ここ、どこ? あれ、この虫はもしかして!
目を開けると俺は森にいた。
いや、まるで意味がわからないと思うだろうが、俺も意味がわからない。
「どうゆう・・・ことだ、俺は死んだはずなのに」
兄さんのゼアルを見て驚いた気持ちがわかった気がした。いやふざけてる時じゃない。
簡単に言うとだ、俺 車にひかれる→死んだ→目覚めると森の中?
いや、意味不明なカード、じゃなくて、意味不明だ。
カード・・・そうだ、俺のデッキは。
俺は死ぬ間際まで持っていた、大切なD-HEROのデッキがあったはずだ。
俺は辺りを見回した、するとすぐ側にデッキケースとカバンが落ちていた。
俺はすぐにデッキケースを開けて、デッキを確認した。
それは紛れも無く俺のデッキだった。
「俺のデッキ?俺のデッキなのか?どうして俺のデッキがここに。!まさか俺と一緒にこの変な森にきてくれたのか!」
俺は嬉しさの余り、どこぞの不審者の真似をしてしまった。
もう一つのカバンには、テッシュやお菓子(ポテトチップス コンソメ味)、カードフォルダーなど、生きているときに入れていたものがそのままはいっていた。
「わけがわからないよ?」
俺は思わず、どこぞのクズみたいな生物の真似をした。
クソ、あのクソ生物のこと考えたら腹立ってきた。
俺は確かに車にひかれて、頭を強く打って死んだはずだ。
だが俺は自分の頭を触ってみたが、痛くはなく、血もついてなく、どこにも強く打ったあとらしきものがなかった。
俺はしばらく、何が起きたのかかんがえた。しかしさっぱりわからなかった。
そんな時だった。いきなり目の前にでかい昆虫がいた。
「・・・人喰い虫?」
それは俺が知っている、遊戯王カードの一枚にそっくりだった。
人喰い虫それは、昔から遊戯王をやっているヤツなら誰でも一度は使ったことがあるモンスターカードだ。
俺はアニメ遊戯王デュエルモンスターズの頃から、遊戯王をやっているので昔は大変お世話になった。
だが考えて見てくれ、いきなり目の前に自分より大きい昆虫がいる。さあどうする。
当然、逃げるしかねーよ。
俺は少しずつ後ろに下がり、人喰い虫から距離をとった。
「貴様も魔法使いの手先か」
後ろをむき逃げようとした時、人喰い虫がそう言った。
人喰い虫が、である。
モンスターが喋った!
いや待て、今このモンスターはなんて言った?
貴様もLDSか?いや違う、貴様も魔法使いの手先かだと。
いきなりこいつは何を言っているんだ。
いやでも、何か言わないと食われそうだな。
「魔法使いとはなんだ、いつ発動する?」
俺はどこぞのアホな子の真似をした。
「ふざけているのか。まあ貴様が何であれどっちみち殺すだけだ」
そう言って人喰い虫は、左手に付けていたデュエルディスクをかまえた。
もう一度言う、デュエルディスクをかまえたのだ。
これはひょとして、デュエルということか?
いや待て冷静に考えろ。・・・・・・やはりデュエルということとしか思えない。
「すいません、俺デュエルディスク持ってないんでお断りします」
「何を訳のわからない事を、持っているでわないか」
そう言って、人喰い虫は俺の左手を見た。
つられて俺も右手を見ると、俺の右手にはデュエルディスクがついていた。
そのデュエルディスクにはデッキもあり、さっきまで持っていたD-HEROデッキがデッキケースから無くなっていた。
「あ、あれいつの間に、さっきまで付いてなかったのに。いやその前に俺のデッキは?」
「御託はいい、デュエルだ」
そう言って人喰い虫は、デュエルディスクを構えた。
「デュ、デュエル」
ヤベ、つられて言っちまった。
人喰い虫「先行は貰った。ドロー」
「何!先行ならば、ドローは出来ないのではないのか?」
俺は思わず、勝鬨の真似をした。
勝鬨もネタにされて、可哀想だよな。
「訳の分からないことを言うな。ゴキポンを守備表示(800)で召喚」
人喰い虫がデュエルディスクのモンスターゾーンにモンスターカードを置くと、カードに描かれているモンスターカードが人喰い虫の目の前に出てきた。
「モ、モンスターが実体化した。あ、あとゴキポーーーーン」
俺は思わず、王様とヨハンの真似をしてしまった。
しかも人喰い虫は、ゴキポンを表側守備表示で召喚したのだ。
「ジャッジー、反則だーー」
あと、ライフが4000だ。ここはアニメの遊戯王か?
