D-HEROと共に戦うデュエリスト   作:無言の短パン

34 / 56
皆さんこんにちは。サイレント・マジシャンが当たらなかったのを、今だに引きずっている作者です。

「ま、まだ気にしてたんだー。そろそろ、立ち直りなよー」

いや、それは無理だな。お前に分かるか!最後に1パックだけ残っていて、ウルレア枠が1枚残ってたから、奇跡を信じて開けてみたら、既に2枚当たってたアルティメット・バーストが当たった時のショックが!!
俺はその場で床を殴りながら「おのれ!アルティメット・バースト」とか「くたばれ!アルティメット・バースト」とか大声で暴言を吐きくったんだぞ!!
マジで家に親が居たら、大変な事になってたんだぞ!!

「いや、そんな事言われても。……と言うか…貴方……ばっかじゃなーい」

だからどうした!馬鹿で何が悪い!
だが……イタリアがEUROの初戦でヘルギーに圧勝したのは本当に嬉しかった。ブッ○ォンも活躍してたし、最高に励まされたぜ。
ベルギーが勝つとか言ってたやつは赤っ恥だっただろうなー。
しかもスェーデンにも勝ってあっさりと予選突破だぜ。スゲー頑張ってるぜイタリア。

「いや、だからー、遊戯王のssでサッカーの事を話すのはどうなのかなー?」

いつもの事さ。むしろこれでも抑えてる方だぜ。

「あっそ!と言うかさー、アウスちゃんは出さないの?あの子ずっと、出番が来るのを待ってるよ」

……さて、そろそろ本編を始めるか。




反撃の狼煙はドレッドガイの咆哮と共に!

「俺のターン、ドロー。……D-HEROデビルガイを守備表示で召喚!そして、デビルガイの特殊効果発動、デステニー・ロード!」

 

 デビルガイは一瞬の内に、ダーク・バルターの目の前に移動して首を絞めた。

 するとダーク・バルターは叫び声を上げながら消えた。

 ダーク・バルターに装備されていたフュージョン・ウェポンは地面に落ちて、ガシャンと音を立てて消滅した。

 

「何!一体なにか起きたのだ!?」

 

「教えてやるよ。デビルガイの効果は、敵モンスターを2ターン先の未来までゲームから除外することが出来るんだよ!ただし、この効果を発動したターンはバトルを行うことは出来なくなるがな。

 ……俺はこれでターンエンド」

 

 

「やった…未来さんがあの厄介なモンスターを…一時的だけど…除去できたよ…」

 

「オマケに装備されてるカードは墓地に行ったから〜。戻って来ても、攻撃力は元の2000だよ〜。

 それにしてもライライ。ようやく、ライライらしいデュエルをやり始めたね〜。

(流れがライライに向いて来たね〜。……でもライライのライフポイントはたったの100だから、少しのミスも許されない状況。……勝つのはどっちかな〜)」

 

 

 

 未来

 D-HEROデビルガイ(守備表示)800

 幽獄の時計塔(時計カウンター 4)

 手札3枚

 ライフ100

 

 

 ダーク・パルター

 魔力吸収球体(攻撃表示)900

 王宮のお触れ

 伏せカード1枚

 手札1枚

 ライフ3500

 

 

「我のターン、ドロー」

 

「どうだ、時計塔を除去できるカードは引けたか」

 

「残念ながら、引くことは出来なかった。……だがその代わり、中々いいカードを引くことができたわぁ。

 我は融合回収(フュージョン・リカバリー)を発動する!……その効力により我を融合召喚するのに使用した、融合と辺境の大賢者を手札に加える。そして辺境の大賢者を攻撃表示(1600)で召喚」

 

 辺境の大賢者。ダーク・バルターの融合素材で、確か、大賢者がフィールドに存在する限り、大賢者をコントロールしてるプレイヤーのフィールドに存在する戦士族モンスターを対象にする、魔法カードの効果を無効にして破壊する効果を持っていた筈だ。

