよ!!私はこの力を授かった時に確信した、あの方なら確実にリックを蘇らせて頂けるとなぁ!!……さぁ、もう良いだろう、バトルだ! ハモン、お前も中々あの雑魚を破壊出来ず、頭に来ていただろう。その鬱憤を込めた渾身の一撃を決めてやれ、失落の霹靂!!」

 

 ハモンは全身から巨大な雷を空に向けて放った。それは1つの巨大な落雷となり、ドクマガイに直撃した。

 ドグマガイは一瞬で跡形もなく破壊された。

 

「ハモンがモンスターを破壊した時に、どうなるかは覚えているよな。さぁ、貴様には地獄の贖罪を受けて貰おう!」

 

「がぁぁああーー!!!」

 

 俺はハモンの効果で1000ポイントのダメージを受けた,。

 

「今の攻撃で何も発動して来ないのを見るに、その伏せカードはブラフのようだな。……貴様は幻魔相手に良くやった。その健闘を讃え、貴様は最強の幻魔 ラビエルで仕留めてやる。さぁ、トドメを刺せラビエル!天界蹂躙拳!!」

 

 ラビエルは闇のオーラを両腕に纏い、そのまま俺目掛けて振りかざして来た。

 

 

「おじさん!」

 

「大丈夫よピケル。アイツ……未来なら絶対に」

 

 

「あんたのダイレクトアタックに反応して、カウンター罠発動、D-フォーチュン!その効果により墓地のダイハードガイをゲームから除外する事で、このターンのバトルフェイズを強制終了させる!」

 

 ラビエルの両腕が俺の数センチ先で止まった。

 うわ、恐! こんなのくらったら、ライフが残っていたとしても死んでた。

 

 

「上手い。これで、このターンはひとまず安心だな」

 

「一時凌ぎかもしれませんーが、良かったノーね」

 

「……(でも、ライライの圧倒的不利に変わりはないよ。さて、三幻魔相手にどんな戦いを見せてくれるのか楽しみだよ~)」

 

 

「ほう。これで終わりだと思ったが、中々しぶといじゃないか。……だが私の場には三幻魔が揃っている。貴様が3幻魔相手にどこまで足掻けるか見ものだな。私はこれでターンエンド」

 

 

 

 未来

 伏せカード 2枚

 手札 4枚

 ライフ 800

 

 フィールド:失楽園

 

 コブラ

 降雷皇 ハモン 攻撃表示(4000)

 神炎皇 ウリア 攻撃表示(4000)

 幻魔王 ラビエル 攻撃表示(4000)

 フィールドバリア

 エターナル・リバース 装備魔法(対象:ウリア)

 伏せカード 1枚

 手札 0

 ライフ 1600

 

 

 ふぅ、D-チェーンが破壊された方で良かった

 もしD-フォーチュンが破壊されてたら、今頃俺は……クソ、相手が強すぎる。

 恐い、こんなに恐怖を感じる相手は初めてだ。

 あの時十代が、あそこまで幻魔を恐れていた理由が分かった気がする。

 俺はこいつらを倒す事が出来るのか?

 ……なに弱気になってんだよ!俺が負けたらピケル達や、ヨハン、クロノス先生が殺られる。

 大切な者を守るためにデュエルをするって決めたんだ! ここで、俺が負ける訳には行かないんだよ!

 

「俺はお前に……幻魔に勝ってみせる!まだ勝負はこれからだ!」

 

 このドローに掛ける!頼む来てくれ、この状況を覆す起死回生のカード!

 

「行くぞ、ドロォォーーーー!!!」

 

 




今日の最強カードは降雷皇 ハモン 。
 光属性で雷族、レベル10、攻撃力・守備力、共に4000。
 このカードは通常召喚できず、自分の場に存在する表側表示の永続魔法カード3枚を墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる。
 このカードが自分の場に守備表示で存在する限り、相手は他のモンスターを攻撃対象に選択できず、守備表示のハモンが破壊されたターンコントローラーの受けるダメージは0になる。
 さらに、ハモンが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、相手に1000ダメージを与える事が出来る。
 永続魔法3枚を並べるのは容易ではない、よってヨハンの使う宝玉獣と組み合わせるのがいいだろう。


無理やりにでも未来と幻魔を戦わせたかった、反省はしてない。

「いや、ダメでしょ。大体なんで使い手がコブラだったの?」

俺がコブラ好きだからに決まってんだろ!
あと、あの時に動かせそうキャラがコブラぐらいしかいなかったからさ。
どうしようもなかったんだ。
しかし、未来君がデュエルしたのも随分と久しぶりだな。

「最近は全然デュエルさせてなかったからねー」

そう、それも幻魔と戦わせた理由の一つだよ。
「いやー。そろそろ、ヤバイ敵とデュエルさせないとまずいな」って思ったからさ。
まぁ、投稿しちゃったし。後悔は全くしてない!


はい、では今日はここまでにします。次回も楽しみにしていてください。
ちなみにユベントスがレアルに勝ったら、俺は弾けます。いろんな意味で。

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