「カードを一枚伏せてターンエンド」
人喰い虫がデュエルディスクの魔法、トラップゾーンにカードを置くと、人喰い虫の目の前にカードが裏側のまま出てきた。
相手フィールド
手札四枚
モンスターゴキポン(表側守備表示)800
伏せカード 一枚
「俺のターン、ドロー」
今、ドローしたカードと、手札を見て理解した。
これは紛れもなく、俺のD-HEROデッキだ。
ならいつもどうりのデュエルをするだけだ。
「まず、魔法発動 デステニードロー。 このカードの効果で手札のD-HEROを一枚墓地に送ることでデッキからカードを二枚ドローする。手札のD-HEROディアボリックガイを墓地に送りカードを二枚ドロー」
だがどうもおかしい、カードの効果が俺のっ知っている効果と違う。
例えば、今手札にあるモンスターカードD-HEROデビルガイの俺が知っている効果は、表側攻撃表示の時相手モンスターを2ターンの間ゲームから除外する、それが俺が知っている効果だ。
だが今手札にあるD-HEROデビルガイの効果は、相手モンスターを2ターンの間ゲームから除外する効果は同じだ、だが発動できるときが表側表示の時なんだ。
なぜ効果が変わっているんだ、この効果はそうアニメだ、アニメの効果そのものだ。
「おいどうした、それで終わりか?」
いかん、今はデュエルに集中だ。
「手札からD-HEROダイヤモンドガイを攻撃表示(1400)で召喚」
俺の目の前にダイヤモンドガイが出てきた。
やべ、かっけーーーーー。
いかん、いかん、デュエルに集中しろ。
「D-HEROダイヤモンドガイの効果発動。デッキの上のカードを一枚確認して、それが通常魔法だったとき、そのカードを墓地に送り次のターンのメインフェイズにその魔法カードの効果を発動できる、他のカードの時はデッキの一番下に戻す。しかもこの効果はたとえ、ダイヤモンドガイが次のターン俺のフィールドに居なくても発動できる」
「なんという効果だ」
「俺が引いたカードは、通常魔法ライトニング ボルテックス。次のターンこのカードの効果発動がきまった。通常ライトニングボルテックスの発動には、手札を一枚墓地に送らなければ発動できない。だがダイヤモンドガイの効果でコストはなくなる」
「さらに墓地のディアボリックガイの効果発動。墓地のディアボリックガイをゲームから除外することでデッキからディアボリックガイを特殊召喚する。その効果により、現れろディアボリックガイ(800)」
俺は墓地から出てきたディアボリックガイをポケットに入れて、デッキをデュエルディスクから取り出し、ディアボリックを出して、デッキをシャッフルしてデュエルディスクに戻した。
メンドクセーな、そういえば昔の遊戯王のアニメも除外するカードはポケットに入れてたなぁ。
「バトル。ダイヤモンドガイでゴキポンを攻撃。ダイヤモンドブロー」
エドが言っていた技名を言ってみた。
ダイヤモンドガイの攻撃でゴキポンは破壊された。
「ゴキポンの効果発動。デッキから攻撃力1500以下の昆虫族を一枚手札に加えることができる。
この効果により使徒喰い虫を手札に加える」
使徒喰い虫は攻撃力900だから、手札に加えることができる。
「ディアボリックガイでダイレクトアタック」
ディアボリックガイの攻撃力は800。これが決まれば幸先がいい。
「くっ。トラップ発動、ダメージ コンデンサー」
人喰い虫はダイレクトアタックを受けたあと、トラップカードを発動した。
「このカードの効果により手札を一枚墓地に送り、受けたダメージ以下のモンスターを特殊召喚する。いでよニードルワーム(750)」
次のターン、ニードルワームを生贄に使徒喰い虫をセットするつもりだろう。ならば。
「カードを二枚伏せて、ターンエンド」
自分
手札 3枚
フィールド
モンスター
ダイヤモンドガイ (攻撃表示) 1400
ディアボリックガイ( 攻撃表示) 1200
伏せカード 二枚
ライフ4000
相手 手札3枚
フィールド
モンスター
ニードルワーム (攻撃表示) 750
ライフ3200
「俺のターン。ドロー。ニードルワームを生贄にモンスターをセット、これでターンエンド。