 まぁ、多分奴のデッキに戦士族は入ってないと思うから、警戒する必要はないな。

 

「バトルだ! 辺境の大賢者でデビルガイを攻撃」

 

 辺境の大賢者の攻撃で、デビルガイは破壊された。

 

「我はさらに手札から泉の精霊を発動する。その効力により我の墓地に存在する装備カード、フュージョン・ウェポンを我の手札に加えさせて貰う。

 そして更に、魔力吸収球体を守備表示(900)に変更する。これでターンエンドだ」

 

 

 未来

 幽獄の時計塔(時計カウンター 4)

 手札3枚

 ライフ100

 

 

 ダーク・パルター

 辺境の大賢者(攻撃表示)1600

 魔力吸収球体(守備表示)900

 王宮のお触れ

 伏せカード1枚

 手札2枚

 ライフ3500

 

 

 

 

「いくぞ、ドロー!……ドゥームガイを攻撃表示で召喚。……バトルだ! ドゥームガイで魔力吸収球体を攻撃、ブラック・オブ・ドゥーム!」

 

 ドゥームガイの右腕の砲台?から放たれた黒色の光線が、魔力吸収球体を爆殺した。

 

「さて、邪魔なモンスター共が消えた事で……ようやく魔法が使えるぜ!

 俺は手札から墓地のディアボリックガイを対象にして、オーバー・デステニーを発動。その効果でディアボリックガイのレベルの半分以下のレベルを持つ、D-HEROディスクガイをデッキから守備表示(300)で特殊召喚する。

 俺はこれで、ターンエンド。そしてこの瞬間、ディスクガイは墓地に送られる」

 

 

「我のターン、ドロー!…おのれぇ、また来ぬかぁ……貴様、相当運がいいようだなぁ」

 

 それはどうかな、奴は知らないだろうが時計塔を破壊すればドレッド・ガイが出て来る。

 奴のフィールドに主力モンスターがいない今、ドレッドガイが特殊召喚されれば、俺の勝ちは決まったも同然。

 ふっ……運がいいのはどっちなんだか。

 

「バトルだ!辺境の大賢者よ、ドゥームガイを蹴散らせ!」

 

 辺境の大賢者の攻撃で、ドゥームガイは破壊された。

 

「幽獄の時計塔の効果で、俺が受けるダメージは0だぜ」

 

「分かっておるわぁ!我はカードを1枚を伏せる。これでターンエンド」

 

 

 

 未来

 幽獄の時計塔(時計カウンター 4)

 手札2枚

 ライフ100

 

 

 ダーク・パルター

 辺境の大賢者(攻撃表示)1600

 王宮のお触れ

 伏せカード2枚

 手札2枚

 ライフ3500

 

 

「俺のターン、ドロー!」

 

「この瞬間、我のフィールドに我が蘇る!」

 

「だがこの瞬間、墓地のドゥームガイの特殊効果が発動。その効果で、墓地のD-HEROディスクガイを守備表示で特殊召喚!

 さらに、ディスクガイが特殊召喚に成功した時、俺はデッキからカードを2枚ドロー出来る」

 

「ほぅ、中々使えるモンスターだなぁ。……だがその効果は、我も使えるのではないのかぁ」

 

 こいつ……ディスクガイの弱点に気づいたみたいだな。サッサと倒さないとヤバイな。

 このターンで俺がすべき事は……ダーク・バルターを破壊する事だな。また、フュージョン・ウェポンを装備されたら厄介だし。

 なら……

 

「ディスクガイを生贄に、ダッシュガイを攻撃表示(2100)で召喚」

 

「バトルだ! ダッシュガイでダーク・バルターを攻撃! 行けダッシュガイ、ライトニング・ストライク!」

 

「させるか!速攻魔法発動、収縮。収縮の効力により、ダッシュガイの攻撃力は半分になる!(2100→1050)」

 

 ダッシュガイは収縮の効果を受けて、体が半分くらいの大きさになってしまった。

 

「返り討ちだ! フュージョン・ブラスター!」

 

 ダーク・バルターの攻撃で、ダッシュガイは破壊された。時計塔の効果でダメージは0だ。

 しかしやっちまったな。ダーク・バルターに破壊されたからダッシュガイの効果が使えないな。

 

「クソ!これでターン、エンド!」

 

 

 

 未来

 幽獄の時計塔(時計カウンター 4)

 手札4枚

 ライフ100

 

 

 

 ダーク・パルター

 魔人・ダーク・バルター(攻撃表示)2000

 辺境の大賢者(攻撃表示)1600

 王宮のお触れ

 伏せカード1枚

 手札2枚

 ライフ3500

 

 

 

「我のターン、ドロー。……フハハハーー、我はたった今ドローした、死者蘇生を発動する!」

 

 マズイな。奴の笑い方からして、狙いは確実にディスクガイだろうな。

 

「その効力により、貴様の墓地に存在するディスクガイを我のフィールドに守備表示で特殊召喚させて貰う。そしてこの瞬間、ディスクガイの効果によりデッキからカードを2枚ドローさせて貰おうかぁ」

 

 クソやられた。……ディスクガイの弱点、それは相手も自身の場にディスクガイを蘇生させればドローが出来ることだ。

 

「……ウェッハッハッハーー!! お前のカードが我に勝利をもたらしてくれたわぁ!

 手札からサイクロンを発動! 我が破壊するのは当然、幽獄の時計塔だ!」

 

 幽獄の時計塔はサイクロンに包まれた。

 

 

「そ…そんな……あ、あのカードが破壊されたら……未来さんに勝ち目は……」

 

「いや……そうでもないよ〜」

 

「へっ……ど、どうして?」

 

「見てれば分かるよ〜」

 

 

「ウェッハッハッハーー!!どうだ、唯一の頼みの綱であったカードを破壊された気分わぁ!」

 

「……」

 

「ハッハッハー!余りのショックに声も出ないかぁ?安心しろ……我の攻撃により一瞬であの世に送ってやる」

 

「……来い!ドレッドガイ!」

 

 俺のフィールドにD-HEROドレッドガイが攻撃表示で現れた。

 

「何!?何故、貴様のフィールドにモンスターが?」

 

「それはお前が幽獄の時計塔を破壊したからだ!時計塔にはなぁ…12時を指した状態の時に破壊された時、デッキまたは手札からD-HEROドレッドガイを特殊召喚できる隠された効果が有るんだよ!」

 

「おのれぇ……幽獄の時計塔は、そのような効果まで隠し持っていたのかぁ……」

 

「そしてこの瞬間、ドレッドガイの特殊効果発動!吠えろドレッドガイ、ドレッド・ウォール!!」

 

 ドレッドガイはとんでもなくデカい雄叫びを上げた。余りのうるささに耳を塞いだ。

 なんだ、前にこの効果を発動した時は、こんなデカい声じゃなかったぞ?

 ふとエリアル達を見てみると、エリアルは耳を塞いでいたが、プノは一切動じてなかった。

 あっ、さっきから全く動かなかった、セームベルとランドスターが目を回してらぁ。……2人共かわいいな。へへ、いいもんが見れたぜ。

 しかしドレッドガイ、どうしてこんなに気合いが入ってんだ?

 ……ひょっとして…俺がボロボロにされてるから怒ってるとか?だとしたら、嬉しいな。

 

「な、なんだ!?何が起こるのだ!?」

 

「ドレッドガイが幽獄の時計塔の効果で特殊召喚された時、俺の墓地からD-HEROを2体まで特殊召喚出来るんだよ!