(俺の手札には、墓地の昆虫族を二体除外することで特殊召喚出来るモンスター、デビルドーザーがいる。このターンに特殊召喚しても、次のターン、ヤツはダイヤモンドガイの効果でライトニングボルテックを発動できるから破壊されてしまう、だから次のターンに、ヤツが攻撃しようとしなかろうと、使徒喰い虫の効果で相手の二体のモンスターを破壊しその後、デビルドーザーを特殊召喚して、さらに手札にいる昆虫族を召喚すれば、ヤツのライフをかなり削れる。そうすれば俺の勝ちは、ほとんど決まったようなものだ)
「俺のターン、ドロー。D-HEROダイハードガイを攻撃表示で召喚」
こいつも、カッコイイな。えっディアボリックガイ?まあ、うん、きらいじゃないよ。
「バトル。ダイヤモンドガイで裏側のモンスターを攻撃、ダイヤモンドブロー。」
ダイヤモンドガイが攻撃する少し前にモンスターが表になり、そのモンスターはやはり使徒喰い虫だった。
ダイヤモンドガイの攻撃で使徒喰い虫は破壊された。
「使徒喰い虫の効果発動、フィールド上のモンスターを二体破壊する。俺はダイヤモンドガイとダイハードガイを選択」
ダイヤモンドガイとダイハードガイは使徒喰い虫によって、食べられてしまった。凄い光景だった。
「はっはははは、これでお前のフィールドには、ザコしか残っていない。このデュエルは貰った」
「それはどうかな?リバースカード発動。デステニー ミラージュ」
俺はいろいろなデュエリストが言った名言を言って、トラップを発動した。
「デステニーミラージュは、D-HEROが相手のカードの効果によって破壊され墓地に送られた時発動できる。このターンに破壊され墓地に送られたD-HEROと名のついたモンスターを、全て自分フィールドに特殊召喚する」
「何・・・だと」
「その効果によりたった今破壊された、ダイヤモンドガイとダイハードガイを攻撃表示で特殊召喚」
人喰い虫は、とても驚いた顔をしている。
「ダイヤモンドガイの効果を恐れるあまり、攻撃したダイヤモンドガイを破壊したのが敗北の原因だ。ダイヤモンドガイ、ダイハードガイ、ディアボリックガイ、人喰い虫にダイレクトアタック、これで終わりだ」
「だが三体のモンスターの攻撃力の合計は3000。俺のライフは3200、ライフは200残る」
「説明は負けフラグだぞ、覚えておけ。伏せカード発動。Dチェーン。このカードの効果はD-HEROと名のついたモンスターにのみ装備できて、攻撃力を500アップする。俺はダイヤモンドガイに装備する」
ダイヤモンドガイにDチェーンが巻き付いた。
「バ、バカなーーー」
三体の攻撃によって、人喰い虫のライフはゼロになった。
「よっしゃーー。勝ったー」
デュエルが終わるとD-HERO達は消えてしまった。
ああ、もっと見てたかったのに。
「ありがとな、俺のカード達」
俺はそう言ってデッキを撫でた。
いや、今はこんなことをしてる時じゃない。この世界のことを人喰い虫から聞こう。
人喰い虫を見ると、全身が黄色い光でおおわれていた。
「どうした?大丈夫か」
「何を驚いている、デュエルで負ければ消えるのは当然だろ」
は・・・こいつ何を言ってんだ?
「冗談言ってる時じゃないぞ」
俺が言った直後、人喰い虫は消滅した。
「どうゆう・・・ことだ。今の消え方まるで、アニメGXの異世界編のデュエルで負けて、消滅する時みたいだったよな」
いやまさかな、アニメGXの世界なんてそんな馬鹿な・・・・・・。
でも、もしそうだとしたら、このデュエルディスクはよく見れば、十代が使っていたデュエルディスクにそっくりだし。
デュエルも、先行ドローできたことや、表側守備表示でだせたことも、昔の遊戯王のアニメでは、やっていた。
デビルガイの効果もアニメGXの効果に変わっていたし。
何より、デュエルで負ければ消滅する事と、たった今人喰い虫が消えた消え方の事など。
いろいろな事を合わせて考えると、ここは。
「アニメGXの異世界・・・・・・」
投稿するのが、とても大変でした。
このペースだと、三日に一度の投稿になるかもしれません。
なんとか明日、投稿できるように頑張ろうとおもいます。