 蘇れ、ダイヤモンドガイ(守備表示、1600)!ダッシュガイ(守備表示、1000)!」

 そしてドレッドガイの攻撃力と守備力は、俺のフィールドに存在するドレッドガイ以外のD-HEROの元々の攻撃力を合計した数値になる。よってドレッドガイの攻撃力は3500だ!」

 

 

「そ、そう…だったんだ。……だから、プノちゃんは…全く動揺してなかったのか…」

 

「そう言う事〜」

 

 

「……だが、それがどうしたというのだ!すでに、貴様を守っていた時計塔のカードは存在していない。よって、貴様にはもう、戦闘ダメージを防ぐすべはない。

 攻撃力3500……はっ!その程度の攻撃力など、瞬く間に粉砕してやるわぁ!

 我のデッキを1枚墓地へ送り、アームズ・ホールを発動!その効力により、我はデッキまたは墓地から、装備魔法カード1枚を選び手札に加える事が出来る。ただし、このターン我は通常召喚が行えなくなるがな。我はデッキから、団結の力を手札に加えさせて貰う。

 そして我は我に、団結の力を装備!我の場には3体のモンスターが存在している。……よって、我の能力は2400アップする。(2000→4400)

 まだだ!さらに我にフュージョン・ウェポンを装備。その効力により攻撃力上昇。(4400→5900)」

 

 

「こ…攻撃力5900。……そ、そんな……攻撃力5900の攻撃を受けたら……未来さんは、ひとたまりも無いよ……」

 

「そ〜だね〜……でも、大丈夫だよ〜」

 

 

「ハッハッハー、今度と言う今度こそ終わりだ!消え去れ、ダーク・フュージョン・ブラスタァァァーーー!!」

 

 ドレッドガイにダーク・バルターの攻撃が迫って来た。……バカめ。

 

「無駄だ!防げドレッドガイ、ドレッド・バリアー!」

 

 ドレッドガイが腕に付いている鎖を使って、ダーク・バルターの攻撃を相殺した。

 

「何、バカな!ドレッドガイの攻撃力は、我の攻撃力に及ばない筈だ!」

 

「残念だったなぁ。ドレッドガイが特殊召喚されたターン、D-HEROは戦闘及びカードの効果では破壊されず、俺が受ける戦闘ダメージは0になるんだよ!」

 

「おのれぇ、そのような効果まであったとわ。またしても…またしても倒せなかったかぁ!……これでターンエンド」

 

 

 

 未来

 D-HEROドレッドガイ(攻撃表示)3500

 D-HEROダイヤモンドガイ(守備表示)1600

 D-HEROダッシュガイ(守備表示)1000

 手札4枚

 ライフ100

 

 

 

 ダーク・パルター

 魔人・ダーク・バルター(攻撃表示)5900 フュージョン・ウェポン、団結の力を装備

 辺境の大賢者(守備表示)800

 D-HEROディスクガイ(守備表示)300

 王宮のお触れ

 伏せカード1枚

 手札1枚

 ライフ3500

 

 

 

「俺のターン・ドロー!……墓地に存在するディアボリックガイの特殊効果発動!このカードをゲームから除外する事で、デッキから同名カードを特殊召喚する。そして、ディアボリックガイを生贄に、D-HEROダブルガイを攻撃表示(1000)で召喚!

 そして場にD-HEROが増えた事で、ドレッドガイの攻撃力は上昇する!(3500→4500)」

 

「さらにダブルガイに装備カード、サイクロン・ブレードを装備する」

 

 ダブルガイの片腕にサイクロン・ブレードは装備された。

 

「ダイヤモンドガイとダッシュガイを攻撃表示に変更、そしてバトルだ!ダブルガイでディスクガイを攻撃、デス・オーバーラップ!」

 

 ダブルガイ(紳士バージョン)の攻撃で、ディスクガイは破壊された。

 

「この瞬間、サイクロン・ブレードの効果発動!対象は団結の力だ!」

 

 サイクロン・ブレードから突風が起こり、その突風は団結の力を破壊した。

 それによって、ダーク・バルターの攻撃力が下がった。(5900→3500)

 

「何!何故団結の力が破壊されたのだ!?」

 

「このカードはD-HEROにのみ装備可能なカードで、装備モンスターが攻撃を行ったダメージステップ終了時、フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択し破壊出来るんだよ!」

 

「おのれぇー!」

 

「ダブルガイは1度のバトルで2回の攻撃が出来る!ダブルガイ、辺境の大賢者を攻撃だ!」

 

 ダブルガイ(マッチョバージョン)の攻撃で、辺境の大賢者は破壊された。

 

「そしてこの瞬間、サイクロン・ブレードの効果発動! フュージョン・ウェポンを破壊する」

 

 フュージョン・ウェポンが破壊された事で、ダーク・バルターの攻撃力が元の数字に戻った。(3500→2000」

 

 

「や…やった。……このまま攻撃が決まれば…このデュエル…未来さんの勝ちだね…」

 

「……そうかな。勝敗はまだ分からないよ。だって、アイツのフィールドには…伏せカードが一枚伏せてるよ」

 

 

 ……確かにプノの言う事にも一理ある。だが、もうこのターンでダーク・バルターを倒さないと、俺は負ける。

 そもそも、ダブルガイを攻撃表示で出した時点で、もう俺の決心は出来てる。

 

「行くぞ、ドレッドガイ、ダーク・バルターを攻撃……決まってくれ!プレデター・オブ・ドレッド・ノート!!」

 

 奴は伏せカードを発動…………する事は無く、ドレッドガイの張り手でダーク・バルターは破壊された。

 

「のわぁぁぁーー!!(3500→1000)」ピピピピーー

 

 あ、あっさりと決まった…だと。なんか拍子抜けだ。

 だがまだ、俺の勝ちが決まった訳じゃない。次のダイレクトアタックで何かして来るかもしれない。

 

「ダッシュガイでダイレクトアタック!ライトニング・ストライク!」

 

「がぁぁーー!」ピピピピーーブー

 

 ダッシュガイの攻撃は普通に決まり、ダーク・バルターのライフは0になり、その場に倒れ込んだ。

 

「…か、勝てた……のか?」はぁはぁ

 

 な、なんか勝ったのに、いまいち実感が湧かないな。

 

「や…やった……未来さんが…勝った…」

 

「……勝っちゃった…か…」

 

 

「……おい、死ぬ前に一つ聞かせろ。お前が伏せてたカードは何だったんだ。答えろ!」

 

「我が伏せていたカードはトラップカード、あまのじゃくの呪いのカード。正真正銘、貴様の勝ちだ」

 

 あ、あまのじゃくの呪い!? このカードは通常トラップで確か、発動ターンのエンドフェイズまで、攻撃力・守備力のアップ・ダウンの効果は逆にする効果を持っていた筈だ。

 なんでこいつこんなカード入れてんだ?奴のデッキには明らかに不要なカードだし、そもそもお触れを入れてる時点でこいつの戦術はトラップに頼らない戦術の筈じゃないのか?

 ……まぁ、そんな事どうでもいいか。俺が勝ったんだし。

 

「そうか、なら良かった」

 

 俺はそう言い放つと、何時の間にかプノたち4人が側にいた。

 こいつら何時の間に?……あれ、セームベルだけなんか下を向いてるな。やべ、これはかなり怒ってるな。

 

「まぁー…そのー…なんだ。……俺がふざけたせいで心配かけちまったみたいで、悪かったな」

 

「……バカ……バカーーー!!」はにわ落とし

 

「へっ?「バコーン」…痛ってぇぇーーー!!い、いきなり何すん」

 

「バカ!バカ!バカー!」連続ではにわ落とし

 

「痛!ちょっ、待っ、痛てて!悪かった、許してくれ!」ポコポコポコ

 

「せ、セームベルさん、落ち着いて」

 

「そうだよ。未来さんは…ダーク・バルターとの激しいデュエルで…体がボロボロなんだよ。…だから…攻撃なんかしちゃ、ダメだよ…」

 

 ふう、二人がなだめてくれたおかげで攻撃が止んで、助かったぜ。

 

「だって……だってぇ……おじさんが死んじゃったと思って……私…私……」ポロポロ

 

 セームベルは震えながら泣いていた。

 俺は……何をやってんだ?悪フザケでやられたふりをして、セームベルを泣かせて。

 こいつはつい最近、目の前で兄が死んじまったんだぞ。……確かにセームベルが言った通り、俺はバカ…いや大バカだったな。

 

「本当に悪かった…許してくれ…」

 

「……もう、あんな事は2度としないでね」

 

 そうだよな。こんな事したら怒るに決まってるよな。

 と言うか俺も同じ事をセームベルにやられたら、絶対怒るだろうし。

 

「ああ、約束する」

 

「そう……なら、特別に許してあげるよ」

 

 ……良かった、マジで良かった。

 そう言えば昔、ピケルにもやった事があったけど、あの時は出会ったばっかりでしかもアイツは優しいやつだったから特に何も言われなかったんだよな。

 よし、もうやられたふりは、皆んなの前では絶対にやらない事にしよう。皆んなの前では……な。

 

「……ハッハッハッハー……ハッハッハッハーー!!」

 

 なんだ? いきなり、ダーク・バルターの奴が笑い始めたよ。負けたショックで頭がイカれちまったのか?

 

「……貴様はここでのんびりとしていていいのかぁ」

 

 なんだ、どういう意味だ?

 

「我は町を襲うと言った。たが、果たして、町を襲おうと考えているのは……我だけかなぁ」

 

「何、どういう事だ!?」

 

 まさかこいつ以外にも、町を襲おうと考えてる奴が!

 

「さあなぁ。……早く町に戻った方が良いのではないかぁ。まぁ、既に手遅れだろうがなぁ……ハッハッハッハーー、ウェッハッハッハーーー!!」シュウーー

 

「クソが!」

 

 俺は町の方に向かって、一目散に走り出した。

 

「あっ、待ってよ、おじさーん!」

 

「お…おいてかないでよー」

 

「ま…待って!……んっ…あれ……プノちゃんは?」

 

 

 

「……バルター……どうしてこんなことを……やっぱり、べリアルの命令で」

 

「……あの者が私にこのような事を命令しないのは、貴方もよくご存じでしょう。

 私が独断で行動したに過ぎません。……むしろあの者は最後まで、私を止めようとました……」シュウーー

 

「そう……なんだ。…ねぇ…まだ…私があげたあまのじゃくの呪いのカードをデッキに入れてたんだね。……も〜、無理して使わなくていいよって……何度も言ったのに…」

 

「そんな事は有りません。……私はこのカードに、幾度となく助けられました。……このカードは私にとって、掛け替えのない、大切なカードです」シュウーー

 

「そう。……バカ…」

 

「……さあ、もう行きなされ。そろそろあの者たちが、あなたがいないことに気づいてしまいますよ…」シュウーー

 

「うん……そうだね。……あのね、バルター。……今まで色々…………ありがとう…ね。…バイ……バイ……」

 

「……ーー様。貴方ならば必ずや…究極の…邪神使いに……」パァーン

 

 

 

「プ、プ、プ…プノちゃん……あ、あ、あ……あの人と……な…何を…は、は、は…話してた……の?…」

 

「あれれ~、アルルン、待っててくれたんだ〜。ありがとね~」

 

「し……質問に……答…えて…よ…」

 

「別に、大した事は聞いてないよ~。例えば~……何で私たちを襲ったのかとか~、誰が私たちを襲うように命令したのか~とか、聞いてみただけだよ~」

 

「あ…ああ……そうなんだ。そ…そうだ……よね…」

 

「あははは~……まさか~、私があいつの仲間とでも思った~」

 

「えっ……えっと…」

 

「あははは~、冗談だよ~。変なこと聞いちゃって、ごめんね~。……ねぇアルルン。……早くおじさんの後を追おうよ~」

 

「えっ……う…うん……そうだ……ね…」

 

「……バルター…」

 

 

 

「(この反応は……バルター殿……どうやら逝かれたようだな……。

 こうなる事は分かっていた……だから我輩は反対したというのに……。

 あの方の前で死ぬなど……あの方に、どれだけ深い傷が残るか……)」

 

「余所見をしてる余裕は……無いぞ…」ハァハァ

 

「我に全く歯が立たず、剣を折れた貴様が何を言った所で、恐ろしくも何ともないわ。……だが、剣を持たぬ剣士を斬ったところで…我の目覚めが悪い。…よって、これを受け取れ」シュッ

 

「これは……装備カード…(破邪の大剣 バオウ)」パシッ

 

「その剣を使い我輩と戦え。……我輩を楽しませろ」

 

「(敵から与えられた武器を使いたくはないが……今はそんな事を言ってる場合じゃない!)……」バオウ装備

 

「そう来なくてはなぁ。さぁ、来るがよい。……(さて、ここまではあの方の計画道理だな。後はころ良いタイミングを見計らい、此奴を捕らえ……さらに、ハイ・プリーステスと名の女性を捕らえれば、我の任務は完了する……バルター殿という犠牲を出した以上、失敗する事は許されぬ……)」

 




今日の最強カードはフィールド魔法、幽獄の時計塔。
相手ターンのスタンバイフェイズごとに時計カウンターを1つ置き、4つの時計カウンターが乗った時、このカードをコントロールしてるプレイヤーへの戦闘ダメージは0になるんだ。
そして、時計カウンターが4個以上乗ったこのカードが破壊されて墓地へ送られた時に、手札またはデッキからD-HEROドレッドガイ1体を特殊召喚出来るんだ。
エターナル・ドレッドやD-HEROドレッドサーヴァントと組み合わせる事で、早くカウンターが溜まるんだぜ。
D-HEROを使わないデッキでも、入っている事がある(昔は)強力なカードだぜ。


どうして、僕の出番が全くなかったんですか!」

……しかし、先週のAーCVは滅茶苦茶だったよなー。2ターン目から攻撃出来るのが復活してたり、遊矢のデュエルを舐めプ扱いしたり、隼が怪我して退場してたり、そして最後は兄さんを乱入させて兄さん無双、そして兄さんはオベフォをカード化しない。
と言うか皆んな気づいてなかったみたいだけど、アルティメット・ハウンド・ドッグには融合召喚に成功した時、相手のライフを半分にする効果が有ったんだよな。しかもその効果、テキストを見る限り明らかに強制だったし。だから実は遊矢、負けてたんだよなー。

「えっ、そうなんですか!?……って無視しないでくださいよ!」

そして今週は、エドがとにかく酷かった!
エドが全くカッコよくなくて小者にしか見えないし、デュエル内容はD-HEROの魅力がない。
エド好きの俺を舐めてんのかと思ったよマジで。あれなら、エド出さないで欲しかった。
と言うか、ディストピアガイはもう飽きた。違うのを見たいんだよ!

「僕の話しを聞いてくだ」

と言うか、兄さんあんなにチョロくねぇよ!
苦労してカウンセリングした遊馬先生を馬鹿にしてんのかと思ったよマジでさ!
あれなら、カイトも出さないほうが良かったよ。
……あと最後に、お前を出さなかった理由は特にない。

「そ、そんなー」

……そう言えば、今日は龍亞、龍可の誕生日だったな。……まっ、いっか。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。